2017年8月31日木曜日

ワクチン接種は本当に1年に1回必要か?⑦(対策編)

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


いよいよ、恐ろしい感染症から愛犬を守りながら、過剰なワクチン接種によるリスクや負担を最低限にするために、具体的にどうすればいいか?

ということを考えていきたいと思います。

【現時点で飼い主さんができる対策】


ワンちゃんのためのワクチン接種に関しては、様々な問題が複雑に絡み合っていて、理想の形を実現するには遠い道のりです。

それでも、少なくとも今、自分たち自身で愛犬のためにしてあげられる対策を考えて、実行していこーではあ~りませんか?!


●接種する混合ワクチンを自分自身で決める


まず、以下の質問に即答できる飼い主さんは、どのくらいいらっしゃるでしょーか?


Q1) ご自分のワンちゃんが受けている予防接種は”何種”のものですか?

Q2) その”何種”というのは、具体的にどんな感染症を予防するものですか?

Q3) それらの感染症予防は、本当にアナタの愛犬に必要なものですか?


もし、アナタが上記の問にひとつも答えられなくても、ぜんぜん恥ずかしがる必要はありません。

実は、こういったことがよく解らずに、かかりつけの獣医さんに言われるままに接種している飼い主さんの方が多いくらいです。

だって、ペットの病気に関するプロが奨めるんですものねぇ~!

『獣医さんの言う通りにしときゃ~間違いない!』

って思うに決まってるさフツー・・・


けれども、前回の記事でお話したように、ワクチン接種の副作用やリスクは多岐にわたり、例え命の危機に直結せずともワンちゃんのQOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)を下げてしまうものが実にたくさんあります。

アレルギーなんかは その代表例だと思いますし、あまりにアレルギーのワンちゃんが増えているのはホント気になって仕方ない、気味の悪ぅ~い現象だと感じています。

それに、1年に1回ワクチン接種をする根拠や、混合ワクチンのセットメニューについても、多くの矛盾点や疑問点があることを、もうアナタもワタシも知ってしまいました。

それを知った今からでも遅くありません。

変えていきましょーよ!

愛犬へのワクチン接種の在り方を!!(握りこぶし)


まず重要なのは、ご自分の愛犬に本当に必要なワクチンはどれなのか?

ということをよく考えた上で、接種するワクチンを必要最低限にするということです。


では、愛犬にどういった感染症予防が必要なのか?を考えるために、なくてはならない情報はなんでしょうか?


●敵を知る


いつもお話しているように

『敵を知り、己を知れば、百戦危うからず』by孫氏

なのです!

何のために愛犬にワクチン接種を受けさせるんですか?

こわい感染症から愛犬を守るためですよね?

では、感染症という敵をまず知ろうではないですか!

インターネットで検索すると、犬の感染症について、佃煮にするほどたくさんの情報を得ることが可能です。(佃煮にはしなくてイイです)

一例として、Petwellというサイトに、”犬の病気事典”というページがあります(コチラ

とても詳しく感染症のひとつひとつについての解説が載っています。

別にココでなくても構いませんので、ナットクがいくまで感染症についてよく調べてみてください。


ちなみに・・・感染症の名前に複数の呼び名があったり・・・
ワクチン名と感染症の名前が対応していなかったり・・・

ってゆーヒッカケ問題がけっこうあります。ホント、親切じゃないのよねぇ!

そこで、みなさんが混乱しやすい名前について書いておきますので、以下を参考にしてみてくださいね。

※間違えやすいものだけですよ。必要なものという意味ではありませんので念のため・・・

ワクチン名
対応する感染症名
アデノⅠ
犬伝染性肝炎 別名=イヌ肝炎
アデノⅡ
伝染性気管支炎 別名=ケンネルコフ
パラインフルエンザ
伝染性気管支炎 別名=ケンネルコフ



ここで、飼い主さんが考えるべきことのポイントは、


■愛犬の年齢(成犬ではほとんど心配のない感染症もある。老犬にはリスクしかない場合もある)

■飼育形態(室内犬か?外飼いか?などで感染症を発症するリスクは違う)

■住んでいる地域(高温多湿の地域と低温乾燥の地域では心配すべき感染症が違う)

■ライフスタイル(多くの犬と交流が盛んか?基本的に1匹でいるか?によって気を付けるべき感染症が違う)


といったことです。

こういったことに関しては、誰よりも飼い主さんご自身が一番よくご存じでしょう。

獣医さんや他人の意見に振り回されることなく、愛犬の様子や生活環境に応じて、ご家族でよく話し合ってお決めください。


◇問題点


ここで出てくる問題点は、
ワクチン接種は本当に1年に1回必要か?⑤の中で触れた

”詰め合わせセットの悲劇”問題です。

混合ワクチンはセット販売のため、愛犬に必要なワクチンをアラカルトメニューのように個別にオーダーすることが難しい現状については、行政なり製薬会社なりになんとか改善してもらうよう、わたしたち飼い主が声を上げていかなくてはなりませんね・・・

方法として、わたしが考えたのは・・・

------------------
① いつも行っている獣医さんで

『え~~~~?! 〇〇だけを接種したいのにぃ~~~!!ないのぉ~~?!信じらんな~~~い!なんでぇ~~~?ねえねえセンセ!なんでなのぉ~~~?』

と言う。なんだったら

『他の病院ならやってるかなぁ~~・・・帰ったら調べてみよっ~っと♪』

と言う。


② ①を獣医さんに行くたび言う。

③ お散歩仲間にも呼び掛けてみーんなして獣医さんに行くたび言う!!

④ そんでもって、とにかく機会あるごとに言うったら言う!
------------------

バカみたいですか? ははは・・・(;'∀')

いやいや、大真面目なんですよわたしは!

たくさんの飼い主さんがそういう面倒くさいことを言うようになれば、獣医さんだってちょっとは考えると思うんですよ。

そーして、ほぼ毎日のように診療時間が終わったころにやってくる製薬会社の営業マンとの会話において


センセ『なあ、最近こういうリクエストが多いんだけど、キミんとこの会社には〇〇単体のワクチンはないわけ?ボクの肌感覚としては、かなりの需要があるぜ~~!』

営業マン『ホントでやんすかっ?!じゃあ早速次の営業会議にかけてみるッス~!』


みたいなことが起こらないとも限らないじゃーないですか。


小さなことからコツコツと・・・(by 西川きよし)


【現時点で飼い主さんができる対策】はまだ次回につづきます。



<今日のPet Hotel 11!>

ボクとくまタンで遊んでくださーーーーい!!
早くはやくぅー!遊んでったら遊んでーーー!! 
あっ・・・・
こういう風に遊ぶんじゃあなくて~~~~・・・


そうじゃなくってぇえええ!!

なつ「こうでしょ?!ガルルル~~~!」
ボス「そういうんでもなくって~~~泣」



2017年8月30日水曜日

ワクチン接種は本当に1年に1回必要か?⑥

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


前回までのお話を踏まえて、恐ろしい感染症から愛犬を守りながら、過剰なワクチン接種によるリスクや負担を最低限にするために、具体的にどうすればいいか?

ということを考えていきたいと思います。

でもその前に・・・

中には

『そもそもワクチン接種ってホントにそんなにリスクがあるの?ウチの子は毎年受けてて何の問題もないけど・・・?』

と思われる飼い主さんもいらっしゃるかと思います。

そのあたりのことについて、本当はシリーズの最初でお話すべきでした~・・・(ウッカリウッカリ)

そこで今日は、あらためて、そもそもワクチン接種のリスクって具体的になんなの?というお話をしたいと思います。

とても興味深いお話なので、ぜひ最後までお読みくださーい!


【ワクチン接種の副作用・リスク】


●アナフィラキシーショック


最も恐ろしく、命に関わる副作用がアナフィラキシーショックです。

アナフィラキシーショックというのは、外来抗原に対する過剰な免疫応答によって、全身に重篤な症状が出てしまうことです。

自分の軍隊を【免疫軍】、接種するワクチンを外敵である【抗原軍】とすると・・・

ある日突然、【免疫軍】陣地に2~3人の【抗原軍】の歩兵が侵入してきます。

『やや!何ヤツ?!デアエデアエーーイ!!』

・・・とか言って、2~3人の敵兵を相応の【免疫軍】兵士が迎え撃ち、それによって【抗原軍】に対する【免疫軍】の経験値が上がった(テレレレッテッテッテ~~~♪)

・・・コレが正常な戦術です。

ところが、侵入者に過剰反応した【免疫軍】兵士たちが、たった2~3人の敵兵に対して

『あ、バカ・・・よせ!!』

と仲間が制止するのも聞かずに、自陣内で大量の爆弾を使用する・・・

といったクルクルパーな暴挙に出たらどうなるでしょう?

