動物愛護に関するお話をしている途中でしたが・・・
急遽予定を変更して「保護パピー”としお”」と題した記事を書かせていただこうと思います。
動物愛護のお話のつづきはもちろんさせていただきますが・・・少々小難しいお話が続いていたので、小休止にちょうどいいかと・・・(^_^;)
「大切なことなのは解ってるけども~・・・なんか難しくってつまんないわぁ~~(アクビ)」
なんてことでみなさんの興味自体を失わせてしまっては元も子もありませんからね。
(どーでもいいけど、この「元も子もない」って表現、小さい頃には「モコモコもない」だと思ってたなぁ・・・)
もちろん小休止というだけではなく、としおという子犬と、それを巡る他の犬たちの行動から、犬に関わるわたしたちが学べることは数多くあると感じていますので、この絶好の機会にぜひこの貴重な体験を共有させていただきたいと考えました。
すごく興味深いお話になること請け合いですので、ぜひ楽しみにお読みください。
【としおがやってきた!!】
●としおが保護された経緯
”としお”は雑種(MIXと呼ぶよりは雑種と呼んだ方がシックリくるタイプ)の推定3ヶ月の男の子です。
昨晩より特例として1週間お預かりすることになりました。
(原則、わたしたちはお預かりできるワンちゃんの年齢として、生後6ヶ月~10才程度としていますが、事情に応じて臨機応変に例外も設けています)
”としお”は、わたしたちのお客様(N夫妻)が山道を車で走っていたところ、側道の草むらにいるところを見つけてもらい、保護されました。
近くに親犬や兄弟犬の姿はなく、車で少し行った家の人に尋ねても心当たりがないとのことだったので、Nご夫妻は警察や保健所に届け出をしてご自宅に連れ帰ったそうです。
一体、どうしてそんなところに推定2ヶ月半(保護時)のパピーがひとりぼっちでいたのか・・・
どのくらいそこにいたのか・・・
などといったことは何もわかりません。
保護されたときの”としお”は爪がすっかり削れて肉球は真っ黒・・・きっとたくさんの距離を歩き回ったのではないかと推測される状態でした。
皮膚はところどころ傷やかさぶた、脱毛が見られました。
(今は少しずつ毛も生え揃ってきているところです)
”としお”という名前は、Nご夫妻が
「戌年生まれの歳男だから・・・」
という理由で名付けられました。
ステキな名前だね!”としお”♪
”としお”で~す!よろしくお願いしま~す♪ |
●たいせつな時期
やさしいNご夫妻に、すぐに獣医さんに連れて行ってもらった”としお”は、お腹の虫を退治するお薬や皮膚に塗布するお薬を処方していただき、後日、予防接種もしてもらいました。
Nご夫妻のお宅には既に先住犬が数頭いるため、これ以上は飼えません。
そこで、”としお”は信頼できる団体を介して新しい飼い主さんの元へ行くことになりました。
ただ、警察への届け出の関係で、すぐには新しい飼い主さんのところへ・・・というワケにはいきません。
それに、生後3ヶ月の今の時期は子犬の成長にとってものすごく大切な時期です。
社会性をつけることはもちろん、色々な人や犬に慣れたりと、できるだけ多くの経験を積むことによって、体も脳もどんどん発達します。
ちょうどお出かけの予定があったNご夫妻は、新しい飼い主さんにとしおをお渡しする前に、できるだけ今しかできない貴重な経験をとしおにさせたいと考えられた上で、わたしたちに「”としお”を1週間預かってはもらえないか?」とご相談下さったのです。
●1日目(昨晩)
Nご夫妻に連れられて”としお”がやってきたのは昨晩のことでした。
PetHotel11!には10匹のワンちゃんたちがいました。
初めて来る場所に、知らないオジサンとオバサン・・・そして大勢の知らない犬たち・・・
最初、”としお”は少し戸惑った様子でしたが、1匹ずつ引き合わせるとすぐに馴染みました。
そして、”としお”を迎え入れた犬たちの様子・・・特にナツの見事な対応についてお話させてください。
◇犬たちの反応
まず、”としお”がやってきた時の犬たちの反応は、他の犬がやってきた時とは明らかに違いました。
普通は、
「お、誰か来たぞ!どんなヤツだ?ヘンなことしたらタダじゃおかねーぞ!」
といった感じの「緊張感」が犬たちの間に漂います。
探り合いの時間があるんですね。
ところが、としおを見た犬たちは、すぐにそれが庇護するべきパピーだということに気づいたのでしょう。
警戒心ゼロ。
そして、あるのはただただ興味オンリー!
