2018年9月6日木曜日

セカンドオピニオンのススメ③

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。





前回ブログのつづきです。


【ウソみたいなホントのお話】


●飼い主さんへのご報告


獣医さんでの診断結果と、獣医さんから言われた”気になる内容”を早速メールで飼い主さんにご報告しました。


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Mくんのお腹からはクロストリジウムという芽胞菌が検出されました。

Mくんのウンチを他のワンちゃんが舐めたりしないように必要に応じてMくんを他のワンちゃんから隔離することもありますので、ご承知おきください。

お薬を全て飲み終えたら獣医さんに再診してもらい、クロストリジウムの値が正常に戻っていればOK。

正常値にもどっていなければお薬を追加服用してもらうことになります。


それとは別に、獣医さんがMくんの膵炎について疑わしいとの見解を示されました。

理由は次の通りです。


・慢性膵炎の犬が下痢をして来院した場合、膵炎の悪化を疑って精密検査をするのが普通なのに、今回何も検査をすることなくお薬を処方しているのはおかしい。

・この若さで慢性膵炎になる犬はあまり多くはないこと。


もしご希望があれば、次回の再診時にセカンオピニオンとして、こちらの獣医さんに検査してもらうことも可能です。
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すると、飼い主さんからは


「ずっと膵炎だと思い込んで、缶食を続けていたのに違ったかもしれないと知りショックを受けています。

でも、元々かかっていた獣医さんはあまり周囲の評判がよくなく、ちょうど病院を変えたいと思っていたところだったので、ぜひ検査をお願いできますか?」


というお返事をいただきました。



●検査結果と医師の所見


さて、Mくんの再診日がやってきました。

飼い主さんのご意向を伝え、血液検査をしてもらった結果は・・・


「やっぱりぜんぜん膵炎じゃないね♪」


オーマイガッ!!!Σ(゚□゚;)


更に先生から伺ったお話をまとめると、次のようになります。


◇膵炎の診断の難しさ


昔は膵炎の診断は本当に難しかったが、5年くらい前からいい検査方法が確立され、血液検査である程度のことが判るようになったそうです。

膵炎の最も特徴的な症状としては、「血液検査の結果リパーゼ値が異常に高い」ということが挙げられます。

ただ、ひとつ問題があって・・・

このリパーゼ値というのは膵炎以外でも上昇することがあるそうな。

つまり、リパーゼ値が正常値ならば膵炎ではないといえる。

でも、リパーゼ値が高いからといって絶対膵炎だとは限らないってこと。

そのため、獣医師は診断をする際、以下のことを総合的に判断しなくては正確な診断はつけられないはずだそーです。


・リパーゼ値

・犬が示している症状

・犬がそのような症状を示すようになる前にどういったものを口にしたか?といった問診結果

・レントゲンやエコーによって診た膵臓および他臓器の状態

・定期健診による継続的なリパーゼ値の推移



今回、血液検査をしてもらった結果、Mくんのリパーゼ値は正常値の範囲内で、しかも若干低めなくらいでした。

(正常値:10~160 に対して Mくんのリパーゼ値は 67でした)

そのため、少なくともMくんは現在「膵炎ではない」ということになりますね。



◇血液ドロドロ


Mくんは慢性膵炎ではないことが判りましたが、その代わりに血液検査から別な問題がいくつか判明しました。


・Hb(ヘモグロビン濃度)が高い

・RBC(赤血球数)が高い

・PCV(血液の濃度)が高い


この状態は脱水傾向と多血傾向を示しているそうで、簡単に言うと「血液ドロドロ状態」ということになるそうです。

実は、検査をする前から先生はこの数値を予言していました


「缶詰食ばっかりずーっと食べてる子ってさ、あまり水を飲まなくなるから、脱水症状示す子が多いんだよね~」


検査の結果、ビンゴ!でした。

確かにMくんは、他のワンちゃんに比べてあまり水を飲まない子でした。

缶詰には水分がとても多く含まれているので、水分が十分に摂取できるように思いますが、それだけでは不十分なのだそうです。



◇肥満気味


更に先生からはMくんの肥満を指摘されました。

前回のブログでもお話した通り、Mくんはかかりつけの獣医師が指定した缶詰の療法食を食べていたワケですが、その量がすごかったんです(;・∀・)

