前回のブログで、海外における成犬のワクチン接種間隔は、3年に1回が主流だというお話をしました。
ではなぜ、日本では毎年の接種が習慣化しているんでしょう?
【日本では毎年接種になっている理由】
世間一般に言われている理由も含めて、考えられる理由をいくつか挙げてみます。
●単に遅れている
実際、海外でも10年以上前ではありますが、毎年接種が一般的でした。
ワクチン接種のリスクや、ワクチンの免疫持続期間の研究が進んできたために、見直されて現在の形になっているんですね。
ですから、日本はまだ遅れているという見方もできますね。
習慣を守りたい国民性というのもあるかもしれません。
でも、だとすれば、そろそろ3年に1回になってきてもいい感じがしますよねぇ~~。
●日本は用心深い
よく言えば用心深い。悪くいえばチキンってことかもしれません(;'∀')
よその国で3年に1回のワクチン接種にしたけど、研究結果を見れば確かに大丈夫そうだよな・・・
でも、本当に大丈夫かどうか、3年に1回にした国の感染率が上がらないかどうか見極めてみないとちょっと怖いよなぁ・・・
感染症が広まっちゃって、
誰が責任取るんだっ?!
みたいな話になったら困るしなぁ・・・
というよーなことがあるかもしれません。
でも、この説にはわたしは懐疑的な見方をしています。
なぜかって言うと・・・
調べてみてビックリしたのですが、実は日本国内における、毎年の犬の感染症の発生率
(どのくらいの数の犬が実際感染症にかかったかってこと)
の統計が取られてないんじゃ~~~!!(←千鳥風にお願いします)
えええええ?!ちょっとまってよ!
じゃあ、一体全体どのくらいの感染リスクがあるかもよくわからずにワクチン接種してるってことかーい?!
『そんな面倒くさい調査をするより、毎年飼い主にワクチン接種させといた方が簡単であんぜ~ん♪』
ってことなんですか?! アぁっ?!(←誰に怒ってる?環境省?)
すみません。感情的になったりして・・・テヘ♪
えーと・・・正確には、民間団体が調査した結果みたいなものはあるにはありました。
けれどもそのデータは、ワクチン製剤メーカーさんチームによる調査結果だったんです。
つまり、ワクチンをジャンジャンバリバリ売りたい方々・・・
その上、都道府県別の感染率だとおっしゃっている結果も、残念ながら調査方法がいまひとつ信用できない感じが個人的にしました。
例えば、関東地方の犬パルボウィルス感染症の発生率が33.1%となっていて、3匹に1匹?!
ホンマかいな~~?!
という感じ・・・わたしが疑心暗鬼なのかしらん?心が汚れすぎ?
まあ、ご興味のある方はご自分の目で確認してみて下さい。→ コレ
●獣医さんの儲けのため
これ、よく言われていることです。
毎年接種が3年に1回になることで、単純に獣医さんの儲けが1/3になるからだろう!?
ってことですね。
これについては、多少そういう側面もあるかもしれないけれど、わたしは個人的にやっぱり懐疑的な見方をしています。
獣医さんの需要はワクチン接種を除いてもそれなりにありますし、ワクチン接種が1/3になることで、抗体検査をする飼い主さんが増えると思われるからです。
どちらかというと、獣医さんよりもワクチン製剤メーカー側の儲けには大きく響くんでしょう・・・
というのが個人的な見方です。
実際、日本獣医師会のHPでは、昨年5月時点で
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犬や猫用のワクチンには様々なものがあるようですが,接種は毎年行わなければならないものなのでしょうか。 また,ワクチン接種の副作用などもあるようですが,獣医師の先生はどのような考えをおもちでしょうか?