トーゼン、敵兵のみならず自陣を焼野原に、味方兵をこんがり丸焼きにして全滅してしまうことになりますね?

それが動物の体内で起きれば、それはすなわち

自殺行為

になるわけです。

これが、アナフィラキシーショックですね。


◇マメマメ知識◇

------------------------------- ワクチン接種によるアナフィラキシーショックは、通常わりとすぐに症状が現れますから、接種後30分程度は病院にとどまって様子を見ましょう

更に帰宅してからも24時間くらいは安静にさせて容態の変化を観察し、おかしいと思ったらすぐさま病院へ連れて行くようにしましょう。

アナフィラキシーショックを起こしても、対処が早ければ助かる可能性があるからです。

気の利いた動物病院なんかだと、ワクチン接種後はお会計で呼ばれるのが遅かったりするみたいですね。

きっと

『30分は院内にいてくださいね~』

っていくら言っても生返事をして言うことをきかない飼い主さんが多いんでしょう(-_-;)
-------------------------------

●その他の副作用やリスク


アナフィラキシーショック以外の副作用として、

甲状腺機異常、アレルギー性皮膚炎、外耳炎、膀胱炎、関節炎、てんかん、ガン

などの事例があると言われています。


●共通項は”自己免疫疾患”?


わたしが特に注目したのは、アレルギー性皮膚炎です。

先日、【アレルギーのワンちゃんが増えている】という記事をシリーズで書きましたが、Pet Hotel 11!にやってくるワンちゃんにも、何かしらのアレルギーだというワンちゃんが複数いるからです。

アレルギーのワンちゃんたちの助けになることは何かないかしらん・・・

そう思って調べてみると、上記に挙げた

甲状腺機異常、アレルギー性皮膚炎、外耳炎、膀胱炎、関節炎、てんかん、ガン

といったワクチン副作用の例は、いずれも自己免疫疾患が原因となって起こり得る病気だということが判りました。

もちろん、それ以外の原因でこれらの病気になる可能性もあります。

けれども、少なくともワクチン接種の副作用として起きた疾患については、自己免疫疾患だと考えるのが自然ではないでしょうか?

つまり、こういった副作用はみな、アナフィラキシーショックと同じように、ワクチンという【抗原軍】に対して、ワンちゃん自身の【免疫軍】が暴走することによって引き起こされているってことです。


【免疫軍】が、自陣で大量破壊兵器を使えばアナフィラキシーショック

【免疫軍】が、自陣の一部で手榴弾を使えば、その他 副作用の諸症状


ということですね。

つまり、原因はみな同じ

【免疫軍】の暴走

で、暴走した味方兵が自陣のどの部分をどの程度攻撃するかによって現れる症状が異なるだけ・・・ってことです。

もし、そうだとしたら、多くのワンちゃんたちが苦しめられている

アレルギー性皮膚炎アトピー性皮膚炎繰り返す外耳炎てんかん

といった症状は、ワンちゃんの健康を願って毎年受けさせているワクチン接種がその原因かもしれないと疑ってみる価値はありそうです。

原因が判れば、それを取り除くか軽減することでワンちゃんが楽になるんですもの♪


そこで、わたしは更に調べてみました。

すると、福岡にあるエンゼルペットクリニックという動物病院のホームページに、大変興味深い記述を発見しました。

同クリニックの院長 名越譲治さんは、WSAVA ワクチネーションガイドラインに沿って、かつては毎年接種していたワクチンを3年毎に方針転換した獣医さんです。

以下に一部抜粋します。


●エンゼルペットクリニック院長コラムからの抜粋


以前、毎年春にワクチンを注射していたころは梅雨時になると皮膚病にかかる犬が多数いました。

これは暑くてじめじめした季節のせいだと思っていました。


ところが3年毎の接種に切り替えた次の年の春はほとんどの犬にワクチンを打たなかったのですが、梅雨時の皮膚病が激減したのです。


それだけではなく外耳炎やアレルギーなど比較的夏に出やすい病気も同じように減少しました。


また、癌にかかった犬の病歴を調べるとほとんどの犬が毎年ワクチンを受けていました。そして、アレルギーやアトピー性皮膚炎の犬の多くが毎年のワクチンを中止することで自然に治癒していきました。


(引用:エンゼルペットクリニックホームページ

※抜粋部分以外も、大変興味深い内容が書かれていますので、ぜひ読んでみてください。


【ワクチン接種は必要最低限に!】


エンゼルペットクリニック院長の言葉を信じるか信じないかはアナタ次第ですが、わたしは信じます。

だって、獣医さんが書いているんですよ!

獣医さんは、ワクチン接種が毎年の方が儲かりますし、なんだったらワクチンが原因となって具合が悪くなるワンちゃんがいっぱいいれば、ガッポガッポなんですもん。(←いや、言い方・・・)

その獣医さんが、たくさんのワンちゃんやネコちゃんにワクチン接種をしてきたご経験と、その子たちのカルテデータの分析結果から、こういう風におっしゃっているんです。

なんでわざわざ収入減になるよーなウソをすき好んでつく必要がある~~?


ワクチン接種は必要最低限にすべき。


とわたしが多くの飼い主さんに知っていただきたい理由が、お解りいただけたでしょうか・・・

よろしければ、たくさんの方にこのことをシェアしていただきたいと思います。
(お庭番に許可をお求めいただく必要はございません)


長くなってしまいまいた。

次回こそ、具体的にわたしたちが取るべき行動や対策について考えていきま~す!
ホントにホントで~す!


<今日のPet Hotel 11!>

推定13才くらいの元保護犬MAXくん。
お気に入りのハンバーガーのおもちゃを頭に乗せられ・・・
「やめてよ~~う!」

最近すごく疲れやすいMAXくんは、
お外に行きたがるけれど、短い時間にしようね~。
とっても嬉しそう♪

ハイ!休憩~!満足してくれたかな?

わあわあ!”なつ”を食べないで~~!

「何バカなこと言ってるのさ~~」
「ハイ・・・ゴメンなさ~い」




2017年8月29日火曜日

ワクチン接種は本当に1年に1回必要か?⑤

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。

つづきです。


【適切なワクチン接種の難しさ】


●『何年に1回なら安心』は存在しない


これもまた、イヤんなっちゃいそうなお話なんですが・・・

ワンちゃんのワクチン接種は 1年に1回だろーが、3年に1回だろーが、どっちにしろ結局は安心材料にならないのです。

Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン


その理由はたとえば・・・

◇ワクチンが不良品かもしれない(←殴る蹴る)

コレ・・・ホントに腹立たしいんですが、稀にあるんです。

ほら、信頼ある大手国産食品メーカーですら、ヤキソバに異物が混入してたりってことがあるじゃーないですか?

製薬会社にだって、ワクチンのパッケージ段階やら輸送段階やらで、何らかの不備があって、そういう不良ワクチンがあったりするわけです。

実際、WSAVAも抗体ができない個体がいる原因のひとつとして、このワクチン不良を挙げています。

そして、不良ワクチンかどうかは見た目ではわかんな~い・・・

いやがるワンちゃんを無理矢理獣医さんに連れて行き、痛い出費をしてワクチン接種しても、それが不幸にも不良ワクチンだった場合、実態としてはまったく意味がないことになりますね( ノД`)


◇愛犬がローレスポンダーかもしれない

これもごく稀にですが、ローレスポンダーのワンちゃんもいます。

ローレスポンダーというのは、

免疫系が本質的にワクチン抗原を認識できない個体(ワンちゃん)

のことです。

そもそも、ローレスポンダーのワンちゃんにワクチンを接種しても、必要な抗体ができませんから、これまたまったくの無駄ということになります。

最近のドイツの研究で、ロットワイラーには狂犬病ウイルスに対するローレスポンダーの割合が高いということが判っています。



要するに、ワクチンを接種することが大事なんではなくて、接種したワクチンが効いているか? ってことが大事なんですね。


●本当に必要なのは・・・


そういうことを色々と考え併せていくと、ワンちゃんの健康のために本当に必要なのは、

『ワクチンは〇年毎に接種をするべき』

というお約束ではなくて、

『根拠のない既定の間隔に縛られず、愛犬に最適なタイミングでワクチン接種すべき』

だということが解りますね!

考えてみればトーゼンのことなのに、つい情報に振り回されていたわたしたち・・・

ウッカリしてたぜいっ!!

じゃあ、自分の愛犬に合った最適なワクチン接種のタイミングは、どうすれば判るか?

