以前、オーストラリアのクイーンズランド州で、ヒアリ探知犬が大活躍しているというお話をご紹介をしました。(コチラ)
そのクイーンズランド州で、いま最も有名な犬、ガヴェル(Gavel)くんのお話です。
【期待の新星Gavel!】
Gavelくんは、警察犬の候補生でした。
警察犬訓練学校へ入学した当初、地元警察のプレスリリースによれば
『Gavelは何世代にも及ぶ正当な血統を有するジャーマンシェパードである。この血統があれば、彼は16ヶ月で犯罪者を追跡し捕まえるようになるだろう。クイーンズランド犬隊の誇り高きメンバーとして!』
と、将来を嘱望されている鳴り物入りの新人警察犬候補生だったんです。
ところが・・・・そうはなりませんでした。
Gavelくんは、
『警察犬として、最前線で活躍するための資質に欠けている』
という理由で、屈辱的な”警察犬失格”の烙印を押され、訓練生をドロップアウトしちゃいました。
素晴らしい血統のジャーマンシェパードGavelくんの、何が一体ダメだったんでしょう?
【人懐っこすぎ】
Gavelくんは、警察犬として決定的な欠陥を持っていました。
あまりにもフレンドリーで人懐っこすぎたのです。
犯罪者を追い詰めることよりも、人に遊んでもらうことが大好きで、すぐに”おなかナデナデ”されようとする子だったのです。(笑)
Gavelくんが、名誉あるクイーンズランド州警察犬としてのベストを脱いだのは、今年の2月のことでした。
失業です・・・
【起死回生!】
里親として生後6か月の時から公邸でGavelくんを育てていたクイーンズランド州総督は、期待外れというレッテルを貼られた彼を見捨てたりはしませんでした。
逆に、Gavelくんの人懐っこすぎるという個性を活かした、Gavelくんにしかできない任務を与えることにしたのです!
Gavelくんに与えられた新しい肩書は”Vice-Regal Dog”
『副総督犬』って感じでしょーか?(笑)
彼のために新しく作られた役職です。
お仕事内容は、クイーンズランド州総督の公邸で、ゲストやツアーの観光客を迎え入れたり、州総督と一緒に様々なセレモニーに参加するというものです。
警察犬訓練生時代に、人に対して危害を加えることがない、いや、できないというお墨付きをもらっているGavelくんですから、安心して大切なゲストをおもてなしさせることができるのですね~♪
【愛犬の特性を活かす】
このニュースは、現在の仕事で成果を上げられない人や、思うような評価が得られていない人たちに おおいに勇気を与えるお話だとして、世界中に広まり、Gavelくんは大人気となりました。
Gavelくんの現在の役職は、当初目指していた州警察犬よりもうんと上の階級になるのですからね。
カッコイイベストを着せてもらっているGavelくん
けれども、わたしはこのニュースを少し違った気持ちで見ました。
当のGavelくんは、もちろん役職や階級、名誉といったことに関心などあるはずがありません。
ただ、警察犬になるよりは、自分自身の特性を存分に活かすことができる今のお仕事を与えてもらって、Gavelくんは幸せにちがいありません。
ショーに出そうと買ってきた犬なのに・・・
レース犬にしたかったのに・・・
猟犬にと思っていたんだけど・・・
闘犬向きだと思っていたんだが・・・
朝起きたら新聞を取ってきてくれる犬に憧れていたのに・・・
などといったように、飼い犬が、飼い主さんが期待していた資質をまったく持ち合わせていなかった時、それを理由に責任を放棄する飼い主さんが数多くいる中、Gavelくんが水を得た魚のように、立派に州総督公邸のホストを務めているというニュースは、ホッコリと心を温めてくれるような、素敵なニュースではありませんか♪
わたしたちも犬と接する時に、自分の思い通りにいかないことを嘆いてばかりいるのではなく、その犬の特性を逆手にとって活かすという柔軟性を求められているのかもしれませんね。
(出典:BBC NEWS)
(記事内の画像はすべてクイーンズランド州総督のインスタグラムより)
余談ですが、Gavelくんの名前のGavelっていうのは、裁判官が『カンカン!静粛に!!』とかやっている、あの木槌のことだそうですよ。
<今日のPet Hotel 11!>
甘えん坊すぎてお泊りは無理ってママに言われたけど ワタシ、ちゃーんとおりこうにできたのよ! |
入るべきか入らないべきか・・・ |
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