2018年9月1日土曜日

咬みつきFくんのお話②

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。






前回ブログのつづきです。


【残念ながらウチではお預かりできません】


●怯えとは違う極度の警戒心


飼い主さんを何度か咬んでしまっているFくんのトライアルの日がやってきました。

緊張の面持ちで飼い主さんとやってきたFくん。


「その後、引っ張りはどうですか?」


前回、面談にお越しになった時に引っ張りを直すためのコツをお話して実践するようお願いしてありました。

飼い主さんは、アドバイス通りにハーネスを首輪に、伸縮リードを短めのリードに買い換えていらっしゃいました。


「そうですねぇ・・・以前よりは引っ張らなくなりましたけど、やっぱりまだ私より前を行きます。

なかなか自分の方が上手にできていないんだと思います(トホホ)」


確かにまだ、飼い主さんがFくんを連れているというよりも、Fくんが飼い主さんを連れているという感じでした。


Fくんはとても緊張していましたが、わたしが飼い主さんからリードを受け取り飼い主さんがFくんを置いて去って行っても、後を追う様子は見せず、すんなりとわたしに導かれるままpethotel11!の敷地内に入ってきました。


ただし、Fくんのシッポは、根元がピンと立っていて、真ん中から先が下を向いている状態。

嬉しそうではないのは当然ですが、だからといって酷く怯えているわけでもありません。

油断なく警戒している、ヒジョーに用心深げな様子でした。



●縮まらない距離


リードを持ってお部屋に入ると素直に従うFくんでしたが、やはり極度の警戒状態は続いています。

他の犬たちの安全を守るため、柵で仕切ったエリアでまずはわたしたち人間に慣れてもらう必要がありました。

他の犬たちの面倒をお料理番に託し、Fくんとわたしが一緒にいることになりました。

Fくんの警戒心が強いうちは、ヘタに身体に触れようとすれば咬み付かれてしまう恐れがありますから、刺激しないよう、ただ一緒の空間にいるだけです。


少し経つと、Fくんは興味深げにわたしの臭いを嗅ぎに近づいてきますが、わたしの方から手をFくんの方に出すと歯を剥いて


「来るなっ!!」


と威嚇します。

知らない場所や知らない人に対して怯えているような子であれば、、その子が自分から臭いを嗅ぎに近づいてくるようになると、ほとんどの子は徐々に身体に触れることを許してくれます。

けれどもFくんはやはり、怯えはまったくといっていいほど見せてはいませんでした

その代りにピリピリとした警戒モードは一向に解く気配がありませんでした。

その様子はまるで


「お前の言うなりにはならねーよ!」


と言っているようでした。



●ガブリッ!!


pethotel11!では、お預かりするワンちゃんに必ずpethotel11!の連絡先が着いた首輪をしてもらいます。

元々ワンちゃんが着けている自分の首輪に加えてもうひとつ首輪をつけますから、合わせて2つの首輪を着けることになります。

これは、お散歩の時に万が一ひとつの首輪が切れたりバックルが破損するなどして外れてしまっても、もう一方の首輪が残るための安全対策です。

わたしは、時間が許す限りFくんとの距離を縮めようとしましたが、まだ安心して身体を触らせてくれる状態にならないまま、時間ばかりが経過していきました。

他にもやらねばならないことがあるため、とにかく首輪だけでもつけようと何度かチャレンジするのですが、その度に唸り声を上げ歯を剥いてくるFくん。

更にもう少しだけ時間をかけると、Fくんはわたしのすぐ隣で身体を横たえてリラックスしはじめました。

Fくんの顔を見ないままそっと手を伸ばし、腰のあたりを軽く撫で、すぐに手を離す・・・

を何度か繰り返すと、まだ警戒は解かないものの、咬み付こうとはしません。


ヨシ、いけるかな~~?

咬まないでおくれよ~~~・・・


祈るような気持ちで今度は首元近くに手をやってみると・・・

大丈夫、おとなしくしています ε-(´∀`*)ホッ


ヨシッ!なんとか首輪をつけられそうだぞ・・・


ハーフチョークを右手に持ち、ゆっくりとFくんの顔に通し・・・

無事に着けることができた、まさに次の瞬間でした。

よほど気に食わなかったのでしょう。


ガブリッ!!


Fくんは豹変したように突然もの凄い形相で振り向きざまにわたしの右手首に咬み付いてきたのです。


咄嗟に反対の手で握っていたリードを引いたので、幸いFくんの歯が骨まで食い込むことはなく、表面のお肉を咬まれて少し血が滲んだだけで済みましたが、Fくんに咬み付かせてしまったことは、絶対にあってはならないわたしのミスでした・・・