簡単です。


◇毎年、健康診断を兼ねて獣医さんに行き、抗体価検査をしてもらーう。

抗体価検査ですべての感染症の抗体が陽性ならワクチン接種はしなーい。

◇抗体価が足りない感染症のワクチンだけを接種してもらーう。


たったコレだけです!
2015年版のWSAVA ワクチネーションガイドラインでも、抗体価検査の重要性について、ちゃーんと強調されています。

まさに、コレこそが根拠に基づいた=エビデンス・ベースドのワクチン接種ってことになりますよね?!

こうすることで、ワンちゃんのワクチン接種による副作用などのリスクや体の負担を減らしてあげることができます。

更に、前回接種したワクチンが万が一不良ワクチンだったり、ワンちゃんがローレスポンダーだったりしても、抗体価検査で判明するわけです。

あーよかったよかった♪
これで解決~ぅ!
すんごい納得感!
なんで気づかなかったのかしらぁ~?
ヤンヤヤンヤ~~♪


ところが・・・・!

そうは問屋が卸さないんですよ、奥さん・・・


●詰め合わせセットの悲劇


このシリーズの最初のブログで、

混合ワクチンは”ワクチンの詰め合わせセット”

だとお話しましたね。

現在、日本で入手可能なワクチン(狂犬病以外)は、製薬会社にもよりますが例えば以下のような感じです。

-----------
1種ワクチン   : パルボ
2種混合ワクチン : ジステンバー、パルボ
3種混合ワクチン : ジステンバー、アデノⅠ、アデノⅡ
4種混合ワクチン : 3種+パラインフルエンザ
5種混合ワクチン : 4種+パルボ
6種混合ワクチン : 5種+レプトスピラ1種
7種混合ワクチン : 5種+レプトスピラ2種
8種混合ワクチン : 7種+コロナ
9種混合ワクチン : 8種+対応するレプトスピラが増える
-----------

例えば、年に1回の健康診断時にワンちゃんの抗体価検査をしてもらったとします。

愛犬には、コアワクチンしか接種するつもりがない飼い主さんだったとして・・・

抗体価検査の結果、アデノⅡの抗体価値のみが足りなかったとすると・・・

どうします?どれをお注射してもらいますか?


ジステンバーパルボも十分すぎるほどの数値だから必要ない。いやむしろ、打ちたくない!

なのに、足りないアデノⅡだけが入ったワクチン製剤がない?!

仕方なく3種を選ぶか・・・それともアデノⅡを捨てるか・・・

悩みますよねぇ~~?!


ミニサラダだけが食べたいのに、

『お客さま~?ミニサラダはランチセットにしかついておりません』

みたいな・・・

サクマドロップのハッカ味を1粒だけ食べたいのに、1缶買わないとダメみたいな・・・


いやいや、それどころじゃーありません。

ワクチンの場合は、副作用のリスクがあるんですからね。

上記に書いた混合ワクチンの種類は、よっぽど品ぞろえのいい獣医さんの場合で・・・

実際には取引のある製薬会社にもよりますので、中には

『うちは5種以上の混合ワクチンしか置いてないよ』

といった動物病院もあります(トホホ・・・コース料理しかないのかよ~う)


●アラカルトにしてよ!


ワクチンは、セットだけじゃなくてアラカルトにしてくれれば、抗体価検査をして本当に必要なワクチンだけを必要に応じて接種できるのに・・・

って、思いませんか?

実際、ワンちゃんの健康を第一に考えたら、その方法がもっとも確実で安全なんです。

足りない分だけ接種する・・・シンプルでいいぢゃないですかー!

そんなことはもう獣医さんだって製薬メーカーだって、厚労省だって、とーっくの昔から知ってるはずのことなんです!!

けれども実際にすべてのワンちゃんの飼い主さんが、抗体価検査をして足りなかった分だけを接種する・・・

ということになった場合、製薬メーカーとしては・・・


必要なワクチンの種類や数の予測が立たなくなる。



生産しても売れ残る商品がたくさん出てしまう。



結果的に生産をやめてしまう。または受注生産ですっごく高くなる。


・・・というようなことが起こる可能性がありますね。

もし、そんなことになったら、必要な時に必要なワクチンが入手できない!

ということだってあるかもしれません。

『アデノですかぁ~・・・受注生産なので来年になりますねぇ~。それと、1回5万円になりま~す』

というような感じでしょーか?



●だからか・・・


ダラダラと書いてきましたが、まとめます。

日本におけるワンちゃんのワクチン接種が、相変わらず見直されることなく、毎年1回という風習にのっとって行われているのは、以下のような理由によるのでは?と個人的に思っているのです。

◇海外に倣って3年に1回にしても明確な根拠が示せない。矛盾が生じてしまう。

◇3年ごと接種にした場合、もしも不良ワクチンなどの理由で抗体ができていなかった場合、長期にわたってワンちゃんをリスクに晒すことになる。

◇抗体価検査の結果に応じたワクチン接種にするのは理想的。でも実際にはワクチンの安定供給や適正価格の実現が困難になる(それによって苦情などを生むかもしれない)


こういった、実に悩ましい問題が山積しているために、

は・・・

『そもそも狂犬病以外は義務ではないのだから、あえて国の方針として獣医師会に提言などして責任を負う必要はない。今まで通り自己判断・自己責任でいいじゃ~ん』

製薬会社は・・・

『なるべくたくさん売れればそれでイイ。副作用で犬が病気になれば更に別な薬が売れるのでなおさらイイ♪』(←ガルルル~)

と・・・残念ながら、そういうことなんじゃないのかなぁ・・・と思います。



さて、悩ましい問題や腹立たしいことだらけではありますが、頭抱えてたって愛犬は幸せになりません。

では現時点で、わたしたちが愛犬のためにできることは一体なんなのでしょう?

そのあたりのお話を次回させていただこうと思います。


<今日のPet Hotel 11!>


クンクントレイン♪

海斗くんとはのんちゃんは、随分気が合うみたい

海斗くん、お帰りだよ~!
「ええ~~ 帰っちゃうの~~~?」

見送るウリくんの後ろ姿 肉球カワイイ(笑)

海斗くん。お泊り頑張ったね!また遊びにおいでね~!

いっぱい走り回って・・・
涼しいお部屋で休憩♪
内緒ばなしかな?






2017年8月28日月曜日

ワクチン接種は本当に1年に1回必要か?④

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


前回のブログでは、

海外では3年に1回が主流となっている成犬のワクチン接種が、日本では毎年接種となっている理由

を挙げると共に、そこにわたしの個人的な考えを付け加えてお話しました。

ここからは、理由の核心部分だとわたしが考えることについて、お話してみたいと思います。


【ワクチン3年に1回説にも矛盾が?】


なんでしょ~~ね~~~・・・気になる気になる~(早よせーよ!)

●ワクチンの効力はどのくらいもつのか?


まずは以下をごらんくださいな。

<主なワクチンの予想免疫持続期間>

---------------
◇コアワクチン
ジステンパーウイルス → 生で9年以上 (不活化で5年以上)
パルボウイルス    → 生で9年以上 (不活化で3年以上)
アデノウイルス2型   → 生で9年以上 (不活化で3年以上)
狂犬病ウイルス    → 不活化で3年以上

◇ノンコアワクチン
コロナウイルス    → 生・不活化で1年以内
パラインフルエンザ  → 生で1年以内
レプトスピラ各種   → 不活化で1年以内
---------------
WSAVA ワクチネーションガイドライン(2015年 日本語版) より


これ↑を見ると、感染症によって、接種したワクチンの免疫持続期間が異なることが解りますね。


免疫持続期間ってゆーのは、ワクチンを接種したことによってその感染症にかからないための抗体が、体の中でちゃーんと機能している期間。

もっと簡単にいうと、ワクチンの効力がどのくらい継続するかってことです。

ワクチンの効力が続いている間は、次のワクチンを追加投与しなくても、その感染症にはかからない(または発症してもごく軽度ですむ)はずですね?

ちなみに、日本で接種される狂犬病以外のコアワクチンは大抵”生ワクチン”です。


あれれれ~?!

もう勘のいい方は、頭の中が「ハテナ」だらけになったかと思います。

狂犬病以外のコアワクチンに関しては、9年も効力が続くとされているではあーりませんか?!

きゅ~うね~~~ん?!


そもそも、10才を超えた老犬の場合、感染症にかかるリスクよりもワクチン接種の副作用のリスクの方が高いので、接種を控えるべきだと唱える獣医さんもいらっしゃいます。

(明確なファクトを示す文献は見つかりませんでした。個体や生活環境にもよりますので獣医さんとよく相談してくださいね)

仮に、この説が本当だとすると、狂犬病以外のコアワクチンは・・・

1才でブースター接種した場合、その効力が消失するのは9年後の10才ですから、10才で追加接種を1回だけして、以降はもう接種しなくていいってことになりませんか?

