前回のブログのつづきです。
【衛生仮説】
■Th1 vs Th2 ふたつのリンパ球
衛生仮説とゆーのは、乳幼児期の衛生環境がアレルギーになりやすいかどうかを決めるのではないか?という仮説です。
私たちの体にはリンパ球という細胞があります。
この細胞は免疫機能を維持する上で、とっても大事な役割を担っています。
一口にリンパ球といっても、そこには様々な種類があるんですが・・・
衛生仮説で重視しているリンパ球は、次の2種類。
●Th1(Tヘルパー1)細胞
細菌やウイルスに対する免疫や防御という役割を担っています。
●Th2(Tヘルパー2)細胞
寄生虫に対する防御という役割を担っています。同時に、Th2が過剰になりすぎると、アレルギー反応を引き起こします。
このふたつのリンパ球のバランスに着目したのが”衛生仮説”というものなんですね。
■バランスって大事~
私たちは生まれてくる時に、Th2細胞が優位の状態で生まれてきます。
Th1細胞は”インターフェロンガンマ”という物質を生産します。
この物質は、お母さんとお腹の胎児との間で拒絶反応を引き起こす可能性がるんです。
そんなことになっては大変なので、胎児の体は”インターフェロンガンマ”を生産するTh1細胞を抑え込んでおく必要があります。
だから胎児の体はTh1が抑え込まれた結果、Th2細胞が優勢な状態になっているわけですね。
よくできてるなぁ~!神秘的ですねぇ~・・・
お母さんのお腹から外界に出た赤ちゃんの体は、
『わわ!ここ(外界)には細菌やウイルスがかなりあるぞ!だから負けないようにTh1を増やして対抗しないと!!』
という風にTh1を増やすことを前提にした状態で産まれてくるのです。
Th1とTh2は、どちらかが突出して優位になりすぎても健康被害が出るという意味で、そのバランスがとれていることが非常に重要なのですね。
赤ちゃんは、生まれてからは様々な細菌やウイルスにさらされる(感染する)ことでTh1細胞の数や機能を高めていきます。
そのようにして、生後すぐはTh2に傾いていたバランスが修正されていくんです。
その結果、赤ちゃんの体は外界の細菌やウイルスにはTh1で対抗し、寄生虫にはTh2で対抗することができる状態になって、免疫系全体としてのバランスがとれるようになるというわけですね。
■清潔すぎると・・・
ところが、赤ちゃんがあまりに清潔すぎる環境で過ごして、細菌やウイルスにさらされる(感染を受ける)機会が少ないと、本来は生後徐々に成熟するはずのTh1細胞が育ってこないんです。
当然、いつまでたってもTh2が優位な状態がつづいてしまいますね。
Th2細胞は、寄生虫に対する防御という役割を担っていると同時に、あまりに優勢だとアレルギー反応を引き起こしてしまうリンパ細胞でしたね?
本来は、ある程度の細菌やウイルスがある環境を見越して動物の体に備わった自然の機能があるのに、あれれ?見込んでいた細菌やウイルスがないーー!?
・・・という状態が、体内でのTh1とTh2の均衡を乱してしまうから、自らの体を自らが破壊するような過敏なアレルギーという症状を生み出しているというのが”衛生仮説”なんですね。
■衛生仮説の研究
衛生仮説を提唱しているのは、イギリスのStrachanという研究チームです。
同チームは、1958年にイギリスで生まれた新生児1万7千人を対象とした追跡調査を実施して、何がアレルギーの発症に影響を及ぼすのか?ということを解析したのです。
その結果、兄や姉のいる子供や、生まれた時からペットがいる家庭の赤ちゃんほど、統計学的にアレルギーになりにくいということが判りました。
兄や姉、ペットがいる赤ちゃんの方が、細菌やウイルスに接する(感染する)機会が多い。
だからアレルギーになりにくいのでは?
という風に彼らは考えたのですね。
その後も、この衛生仮説を支持するような疫学的データや動物実験の結果も出てきたために、この仮説はおおむね支持されています。
■原因はひとつではない
衛生仮説はほぼ実証されつつあり、かなり有力な説です。でもだからといって、赤ちゃんの時の衛生環境だけがアレルギーの原因だとは言い切れないようです。
実際に、最近の研究では、Th1やTh2以外の細胞にも、アレルギーのなりやすさに影響を与えるリンパ球が存在することも判ってきています。
また、乳幼児期に細菌やウイルスに感染する機会が少ないという理由以外にもアレルギーになりやすくなる、いくつかの要因が挙げられています。
そのひとつが、腸内細菌環境です。
長くなるのでつづきは次回に~・・・
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