2018年9月25日火曜日

群の意識(犬同士のコミュニケーション)④

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。





前回ブログのつづきです。


【犬の社会化はなぜ必要なのか】


●家庭犬に犬の社会化は不要?


そもそものお話ですが・・・飼い主さんが愛犬の社会化を望むのはなぜでしょう?

PetHotel11!のお客さまの中には、愛犬の社会性が育まれることを期待してワンちゃんを連れてこられる飼い主さんもいらっしゃいます。

そうした飼い主さんたちにお話を伺うと、


「ドッグランに連れて行っても、お散歩仲間の犬たちと遊ばせても、まったく他の犬と遊ばないで私たちの横にいるんです。

楽しそうに他の犬とじゃれ合ったり走り回ったりする子になってほしいなぁ・・・と思って」


「お散歩中に、他の犬をすごく怖がってパニックになったり吠えまくったりして本当に困っています。

だから、他の犬がいない場所や時間を狙って避けるようにお散歩しているんです。

他の子みたいにお友達に挨拶できる子になってほしいんですけど・・・」


こういった内容のお話をされる飼い主さんが多いんです。

なんとなく・・・

飼い主さんが思い描いていた「犬のいる生活」と現状のギャップに戸惑った飼い主さんが、「ウチの子だけ違う」ことに不安を感じていらっしゃるようにも聞こえますね。

でも、もし本当にそれだけの理由ならば、「犬の社会化」はさほどプライオリティが高いようには感じませんね。

飼い主さんが、愛犬の社会性のなさを「個性」だと受け止めて、


「いいの、ウチの子はわたしだけにベッタリでいたらそれでオーライ!

ドッグランなんかに連れて行かなくたって、ウチでいっぱい遊んであげるわ!

他のワンちゃんと無理に遊ばせる必要もないし~♪」


とご自身の”気の持ちよう”を変えるだけで解決してしまう問題かもしれません。

実際、そういう飼い主さんもいらっしゃいます。

また、すでに社会性をつけさせることが非常に困難なワンちゃんの飼い主さんは、このように考え方をシフトさせた方がいい場合もあります。

(社会性をつけさせることが困難なワンちゃんについては次回以降の記事で詳しくお話しますね~)


でも、ご自身が思い描いていた「犬のいる生活」とのギャップにガッカリして・・・という理由だけで、飼い主さんたちは遠方からわたしたちのペットホテルに愛犬を預けに来られたり、定期的に数日間のお泊りをさせたりするとは思えませんね。

きっと、愛犬の社会化を望んでおられる飼い主さんたちは、本当は次のようなことを無意識にでも感じておられるのではないかと思います。


「ウチの子・・・なんか幸せそうじゃないな」


わが子のように可愛がっている愛犬が、もしかしたら幸せじゃないかもしれない・・・

私は愛犬を幸せにしてあげられていないのかもしれない・・・


飼い主さんにとって、そんなことは


考えたくない!
認めたくない!
目をそらしたい!
しら~ん顔したい!
ピープー♪


と認めたくないために、上記のような「この子ったらもぉ~・・・!」というような言い方をされているように思います。

飼い主さんたちは、ご自身のためではなく愛犬の幸せのために社会性が必要だということを、感覚的にちゃーんとわかっていらっしゃるんですね。


では、どうしてワンちゃんが幸せに暮らすために社会性が必要なんでしょう?

社会性のないワンちゃんは、なぜ幸せそうに見えないんでしょう?



●ウチの子は犬じゃない!


ときどき、「愛犬を動物扱いされた」ホンキで怒っている飼い主さんをネット上などで見かけることがあります。


「獣医さんで『オス・メスどっちですか?』と訊かれたんですっ!

ヒドくないですか?!我が子同然なのに・・・

『女の子です』って答えたのに『ああハイ、メスですね~』って・・・!!

あんな失礼な獣医には二度と行きませんっ!!」



「元夫は、プリンセスちゃんのゴハンを”エサ”って言ってたんですよ~!

信じられます?しかも、『犬を人間のベッドに乗せるな!床で寝させろ!』って・・・!!

それが離婚の原因です」



また、「犬を擬人化してはいけません」という動物行動学者やドッグトレーナーにことごとく噛みついて


「この子は犬なんかじゃないっ!家族の一員なんだーっ!!」


とおっしゃっる方も決して少なくありません。

同様に、こういった方が嫌がる言葉遣いとして


「飼い主」 → ママやパパと呼んで!

「愛犬・飼い犬」 → 名前で呼んで!


