2018年9月2日日曜日

咬み付きFくんのお話(オマケ)

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。





前回のブログでご紹介した「咬み付きFくんのお話」に、いくつか補足説明をさせていただきたいと思います。


【2ヶ月以上も前のお話です】


何人かの方から


「だだだっ 大丈夫ですかー?!」


とご心配の声をお寄せいただきましたが、前回ご紹介したエピソードは2ヶ月以上も前の出来事です。

お陰様でもうすっかり傷も治り、不名誉な傷跡となっておりますので、どうかご心配なく・・・(^_^;)



【本気咬みの犬について】


●「咬む」犬って?


一口に「咬む」と言っても、人によって感じ方や表現方法は異なります。

中には「甘咬み」(要するにカプッ♪って咬むフリですね)でも


「咬んだ咬んだかんだぁあ~~~!!」


と大騒ぎする人もいますし、出血するほど咬まれても


「夢中で遊びすぎてちょっと歯が当たっちゃったみた~い♪」


なんて表現する人もいます。

ですから、わたしたちはそういうお話を飼い主さんから伺っても、実際に自分の目で確かめるまでは気を抜けません(笑)



●甘咬みならば大丈夫?


じゃあ、「甘咬み」ならOKか?


・・・というと、決してそんなことはありません。

もちろん「甘咬み」と「本気咬み」は大違いです。

人間に例えるなら、


「甘咬み」は、理性を持って相手に怪我をさせない程度に加減しながら人を平手でバシンと叩く人。


「本気咬み」は、後先考えずに、とても笑って済ませられないくらいの強さで相手に痛恨のグーパンチを食らわせる人。


とゆーよーな違いです。

両者の行動の間には大きな大きな隔たりがありますね。

けれども、前者が例えば酔っ払って力加減がわからなくなったらどうでしょう?

つまり、ふだんから「人を叩く」ということに対するハードルが低い人は、何かの拍子に「痛恨の一撃」に至る可能性も、絶対に人に手を挙げない人に比べて格段に高いっていうことなんです。


愛犬の「甘咬み」を許していると「本気咬み」に発展する可能性がとても大きくなるのは事実ですから、


「人に歯を当てる行為自体、ぜったいにやっちゃダメーー!」


ということをシッカリと愛犬に教えておかなくてはなりません。


「甘咬み」の段階であればまだ、飼い主さんでも適切にしつければ直すことが十分可能です。



●「本気咬み」を直すには?


※ここで言う「本気咬み」は、歯が当たってかすり傷を負う程度の咬み方ではなく、歯がお肉にザクッと入るような咬み方のことです。

では、「本気咬み」の犬を飼い主さんがしつけ直すことはできるでしょうか・・・?

個人的には「本気咬み」の犬を一般の飼い主さんが完璧にしつけることは、ヒジョーーに難しいと考えています。

それは次のような理由からです。


◇咬み犬にしてしまった原因が飼い主さんにある場合、ご自身の問題点に飼い主さんが気づくのがとても難しいから


たまたまその飼い主さんが手にとったしつけ本が悪かったのか、今まで飼っていた犬が穏やかだったためにしつけらしいしつけをしなくて済んでいたのか、原因は多岐にわたるかと思いますが、飼い主さんの根本的な犬のしつけに対する姿勢が間違っているにも関わらず、ご本人がその問題点に気づいていない場合、その飼い主さんが「よかれ」と思って犬に対してすることが全て裏目裏目に出てしまう・・・という結果に陥りやすいんですね・・・(T_T)

客観的にその犬の状態を見極め、どういうしつけが合っているかを適切に指導してくれる第三者が必要になります。



◇「咬む」原因によってしつけの方法を変えなくてはならないから


一口に「本気咬みの犬」といっても、その原因は様々です。


・先天的に何らの脳疾患を抱えている(しつけによる更生は不可能です)

・子犬の頃の生育環境や母犬からの分離といった生育歴に大きな問題を抱えている

・怯えによる自衛本能や、パニック状態での咬み付き

・自分の縄張りや権利を主張するために権勢を振るう意味での咬み付き

・身体のどこかに痛みを抱えていて、それをかばうための咬み付き

・上記のいくつかが複合的に合わさっている咬み付き


※ちなみに前回ブログに登場したFくんは、生後半年以上の期間を大型ショッピングセンター内の生体販売ペットコーナーで過ごした子です。


例えば、怯えによって咬み付いている子に、主従関係を教え込もうと高圧的に接したら、ますます恐怖を感じた犬は必死で歯を剥いてくるかもしれません。

飼い主さんに対する不信感から、問題が更に悪化する可能性もあるんですね。


逆に、自分の権威を主張するために飼い主さんに歯を剥いているような子に、主従関係が逆転している状態のまま、書店でベストセラーになっている「褒めるしつけ」を実践することも大変キケンです。


たとえばアナタが会社の部下や後輩に


「よくできまちたね~~、おりこうちゃんね~♪(ナデナデ)」


なんてされたら・・・


「テメーおちょくってんのかっ?!」


って腸煮えくり返るだけですよね(^_^;)

ヘタをすれば完全にご家庭の君主となった愛犬に怯えて、自分の家の中でも息を潜めて暮らさなくてはならなくなるかもしれません。


やはり、咬み付きの原因についても、客観的な判断をプロにしてもらう必要性があるということです。



◇愛犬に”正しく勝つ”ことの難しさ


上記で挙げた原因の中でも特に、リーダーとしての自分の権利を誇示するために咬み付くような犬のしつけは、


「飼い主の方がリーダーだと愛犬に理解させること」


と、言葉にしてしまえば実に簡単なように思えますが、本気で咬み付くようになってしまったワンちゃんの飼い主さんにとってはものすごく難しいんです。


犬の祖先のオオカミの群において、リーダーや上位のオオカミに下位のオオカミが闘いを挑んで地位を勝ち取るということは日常的に起きています。

ですから、自分がリーダーだと主張している愛犬に対しては


「勘違いすんなよっ!リーダーはこっちだ!」


ってことを教えなくちゃーダメなんです。

そのためには、実力で勝つ以外に方法はありません。

それができないようなら、いつまでたってもその飼い主さんは飼い犬の手下で居続けることになりますから、その他のしつけはもちろん、愛犬を制御することもまったくできないということになります。

それってもはや・・・「飼い主」とは呼べないことはお解りですね?


