2018年11月1日木曜日

動物は人間よりも下等で痛みも感じない?!①

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。






前回ブログにつづいて「動物愛護」について考えています。

なるべくとっつきにくいお話にならないように注意しながら書いていきたいと思いますので、ぜひ敬遠せずにお読みいただければありがたいです。

今日はまず、「動物愛護」の概念がいつごろからどのように始まったか?についてお話しすることにしましょう。

「ブーブー」言いながらお読みください(笑)



【実は日本は動物愛護の先進国だった?!】


●「動物愛護」?何それ?っていう時代


犬好きな方なら、ドイツやイギリス、そして北欧諸国などは、日本よりもうんと動物愛護の考え方が進んでいるとお思いではないですか?

そして実際そうだとわたしも思っています。

けれども、ほんの300年ほど前まで、西欧文化には「動物愛護」という概念がほとんどありませんでした。

18世紀になるまで、西洋における動物に対する考え方はおおむね次のようなものでした。


「動物は人間よりも下等な生物であり、苦痛や痛みを感じることはないし感情もない」


フランス人の哲学者デカルトは「方法序説」(1637) の中で、次のように述べています。


「動物は精神を持たず考える事も苦痛を感じる事もないため、動物に対してどんなにひどい扱いをしようが間違いであることはあり得ない」


今から思えばビックリするような考え方ですが、その時代の人々はホンキでそう考えていたんです。

痛くもなければ感情もない・・・ということはすなわちただのうごめく物体のようなものですね。

ですから、13世紀ごろから18世紀の初頭まで、”ブルベイティング”という、繋がれた牛に犬たちをけしかけるという見世物がさかんに行われていましたし、その見世物を女性や子供も喜んで見物していたんです。




その人気のある見世物のために、人間たちはわざわざブルベイティングに適したブルドッグという犬種まで作り出しています。

ブルドッグの極端に短い(とゆーかペチャンコ)のマズル(鼻と口の突起)は、牛が暴れてもしっかりと食らいついて振り落とされないためですし、脚が短く体高が低いのは牛の角に狙われにくくするためですし、皮膚が分厚くてダヨンダヨンと動くのは、牛の角に突かれないためなんですね。

これを見物していて、女性たちが


「キャアー!そんなことをしたら、牛や犬が可哀想よ!!」


と騒いで社会問題になっていたなら、こんな見世物が500年間も続くはずもありませんね。


動物は痛みを感じないとホンキで信じていたとすれば、動物に対する酷い扱いについて、人々は罪悪感すら抱かなかった分、精神的にはラクだったのかもしれません。

・・・とはいえ、その当時すでに人間の身近に犬たちがいたことを考えれば、あの犬たちの豊かな表情や感情表現を目の当たりにしていながら、そのように思い込めていたことの方がフシギぃ~~~!!って思ってしまいますけれど・・・(-_-;)




●日本と西洋のちがい


前述のように


「動物は痛みも感じることができない下等な生き物である」


という考え方をしていたのは主に西洋文明の思想です。

では、日本はどうだったかというと、当時「動物愛護」という言葉こそなかったものの、むしろ動物愛護の精神については日本の方が西洋よりもうんと進んでいたともいえるんです。

それは、語り継がれてきたむかし話を見るとよくわかります。



◇西洋のむかし話


西洋のむかし話の中には人間が動物に姿を変えられてしまうお話がたくさんあります。

「かえるの王子様」とか「美女と野獣」なんかがそうですね。

それらは大抵、悪いことをした人間が魔女に呪いをかけられて動物の姿になってしまうという内容です。

つまり、下等な動物の姿にされてしまうことは人間にとって「罰」であり「屈辱」だという考え方なんですね。

逆に、動物が人間に姿を変えるお話はほぼありません。

あるとしても、元々人間が呪いで動物にされていたのが元に戻った・・・というパターンがほとんどです。


◇日本のむかし話


それに対して日本のむかし話に登場する動物たちは、もっと人間と対等な立場にいます。

人間が動物に優しくしてあげた結果、動物が人間に恩返しをするお話は、「鶴の恩返し」「狐女房」「おむすびころりん」など、いくらでもあります。

こういった恩返しモノのことを、「動物報恩譚(どうぶつほうおんたん)」と言うのですが、お話を通じて子供に伝えたい内容は


「動物にも優しくしてあげなさいよ~」


ということですね。

これは紛れもなく「動物を愛し、庇護する」という「動物愛護」の精神だとわたしは思うのです。


また、人間と動物が力を合わせて鬼退治をする(正義を行う)「桃太郎」のようなお話は西洋には見られません。

そして最も特徴的なのは、日本のむかし話には動物が人間に姿を変えるというものが数多く存在していることです。

「鶴の恩返し」では鶴が人間の美しい娘の姿になって恩返しにやってきますね?

人間よりも下等な動物が人間様の姿になるなんてこたぁー考えられない17世紀ごろまでの西洋の思想とはずいぶん違うワケです。



◇生類憐みの令以外にも・・・


歴史上の悪法として有名ないわれる「生類憐みの令」、これはご存じのとおり徳川綱吉が天和2年10月(1682年)に犬を虐殺したものを極刑にしたという法律です。

けれども、生類憐みの令よりもっと前の寛文10年(1671年)ごろの古文書から、その当時すでに許可なく犬を殺せば処罰の対象となっていて、犯人は追放や流罪に処されていたことがわかっています。

また、各藩においても犬殺しを重罪としていたというお話も伝えられています。

貞享4年(1687年)には、病気の牛や馬を捨てることを禁じた法令もありました。

西洋諸国で、まだブルベイティングに人々が熱狂していた17世紀に、日本でこのような動物愛護の精神が当たり前のように根付いていたことは、ちょっと意外ではありませんか?