もっと言えば10才時点で抗体価を調べて、それが陽性ならば接種はいらない・・・

つまり、1才の時にワクチン接種したっきりでオケーーイ!

ってことになるぢゃーないですか?!


更にさ~ら~に~!!

ノンコアワクチンに至っては、効果の持続が1年以内・・・

いちねんいないぃ~~~?!


ちょっと!!どーなってんだ?

責任者出てこい!!ってなもんです。


●3年に1回の根拠は?


さんざん、

海外(ペット先進国)ではコアワクチンの接種は3年に1回が主流

と言ってきましたが、よーく調べてみれば、『3年に1回』の根拠すら怪しくなってきましたね。

この『3年に1回』に警鐘を鳴らしている獣医学博士 Dr. Jean Doddsは、2008年に発表した”ワクチン・プロトコル(ワクチン接種に関する取決め)”の中で、次のように述べています。

-----------
収入が減ることを恐れる獣医師 VS ワクチンの副作用リスクを恐れる飼い主

この両者の折り合いをつけるために、政治的な妥協案として『3年に1回』という指針が示されたのです。

けれども、政治的、伝統的、あるいは獣医師の収入といった問題は、医学上の決定要素の一つとして取り上げるべきではありません。

ほとんどの犬(猫)の免疫システムは6カ月で十分に完成します。

生後6ヵ月の時に修正生ワクチン(MLV)を接種すると、ペットの生涯にわたり効力のある免疫を獲得します。

もし、その1年後に別の修正生ワクチンを注射すると、最初のワクチンで作られた抗体が2番目のワクチンの中にある抗原の効力を無力化してしまいます。

つまり、ワクチンの効果はほとんどなくなってしまうのです。
-----------

もしこれが事実だとすれば、海外で実施されている『3年に1回』というワクチン接種間隔すらも、ペット第一主義ではなく、獣医業界や製薬会社の儲けに配慮した結果の妥協案だということになります・・・


んも~・・・なんか、いやんなってきちゃいますねぇ・・・

資本主義の悲しき性・・・(タメイキ)


●冷静になって考えよう


そうだそうだ。愛するワンちゃんのためです。

「やんなっちゃう」

なんて嘆いている場合ではあーりません!

冷静になって考えてみれば、WSAVA ワクチネーションガイドラインで言われているのは、あくまでも

『ブースター接種後のコアワクチンは3年以上空けた間隔で追加接種をする』

でしたね!!

『3年毎に接種しろ』

なんてこたあ、どっこにも書いていないわけですよ。

もしかすると・・・

海外の獣医業界や製薬会社は、WSAVA ワクチネーションガイドラインを無視するわけにいかなくなった・・・

そこで、WSAVAの提言内容にある『3年』という期間に着目して

『3年毎にお注射しましょ~ね~』

ということにしちゃったんじゃあ・・・?

という邪推がムクムク沸き上がりますよね?

Dr. Jean Doddsの言葉が、にわかに信憑性を増してきちゃいました!



長くなるので次回につづきます。



<今日のPet Hotel 11!>


今日は、なんだかみ~んなマッタリモード

放牧された羊さんたちか?動きが遅すぎるワンたち
そして この距離感・・・わたしは羊飼いか?(笑)
ウエスティの海斗くん
2回目なのでかなりリラーックスしています♪
海斗くんにボールを盗られまいと
必死のボスですが・・・
ボールなんかにまったく興味ないんだよね~
マイペースで散策するのが楽しいんだ~♪






2017年8月27日日曜日

ワクチン接種は本当に1年に1回必要か?③

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


前回のブログで、海外における成犬のワクチン接種間隔は、3年に1回が主流だというお話をしました。

ではなぜ、日本では毎年の接種が習慣化しているんでしょう?


【日本では毎年接種になっている理由】


世間一般に言われている理由も含めて、考えられる理由をいくつか挙げてみます。

●単に遅れている


実際、海外でも10年以上前ではありますが、毎年接種が一般的でした。

ワクチン接種のリスクや、ワクチンの免疫持続期間の研究が進んできたために、見直されて現在の形になっているんですね。

ですから、日本はまだ遅れているという見方もできますね。

習慣を守りたい国民性というのもあるかもしれません。

でも、だとすれば、そろそろ3年に1回になってきてもいい感じがしますよねぇ~~。


●日本は用心深い


よく言えば用心深い。悪くいえばチキンってことかもしれません(;'∀')

よその国で3年に1回のワクチン接種にしたけど、研究結果を見れば確かに大丈夫そうだよな・・・

でも、本当に大丈夫かどうか、3年に1回にした国の感染率が上がらないかどうか見極めてみないとちょっと怖いよなぁ・・・

感染症が広まっちゃって、

誰が責任取るんだっ?!

みたいな話になったら困るしなぁ・・・

というよーなことがあるかもしれません。

でも、この説にはわたしは懐疑的な見方をしています。

なぜかって言うと・・・

調べてみてビックリしたのですが、実は日本国内における、毎年の犬の感染症の発生率
(どのくらいの数の犬が実際感染症にかかったかってこと)

の統計が取られてないんじゃ~~~!!(←千鳥風にお願いします)

えええええ?!ちょっとまってよ!

じゃあ、一体全体どのくらいの感染リスクがあるかもよくわからずにワクチン接種してるってことかーい?!

『そんな面倒くさい調査をするより、毎年飼い主にワクチン接種させといた方が簡単であんぜ~ん♪』

ってことなんですか?! アぁっ?!(←誰に怒ってる?環境省?)


すみません。感情的になったりして・・・テヘ♪

えーと・・・正確には、民間団体が調査した結果みたいなものはあるにはありました。

けれどもそのデータは、ワクチン製剤メーカーさんチームによる調査結果だったんです。

つまり、ワクチンをジャンジャンバリバリ売りたい方々・・・

その上、都道府県別の感染率だとおっしゃっている結果も、残念ながら調査方法がいまひとつ信用できない感じが個人的にしました。

例えば、関東地方の犬パルボウィルス感染症の発生率が33.1%となっていて、3匹に1匹?!

ホンマかいな~~?!

という感じ・・・わたしが疑心暗鬼なのかしらん?心が汚れすぎ?

まあ、ご興味のある方はご自分の目で確認してみて下さい。→ コレ


●獣医さんの儲けのため


これ、よく言われていることです。

毎年接種が3年に1回になることで、単純に獣医さんの儲けが1/3になるからだろう!?

ってことですね。

これについては、多少そういう側面もあるかもしれないけれど、わたしは個人的にやっぱり懐疑的な見方をしています。

獣医さんの需要はワクチン接種を除いてもそれなりにありますし、ワクチン接種が1/3になることで、抗体検査をする飼い主さんが増えると思われるからです。

どちらかというと、獣医さんよりもワクチン製剤メーカー側の儲けには大きく響くんでしょう・・・

というのが個人的な見方です。


実際、日本獣医師会のHPでは、昨年5月時点で

-----
犬や猫用のワクチンには様々なものがあるようですが,接種は毎年行わなければならないものなのでしょうか。 また,ワクチン接種の副作用などもあるようですが,獣医師の先生はどのような考えをおもちでしょうか?
-----

という質問に対して

-----
すべての動物で毎年のワクチン接種が必要というわけではありません。
(中略)
接種方法については議論もありますが,世界小動物獣医師会のワクチネーションガイドラインの推奨する以下のような方法が現在最も安全で効果的だと考えられます。
(ワクチネーションガイドラインの内容は前回書いたので以下省略)
-----

と回答しています。

つまり、WSAVAのワクチネーションガイドラインにのっとった接種間隔を、日本獣医師会としても推奨しているように見えます。

日本獣医師会のHP → コチラ


この、日本獣医師会HPにて回答しておられるのは、茨城県古河市の栗田動物病院 院長 栗田吾郎さんです。

こちらの動物病院では、実際にWSAVAの指針に沿った接種を推奨しておられるそうです。

また栗田先生は、病気に対する免疫の程度を示す「抗体価」を毎年測定して、追加接種の時期をそれぞれの犬猫ごとに決めていらっしゃいます。

その結果、栗田先生によると、犬の95%以上が3年後も免疫が持続し、7年間持続する犬もいたとのことです。

(毎日新聞2017年5月2日 東京朝刊 掲載記事より)


今すぐ抱きしめたいくらい、すばらしい先生ですね~!(あ、要りませんか?)