という空気でした。
全員、”としお”に釘付けになったんですね(笑)
PetHotel11!はペットホテルなので、当然毎日のようにワンちゃんがやって来たり帰っていったりと出入りは激しいのです。
通常、新入りがやって来た時には、それまで新入りだった子がひとつ格上げになり、態度が少々大きくなります(笑)
群のリーダーはもちろんわたしたちなのですが、犬たちの中でトップに君臨しているのは、明らかに超長期お預かり犬のナツ(チワックス7才♀)です。
ナツは常に部屋の一番居心地のいい場所(冬は暖かいクッション、夏は最も涼しいシンク下のスペースなど)に陣取っています。
その横には、子分のボス(ダックス7才♂)と我が家の愛犬チャコ(MIX推定5~6才♀)がいます。
左:ボスという名の子分(笑) 中央:女帝=ナツ 右:癒し系担当の子分 チャコ |
新入りのワンちゃんは、既にいるメンバーたちからクンクンチェックされます。
自己紹介タイムですね♪
そして、新入りのワンちゃんは群の一員だと認められるまではナツたちがいる場所に近づくことも許されません。
(その犬の態度次第ですが、大抵は半日~1日で群の一員と認めてもらえます)
そのため、社会性の高い子はそういったことをよく心得ていて、自分が群に認められるまではナツたちがいる場所とは対角線上の一番遠い場所に遠慮がちにいることが多いんです。
いきなりナツたちがいる場所にドカドカと近付こうものなら、お昼寝していたナツやボス、チャコが鉄砲玉のように飛び出して
「ガルーーッ!」
と追い払われてしまうんです(-_-;)
犬のことをよく知らない人が見たら
「んまぁ!なんてイヂワルな犬たちなんでしょー?!」
と思ってしまいそうですが、ナツは毎日のようにメンバーが入れ替わる特異なペットホテルという環境の中で、犬同士の致命的な争いが起きないように、しっかりとルールの徹底をはかってくれているのです。
ですから、”としお”という新入りを迎え入れた犬たちの反応は、ナツの反応ひとつで決まるといっても過言ではありません。
ナツはとても賢い犬で、日頃から新入りがまだ幼くて社会経験が浅い子だったり、老犬や体が弱い子だったりした場合は、手厳しい対応を一切しません。
他の犬たちもその様子を見て、
「ああ、この犬には優しく接しなくてはならないのだな」
と感じ取るというワケです。
ですから、わたしたちは”としお”をお預かりすることにした時から、きっとナツはとしおに優しく接してあげるだろうとは思っていました。
けれども・・・ナツの反応は、わたしたちの期待を大きく上回るものでした。
長くなるので、つづきはまた次回にさせてください!
<今日のPetHotel11!>
朝の海岸さんぽ Aくん、今日も立派なウンチが出ました♪ Aくん「発表しないでよ~う」 |
Lちゃん、波打ち際でいつも以上に テンション高め(笑) |
こっちは別のAちゃん(笑) やっぱりちょっとだけテンション上がってまーす |
JくんとAちゃん、ふたりとも としおに優しくしてくれてありがとうね~(^o^) またお泊りにおいでね! |
ボール遊びが大好きなM弟くん 体柔らかいねぇ~~~! |
社交性は弟くんの方があるけど、 いざとなったらMお姉ちゃんがサっと出てきて 弟を守ってあげるんだよ! |
他の犬がとっても苦手なCくんは 現在社会勉強中~! 今回の1泊でだいぶ成長したね!! お疲れ様でした(^o^) |
としお「Cくん、ボクと遊んでくれるかな・・・」 Cくん「コッチにこないで!」 |
としお「ウリャウリャ♪」 Cくん「やめろっ!」 |
としお「ホーラホーラ♪」 Cくん「しら~んぷり」 |
としお「ダメか・・・」 Cくん「これも社会勉強だ」 |
ナツとチャコはジっと見守っています。 (ボスはジっと居眠っています) |
Nご夫妻が山道で見つけた時、 さいしょは「コブタか?」って思ったんだって(笑) |
おや?なんだあの物体は・・・?! |
あはは・・・ |
ジャンプしまくるM弟くんでした~(笑) |
Aくんのマット(特等席)で ビヨヨーーーンってのびる |
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