2018年9月26日水曜日

群の意識(犬同士のコミュニケーション)⑤

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。






前回ブログのつづきです。


【群への帰属感とアイデンティティ】


●犬の幸せ


前回に引き続き、犬としての社会性がない子はなぜ幸せそうではないのか?というお話です。

このシリーズの最初に、マズローの5段階欲求について書きました。

群で生活している生き物(人や犬など)にとって、「自分が群の一員である」という実感が抱けるか抱けないかは、幸福度を大きく左右するものです。

「群の一員である実感」が抱けないということは、自分がどこにも所属していないように感じるということです。

それを一言でいうと「疎外感」ってことになりますね。


アナタが大きなパーティー会場にいることを想像してみてください。


楽しそうに会話を交わす人々の輪・・・

恐る恐る最初に加わってみたのは「火星人の輪」

つづいて「木星人の輪」

更に「アンドロメダ星雲人の輪」

うーむ・・・疎外感ハンパないぞ・・・(-_-;)

そして遂に「地球人の輪」を発見したアナタは、目にうれし涙を浮かべながら走り寄っていきます。

けれども・・・

「地球人の輪」の人々は、誰一人アナタを歓迎してくれていないようです。

会話の内容も、アナタがまったく理解できないような言語によって語られていて、みんなアナタを無視して盛り上がっています。


どこに行っても疎外感しか感じられないそのパーティは夜通しどころかアナタが死ぬまで一生続きまーーーっす!!


どうなの?この地獄絵図??(-_-;)


疎外感と孤独感と寂しさで、気がヘンになってしまうかもしれませんね・・・



●どんなに可愛がられ、愛されても・・・


飼い主さんが我が子のように愛情を注ぎ、精いっぱい可愛がってあげたとしても、犬はやはり人間ではありません。


愛犬がお散歩中に嗅いだ珍しい臭いを


「ちょっと!今の嗅いだ~~~?!すっごかったねぇ~~!!」


と飼い主さんと感動を共有することもできませんし、死んだミミズを発見して一緒になってハシャギながら背中を擦り付けたりするといった喜びを分かち合うことも決してないでしょう。

骨格、知覚、皮膚、被毛、コミュニケーションツール、食、健康、寿命、生活様式など、その生態はすべてにおいて大きく異なります。

もちろん、ご家庭で大切にされている犬たちは、自分は家族という群の一員だと思っているでしょう。

でも、そう思えば思うほど、自分だけがやはり何か違うという疎外感もまた、コトあるごとに強く感じてしまうものではないでしょーか・・・


先のパーティー会場の中に、アナタの「親しい知人の輪」がひとつでもあって、そこに行けば仲間に歓迎され、楽しく打ち解けて”ツーカー”の会話を交わせる機会があるかないか?は、一生そのパーティー会場で暮らすアナタにとって、人生の幸福度を左右することだとは思いませんか?


社会性が何故、幸福度を左右するほど大事なものかというと、集団への帰属意識を持てるかどうかは、「自分は何者か?」というアイデンティティーの重要な要素だからです。



●動物に育てられた人間の子供たち


逆の視点から考えてみましょう。

ご存じの方も多いでしょうが、世界には動物に育てられた人間の子供の発見事例がいくつかあります。

例えばオオカミに育てられたジュマという少年は、4~5才ごろに森の中でオオカミの巣穴からオオカミたちに交じって全裸で四つん這いで出てくるところを発見され、保護されました。

長く四つん這いで生活していたため、ジュマの手のひらと膝は硬いタコで覆われていました。

ジュマは、人間の言葉はもちろん理解できず、唸り声をあげて周囲の人を威嚇し、月に向かって遠吠えし、食事は手を使わずに口だけでむさぼり、排便後には臭いを嗅ぎました。

ベッドを用意しても床で寝て、入浴を激しくいやがって毎回暴れて抵抗しました。

そのため、ジュマは精神病院に隔離されて過ごすこととなります。

ジュマが環境に少し慣れた頃から、周囲は言葉や数を教えようと努力しましたが、森で保護されてから10年経つころに、やっと数を10まで数えられるようになる程度の成長しかできませんでした。

そして、食事の仕方などの習慣に関しては、オオカミの習性が抜けることはなかったといいます。


ジュマのように、赤ちゃんの時に何らかの理由で動物の群に育てられるようになった人間の子供については、いずれも保護されてから似たような経緯をたどり、概して大変短命だったといいます。



●三つ子の魂百まで


動物に育てられた人間の子供の事例から次のようなことが考えられます。


・生物学的に異なる種と共に暮らすことは、身体構造の面からもメンタル面からも非常に大きなストレスにさらされることになる。

また、後になって本来の種の群に戻っても、そこでも本質的に馴染むことは難しいため、やはり相当のストレスにさらされることになる。

結果的にいずれにしても非常に短命になってしまうという結果を招いてしまうのかもしれませんね・・・


・社会性を身に着けるべき時期(人間なら生後3~4才まで、犬なら生後3週~12週)の生育環境が、発達途上の脳に大きな影響を与え、その後の人生(犬生)に大きな影響を受ける。

「三つ子の魂百まで」

ってヤツですね。

社会性などの重要なことを「脳みそレベル」で身に着けるべき大事な時期に、人間なら人間と、犬なら犬と一緒に健全な環境で過ごすことが、いかに大切であるかということです。



子犬を最低でも8週令までは母犬や兄弟犬たちと引き離さずにいることが重要だといわれているのは、こういうことなんですねぇ~。


では、8週令以前に母犬から引き離されてしまった犬は、もう絶対に犬としての社会性を身に着けることが不可能なのでしょうか?

いえ、そんなことはありません。

もちろん、大事な時期のなるべく多くの時間を他の犬と過ごしていることが重要になってきますが、ゼロではない限り諦めるのはもったいないとわたしは思っています。



そのあたりのことを、次回のブログでお話したいと思います。





<今日のPetHotel11!>

小雨降る中、朝のおさんぽ
これからどんどん雨がひどくなるんだって~(泣)

みんなを「ヨシヨシ」していると
お部屋にこもっていたAくんが・・・

きたきた(笑)
「ボクもボクも~~~~♪」
Gくん「割り込むのはいつもボクの方だったのにぃ~」

ケンカしなくても、みんな「イイコイイコ♪」

Gくん&Aくん「パパ、ママ、元気でやってるよ~~!」

お外は土砂降りだから、みんなお部屋で
いいこに遊んでまーす(^▽^)

お、Bくん、ひさしぶり~♪

いいねぇ~~、その「ヒャッハー顔」(笑)

あれ・・・・?
だ・・・だれ・・・???

羊さん・・・じゃなくて、
もしかしてもしかして・・・
あのCちゃんなのーー?!

去年お泊りに来てくれた時は・・・

こんなにスリムだったのに・・・

Cちゃん「あ、ヨッコラしょ・・・」

「ドッコイショっと~・・・」

Cちゃん、ワイドになったねぇ~~(;^ω^)

Bくん「ヒョイッと♪」

・・・Cちゃんもダイエットして
「ヒョイッ♪」ってしよーね~~(^▽^)/







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