2017年8月23日水曜日

映画【ホワイト・ゴッド 少女と犬の協奏曲】

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。

映画を観ました。

『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』(コーネル・ムンドルッツォ監督)2014年ハンガリー映画

第67回カンヌ国際映画祭では ”ある視点賞”

ストラスブール・ヨーロッパ・ファンタスティック映画祭では国際長編映画部門で ”オクトパス・ドール”(←タコ人形?!なんだそれ・・・)

そして、出演した犬たちには パルム・ドッグ賞(←ナーイス♪)が贈られた作品です。




【おすすめ?】

むむ~~~う・・・

個人的には、おすすめポイントと、おすすめしないポイントの両方がある映画でした。

●おすすめポイント


◇身勝手な人間によって犬が直面する厳しい現実がよく解る


ハリウッド映画などでは、きっとあんなに酷いシーンはNGなんだろうな・・・と感じるくらいの、目を覆いたくなるシーンがたくさんありました。

けれども、一部の人々だとはいえ、間違いなくわたしたち人間が犬にしていることでもあります。

それを美化することなく描くことによって、監督は伝えたかったことがあるのだろうと、そこには共感しました。

目をそらしてはいけない・・・そう思いながら必死で観ました。


◇250匹もの犬たちが街中を走り回る映像が圧巻!


このシーンをはじめ、「一体どうやって撮影したんだろう・・・?」と感じるシーンがたくさんありました。

驚いたのは、CGを一切使わずに撮影されたとのこと。

思わず

『スッゴイゴイゴイ、ゴイゴイスーーッ!』(by ダイアン津田


◇出演したワンちゃんたちがゴイゴイスー!


主演のハーゲンを演じたワンちゃんはもちろんのこと、ハーゲンのお友達になる小さい子(この子が可愛すぎる!)、そして出演している250匹のワンちゃんすべての演技力がすごいのです。

正確には、そのワンちゃんたちを統率していたトレーナーさんがゴイゴイスー!

だって・・・この映画に出ている250匹のワンちゃんたち、実はみんな施設の保護犬たちなんです!!!

はい、ご唱和ください!

ゴイゴイスーーーッ!!(だまれだまれ)

ということは、トレーニング期間は限られています。

更に、心を閉ざしたような難しい子も多い保護犬たちばかり・・・

それを、あんな風に見事に演技させているのかぁ~~!!

と思って観ると、それだけで感動モノなわけですね。

パルム・トレーナー賞 もぜひあげてほしい!

驚くことに、撮影には100人のトレーナーがついていたということですよ~~!


◇出演したワンちゃんのその後がすばらしい


お話したように、この映画に出演しているワンちゃんは、施設収容の保護犬たちです。

(主演のハーゲンを演じているワンちゃんだけは、アリゾナ出身のタレント犬だそうです)

監督のコーネル・ムンドルッツォさんは、撮影終了後、ワンちゃんたちの里親を募集しました。

そうしたところ、なんと!出演していた250匹すべてのワンちゃんに里親が見つかり、1匹たりとも施設に戻ることがなかったというのです。

先ほど、目を覆いたくなるほど残虐なシーンがあると書きましたが、監督は撮影に際して、犬たちがストレスを感じなくて済むように、かなりの配慮をしていたそうです。

コーネル・ムンドルッツォ監督は、インタビューにこう答えています。

「撮影中も犬たちが自由にできるようにいろいろと考え、デジカメのズームレンズをたくさん使い、彼らに対応できるフレキシブルな形をとったのです。大体2~3台のカメラを使っていて、何度もリハーサルを繰り返して本番に入るのですが、犬たちにとってはずっと遊んでいるような感覚になるようにして撮影しました」


●おすすめしないポイント


◇残虐すぎるシーンが多い


まず、お子さんと一緒に鑑賞すること、お食事中に鑑賞することはやめておいた方がいいでしょう。

犬が虐待されているようなシーンも出てきますが、これは実際の場面は映らずに

「嗚呼・・・今、殴られたんだなぁ~・・・」

って判る手法で撮られています。

それでも、犬好きな人には耐えられない・・・怒りを通り越して吐き気がするほどの残虐さです。

更に、犬が人間を襲うシーンに関しては、相当グロいです。

口に人間の血まみれの肉片を咥えたワンちゃん・・・ってなシーンがありますので、

「そういうの、ワタシ ムリ~~~~!」

という方はおやめになった方がいいかと思います。


◇脚本がちょっと残念


着眼点というか、構想はとっても面白いと思うんです。

でも、250匹のワンちゃんたちの演技指導やトレーナーさんへの人件費で枯渇しちゃったのかな~・・・とか思ったりして・・・(-_-;)

