前回のブログでは、
海外では3年に1回が主流となっている成犬のワクチン接種が、日本では毎年接種となっている理由
を挙げると共に、そこにわたしの個人的な考えを付け加えてお話しました。
ここからは、理由の核心部分だとわたしが考えることについて、お話してみたいと思います。
【ワクチン3年に1回説にも矛盾が?】
なんでしょ~~ね~~~・・・気になる気になる~(早よせーよ!)
●ワクチンの効力はどのくらいもつのか?
まずは以下をごらんくださいな。
<主なワクチンの予想免疫持続期間>
---------------◇コアワクチン
ジステンパーウイルス → 生で9年以上 (不活化で5年以上)
パルボウイルス → 生で9年以上 (不活化で3年以上)
アデノウイルス2型 → 生で9年以上 (不活化で3年以上)
狂犬病ウイルス → 不活化で3年以上
◇ノンコアワクチン
コロナウイルス → 生・不活化で1年以内
パラインフルエンザ → 生で1年以内
レプトスピラ各種 → 不活化で1年以内
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※WSAVA ワクチネーションガイドライン(2015年 日本語版) より
これ↑を見ると、感染症によって、接種したワクチンの免疫持続期間が異なることが解りますね。
免疫持続期間ってゆーのは、ワクチンを接種したことによってその感染症にかからないための抗体が、体の中でちゃーんと機能している期間。
もっと簡単にいうと、ワクチンの効力がどのくらい継続するかってことです。
ワクチンの効力が続いている間は、次のワクチンを追加投与しなくても、その感染症にはかからない(または発症してもごく軽度ですむ)はずですね?
ちなみに、日本で接種される狂犬病以外のコアワクチンは大抵”生ワクチン”です。
あれれれ~?!
もう勘のいい方は、頭の中が「ハテナ」だらけになったかと思います。
狂犬病以外のコアワクチンに関しては、9年も効力が続くとされているではあーりませんか?!
きゅ~うね~~~ん?!
そもそも、10才を超えた老犬の場合、感染症にかかるリスクよりもワクチン接種の副作用のリスクの方が高いので、接種を控えるべきだと唱える獣医さんもいらっしゃいます。
(明確なファクトを示す文献は見つかりませんでした。個体や生活環境にもよりますので獣医さんとよく相談してくださいね)
仮に、この説が本当だとすると、狂犬病以外のコアワクチンは・・・
1才でブースター接種した場合、その効力が消失するのは9年後の10才ですから、10才で追加接種を1回だけして、以降はもう接種しなくていいってことになりませんか?
もっと言えば10才時点で抗体価を調べて、それが陽性ならば接種はいらない・・・
つまり、1才の時にワクチン接種したっきりでオケーーイ!
ってことになるぢゃーないですか?!
更にさ~ら~に~!!
ノンコアワクチンに至っては、効果の持続が1年以内・・・
いちねんいないぃ~~~?!
ちょっと!!どーなってんだ?
責任者出てこい!!ってなもんです。
●3年に1回の根拠は?
さんざん、
海外(ペット先進国)ではコアワクチンの接種は3年に1回が主流
と言ってきましたが、よーく調べてみれば、『3年に1回』の根拠すら怪しくなってきましたね。
この『3年に1回』に警鐘を鳴らしている獣医学博士 Dr. Jean Doddsは、2008年に発表した”ワクチン・プロトコル(ワクチン接種に関する取決め)”の中で、次のように述べています。
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収入が減ることを恐れる獣医師 VS ワクチンの副作用リスクを恐れる飼い主
この両者の折り合いをつけるために、政治的な妥協案として『3年に1回』という指針が示されたのです。
けれども、政治的、伝統的、あるいは獣医師の収入といった問題は、医学上の決定要素の一つとして取り上げるべきではありません。
ほとんどの犬(猫)の免疫システムは6カ月で十分に完成します。
生後6ヵ月の時に修正生ワクチン(MLV)を接種すると、ペットの生涯にわたり効力のある免疫を獲得します。
もし、その1年後に別の修正生ワクチンを注射すると、最初のワクチンで作られた抗体が2番目のワクチンの中にある抗原の効力を無力化してしまいます。
つまり、ワクチンの効果はほとんどなくなってしまうのです。
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もしこれが事実だとすれば、海外で実施されている『3年に1回』というワクチン接種間隔すらも、ペット第一主義ではなく、獣医業界や製薬会社の儲けに配慮した結果の妥協案だということになります・・・
んも~・・・なんか、いやんなってきちゃいますねぇ・・・
資本主義の悲しき性・・・(タメイキ)
●冷静になって考えよう
そうだそうだ。愛するワンちゃんのためです。
「やんなっちゃう」
なんて嘆いている場合ではあーりません!
冷静になって考えてみれば、WSAVA ワクチネーションガイドラインで言われているのは、あくまでも
『ブースター接種後のコアワクチンは3年以上空けた間隔で追加接種をする』
でしたね!!
『3年毎に接種しろ』
なんてこたあ、どっこにも書いていないわけですよ。
もしかすると・・・
海外の獣医業界や製薬会社は、WSAVA ワクチネーションガイドラインを無視するわけにいかなくなった・・・
そこで、WSAVAの提言内容にある『3年』という期間に着目して
『3年毎にお注射しましょ~ね~』
ということにしちゃったんじゃあ・・・?
という邪推がムクムク沸き上がりますよね?
Dr. Jean Doddsの言葉が、にわかに信憑性を増してきちゃいました!
長くなるので次回につづきます。
<今日のPet Hotel 11!>
今日は、なんだかみ~んなマッタリモード |
放牧された羊さんたちか?動きが遅すぎるワンたち そして この距離感・・・わたしは羊飼いか?(笑) |
ウエスティの海斗くん 2回目なのでかなりリラーックスしています♪ |
海斗くんにボールを盗られまいと 必死のボスですが・・・ |
ボールなんかにまったく興味ないんだよね~ |
マイペースで散策するのが楽しいんだ~♪ |