迂闊にもFくんにガブリとされてしまった傷




●飼い主さんへの連絡


Fくんのような”自分が主導権を握ろうとするワンちゃん”は、主導権がこちらにあるということを解ってもらうのに、どのくらいの時間を要するか予想がつきません。

案外すぐに理解してくれる子もいますし、Fくんのような子もいるのですね・・・


ペットホテルは訓練所ではありませんから、1頭のワンちゃんだけに多くの時間を割くことは残念ながら不可能です。

Fくんとの距離を縮められないままタイムリミットを迎えたわたしたちは、飼い主さんに電話をかけ、お迎えに来ていただくことにしました。


少しして、お迎えにみえた飼い主さんは、わたしの傷をご覧になってひどく恐縮され、何度もわたしに謝っておられましたが、お詫びを申し上げるのはわたしの方でした。

Fくんのような子は、何度か飼い主さんに咬み付くことで、すっかりおうちでの主導権を握っています。

つまり、


「咬み付けば人間たちが自分の言うなりになる。」


「咬み付くことで、イヤなことから逃れることができる。」


という成功体験を積んでしまっているんですね。

ですから、そういうワンちゃんには、とにかく咬み付くという行為をこれ以上絶対にさせないということがとっても大切なんですが・・・

十分に気をつけていたつもりだったのに、まんまと咬み付かれてしまったわたしの方がうーーんと飼い主さんに対して申し訳ない気持ちでした。

ただ、Fくんに


「咬み付いたことでうまく逃げることができたぞ!」


と思ってほしくなかったため、咬み付かれながらもリードを放すことだけは絶対にしませんでしたが・・・

Fくんが、


「コイツ、咬んでもひるまなかったぞ・・・あまり効果がなかったのかなぁ・・・」


と感じてくれていればいいと祈るばかりです。


飼い主さんには、次のようにお話させていただきました。


「申し訳ありませんが、Fくんをウチでお預かりすることは難しそうです。

とはいえ、Fくん自身は新しい場所でもリラックスできる子のようなので、ペットホテルにお泊りすること自体は可能だと思われます。

ただしそれはケージレスではなく、残念ながらケージに入ってもらうホテルということになるでしょう。

近所の獣医さんがやっているペットホテルにお話して、受け入れ可能とのお返事をいただけましたので、もしよろしければ、そちらに連絡してみてください。

お役に立てず、またFくんに咬み付かせてしまったこと、本当に申し訳ございませんでした。」



●制御できないワンちゃん


ケージレスのペットホテルでは、若くて健康なワンちゃんであれば、他のワンちゃんのことが苦手だったり、他のワンちゃんとあまり上手に付き合えないような子であっても、やり方によってお預かりが可能なこともあります。

けれども、わたしたちが制御できないようなワンちゃんは、どう頑張ってもお預かりすることができません。

なぜなら、その子が危ない目に遭いそうな時に、咄嗟にわたしたちが抱きかかえるなどして守ってあげることもできませんし、他の子と争いになった時にもわたしたちが止めることが難しいからです。

そのため、ちょっとクセのあるワンちゃんをお預かりした時には、他のワンちゃんと仲良くさせることよりもまず最初に、とにかくわたしたちとそのワンちゃんの関係を築くことを優先します。

ですから、ペットホテルのスタッフとの関係が限られた時間内に築けないようなワンちゃんは、残念ながらケージレスのペットホテルに預けることは難しいと言わざるを得ません。

(またはケージレスのペットホテルなのにずっとケージに入れられることを覚悟しなくてはならないでしょう)



●Fくんのその後


Fくんは、ご紹介した動物病院のペットホテルで無事に預かってもらい、お泊り中も落ち着いて過ごすことができたそうです。

飼い主さんには、今後のことを考え


「まだFくんが若いうちに(現在2才)咬み癖をきちんと直してくれるプロの訓練士さんを頼ることも考えてみてはいかがでしょうか?」


とご提案し、知っている訓練士さんの連絡先をお教えしておきましたが、わたしたちにそれを強制することはもちろんできませんから、飼い主さんがその後どうされたかは判りません。

現状の実態として、既に奥さんはFくんに怯えて近寄ることもできない状態でした。

今後、Fくんのことを飼い主さんがますます制御できなくなり、お散歩にすら連れて行けなくなってしまったり、他の犬や人に咬み付いてしまったりして、飼い主さんがFくんの飼育を放棄してしまうといった最悪の事態にだけはなってほしくないと、祈るような気持ちでいます。


わたしたちは、他のワンちゃんもお預かりしているという立場上、Fくんの飼い主さんにしてさしあげられることはいくらもありません。

Fくんにわたしを咬み付かせてしまったことへの猛省と共に、何もしてあげられなかった歯がゆさを感じましたが、感情を優先して身の丈を超えたことを背負い込むのは、かえって全てに対して無責任な結果を招くということもまた解っています。


「今後も自分たちの本業に誠実に向かい合っていこう。」


できる限りは精一杯やって、できないことはキッパリと諦めるという姿勢を貫こうと改めて話し合うきっかけになった出来事でした。





<今日のpethotel11!>

おや?誰の足跡かな?

ワ・タ・シ♪

Cちゃん、お泊り最後の海岸さんぽでした~♪

はぁ~~~~~楽しかった♪
よかったよかった(*^_^*)

Gちゃんも海が大好き♪
雨にならなくてよかったねぇ~!

お庭ではしゃいでも、上品な淑女のGちゃん

誰かに「オスワリ」って言うと
一番最初にオスワリするんだよね~(笑)

Fくん「ねえねえRく~ん♪」
Rくん「な・・・なんだよう、やめてよぅ~」

あ・・・

Fくん「チェッ逃げられちゃった・・・」

あんまりしつこくしないようにね~!
Fくん「はぁ~~~い」
ホントにわかったかなぁ・・・
ま、楽しそうだからいっか(^_^;)

Cちゃん、あんまり激しくジャンプすると
脚が痛くなっちゃうよーー!

Cちゃん「はぁ~~い」
おお!ちゃんと帰りは静かに歩いているっ!!
(天才か?)

黒ラブちゃんのことが苦手なRくんも
Cちゃんのことはなぜか全然ヘーキ♪
成長したねぇ~!

大きなGちゃんにも、自分から近づいて・・・
Gちゃん「ウフフ、くすぐったいわよ~」

夕方になってMちゃんが来てくれたよ!

Fくん「仲良くしよーね」
Mちゃん「うん、しつこくしないでね」
よかったね Fくん(^_^;)

夕方のお散歩
雨に降られずラッキー♪

Fくん「Gちゃんはボクにとっても優しいんだー♪」
うふふ、みんな優しいいい子だよー(*^_^*)





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