などがあります。


わたし個人は、言葉の選び方はさして問題ではないと思っています。


「ゴハン」と呼ぼうが「エサ」と呼ぼうが

「男の子・女の子」と呼ぼうが「オス・メス」と呼ぼうが

「うちの飼い犬」と呼ぼうが「うちの長女(長男)」と呼ぼうが


好きにしてくださ~~~い!!


問題だと感じるのは、そこまで言葉遣いに神経質になってしまう飼い主さんの心理状態です。

ですから、わたしは逆に


「犬の雌雄を『男の子・女の子』って呼ぶヤツって頭おかしくな~い?!」


などという、反対側のご意見にも賛同できません。


わたしの基本的なスタンスは


犬は犬です。人間ではありません。

言葉遣いはどうでもいいです。大事なのは本当に愛犬を大切に思い、愛犬の幸せのために努力しているか?です。


このスタンスに関しては、誰になんと言われようとも変えることはないでしょう。


「この子は犬じゃないのよ!家族よ!長男よ!我が子なのよ!!」


と目を三角にしておっしゃる飼い主さんに、ぜひお解りいただきたいことがあります。


その子は犬ですよ~!

犬に生まれたその子を犬だと認めないのは、犬を下に見ていることになりますよ~~!

犬、カワイイじゃないですか?!

犬、好きですよね?

犬をバカにしないであげてくださーーーーい!!



●犬に生まれて・・・


犬が、犬として生まれて・・・犬であることを否定され、人間のように扱われることに幸せを感じるでしょうか?

犬たちは、古くから人間との暮らしを選ぶことで生き延びてきた稀有な動物です。

けれども、彼らが選んだのは「人間になる道」ではありません。

人間と暮らすことによって外敵から身を守り、快適な暮らしと日々の糧を少ない苦労で手に入れ、犬としての種を保存する道です。

どんなに飼い主に愛され、冷暖房完備の屋内で快適な生活をし、ゴハンにありつけない日はなく、いつも清潔にしてもらい、抱っこされたり撫でられたりしても・・・

彼らは人間とは違いますね。

人間と会話のキャッチボールをすることもできませんし、お散歩する時は首輪をつけて紐で繋がれ、好きな時に好きな所へ出かける自由はありません。

もし、人間の子供を愛犬とまったく同じように扱えば、それは虐待になるでしょう?


「我が子」なのに両親から首輪やリードをつけられ、一生拘束されていることについて、お宅の4本脚のお子さんはどう思っているでしょうか?

そんな大きな矛盾に付き合わされ続けるくらいなら、ちゃんと「犬」として扱ってもらえた方が犬たちにとってはよほど幸せってモンだと思いませんか?

彼らを「犬という動物」だと認めることなく、動物としての犬の生態を無視した擬人化をすることは、犬に生まれた彼らにとって大変なストレスになるということです。




長くなるので、つづきはまた次回にしまーす!





<今日のPetHotel11!>

Rくん、最後のお散歩だね!
次回のお泊り、楽しみにしてるよ~(^▽^)/

Yくんもこのお散歩の後、
おうちに帰りました♪
楽しかったよ、またおいでね~!!

Pくん「ウンチは出ないよ!だって
お散歩の順番待ちしている間に
お庭でしちゃったんだもーん♪」
うん、いいウンチだった!!感動したっ!!

Eちゃ~~ん、そろそろ行くよ~~!

「いや~ん、もっと海岸で遊ぶぅ~~」
ダーメ、雨降ってきちゃうから!!

こ~んな細いところにナツが乗って
待ち受けているのは・・・
(貫禄ヤバすぎ~)

「ただいま~~~!」
Yくんを送って戻ってきたお庭番でした(笑)

あいにくの雨で、お部屋とガレージでしか
遊べないねぇ~

土砂降りの中、面談にきてくれたAくん。
まったく物怖じせず「遊ぼっ!」って
誘っているお相手は・・・

こちらもイニシャルAくん
「遊ばないよ、放っておいて、放っておいて・・・」
そう念じて、時折唸っています(笑)

唸られても動じることなく誘い続けるAくん

「あ~あ・・・あんなにしつこくしてると
今に怒られるぞ~~~・・・」
みんな心配そうに見守ります
(ボス、それ・・・心配してる目なの?)

Gくん「ボク、し~~らない!!」

「寝たフリしちゃお~~っと」

フリじゃなくて、ホントに寝ちゃうくせに~~(;^ω^)






0 件のコメント:

コメントを投稿