すべての獣医さんが栗田先生のようだったらいいんですけれどねぇ~~・・・

したがって、獣医さんにもいろいろで、実際儲けだけを目的にバンバンワクチン接種している獣医さんも残念ながらいるにはいると思います。

余談ですが、実際Pet Hotel 11!にみえたお客様の中には、ワクチン接種履歴を拝見したところ、同じ年に1か月程度の間隔を空けて2回も同種の混合ワクチンを接種されていたワンちゃんがいました。

幸い、健康そうでしたが、おそろしいお話ですねぇ・・・


対して・・・ワクチン製剤メーカーは、10年ほど前の2007年までは、実際にワクチンの使用説明書に『1年毎に接種』と書いていたそうですが、2008年以降はこの記述がコッソリなくなっているということです。

(毎日新聞2017年5月2日 東京朝刊 掲載記事より)


10年前といえば、海外で3年に1度のワクチン接種が適当だとして接種間隔が見直された少し後です。

それを受けて記述を削除したのであれば、ちゃんとその根拠を世に知らしめるべきかと思うのですが、しないんですよね~~・・・

もしも過剰なワクチン接種による副作用で被害犬が出た場合は

『え?俺ら別に どこにも1年毎に接種しろなんて書いてないけど?』

とか言ってすっとぼけられる感じにしているあたりが、ずる賢い感じがして、わたしとしては気に入らな~~い!

って思っちゃいます。

ワンちゃん思いじゃあないですよね・・・少なくも(プンスカ)


●3年毎だと忘れちゃうから


理由としては弱い!弱いぞーーー!!

でも・・・確かに・・・

毎年、春になると、『そろそろだな~~・・・』

って思っているところに獣医さんからのおハガキがきて狂犬病と混合ワクチンを受ける。

このルーティーンだと忘れにくいっていうのはあるかもしれません。

でも、運転免許の更新も、おハガキが来たら行きますもんね。

やっぱり弱いぞーーーー!!


●健康チェックの機会が減るから


例えば、狂犬病の予防接種は自治体の集団接種を受けて混合ワクチンだけ獣医さんで受けるような人は、混合ワクチンの接種がないと定期的に動物病院に行かなくなりますね。

ワクチン接種が可能かどうか、動物病院では必ず健康チェックを行いますから、少なくとも年に1度は健康診断できていることになります。

それを理由に

『だからワクチン接種は1年毎の方がいいんだよ。わかるね?』

という説を唱える方(メーカーや獣医さん)もいらっしゃいます。

でも、他のワンちゃんに感染症が広まるリスクと違って、自分のワンちゃんの健康チェックに関しては・・・

厳しいようですが、それこそ飼い主さんの自己責任だとわたしは思うのです。

『副作用のリスクが高いワクチン接種の回数をできるだけ減らしてあげたい・・・』

と考えるような飼い主さんは、言われなくても定期的に愛犬の健康チェックに行くような気がするのですが・・・どうでしょうか?



さて、ここまでは、日本におけるワクチン接種が3年に1回になっていない理由の中でも、

ちょっと弱めの理由

を並べてきました。


ここからは、理由の本丸はコレかもな~~・・・とわたし個人が考える理由についてお話したいと思います。

でも、長くなったので、つづきはまた次回にさせてください。


<今日のPet Hotel 11!>

遊んで遊んで!ワンワン♪
9才だけど甘えん坊の子供みたいなそらくん。

一緒にいる時間が長いと、まるで長年連れ添った
夫婦のように行動が似てくるんだわ・・・

そらくん、数年ぶりのお泊り、よーく頑張ったね!
また来月、元気にお泊りにおいでね~(^▽^)/





2017年8月26日土曜日

ワクチン接種は本当に1年に1回必要か?②

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


前回は、日本のワクチン接種の現状についてお話しました。

狂犬病ワクチンも、その他のワクチンも、原則は1年に1回でしたね。

では、世界のワクチン接種事情はどうなっているでしょうか。



【世界のワクチン接種事情】


アメリカやイギリスなど、海外においては、狂犬病を含めたコアワクチンの成犬への接種は3年毎というのが主流です。

この『3年毎』の根拠となっているのが、現在86カ国が加盟しているWSAVA(世界小動物獣医師会)が指針として推奨している『ワクチネーションガイドライン』です。

もちろん、日本も加盟国ですヨ!

『ワクチネーション』というのは、ワクチン接種によって感染症への免疫を作るという意味です。

ですから、『犬のワクチネーションガイドライン』というのは、

ワンちゃんの感染症を予防するためには、こういうワクチンをこういう時期にこれくらいの間隔で接種するのがおススメだよ

ということを推奨した指針なんですね。


【ワクチネーションガイドライン】


WSAVAが推奨するワクチネーションガイドラインは、次のようなものです。

---------
コアワクチン(狂犬病・ジステンパー・アデノウィルス(伝染性肝炎)・パルボウィルスの4種)の接種間隔は

生後6~8週齢から始めて、2~4週間ごとの接種を16週齢以上になるまで繰り返す。

その後は半年後もしくは1年後に追加接種(ブースター)をする。

ブースター接種後は、3年以上空けて追加接種をする。

ただし、ブースター接種は、その時点で抗体検査を行い、その結果が陽性で免疫ができていることが判れば必要なく、そのまま3年以上間隔での接種に移行してもよい。
---------

前回のブログで、混合ワクチンの中のコアワクチンは3種類とお話しましたが、実は狂犬病ワクチンも混合ワクチンには含まれないってだけで、もちろんコアワクチンなんです。

ワクチネーションガイドラインで言っていることは、ちょっと小難しい感じがしますが、要するに

成犬になってからのコアワクチンの接種は3年ごとを目安にして、むしろ3年より短い間隔でやらない方がいいよ~!

ということを推奨しているんです。

あらまぁあらまぁ!!

日本は毎年・・・思いっきり3年より短い間隔じゃーないですか?!



【基本となる考え方】


WSAVAのワクチネーションガイドラインは、どのような考え方を基本としているかというと・・・

『ペットの健康を第一に考えよう!』

なんといってもコレです(ザンッ♪)

ペットを感染症から守るために実施するワクチン接種が、逆にペットの健康被害をもたらすとしたら、そりゃ奥さん!本末転倒ですわよ!

ということを言っているんですね。(←ちょっとニュアンスが違うと思いまーす)


実際に、日本小動物獣医師会の調査では、ワクチン接種をした犬のうち約200頭に1頭の割合で何かしらの副作用が見られたという統計があります。

更に、約30000頭に1頭はアナフィラキシーショックなどの重篤な症状によって亡くなっています。

イヤがるワンちゃんを無理矢理に獣医さんに連れて行って、お尻に痛~い注射を打つという可哀相な目に遭わせるのは、愛するワンちゃんが恐ろしい感染症にかかって苦しむことを避けるためなのに・・・

わたしのせいで、この子が死んでしまうかもしれないなんて・・・・(気絶)

ですよね。

ワクチン接種というのは ご存じのように、あらかじめ少量のウィルスを体に取り込んで抗体を作っておくという感染症の予防法です。

そのため、100%安全だとは言い切れないのが、残念ながら現実ですね。

ですからWSAVAは、リスクを伴うワクチン接種を必要最低限の回数にとどめることによって、少しでも悲劇を少なくしようと言っているんです。

単純に、毎年の接種が3年に1回の接種になれば、ワクチン接種による副作用のリスクは1/3になるわけですからね。


【本当に3年に1回で大丈夫?】


もうひとつ、WSAVAが声を大にして言っていることがあります。

それは

『エビデンス・ベースド』

ってこと。

『エビデンス』は”証拠”

『ベースド』は”〇〇に基づいた”

だから、

証拠に基づいた提言内容にこだわってんのよウチラ!!

ってWSAVAは言っているんですね。(やっぱり少しニュアンスが違う気がする・・・)

そのため、WSAVAのワクチネーションガイドラインには、もうイヤイヤっ!!ってほどの参考文献があります。

推奨されている内容は、例えば

査読付き科学雑誌に掲載された実験またはフィールドデータによって裏付けられた推奨

だったり・・・

実験的データまたはフィールドデータによって裏付けられていないが、微生物学および免疫学の『第一原理』の知見から推測される、または広く信じられている専門家の意見によって支持される推奨

だったり~・・・

要するに、ええ加減に、なんとな~く

「心配だからいっぱい接種しておこ~っと」

みたいなことはナンセンス!ちゃーんと裏付けのある根拠に基づいたワクチン接種をするべきだよ!

ってことを言ってるんです。

説得力も納得感もバツグンですね。



例えばお腹が痛いときに、早く治したいからって正露丸を1瓶いっちゃいますか~?!

