2018年11月2日金曜日

動物は人間よりも下等で痛みも感じない?!②

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。




前回ブログのつづきです。


【西欧における意識改革】


●動物愛護(動物福祉)の議論


前回のブログでお話してきたように、現在は動物愛護先進国と言われている西欧諸国では、17世紀ぐらいまでむしろ動物を人間よりも下等な生き物とみなし、動物は苦痛を感じないのだと考えていました。

18世紀に入ると、こうした考え方に疑問を呈する人々が出てきました。


フランス人のジャン=ジャック・ルソー  は、「人間不平等起源論」 (1754) の中で次のように述べています。


「人間は『知性と自立した意思を欠いた存在』でこそないものの、出発点は動物である。

さらには動物は感覚を持つ存在であるため、『自然権を持つものに含まれるべきであり、人間は動物に対して責務を負っている』

とりわけ『無益に虐待されることのない権利を有するものである』」


ドイツ人の哲学者イマニュエル・カント


「動物は人格ではなく物であり単なる手段として使ってかまわない。

ただし動物を残虐に扱う習慣は、他の人間に対しても冷酷にふるまう行動につながってしまうため慎むべきである」


として、動物の権利ではなく人間の道徳心を守る観点から動物に苦痛を与えることを否定しました。


18世紀後期には、近代功利主義の創始者でイギリスの哲学者のジェレミー・ベンサムが、


「動物の苦痛は人間の苦痛と同じくらい確かで類似したものである。

理性があるかどうかではなく、苦しむかどうかということこそが、我々が人間以外の存在を扱う際の基準であるべきだ。

もし理性的能力が基準となるのであれば、赤ん坊や障害者などを含む多くの人間が物の様に扱われることにならなければならない」


と論じることで、人々に大きな問題提起をしました。


19世紀に入り、森鴎外など日本の多くの作家にも影響を及ぼしたドイツの哲学者 ショーペンハウエル


「動物は理性的能力が欠けているにもかかわらず、人間と同じ本質を有する」


と述べ、動物への道徳的配慮として動物実験に反対の立場を表明した一方で、菜食主義に対しては「必要以上のものだ」としました。


イギリスの社会改革者、ヘンリー・ソルトは1892年に著書『Animals' Rights: Considered in Relation to Social Progress』で動物の権利の概念を主題として扱いました。

またソルトはこの本を出版する前年にスポーツとしての狩猟を禁止することを目的とした、人道主義同盟 (Humanitarian League) を設立しています。


1964年にイギリス人のルース・ハリソンが出版した『アニマル・マシーン』で工場畜産や動物実験の実態を告発すると、動物福祉(愛護)の議論は一般の人々の間にも広がっていきました。


このようにして徐々に下地が出来上がっていた動物福祉運動や動物の権利運動のさらなる火付け役となったのが、オーストラリア出身の哲学者 ピーター・シンガー(現在は米プリンストン大学教授)が1975年に出版した『動物の解放』という本だと言われています。

シンガーは『アニマル・マシーン』のように動物の凄惨な状況を示すだけではなく、「種差別(生物種による差別)」という概念を用いることで、


「動物に対して行われていることは奴隷制度下における「人種差別」と同じ種類の問題である」


と主張し、その当時の人々の良心に一石を投じました。

この本は、現在もしばしば動物権利運動のバイブルとして取り上げられています。

シンガーは特に、動物実験と工場畜産を批判しています。

工場畜産については、このシステムに経済的な援助を与え、その存続を支持することを避けるため、工場畜産で生産された肉や卵、牛乳の消費をやめるべきだと主張して、30年以上に渡る菜食主義を貫いています。

一方でシンガーは、動物を苦しめずに殺すことは問題にならないという立場を取っています。


「人間などの高等な生物は生活計画を持っているので、それを殺して妨げるのは不正だが、生活計画を持たない生物を苦しめずに殺すのは不正ではない」


という考え方です。


※上記でご紹介している各人の主義や意見は、わたし個人の意見とはまったく無関係の史実ですので、誤解なきようにお願いいたします。



●強い罪悪感からくる反動


西欧諸国では、動物を下等とみなして虐げてきた歴史がありました。

更にその後、産業革命によって経済活動が活発化したことによって、牧畜や食肉工場のあり様が急速に合理化されていきました。

より効率よく、より大量に生産して売りさばくことを競い合うことによって、狭い空間に動物たちを閉じ込める、およそ「のどかな牧場風景」とは程遠い、動物をモノ扱いする酷い畜産工場が当たり前になっていきました。

動物福祉や動物愛護の概念は、その産業革命とほぼ時を同じくして議論されてきたことがわかりますね。


もしかすると、西欧の現在のような動物愛護に対する進んだ考え方や運動は、西欧人たち自身が、自らの動物たちに対して行ってきた酷い仕打ちを自覚して猛省するところから自然発生的に始まったものなのではないかと思っています。