途中からなんだかもう、

「ホラー映画かよ~~!」

って感じになってきましたし、脚本が手抜きなのか、詰めが甘いのか・・・

他にもいっぱいツッコミたくてウズウズしちゃうところがあって、なかなかストーリーに集中できませんでした。

でも・・・集中できなかったお陰で、途中ときどき

「あ!今、すっごいモタモタしてる子いたよね?!ホントは跳ぶはずだったんだろうに、重量オーバー?!」

とか言って、違う意味での楽しみ方はできました。

いずれにせよ、ハリウッド映画のような痛快さや感動はありません。

ヨーロッパ映画の”あの”感じです(笑)


【あらすじ】


ここから先は、ネタバレになりますので、作品をご覧になりたい方は飛ばしてください。

でも、どんでん返しやサプライズがある作品ではありませんので、あまり影響はないかもしれません。


舞台はハンガリーの首都ブタペスト。

雑種犬には重税が課せられるという悪法ができ、多くの飼い主が雑種犬を施設へ入れるか捨ててしまいます。

主人公の少女リリ(13歳)の愛犬ハーゲンも、税金を払いたくないという理由で、リリのお父さんに捨てられてしまいます。

野良犬となったハーゲンは、新しい仲間と共に毎日のようにやってくる保健所の野犬捕獲班から必死で逃れます。

ところがある日、浮浪者に捕まって闘犬マニアに売り飛ばされてしまいます。

ハーゲンを買い取った闘犬マニアはハーゲンをマックスと名付け、優しくて人慣つっこい性格だったハーゲンに薬物を注射し暴力をふるうことで、ハーゲンを憎悪と闘志の塊のようなモンスター犬にしてしまいます。

なんとか闘犬場から逃げ出すことができたハーゲンは、再び仲間の待つ廃墟で野良犬生活を始めるのですが、間もなく保健所に捕獲されてしまいます。

そして、保健所で殺処分される寸前・・・ハーゲンは保健所職員を噛み殺し、収容されている他の犬たちを引き連れて保健所を脱走します。

街に突如現れた保護犬たちの群は、まるで軍隊の様に統制が取れた動きで、次々に自分たちに乱暴した人間や、自分たちを身勝手に捨てた人間たちに襲い掛かります。

人間への憎しみに満ちた犬たちの逆襲です。

リリは、犬たちの中にきっとハーゲンがいると確信し、危険を省みずに犬たちを追い・・・

ついに犬たちを率いるハーゲンを見つけることができましたが、ハーゲンはリリのことなど忘れてしまったようです。

モンスターのように憎悪を剥き出しにしてリリに向かって唸るハーゲンと、ハーゲンに統率された無数の犬たち・・・

果たしてリリの運命は・・・?


ここから先はもうエンディングなんですが・・・なんとゆーか

書きません(笑)

なんでかってゆーと・・・

あまり書く気がしな~い。

ご想像通りといえばそう。でもなんちゅーかこう・・・

書く気がしな~い。


ご興味のある方はぜひ、お子様が眠った後でご覧ください。
(エッチなシーンはひとつも出てきません。念のため)

この手の映画では、通常は襲われる人間がわの立場で観るものですが、この映画に関してはもう、暴徒化した犬たちに

「やっちゃえやっちゃえ~~~!!」

と声援を飛ばしている自分がいて、ちょっと自分が怖くなったりもしました(;'∀')



<今日のPet Hotel 11!>

ワーイ!草って大好きさーー!
スリスリ♪

ん?ボス、なにしてるの?

ギャアアアアーーッ!
蝉(セミ)だったのかーーー!

当然”なつ”も・・・
スリスリスリスリ・・・

やーめーなーさ~~い(-_-;)