過ぎたるは猶及ばざるが如し

あったりまえです。

多分、逆にお腹がもっと痛くなりまさ~ね~・・・(-_-;)



さて、ここまで読んで

「ホーラホーラ、やっぱりねぇ~!わたしもう、この子の予防接種は3年に1回にする!するったらする!」

って早まるのはおやめくださいね。

まだ続きがありますから、ぜひ最後までお読みいただきたいのです。


というわけで、長くなったので次回につづきます。



※犬と猫のワクチネーションガイドライン(2015年日本語版)



<今日のPet Hotel 11!>

”なつ”・・・またセミぃ~~?(ゲンナリ)
「バリバリ」いい音させないでぇ~~(;_:)

”ボス”・・・またダラダラしてんの~?(タメイキ)
ずん飯尾のネタじゃないんだからさぁ・・・
ホラホラ、可愛いモナちゃんいるよ~!
いい加減 起き上がれ~ ボス!
ねえ、そらく~ん、一緒にゴロゴロしな~い?

やだよ!ボクは元気だもん♪
初めてお泊りにきてくれた”そら”くんです(^▽^)

未去勢くんと未避妊ちゃんは、柵で隔てられています。
ふふふ モナちゃん覗いてる覗いてる(笑)
モナちゃん、とってもおりこうだったね♪
また遊びに来てね~~!









2017年8月25日金曜日

ワクチン接種は本当に1年に1回必要か?①

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


Pet Hotel 11!は原則として日中はノーケージでワンちゃんをお預かりしています。

そのため、狂犬病ワクチンはもちろんのこと、ジステンパー・パルボウィルスなどの感染症ワクチン未接種のワンちゃんについては、お預かりをお断りしています。

(厳密には、それ以外にもお預かりできないワンちゃんはいますので、詳しくはホームページの規約をご覧ください)

でも、このワクチン接種については、とっても悩ましい問題があるのです。


【本当に1年ごとのワクチン接種が必要?】


●日本のワクチン接種の現状


◇狂犬病のワクチン


これは法律で義務付けられています。
必ず1年に1回接種しなくてはならないとされていますから、日本国内に住んでいるワンちゃんの飼い主さんは、法令順守という意味で接種しなくてはなりません。

狂犬病の予防接種については、以前

狂犬病の予防接種について①
狂犬病の予防接種について②

でお話しましたので、そちらをご覧ください。

ですから、Pet Hotel 11!でも、現状は必ず狂犬病のワクチン接種を1年以内に受けていることを確認させていただいた上でお預かりしています。


◇狂犬病以外の感染症のワクチン


狂犬病以外の感染症については、ワクチン接種が法律で義務付けられているわけではありません。

けれども感染症の中には、他のワンちゃんはもちろん、人にも感染するリスクが高いものがあります。

そして、命の危険に直結する感染症もあるので、獣医さんではワクチン接種を奨励していますね?

よく3種とか5種とか、多いものだと11種といった名前をきくと思います。

それは、色々な感染症にきくワクチンの、いってみれば”詰め合わせセット”みたいなものです。

”詰め合わせセット”のことを”混合ワクチン”って呼んでいるんですね。


◇コアワクチン と ノンコアワクチン


この混合ワクチンの中でも

犬ジステンパーウイルス(CDV)
犬アデノウイルス(CAV)
犬パルボウイルス(CPV)

これらの感染症に対するワクチンは、

全ての飼い主さんに受けておいてほしいコアワクチン

に指定されています。

逆に、ここに含まれていない感染症のワクチンは、住環境や暮らしている地域によって、その必要性が分かれるので、ノンコアワクチンとされています。

ご自分のワンちゃんに、一体どのノンコアワクチンが必要で不要なのか?

については、信頼できる獣医さんによく相談してみて下さい。


コアワクチンとノンコアワクチンは、まあ言ってみれば、必修科目と選択科目というようなものだってことですね。



◇ワクチン接種の間隔は?


狂犬病ワクチンは、法律で1年毎の接種が義務付けられていますよね。

では、それ以外の感染症ワクチンは、どのくらいの間隔で接種するのでしょう?

現在、日本では原則、狂犬病以外の感染症ワクチンについても、1年に1度の接種というのが主流です。

ですから、Pet Hotel 11!のようなペットホテルや、ワンちゃんを同伴できるホテル、ドッグランや、その他のワンちゃんと一緒に入れる施設においては、1年以内のワクチン接種証明の提示を求められるケースがほとんどでしょう。

現状、Pet Hotel 11!でも そのようにしています。

その理由は・・・

まあ簡単に言ってしまえば、他の施設に倣っているわけです。

とてつもなく頭の悪そうな、根拠のない理由だと思われるでしょうか・・・思われるでしょうねぇ・・・

けれども

『これが、この国のスタンダードだよ』

というものがある時に、そこから外れたことをするというのは、個人であれば簡単ですが、お店ともなると、そう簡単なことではないのですよ。

だって、もし万が一、お預かりしている大切なワンちゃんたちに、感染症が広がってしまったりした場合・・・

原則に従っていたにも関わらず、不幸にも感染してしまった

というのと、

原則を無視した結果、ホラ見たことか~!感染しやがったぜーい!バーカバーカ(←言い過ぎなんじゃあ・・・)

というのでは大きな大きな大違いだからです。

お店、潰れちゃいますからね・・・



でもでもそもそも・・・

本当にこの1年に1度の接種という間隔は適当なんでしょーか?

ということについて、ちょっと考えてみたいと思っています。



長くなるので、次回に続きます。



<今日のPet Hotel 11!>

今日お泊りのモナちゃん
とっても甘えん坊さんです(o^―^o)

どれどれ~?クンクン♪

ワタシ、おりこうにお留守番してまーす!






2017年8月24日木曜日

夢の(?)全自動【犬散歩させマシーン!】

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


今日は、実際に通販サイトで売られていた、驚きのワンちゃんお散歩グッズについてお話したいと思います。


【通販は笑いの宝庫】


買う気がなくても、ついつい見てしまう通販サイトや通販番組♪

ツッコミどころ満載の、ネタとしか思えないような商品を真剣に開発・販売していたりして・・・

少し前にお庭番をかな~り喜ばせた商品がコレ↓↓↓

歩ける寝袋

かの有名な【通販生活】で紹介されていたのですが、もうこの画力のインパクトが圧倒的です!

開発者の古川さんが、これまでの寝袋への不満として

『寝袋から出ないと必要なモノが取れない』

『熊に襲われたときに、とっさに立ち上がって逃げられない』

と語ると取材者がすかさず

『手が出ないのにモノが取れるんですか?』

『熊より早く駆け出せるんですか?』

という、至極まっとうな質問をしたところ

『努力次第だと思います』

と古川さん。

取材者は

『そんな・・・』

と言っています(ヒャッヒャッヒャ~~~♪)


こちらの商品、お値段なんと!¥95,550(税込・送料別)

高いんだか安いんだか、あまりの商品画像のインパクトで、すっかり頭がマヒしてしまって冷静な判断が下せません!

ポイントは、注意書きとして小さく

『転倒防止のため実際には走らないで下さい』

と書いてある点。(走っちゃダメなんか~~~い! 笑)

現在は売られていないようでしたので、同様に歩ける寝袋で、もっとお手軽な価格のものを探しました。

その名も【着るエビフライ寝袋】(byフェリシモ)¥8,424(税込)



やるなぁ、フェリシモ・・・(笑)


さて、ワンちゃんグッズで面白い通販はないかな~・・・

と、探していたところ、ありました!

逸材が海外に♪


【夢の(?)犬の自動散歩マシーーーン】


このタイトルを見て、どういう商品を想像しましたか?

ルームランナーのようなものを想像された方・・・アナタはとってもまともな方です。

ご紹介するマシーンは、そんなモンじゃあありません。

英国の通販サイトDirectDroneで、つい最近販売されたのは

コレ↓↓↓

製品名は DJI Phantom 4 Dog Drone


ドローンに犬をお散歩させてしまうという便利グッズ・・・

イギリス人、バカだ~~~(爆笑)

昔、モンティ・パイソンが好きだったわたしは、通販サイトを宣伝するためのウケ狙いだろうと思って大笑いしたのですが・・・

なななんと!!

驚いたことに、販売元は大真面目だったらしいんです。



【売り文句】


その通販サイトでは、Dog Droneを以下のように紹介しました。

『製作者はバック・トゥ・ザ・フューチャーⅡに登場する犬の散歩マシーンにインスパイアされてこの製品を開発した』

『飼い主は自分のペットを完全にハンズフリーで散歩させることができます』

『飼い主がスマートフォンで目的の歩行ルートを設定すると、設定されたGPSルートに沿って犬を散歩させます』

『Dog Droneは衝突回避機能と自動高度機能を内蔵しています』

『飼い主さんが用意するものはリードだけです』


【市場の反応は?】


当然のことながら、この商品販売がギャグではないと判ったとたん、通販サイトには非難の声が殺到しました。

更に・・・

Dog DroneはDJI社製の Phantom 4(12万円くらい)をベースにしているのですが、犬の散歩用になると、いきなり倍以上の値段(28万円くらい)がつけられていて、その価格に見合った、標準モデルとの違いは明確にされていませんでした。

この事実を偶然発見したドローンメーカーのDJI社が

「このような方法でのドローンの使用は非常に危険である」

と安全上の理由から同社に対して削除を要請。

現在は同社のウェブサイトからも削除されてしまっています。


あたりまえだっつーーの!!