長い間、考えに考え、議論に議論を重ねて少しずつ確率してきた概念だということです。



●受け身の日本


一方、日本では、明治時代になるまで食肉の文化自体がほとんどありませんでした。

食肉の文化は文明開化の香りと共に、物珍しい西欧文化として日本に入ってきました。

見よう見まねで調理した肉は血抜きなどの食肉加工技術が未熟だったため生臭かったりして、なかなか一般庶民の口に入るまともな肉はありませんでしたし、食肉に対する人々の抵抗もまだまだ強かったようです。

もちろん、当時の庶民の口に入るような価格で手に入るほど食肉が流通もしていませんでした。

そうしたことから、日本で食肉の消費量が魚を超えるのは、太平洋戦争後の高度成長期に入ってからです。

ソーセージの原材料として哺乳類の肉が魚肉を上回ったのは、なんと1975年のことだそうです・・・

・・・って、ワタシ・・・そのころワタシ・・・ってば・・・


もう生まれとるやないかいっ!!Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン


(ショーゲキぃ~~~~!)


つつつ・・・つまり・・・(←動揺が隠せません)


・日本には動物を対等とみなし、おおむね慈悲や愛護の精神を持って動物に接することを是とする考え方が元々あった。

・高度成長期になって急速に浸透していった食肉文化と牧畜や食肉加工などの産業や技術は、欧米から入ってきた新しいムーブメントとして受け入れられた。

・日本に食肉文化が根付くころには西欧ではすでに動物愛護の議論が成熟しつつあって、その考え方も同時に海外から入ってきた。


ということになりますね。


ですから、日本人にとって動物愛護の概念そのものが、自分たちの過去の行いへの罪悪感や猛省から自発的に熟考したり議論を重ねたりした結果生まれたものではないということです。


なんとな~~~く受け入れて、なんとな~~~く流されて今がある・・・というのは少々言い過ぎかもしれませんが、強い反動から


「動物たちの権利を断固として守らなくてはっ!!」


という高い意識を自発的に持つようになった西欧諸国とはやはり熱量が違うのかもしれません。



上記のようなことは、日本人の「民主主義」そのものに対する感覚とも少し似通っているように感じています。

わたしは、日本人が民主主義を自らの手で勝ち取ろうとしなかったとは考えていません。

現に、幕末の志士たちの「世の中を変えたい」という情熱が起こしたある種の革命によって明治維新がありましたし、明治時代には「自由民権運動」がさかんでした。

けれども、残念ながら民衆が自らの手で本当の意味での主権を手に入れることが叶わないまま、日本は戦争に突入してしまいましたので、結果的に現在の民主主義の基本となる日本国憲法はGHQの草案を元にして作られました。


日本人の多くが、


「動物たちが日々、こんな酷い目に遭っているんですよ?!」


だとか


「もっと政治に関心を持って選挙に行かないと民主主義が崩壊しちゃいますよ?!」


などと聞いても、その場だけΣ(゚□゚;)とするけれど、なんとなーく


ボケラ~~~ とか ポカーーン とか ヘラヘラ~~ とかしている理由のひとつには、今のライフスタイルそのものの基礎が「受け身」と「模倣」で構築されているから、自分たちの問題だという自覚が少ないってことがあるかもしれませんね。


だから!!

わたしたち日本人は、


「コレでいいのか?本当に?」


という問題意識を持って各人が一生懸命悩んだり考えたりすることを意識的に行うことが、ことさら必要なのではないかと思っています。



さて・・・なんかちょっとタイクツな授業みたいな記事になっちゃいましたけど・・・

(全員寝てたりして・・・・)


次回からは早速、いろんな問題について一生懸命考えていきたいと思いまーーす!





<今日のPetHotel11!>

朝の海岸さんぽ♪

いい感じの枝をゲットしたボス

ボス「ほしい?あげないよ!」

いらないよ~~~~~~だ(-_-;)

どーも~~♪ウリだよ~~~~~ん!
今日はボクより大きな子がいないから
サイコーなの♪

ヤマザキ秋のクンクン祭り♪

よろしく~~♪

よろしくよろしく~~~♪

よろしくね~~~~ん♪

さ、もう挨拶はいいからあそぼあそぼっ♪

追いかけっこは定番だよね!

ヒャッホーーーイ♪

オリャオリャーーー!!

Mお姉ちゃん「ヨッコラ・・・」

「ショッっと~~・・・」

Mお姉ちゃん・・・?
「ん?なあに?」

それじゃあ・・・
どんどん沈んでいかない?
Mお姉ちゃん「・・・かもしれない」

M弟くん「お姉ちゃん、みんなと遊ぼうよ!
楽しいよ♪」
Mお姉ちゃん「ダメよ、あぶないわよ!」

Mお姉ちゃん「ワタシが弟を守らなくっちゃ!」

M弟くん「楽しそうなのになぁ~・・・」
Mお姉ちゃん「ダメよ!」
・・・心配性ね~(;^ω^)

トライアルでお泊りのTくんは・・・
みんなとお部屋では楽しそうにできるのに・・・
お散歩はどーしても「イヤだ」って歩かない(;^ω^)

仕方がないからお庭でひとりお散歩ごっこをしたよー(笑)
楽しんでくれたからまいっか♪

暗くなってから来てくれたLちゃん
明日いっぱいお外遊びしよーね~!


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