2017年8月26日土曜日

ワクチン接種は本当に1年に1回必要か?②

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


前回は、日本のワクチン接種の現状についてお話しました。

狂犬病ワクチンも、その他のワクチンも、原則は1年に1回でしたね。

では、世界のワクチン接種事情はどうなっているでしょうか。



【世界のワクチン接種事情】


アメリカやイギリスなど、海外においては、狂犬病を含めたコアワクチンの成犬への接種は3年毎というのが主流です。

この『3年毎』の根拠となっているのが、現在86カ国が加盟しているWSAVA(世界小動物獣医師会)が指針として推奨している『ワクチネーションガイドライン』です。

もちろん、日本も加盟国ですヨ!

『ワクチネーション』というのは、ワクチン接種によって感染症への免疫を作るという意味です。

ですから、『犬のワクチネーションガイドライン』というのは、

ワンちゃんの感染症を予防するためには、こういうワクチンをこういう時期にこれくらいの間隔で接種するのがおススメだよ

ということを推奨した指針なんですね。


【ワクチネーションガイドライン】


WSAVAが推奨するワクチネーションガイドラインは、次のようなものです。

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コアワクチン(狂犬病・ジステンパー・アデノウィルス(伝染性肝炎)・パルボウィルスの4種)の接種間隔は

生後6~8週齢から始めて、2~4週間ごとの接種を16週齢以上になるまで繰り返す。

その後は半年後もしくは1年後に追加接種(ブースター)をする。

ブースター接種後は、3年以上空けて追加接種をする。

ただし、ブースター接種は、その時点で抗体検査を行い、その結果が陽性で免疫ができていることが判れば必要なく、そのまま3年以上間隔での接種に移行してもよい。
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前回のブログで、混合ワクチンの中のコアワクチンは3種類とお話しましたが、実は狂犬病ワクチンも混合ワクチンには含まれないってだけで、もちろんコアワクチンなんです。

ワクチネーションガイドラインで言っていることは、ちょっと小難しい感じがしますが、要するに

成犬になってからのコアワクチンの接種は3年ごとを目安にして、むしろ3年より短い間隔でやらない方がいいよ~!

ということを推奨しているんです。

あらまぁあらまぁ!!

日本は毎年・・・思いっきり3年より短い間隔じゃーないですか?!



【基本となる考え方】


WSAVAのワクチネーションガイドラインは、どのような考え方を基本としているかというと・・・

『ペットの健康を第一に考えよう!』

なんといってもコレです(ザンッ♪)

ペットを感染症から守るために実施するワクチン接種が、逆にペットの健康被害をもたらすとしたら、そりゃ奥さん!本末転倒ですわよ!

ということを言っているんですね。(←ちょっとニュアンスが違うと思いまーす)


実際に、日本小動物獣医師会の調査では、ワクチン接種をした犬のうち約200頭に1頭の割合で何かしらの副作用が見られたという統計があります。

更に、約30000頭に1頭はアナフィラキシーショックなどの重篤な症状によって亡くなっています。

イヤがるワンちゃんを無理矢理に獣医さんに連れて行って、お尻に痛~い注射を打つという可哀相な目に遭わせるのは、愛するワンちゃんが恐ろしい感染症にかかって苦しむことを避けるためなのに・・・

わたしのせいで、この子が死んでしまうかもしれないなんて・・・・(気絶)

ですよね。

ワクチン接種というのは ご存じのように、あらかじめ少量のウィルスを体に取り込んで抗体を作っておくという感染症の予防法です。

そのため、100%安全だとは言い切れないのが、残念ながら現実ですね。

ですからWSAVAは、リスクを伴うワクチン接種を必要最低限の回数にとどめることによって、少しでも悲劇を少なくしようと言っているんです。

単純に、毎年の接種が3年に1回の接種になれば、ワクチン接種による副作用のリスクは1/3になるわけですからね。


【本当に3年に1回で大丈夫?】


もうひとつ、WSAVAが声を大にして言っていることがあります。

それは

『エビデンス・ベースド』

ってこと。

『エビデンス』は”証拠”

『ベースド』は”〇〇に基づいた”

だから、

証拠に基づいた提言内容にこだわってんのよウチラ!!

ってWSAVAは言っているんですね。(やっぱり少しニュアンスが違う気がする・・・)

そのため、WSAVAのワクチネーションガイドラインには、もうイヤイヤっ!!ってほどの参考文献があります。

推奨されている内容は、例えば

査読付き科学雑誌に掲載された実験またはフィールドデータによって裏付けられた推奨

だったり・・・

実験的データまたはフィールドデータによって裏付けられていないが、微生物学および免疫学の『第一原理』の知見から推測される、または広く信じられている専門家の意見によって支持される推奨

だったり~・・・

要するに、ええ加減に、なんとな~く

「心配だからいっぱい接種しておこ~っと」

みたいなことはナンセンス!ちゃーんと裏付けのある根拠に基づいたワクチン接種をするべきだよ!

ってことを言ってるんです。

説得力も納得感もバツグンですね。



例えばお腹が痛いときに、早く治したいからって正露丸を1瓶いっちゃいますか~?!

過ぎたるは猶及ばざるが如し

あったりまえです。

多分、逆にお腹がもっと痛くなりまさ~ね~・・・(-_-;)



さて、ここまで読んで

「ホーラホーラ、やっぱりねぇ~!わたしもう、この子の予防接種は3年に1回にする!するったらする!」

って早まるのはおやめくださいね。

まだ続きがありますから、ぜひ最後までお読みいただきたいのです。


というわけで、長くなったので次回につづきます。



※犬と猫のワクチネーションガイドライン(2015年日本語版)



<今日のPet Hotel 11!>

”なつ”・・・またセミぃ~~?(ゲンナリ)
「バリバリ」いい音させないでぇ~~(;_:)

”ボス”・・・またダラダラしてんの~?(タメイキ)
ずん飯尾のネタじゃないんだからさぁ・・・
ホラホラ、可愛いモナちゃんいるよ~!
いい加減 起き上がれ~ ボス!
ねえ、そらく~ん、一緒にゴロゴロしな~い?

やだよ!ボクは元気だもん♪
初めてお泊りにきてくれた”そら”くんです(^▽^)

未去勢くんと未避妊ちゃんは、柵で隔てられています。
ふふふ モナちゃん覗いてる覗いてる(笑)
モナちゃん、とってもおりこうだったね♪
また遊びに来てね~~!