2018年9月7日金曜日

セカンドオピニオンのススメ④

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。





前回ブログのつづきです。


【誤った診断が招く悲劇を避けるために】


●慢性膵炎と診断された結果


Mくんは1才になる前から慢性膵炎と診断され、ずーっと缶詰の療法食を食べ続けていたことによって、かえって血液がドロドロになったり歯石を溜め込んだりしていたことが判りましたね。

もし、Mくんが本当に慢性膵炎だったなら、これらのことは膵炎対策とトレードオフの副作用だと考えられたかもしれません。

けれども、慢性膵炎でないならぜんぜんお話は変わってきます。

これらはMくんの健康にとってまったく意味のないマイナス要素でしかないんですから・・・。


今回の検査結果を知った飼い主さんは、


「慢性膵炎ではなかったのは、本当によかった・・・!

でも、Mのためにとずっと続けてきたことがかえってMのためにマイナスだったことに、大変なショックを受けています・・・

缶詰フードだって、『高いなぁ・・・』と毎回思いながら、Mのためなら背に腹は替えられないと思っていたのに!!」


とおっしゃっていました。

まったくその通りですよねぇ・・・(-_-;)



●「膵炎病院」?!


今回、Mくんの診断結果に


「やっぱりね~!」


という反応をした先生は、獣医師さんのこんな裏事情を教えてくれました。


「獣医師仲間の間では割とよく聞く話なんだけど、特定の動物病院にかかっている子に、やたらと『膵炎』という診断をされている子が多かったりするんだよね・・・」


「それってどういう意味?」


「飼い主さんが『ウチの子、膵炎なんです~!』って言いながら連れてくるワンコが、どこで膵炎と診断されたかを訊くと、だいたい決まった病院名が挙がってくるってこと。

で・・・実際に検査をしてみるとぜんぜん膵炎じゃなかったってことが多いんだよ。

ボクらはかってに『膵炎病院』って呼んでるんだけどね~(笑)」


「な・・・なんでそんなことが起きるの?!」


「さあ~・・・理由はひとつじゃないとは思うけど・・・」


先生との会話の中で、『膵炎病院』が存在する理由について、いくつか見えてきたのは次のようなことです。



●膵炎病院のナゾ


◇医師の経験不足


まだ若く経験の浅い獣医師の多くは、たくさんの情報を総合的に判断することが難しいので、例えば血液検査をしてリパーゼ値が高いとなると、簡単に「膵炎」という診断をしてしまうという過ちを犯しやすいそうです。

経験を積んで長く色んな子を実際に診ているうちに、リパーゼ値が高い子をみんな「膵炎」にしちまうと・・・


やたらと「膵炎」の犬、多くな~~~い?!

日本の犬の膵炎率高すぎダローー?!

それっておかしくな~~~い?!


・・・みたいなことに気づくはず(-_-;)


今回Mくんに「膵炎」の診断を下した動物病院は、数名の勤務獣医師がいるので、もしかするとそういう先生に当たったのかもしれないというんです。


経験不足の獣医師にとって、最も怖いのは


「重篤な症状を見落として、あとで取り返しのつかないことになること」


です。

つまり、「膵炎」という重篤化すれば命が危険に晒される病態を見逃してしまうことは、医師にとっても大変リスキーですが、逆に単なる「ハライタ」を「膵炎」と診断してしまうことによる命のリスクはありません。

そのため、単なる「ハライタ」かもしれなくても、リパーゼ値が高く出て、少しでも膵炎の可能性があれば「膵炎」を想定して2~3日入院させて絶食療法をした方が安心ということですね。


実際に、Mくんの場合も生後7か月の時に「膵炎」と診断され、数日間入院になったそうです。


なるほどなるほど・・・

わたしたちも、


「ちょっとゾクゾクするなぁ・・・」


って時に、風邪じゃないかもしれないけど、もし風邪の初期症状だったらイヤだから念のため風邪薬でも飲んで早めに寝よ~っと・・・


みたいなことはしますね。


経験の浅い獣医師さんたちが、リスク回避のためについ


「疑わしきは膵炎!」


とやってしまう気持ちは、解らないでもありませんね・・・



◇医師の真剣さ不足


自分の名前を看板に出して、莫大な設備投資をし、


「よぉ~し、この土地で頑張っていくぞ~~~!!」


と開業している獣医師と違って、勤務獣医師はやはり背負っているものの重みが違います。

そのため、次から次へとやってくる患者(患獣)に対する真剣さや責任の感じ方は、どうしたって変わってくるといいます。


「この病院で2~3年経験を積んだら、もう少し大きくて待遇のいい病院に移ろうかな~」


とか


「資金が溜まったら田舎に帰って自分の動物病院を開業するぞー!」


といった考えでいる勤めの獣医師にしてみたら、目の前のワンコや飼い主さんと今後10年以上のお付き合いになるかもしれないという意識は芽生えにくいかもしれませんね・・・

そうなると当然、優先的に考えるのは、


「自分の経歴に傷がつかないように気を付けなくっちゃ!」


ということになって、やっぱり結果的に


「疑わしきは膵炎!」


ってやっちゃうのかもしれませn・・・(-_-;)



◇膵炎は儲かる?!