お皿に盛ると、


「え・・・こんなに~~?!」


ってちょっと引くぐらいの量でした。

いくら療法食で脂質がカットしてあるといっても、それを毎食山盛りに食べていたら肥ってしまうに決まっていますね・・・



◇歯石の量がエグい


以前から先生は、「犬にはカリカリフードが一番だ」といつもおっしゃっています。

その理由は、カリカリフードだけを食べている子は、おおむね歯石が少なく、当然歯肉炎などになる確率も低いからとのことです。

カリカリフードだと歯石がつきにくい理由は、


・ネチャネチャと歯にこびりつきにくい

・しっかり咀嚼することによって良質の唾液が分泌され、それが歯周病の元になる悪玉菌をやっつけてくれるから。

・たとえあんまり噛まない子でも、フードを消化するために酵素をいっぱい分泌するので、やはり唾液が良質なものになるから。


じゃないかと思いますが、理由なんかよりも、多くの犬を診断してきた先生の経験上、


「カリカリフードだけ食べてる子は歯石が少ないんだよ」


っていう事実を、わたしたちは重視すべきかもしれませんね。


そして、1才になる前に慢性膵炎と診断されて以降ずーっと缶詰のウェットフードを食べ続けてきたMくんの歯石は・・・


「まだ生まれてから2年しか経っていない子の歯とは思えないくらい歯石がエグいことになってる」


という状態でした。


Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン


「スケーリングしなくちゃダメなレベル?」


と訊くと、


「今の状態は、カリカリフードを食べている子の5~6才くらいのレベルだから、今以上に歯石をつけないように頑張って歯磨きして、この状態をキープしたまま5~6才までいければ大丈夫。

歯石取りだけのために麻酔で体に負担をかけるなんてバカバカしいよ。

今後、何かしらどうしても手術せざるを得ないような病気になるかもしれないから、その時についでにスケーリングをすることにしたらいいよ」


(´▽`) ホッ



●ドライフードを購入


結論として・・・


Mくんはただちに缶詰めフードをカリカリフードに変更する。

ただし、適正体重に戻るまではいわゆるダイエットフードにする。

そして、歯石をこれ以上絶対に増やさないようにおうちでの歯磨きを頑張りましょう。

そうした生活をしばらくしてから、また血液検査をして


・血液ドロドロが改善されたか?

・リパーゼ値が上昇していないか?


を見てみるといいんじゃな~い?


ということになりました。


「ウチにはカリカリダイエットフードは置いていないので、お薦めのものを買っていきたいんだけど・・・」


「一応あるけど・・・特にお薦めのものっていうのは正直ナイよ。

ダイエットフードでMくんが気に入って食べるものなら何だっていいんだよ。

ウチで出せるダイエットフードは獣医師専用のモノだからネットとかでは購入できないんだよね~。

今日出したのがなくなったら、ネットで安いダイエットフードを買ってあげたっていいんだからね~♪

飼い主さんにはそう言ってあげてよ!」


「アイアイサー!!」




さてさて・・・いろいろなことが判ってしまいましたね。

先生からは、更にビックリするようなお話を伺うことができたんです。



でも、長くなるのでそのお話は次回にさせていただきまーす(;^ω^)




<今日のpethotel11!>

チャコはカニさんが大好き

鼻を挟まれても好きなの~~♪

ネコ、リス、ミミズ、セミは追いかけ回すナツ
だけどカニさんには興味ナシ!(笑)

ボスは、興味はあるけどちょっと怖いんだよね(笑)

カニさん、バイバ~イ
また明日ね~♪

すっごくいいお天気になったから・・・
「ソレイッ!」ってやってきたのは

ウリだよ~~~~~ん!!

今日は苦手な子もいなくて、ずーーーっと
お庭を走り回ってたね(;^ω^)

はぁ~~~~よく遊んだ♪
いいウンチも出たし、よかったよかった(^▽^)








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