おかしかったのは、この製品についての”懸念される事項”を、たくさんの人が大真面目にコメントしていた点です。

たとえば・・・

『リードが絡まったりしたらキケンでは?』

『犬が引っ張ったらプログラムされたルートを外れてしまうのでは?』

『28万円もするドローンごと犬がさらわれてしまうのでは?』

『バッテリーが切れたらどうするんだ?』

『ウンチが拾えないじゃーないか?!』

などなど・・・

だけど、根本的な問題として、28万もするドローンを購入するほど飼い犬に散歩をさせるのがイヤなのであれば、そもそも犬なんか飼うな!ってお話ですよね。

というわけで、わたしが一番気に入ったコメントはこちらです。

『ドローンを飼えばいいんじゃない?』


(出典:Daily Mail UK)



いやあ・・・もしかすると近い将来、子犬を購入しようと思ったら、
本当にこんな感じ↓↓↓で宅配されてくるようになるやもしれません。




人間が、ここまでアホなことを考えるようになると、前回のブログでご紹介した映画のような

【犬たちの逆襲】

が、現実になるかもしれませんね。おそろしやおそろしや~~・・・



<今日のPet Hotel 11!>

きのうよりは涼しいかな?
”ボス”が真夏なのにお洋服を着ているのは、
お腹を擦ってしまって、そこをペロペロしちゃうからで~す。
早く治そうね~~~






2017年8月23日水曜日

映画【ホワイト・ゴッド 少女と犬の協奏曲】

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。

映画を観ました。

『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』(コーネル・ムンドルッツォ監督)2014年ハンガリー映画

第67回カンヌ国際映画祭では ”ある視点賞”

ストラスブール・ヨーロッパ・ファンタスティック映画祭では国際長編映画部門で ”オクトパス・ドール”(←タコ人形?!なんだそれ・・・)

そして、出演した犬たちには パルム・ドッグ賞(←ナーイス♪)が贈られた作品です。




【おすすめ?】

むむ~~~う・・・

個人的には、おすすめポイントと、おすすめしないポイントの両方がある映画でした。

●おすすめポイント


◇身勝手な人間によって犬が直面する厳しい現実がよく解る


ハリウッド映画などでは、きっとあんなに酷いシーンはNGなんだろうな・・・と感じるくらいの、目を覆いたくなるシーンがたくさんありました。

けれども、一部の人々だとはいえ、間違いなくわたしたち人間が犬にしていることでもあります。

それを美化することなく描くことによって、監督は伝えたかったことがあるのだろうと、そこには共感しました。

目をそらしてはいけない・・・そう思いながら必死で観ました。


◇250匹もの犬たちが街中を走り回る映像が圧巻!


このシーンをはじめ、「一体どうやって撮影したんだろう・・・?」と感じるシーンがたくさんありました。

驚いたのは、CGを一切使わずに撮影されたとのこと。

思わず

『スッゴイゴイゴイ、ゴイゴイスーーッ!』(by ダイアン津田


◇出演したワンちゃんたちがゴイゴイスー!


主演のハーゲンを演じたワンちゃんはもちろんのこと、ハーゲンのお友達になる小さい子(この子が可愛すぎる!)、そして出演している250匹のワンちゃんすべての演技力がすごいのです。

正確には、そのワンちゃんたちを統率していたトレーナーさんがゴイゴイスー!

だって・・・この映画に出ている250匹のワンちゃんたち、実はみんな施設の保護犬たちなんです!!!

はい、ご唱和ください!

ゴイゴイスーーーッ!!(だまれだまれ)

ということは、トレーニング期間は限られています。

更に、心を閉ざしたような難しい子も多い保護犬たちばかり・・・

それを、あんな風に見事に演技させているのかぁ~~!!

と思って観ると、それだけで感動モノなわけですね。

パルム・トレーナー賞 もぜひあげてほしい!

驚くことに、撮影には100人のトレーナーがついていたということですよ~~!


◇出演したワンちゃんのその後がすばらしい


お話したように、この映画に出演しているワンちゃんは、施設収容の保護犬たちです。

(主演のハーゲンを演じているワンちゃんだけは、アリゾナ出身のタレント犬だそうです)

監督のコーネル・ムンドルッツォさんは、撮影終了後、ワンちゃんたちの里親を募集しました。

そうしたところ、なんと!出演していた250匹すべてのワンちゃんに里親が見つかり、1匹たりとも施設に戻ることがなかったというのです。

先ほど、目を覆いたくなるほど残虐なシーンがあると書きましたが、監督は撮影に際して、犬たちがストレスを感じなくて済むように、かなりの配慮をしていたそうです。

コーネル・ムンドルッツォ監督は、インタビューにこう答えています。

「撮影中も犬たちが自由にできるようにいろいろと考え、デジカメのズームレンズをたくさん使い、彼らに対応できるフレキシブルな形をとったのです。大体2~3台のカメラを使っていて、何度もリハーサルを繰り返して本番に入るのですが、犬たちにとってはずっと遊んでいるような感覚になるようにして撮影しました」


●おすすめしないポイント


◇残虐すぎるシーンが多い


まず、お子さんと一緒に鑑賞すること、お食事中に鑑賞することはやめておいた方がいいでしょう。

犬が虐待されているようなシーンも出てきますが、これは実際の場面は映らずに

「嗚呼・・・今、殴られたんだなぁ~・・・」

って判る手法で撮られています。

それでも、犬好きな人には耐えられない・・・怒りを通り越して吐き気がするほどの残虐さです。

更に、犬が人間を襲うシーンに関しては、相当グロいです。

口に人間の血まみれの肉片を咥えたワンちゃん・・・ってなシーンがありますので、

「そういうの、ワタシ ムリ~~~~!」

という方はおやめになった方がいいかと思います。


◇脚本がちょっと残念


着眼点というか、構想はとっても面白いと思うんです。

でも、250匹のワンちゃんたちの演技指導やトレーナーさんへの人件費で枯渇しちゃったのかな~・・・とか思ったりして・・・(-_-;)

途中からなんだかもう、

「ホラー映画かよ~~!」

って感じになってきましたし、脚本が手抜きなのか、詰めが甘いのか・・・

他にもいっぱいツッコミたくてウズウズしちゃうところがあって、なかなかストーリーに集中できませんでした。

でも・・・集中できなかったお陰で、途中ときどき

「あ!今、すっごいモタモタしてる子いたよね?!ホントは跳ぶはずだったんだろうに、重量オーバー?!」

とか言って、違う意味での楽しみ方はできました。

いずれにせよ、ハリウッド映画のような痛快さや感動はありません。

ヨーロッパ映画の”あの”感じです(笑)


【あらすじ】


ここから先は、ネタバレになりますので、作品をご覧になりたい方は飛ばしてください。

でも、どんでん返しやサプライズがある作品ではありませんので、あまり影響はないかもしれません。


舞台はハンガリーの首都ブタペスト。

雑種犬には重税が課せられるという悪法ができ、多くの飼い主が雑種犬を施設へ入れるか捨ててしまいます。

主人公の少女リリ(13歳)の愛犬ハーゲンも、税金を払いたくないという理由で、リリのお父さんに捨てられてしまいます。

野良犬となったハーゲンは、新しい仲間と共に毎日のようにやってくる保健所の野犬捕獲班から必死で逃れます。

ところがある日、浮浪者に捕まって闘犬マニアに売り飛ばされてしまいます。

ハーゲンを買い取った闘犬マニアはハーゲンをマックスと名付け、優しくて人慣つっこい性格だったハーゲンに薬物を注射し暴力をふるうことで、ハーゲンを憎悪と闘志の塊のようなモンスター犬にしてしまいます。

なんとか闘犬場から逃げ出すことができたハーゲンは、再び仲間の待つ廃墟で野良犬生活を始めるのですが、間もなく保健所に捕獲されてしまいます。

そして、保健所で殺処分される寸前・・・ハーゲンは保健所職員を噛み殺し、収容されている他の犬たちを引き連れて保健所を脱走します。

街に突如現れた保護犬たちの群は、まるで軍隊の様に統制が取れた動きで、次々に自分たちに乱暴した人間や、自分たちを身勝手に捨てた人間たちに襲い掛かります。

人間への憎しみに満ちた犬たちの逆襲です。

リリは、犬たちの中にきっとハーゲンがいると確信し、危険を省みずに犬たちを追い・・・

ついに犬たちを率いるハーゲンを見つけることができましたが、ハーゲンはリリのことなど忘れてしまったようです。

モンスターのように憎悪を剥き出しにしてリリに向かって唸るハーゲンと、ハーゲンに統率された無数の犬たち・・・

果たしてリリの運命は・・・?