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という質問に対して
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すべての動物で毎年のワクチン接種が必要というわけではありません。
(中略)
接種方法については議論もありますが,世界小動物獣医師会のワクチネーションガイドラインの推奨する以下のような方法が現在最も安全で効果的だと考えられます。
(ワクチネーションガイドラインの内容は前回書いたので以下省略)
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と回答しています。
つまり、WSAVAのワクチネーションガイドラインにのっとった接種間隔を、日本獣医師会としても推奨しているように見えます。
日本獣医師会のHP → コチラ
こちらの動物病院では、実際にWSAVAの指針に沿った接種を推奨しておられるそうです。
また栗田先生は、病気に対する免疫の程度を示す「抗体価」を毎年測定して、追加接種の時期をそれぞれの犬猫ごとに決めていらっしゃいます。
その結果、栗田先生によると、犬の95%以上が3年後も免疫が持続し、7年間持続する犬もいたとのことです。
(毎日新聞2017年5月2日 東京朝刊 掲載記事より)
今すぐ抱きしめたいくらい、すばらしい先生ですね~!(あ、要りませんか?)
すべての獣医さんが栗田先生のようだったらいいんですけれどねぇ~~・・・
したがって、獣医さんにもいろいろで、実際儲けだけを目的にバンバンワクチン接種している獣医さんも残念ながらいるにはいると思います。
余談ですが、実際Pet Hotel 11!にみえたお客様の中には、ワクチン接種履歴を拝見したところ、同じ年に1か月程度の間隔を空けて2回も同種の混合ワクチンを接種されていたワンちゃんがいました。
幸い、健康そうでしたが、おそろしいお話ですねぇ・・・
対して・・・ワクチン製剤メーカーは、10年ほど前の2007年までは、実際にワクチンの使用説明書に『1年毎に接種』と書いていたそうですが、2008年以降はこの記述がコッソリなくなっているということです。
(毎日新聞2017年5月2日 東京朝刊 掲載記事より)
10年前といえば、海外で3年に1度のワクチン接種が適当だとして接種間隔が見直された少し後です。
それを受けて記述を削除したのであれば、ちゃんとその根拠を世に知らしめるべきかと思うのですが、しないんですよね~~・・・
もしも過剰なワクチン接種による副作用で被害犬が出た場合は
『え?俺ら別に どこにも1年毎に接種しろなんて書いてないけど?』
とか言ってすっとぼけられる感じにしているあたりが、ずる賢い感じがして、わたしとしては気に入らな~~い!
って思っちゃいます。
ワンちゃん思いじゃあないですよね・・・少なくも(プンスカ)
●3年毎だと忘れちゃうから
理由としては弱い!弱いぞーーー!!
でも・・・確かに・・・
毎年、春になると、『そろそろだな~~・・・』
って思っているところに獣医さんからのおハガキがきて狂犬病と混合ワクチンを受ける。
このルーティーンだと忘れにくいっていうのはあるかもしれません。
でも、運転免許の更新も、おハガキが来たら行きますもんね。
やっぱり弱いぞーーーー!!
●健康チェックの機会が減るから
例えば、狂犬病の予防接種は自治体の集団接種を受けて混合ワクチンだけ獣医さんで受けるような人は、混合ワクチンの接種がないと定期的に動物病院に行かなくなりますね。
ワクチン接種が可能かどうか、動物病院では必ず健康チェックを行いますから、少なくとも年に1度は健康診断できていることになります。
それを理由に
『だからワクチン接種は1年毎の方がいいんだよ。わかるね?』
という説を唱える方(メーカーや獣医さん)もいらっしゃいます。
でも、他のワンちゃんに感染症が広まるリスクと違って、自分のワンちゃんの健康チェックに関しては・・・
厳しいようですが、それこそ飼い主さんの自己責任だとわたしは思うのです。
『副作用のリスクが高いワクチン接種の回数をできるだけ減らしてあげたい・・・』
と考えるような飼い主さんは、言われなくても定期的に愛犬の健康チェックに行くような気がするのですが・・・どうでしょうか?
さて、ここまでは、日本におけるワクチン接種が3年に1回になっていない理由の中でも、
ちょっと弱めの理由
を並べてきました。
ここからは、理由の本丸はコレかもな~~・・・とわたし個人が考える理由についてお話したいと思います。
でも、長くなったので、つづきはまた次回にさせてください。
<今日のPet Hotel 11!>
遊んで遊んで!ワンワン♪ 9才だけど甘えん坊の子供みたいなそらくん。 |
一緒にいる時間が長いと、まるで長年連れ添った 夫婦のように行動が似てくるんだわ・・・ |
そらくん、数年ぶりのお泊り、よーく頑張ったね! また来月、元気にお泊りにおいでね~(^▽^)/ |