ところが、その「実力で勝つ」ためのさじ加減・・・その判断が難しいんです。

小さなチワワや骨の細いトイプーを押さえつけたりして怪我をさせてしまえば、それはもうしつけの範疇を超えた虐待と言わざるを得ないでしょう。

かといって、手加減しすぎて愛犬に勝負を挑んでは負けるということを繰り返せば、むしろ問題を更に悪化させることになります。


「アンノヤロ~~!オレの座を狙ってナマイキにも挑んできやがる反抗的な手下だな!

ギッタンギッタンにしてやる!ガルルルル~~~~」


愛犬がこんな風に思って、ひどい返り討ちに遭うかもしれません。

そりゃーそうでしょう?!

愛犬だって自分の座を守り抜こうと必死なんですから・・・


そんなことを繰り返すうちに、遂に飼い主さんが重症を負うような事態になってしまったら、その後の生活は地獄絵図のようです(T_T)


一般の飼い主さんが、どこかで聞きかじったり読みかじったりした知識を元に


「よぉーし!愛犬に主従関係をわからせるため、愛のムチでキッチリしつけるぞー!」


と、愛犬を叩いたり押さえつけたりする方法を安易に用いることは、飼い主さんにとっても愛犬にとっても非常にキケンなことです。

「主従関係を理解させる」ということは、暴力によって愛犬を屈服させることではなく、愛犬に「人間は頼りになり信頼に値するリーダーだ」と納得してもらうことなんです。

その犬の現在の状態や変化を見極めながら、どうすれば虐待にならないように愛犬との勝負に勝てるか?という判断は、飼い主さんにはとっても難しいってことです。

プロの訓練士さん(インチキ訓練士ではなく)は、犬の生態や行動学を学び、多くの経験を積んでいますから、不必要に犬に痛みを負わせることなく、主従関係を逆転させるコツがわかっているんです。



●最悪の事態を招かないために・・・


本気で人を咬んでしまうようになった犬の更生・・・その必要性について、わたしはもっと世間の認識が高まるべきだと感じています。

お話してきたように、それは決して容易なことではありません。

正しく原因を知り、正しくそれを取り除き、正しい信頼関係をイチから築き直していくという途方もなく忍耐のいる作業になります。

その上、ヘタなやり方を続けるうちに問題は更にこじれにこじれ、ますます修復が難しくなる可能性をはらんでいます。


にも関わらず、愛犬が本気咬みをし始めた初期段階において飼い主さんたちが触れる多くの情報の中には、あまりにも楽観的な勘違いを飼い主さんにさせてしまうようなものが数多くあるのです。


脅かすワケではありませんが、どうか以下のことを忘れないでください。


犬は「世界で人間を殺している生物ランキング」の第4位です。

一度でも人を本気咬みしたことのある犬を正しくしつけないことは、飼い主さん自身や周囲の人の命を危険に晒すことになります。

更に、正しくしつけられなかった結果、手に負えなくなって飼育放棄され殺処分になる犬も後を絶ちません。


こういった”最悪の事態”を招かないためにも 愛犬の本気咬みを甘くみないでください。

本気咬みをしたことがある犬は、自分が咬み付いたことでストレスやイヤなことから逃れることができたという成功体験を身体で覚えてしまっています。

本気咬みの犬を正しくしつけることができるプロに相談するなどして、一日も早く本気咬みを二度としないようにさせること・・・

それが結果的に飼い主さんと愛犬、周囲の人たちの命を守ることになるのだと心得ておいてください。



以下は、本気咬みの犬のプロ訓練士、中村信哉さんについて以前書いた記事です。

この機会にぜひご一読ください。


【戦う訓練士】中村信哉さん






<今日のpethotel11!>

お外遊びの後、お部屋に入る時・・・
「マテっ!」

「ヨシッ!」って言うと・・・
Gちゃんがまず入って・・・

チャコ・・・

Rくん・・・

Fくん・・・

ナツ・・・
って入ってくるのになぜかボスだけが
また遊びに行っちゃう~(-_-;)

「あの~・・・ウンチしたいからお庭に入れてくださーい」
ダメだよ~!雨でドロドロ田んぼになってるから。

「わかりましたぁ~!
んじゃ、ココでしまーーす♪」
はいはい・・・いい子だねぇ(笑)

Fくんに熱烈に尾行されるのがイヤで
猛スピードで逃げるRくんは・・・

あまりの速さにFくんが出発する前に
元の位置に戻って来ちゃう・・・(^_^;)

Fくん「ふふ、やっぱりボクと遊びたいんだね?」

Rくん「ちがいまーーーーす」


ボス「じゃあダックス同士 ボクとあそぼ!」

Fくん「それはダイジョウブ」
ボス「ガーーーーン!!」

チャコ「モグモグモグモグ・・・」
ナツ「何してんの?」

チャコ「あのね、この草けっこういけるよ!」
ナツ「どれどれ~~?モグモグ・・・」

( ゚д゚)ハッ! ヤバイ!見つかった!!

・・・見つかったってゆーか、
ずっと見てたよ (-_-;)








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