ここから先はもうエンディングなんですが・・・なんとゆーか

書きません(笑)

なんでかってゆーと・・・

あまり書く気がしな~い。

ご想像通りといえばそう。でもなんちゅーかこう・・・

書く気がしな~い。


ご興味のある方はぜひ、お子様が眠った後でご覧ください。
(エッチなシーンはひとつも出てきません。念のため)

この手の映画では、通常は襲われる人間がわの立場で観るものですが、この映画に関してはもう、暴徒化した犬たちに

「やっちゃえやっちゃえ~~~!!」

と声援を飛ばしている自分がいて、ちょっと自分が怖くなったりもしました(;'∀')



<今日のPet Hotel 11!>

ワーイ!草って大好きさーー!
スリスリ♪

ん?ボス、なにしてるの?

ギャアアアアーーッ!
蝉(セミ)だったのかーーー!

当然”なつ”も・・・
スリスリスリスリ・・・

やーめーなーさ~~い(-_-;)




2017年8月22日火曜日

お散歩中、他のワンちゃんに吠える③

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


前回のブログで、

●お散歩中に他のワンちゃんに吠える子を、どうやって制止するか?

●制止したけど吠えてしまった時はどうするか?

というお話をしました。

その際、ポイントとなるのはリードの引き方なのですが、

チョンッ とか クイッ とか グンッ とか ガンッ とか言われてもサーッパリ解りませーん』

という方のために(大半の方が解りませんよ)そのコツを一生懸命書いてみたいと思います。



【リードを引く時のコツ】



<大前提>


●リードは短く

引っ張りグセがあるワンちゃんや、他のワンちゃんに吠えてしまうワンちゃんのような、好き勝手に振る舞うワンちゃんに関しては特に、まずはその自由度をリードで制限してしまいます。

リードが長ければ長いほど、飼い主さんはワンちゃんを制御しにくくなりますから、飼い主さんを中心にして、半径1mほどの円の範囲内にワンちゃんが常にいるくらいの長さに調節してください。

ワンちゃんがおりこうにお散歩できるようになったら、リードをもう少し長くして自由度を増しても大丈夫ですが、おりこうに歩くワンちゃんは、そもそも飼い主さんのすぐそばを歩きますから、結局長いリードは必要ないんですよ(笑)


●リード以外は何も手に持たない

以前にもお話したことですが、トレーニングする時は、お散歩バッグやカメラ、スマホなどを手に持たないようにしましょう。

ななめ掛けバッグやウエストポーチを利用するといいでしょう。


<基本姿勢>


歩いている時も止まっている時も、この基本姿勢がとーっても大事です。

なんてことないんですけどね・・・でも大事なの~

まず、利き手でリードを短く持ちます。そして・・・

リードを持った手は自分の身体の真横!(ここが大事大事)

気を抜くとつい、手をブラブラ振ってしまう人は、リードを握った手をご自分の腰骨につけたまま歩いて下さい。
肘は軽く曲げた状態になるはずです。
(ちょーっと偉そうな感じで歩くことになりますね)

ワンちゃんが引っ張ると、リードがピンと張りますよね?

でも、リードを握ったアナタの手は腰骨にピッタリくっついていますから、引っ張られてリードがピンと張った瞬間に腕を伸ばせばリードは一瞬たるむんです。

伝わってますか~?(不安だわぁ・・・)

もし、最初から腕を前方(ワンちゃんがいる方)に伸ばしてしまっていると、ワンちゃんに引っ張られてリードがピンと張ってしまった場合、焦って歩くスピードを上げて、自分からワンちゃんに歩み寄らないとリードをたるませることができません。

アナタはリーダーです。
小走りでワンちゃんを

『あ~れ~ま~ちゃ~れ~~~!』

と追いかける侍女のようなマネをしてはなりませぬ。

お散歩の歩調を決めるのは常にリーダーたる飼い主さんだということをワンちゃんにも理解してもらいましょう。


<じゃ、いよいよリードの引き方>


今回は、お散歩中に他のワンちゃんに吠えてしまうのを制止するやり方ですが、そういう時のワンちゃんって、必ずグイグイ引っ張って、前脚が浮いちゃう感じになりますよね?

ですから、このやり方は引っ張りグセのあるワンちゃんと共通ということになります。

では、いきますね~~


ワンちゃんが他のワンちゃんに吠え付こうとしてダッ!と前に出ると・・・

リードがピン!と張ります。

その瞬間、間髪入れずに腰に当てていた手をワンちゃんの進行方向に伸ばしてリードをたるませ・・・

素早く自分の身体の横まで振り下ろします

ちょうど、床を鞭でピシリッ!!と叩く感じで、肩は動かさずに肘と手首のスナップを効かせてください。

そーすると、ワンちゃんのチョーカー(首輪)とリードを繋いでいる金具が

チャッ!!

と鳴りますね?鳴るんですったら~
・・・鳴らない場合は残念ながら間違っていま~す( ノД`)

それと同時に忘れずに言うのが、「NO!」を意味するコマンドです。

あらやだ、私ってば、こんな低い声出たかしら~ん?

って思うくらいの押し殺した声で、威厳たっぷりに冷たく言い放ってください。

ウッカリその瞬間を、お隣のご主人が見ていたら「ヒッ!!」ってなっちゃうような声ですよ~!


その瞬間、ワンちゃんは、

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◇「NO!」っていう飼い主さんの威厳たっぷりの命令

◇チャッ!!というするどい金具の音

◇首に一瞬感じる衝撃
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を感じて

( ゚д゚)ハッ!

となり、一瞬、思考も行動も停止してしまうんです。

それによって、今自分がしようとしていたこと・・・例えば、他のワンちゃんに吠え付いてやろうとしていたことを一瞬忘れてひるむわけですね。

チョンッ とか クイッ とか グンッ とか ガンッ とか言っていたのは、スナップの効かせ具合の違いによるものです。

あまり強くやりすぎると、当然ワンちゃんの頸椎が心配ですから、衝撃はしっかりあるけど頸椎には優しい程度は飼い主さんが判断してください。

大事なのは、強さではなくて素早さとスナップです。


<実践してみよう!>


上記の基本姿勢でワンちゃん連れの勇者(アナタ)はダンジョン(?)を歩いています。


前方に大きな犬が現れた!!(←スライムでもOK)ワンちゃんが吠えそうだ!


勇者(アナタ)はリードを短く持ち、リードをチョンッとやって威厳たっぷりに「NO!」と唱えた!


しかしワンちゃんは吠えてしまった!


勇者(アナタ)は更にリードをガンツ!とやって威厳たっぷりに「NO!」と言った!


ワンちゃんが黙った!!


大きな犬は行ってしまった!!(トゥルリ~~ン♪)


ワンちゃんの経験値が上がった!!(テレレテッテッテ~~~♪)



【たいせつなことは・・・】


リードを素早く引いたとき、ワンちゃんが

( ゚д゚)ハッ!

としているかどうか、しっかり見てください。

上手にできていれば、ワンちゃんは( ゚д゚)ハッ!としてアナタの顔を振り返るでしょう。

そうしたら、真剣な顔で「ダメだ」という意思を更に伝えてください。

そして・・・

見事、ワンちゃんが他の犬に吠えずにいられたら・・・もうおわかりですよね?

そうです。

もう他人さまに見られたら

『気がふれたか?!』

って思われちゃうくらいの勢いで、ワンちゃんを褒めて褒めて褒めまくってください♪



・・・一生懸命に書いてみましたが、やっぱりどうも伝わりづらい感じがするので、もしやってみてお解りにならない方は、どうぞ個別にご質問ください。

お近くの方は、電話でアポを取っていただいた上で、ワンちゃんと一緒にお越しくだされば、直接レクチャーさせていただきま~す!

たま~にいらっしゃるのですが、突然のご訪問は、なにぶん自宅ですので、どうかご遠慮願います(;'∀')



<今日のPet Hotel 11!>

今日もウリくんは絶好調!
咥えているのは カメたんです。

ボス「アウッ!!」

ウリくん「キャハハハハーー!!」
ボス「笑うなよ~~」



”なつ”はクーラーの効いたお部屋から
出てこようとしないので・・・

日影はそんなに暑くないよ~
って、クーファンごと外に出してみた。
”なつ”「ん?!」

プーさんだ プーさんだ!!(笑)



お昼寝姿をガラスごしにコッソリ撮影しようと
したのですけど・・・気づかれた(;'∀')