そればかりではなく、もっともっと昔・・・天武4年(676年)4月17日に発布された、いわゆる肉食禁止令で、4月1日から9月30日までの間は稚魚の保護と五畜(ウシ・ウマ・イヌ・ニホンザル・ニワトリ)の肉食の禁止が定められたと「日本書紀」の記述にあります。

ただし、シカやイノシシ、野鳥といった狩猟されたものは除外されていました。


日本人のカルチャーでは、古くから動物を下等なものとは考えておらず、対等な存在として大切に接してきたことが垣間見えますね。



◇宗教観のちがい


このような西洋と日本の動物に対する考え方の違いは宗教観の違いが大きいといわれています。

西洋のキリスト教の考え方では、人間は神に似せて作られた、いわば神の申し子みたいな選ばれし存在なんですね。


「ほいじゃけん、人間が一番偉いに決まっちょろーがっ!!」(←なぜ広島弁?)


・・・ってことになります。


けれども仏教では不殺生を基本としていますし、輪廻転生の考え方がありますね?


「もしかすると自分は来世、ツルやカエルに生まれ変わるかもしんな~~い」


・・・って考え方があるワケです。

仏教の宗教観が動物への接し方に影響しているとすると、中国なんかはどーなんだろう?って気になってついでに調べてみたところ、やっぱり動物を下等生物とみなしてはいなかったようですね。

中国で古くから伝わる「田螺女房(タニシにょうぼう)」というお話は、寂しい独り身の青年が飼っていたタニシが美しい娘(タニシの精)になってお嫁さんになってくれるという内容です。



もうひとつ、日本独自の宗教として忘れてはならないのが神道ですね。

神道の考え方では、神様というのは特定の唯一神ではありません。

「八百万(やおよろず)の神」と言って、全てのものに神様が宿っている・・・という考え方です。

もちろん動物の中にも神様がいるということになりますから、オオカミや狐、蛇を神様の化身と考えていたってワケです。

神社には狛犬がいて、お稲荷さんにはキツネが祀られていますし、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)は大蛇ですね。



◇食肉の歴史


もともと、日本人の食肉の歴史を調べてみると、農耕民族の日本人には古来、食用の家畜を育てる習慣がありませんでした。

仏教伝来以降は一層、獣肉を食べることは敬遠されるようになっていきました。

だからといって、肉を一切食べていなかったかというとそんなことはなくて、狩猟で捕ったイノシシやクマ、シカなどを食べることは一般的なことでした。

ただ、飼育している動物を食べる・・・または食べるための動物を飼育する・・・という文化はなかったのですね。

日本人の獣肉の消費量が魚を上回ったのは第二次世界大戦以降のことだそうです。



今日ご紹介したお話は、文学史や動物愛護論などを学んだことがある人にはお馴染みの内容ですが、そういったことを学んだことがない人にとっても


「そう言われれば・・・そーかもしんな~い!」


という目からウロコの内容ではありませんか?



さて・・・以上の内容は、何も


「どうです?日本人のカルチャーって素晴らしいでしょぉ~?!」


ってな「日本礼賛」的なことを言いたくてお話しているのではもちろんありません。

むしろ、そんな「動物愛護」の精神が昔から根付いていた日本において、現在どうして西欧諸国に比べてこんなにも動物愛護後進国になってしまったんだろう?!

ってことを、みなさんと一緒に嘆きつつ考えたくてご紹介したものです。

むしろ、動物愛護の下地があったにも関わらず、今現在こんなにもヘッポコだってことを恥ずかしく感じなくてはなんないってことですね~(-_-;)



長くなるので、つづきはまた次回にお話しさせてください。

次回は、どのようにして西欧諸国が現在のように動物愛護先進国になっていったか?っちゅーお話です。





<今日のPetHotel11!>

朝の海岸さんぽ♪

Aくん、朝日の後光がハンパないね!

チャコ「バッキャローーーーーッ!!」
どしたの・・・?(;'∀')

ああ・・・ボスとナツだけ飼い主と波打ち際に
行っちゃったのね・・・(笑)

今日も気持ちのいい秋晴れだね~♪

ナツが気になっているのは
秋の空よりも海岸に不法投棄されている
壊れたドローンらしい・・・(-_-;)
ちゃんと持ち帰って捨ててねー!

お庭遊び♪
Aくん、見事な飛行犬!

Aくん「Bくん、どうしてオムツつけたまま遊んでるの?」
Bくん「いいの!だって暖かいんだも~ん♪」
お腹冷えないようにね(笑)

ボスがボールに飽きることってあるんだろーか(-_-;)

Aくん「あのぅ・・・・」
なあに?

Aくん「抱っこぉ~~~~~」
はいはい(;'∀')

2回目のお泊り、M弟くん
M弟くん「ヨロシク~~~♪」

同じくMお姉ちゃん「よ・・・よろしくお願いします」
笑顔がひきつってるよ(笑)
大丈夫。一緒に遊ぼうね~!

Bくんは本当に優等生みたいに
お散歩が上手になったねぇ~!

M姉弟もお散歩すごーく上手!!

どーもぉ~~~~~
トイプートリオでおま~~~~♪

Mお姉ちゃんもだいぶリラックスしてきたね!








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