膵炎の疑いがあるとなれば、精密検査(チャリ~ン♪)も兼ねての入院治療(チャリ~ン♪)となることがほとんどです。


獣医師が一度「膵炎」と診断した犬について、


「スミマセン、やっぱり膵炎じゃーありませんでした~(テヘペロ♪)」


と言うことはまずないでしょう。

信用問題になっちゃいますからね・・・(-_-;)


すると、当然のことながら退院する際には次のように飼い主さんに伝えることになります。


「一度膵炎をやった子は、またなる可能性が高いので、食事には気を付けなくてはなりません。

療法食を食べるようにして、おやつなどは絶対にあげないように。

また、定期的な健康診断も怠らないように。

一緒に頑張りましょうね!」


※ ↑膵炎の犬に対するまっとうなアドバイスです。



そうなると、飼い主さんはカワイイ愛犬のためにせっせと通院(チャリ~ン♪)して定期検査を受ける(チャリ~ン♪)でしょうし、そのたびに療法食を買う(チャリ~ン♪)ことになりそうです。

愛犬がずーっと膵炎の症状を見せなければ


「先生の言う通りにしているおかげで、この子は健康に過ごせているのだわ~!

ありがたいわ~!」


って飼い主さんは思うことでしょうね。


でも、そもそもその子が最初から膵炎じゃーなかったとしたら、コレってもうただの・・・


金づる?(チャリンチャリ~~ン♪)(;・∀・) 


なんだかとってもモヤモヤした気持ちになりますよねぇ~~!

もし、動物病院がそんなことを狙って「膵炎」の診断を乱発しているのだとしたら、愛犬を思う飼い主さんの想いを利用した悪徳商法に近いと言わざるを得ません(プンスカプン)



●飼い主さんが賢くなろう


上記のような「膵炎病院」の存在に加えて、今回獣医さんがMくんの膵炎診断を疑った一番の理由はやはり、


Mくんのかかりつけ獣医師が、下痢をしているというMくんに何ら検査を行わなかった点


でしょう。

獣医師なら、慢性膵炎の犬が下痢をしたと言って病院にやってきたら、真っ先に持病の膵炎の悪化、すなわちリパーゼ値の急上昇を疑ってすぐに検査をするはずだからです。


わたしは、今回いろいろなお話を獣医さんから伺って、


「Mくんのかかりつけの獣医師は、実はMくんが本当は膵炎などではないことを一番よくわかっていたのではないか?

だから、今回Mくんが下痢をしたと来院した時も、何一つ検査をすることなく、ごく一般的なハライタのお薬を処方したのではないか・・・?」


とすら疑ってしまいました。

最初から膵炎ではないことがある程度判っていたのか、定期健診によって経過を診ていくうちに判ったのかまでは不明ですが、飼い主さんによるとその獣医師は通院のたびに毎回


「ちゃんと療法食を続けていますか?再発しやすいので注意してくださいね!」


と飼い主さんにアドバイスしていたそうです。

そのため、飼い主さんもMくんの食事には相当ナーバスになっていたとのことです。


これって・・・ずいぶんと悪質だと感じたのはわたしだけでしょーか?



人間と違って動物は症状を口で説明することはできませんし、わたしたち飼い主はほとんどの場合、獣医さんの診断を鵜呑みにするしかないのが現実です。

当然、わたしたち飼い主が素人判断で勝手に獣医師の診断を疑ってかかり、自己流の治療法を試すなどというのは大変危険なことは言うまでもありません。

ですから、愛犬が「慢性○○」と診断されたり、大きな病気だと診断されたような時にはぜひ、セカンドオピニオンや必要に応じてサードオピニオンといった形を取って、愛犬の健康にとって最適な治療方針やフードを賢く判断することをお薦めします。


Mくんの場合、今回の件が発覚する前から、飼い主さんは周囲の人からかかりつけ獣医師のあまりよくない評判をきいていて、ちょうど病院を変えたいと考えていらっしゃったそうです。

評判のよい動物病院でも、獣医さんが変わったらまったく違う病院みたいになっちゃった!って例もよく聞きますから、常にアンテナをピンと立てて、厳しい目でしっかりと獣医さん選びをすることも大切ですね。


コチラ↓はよい獣医さんを選ぶコツについて以前書いた記事です。


いい獣医さんを選ぶコツ


よろしければぜひ参考にしてみてください。



わたしたち飼い主の厳しい目が、獣医さんがいい加減な診察をすることを抑止するもっとも確実な方法なのかもしれませんし、それは本当によい獣医さんを育てることにもつながっていくことと思います。


あやしい商売をやってボロ儲けするような獣医師が自然に淘汰されていくような国にしていかなくっちゃーいけないねっ!ってことを強く感じた一件でした。






<今日のpethotel11!>

日向ぼっこ日和♪

ナツは大好きなスロープの上で・・・

すっかり元気になって、心なしか
貫禄が増したような・・・(;'∀')

ボスもながーーくなって・・・
脚、みじかっ!!(笑)

何を言われたってボールがあれば
ゴキゲ~ン♪


3ヨーキーズがお泊りに来てくれたよ♪

はじめまして~♪
ん・・・?なんかちょっと通じるモノを感じる・・・
(そりゃそーだ、チャコはヨーキー×シーズーなんだよ)

ママ、アタシたち楽しんでるから心配しないでね~!

ボクも、みんなととっても仲良くしてるから
心配しなくて大丈夫だよ~~!!

夕方になってやってきてくれたR兄くんと

R弟くん♪
すっかり別荘気分で早速くつろいでま~す!

夕方のお散歩♪
雨が降らなくてよかった~(^▽^)

あれあれ?誰か来たよ!!!
大注目を浴びているのは・・・

夜になってやってきてくれたBくん
ナツが珍しく大はしゃぎで出迎えます(笑)

チャコはもういきなり抱き着いてチュッ!!

Aちゃんからも熱烈歓迎を受ける
魔性のモテモテ男子 Bくん!!

ナツとチャコの態度に
面白くないのは当然・・・
ボスだよねぇ~~~~

あからさまにイジけすぎ・・・(-_-;)






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