前回のブログにひきつづき、
マダニ → ネコ → ヒト
というルートによる世界初のSFTS感染者が亡くなったという国内の事例を受けて、ペットを飼っている人や、ペットと触れ合うお仕事をしている人たちが気を付けるべきことについて書いていきます。
【もっとも怖いのは ペット→ヒトの感染】
前回の記事でもお話したように、SFTSが感染した場合、ワンちゃんやネコちゃんよりも、人間の方がよほど重症化し、死亡のリスクさえあります。
今回のニュースによって、人間以外の哺乳類(猫)から人間に感染することが判った以上、一番気を付けなくてはいけないのは、身近にいるペットからの感染ですね。
●何に気を付ければいいの?
ペットのワンちゃんやネコちゃんからの感染を防ぐ方法は、以下のようなものです。
◇ ノミ・ダニ予防(駆除剤の投与)を徹底する
毎月投与(投薬)するように獣医さんからもらっているお薬、ちゃーんと忘れずにやってあげていますか?
獣医さんでなくても、市販されているものもありますね。
かなり強いお薬ですので、投薬後の様子をよく見てあげてください。
これによってマダニに咬まれる確率を確実に下げることができます。
ただ、月に1度のことなので、忘れてしまう飼い主さんがけっこう多いようです。
毎月何日に投薬と決めて、カレンダーに印をつけるなどして、絶対に忘れないようにしてくださいね。
更に、与えすぎもキケンなので、お薬の方にも1つずつに、何月分のものかが判るように印をつけておいた方がいいですヨ!
◇ お外に出す時は忌避剤をスプレー
Pet Hotel 11!では、蚊にもマダニにも忌避効果が認められていて、ワンちゃんに安心して使える、天然のヒバ油を使用しています。
(水で薄めたものをシュッシュ。森の香りで、ワンちゃんたちもぜんぜんいやがりません)
ヒバ油については、以前『夏の【あいつら問題】と【耳蒸れ問題】』という記事の中で詳しく書いています。
薄めて使うので経済的♪
惜しげもなく使えますよ。
ケチって刺されたりしたら本末転倒ですからねぇ・・・
SFTS以外にも国内で毎年多くの報告例がある、つつが虫病や日本紅斑熱など、ダニが媒介する他の疾患の予防のためにも、お薬と防虫スプレーは絶対に実行してくださいね!
◇ 森林、草むら、藪(ヤブ)などに行った後は身体検査
咬みつかれてしまってからでは、残念ながら遅いんですがー・・・
んがっ!
マダニーたちは、10日近くも皮膚に食いついて吸血し続け、3㎝近くもの大きさになるほどパンッパンになるまで血ィ~吸うわけですから、いずれにせよ早めに発見して除去してあげる必要があります。
(除去は獣医さんにやってもらってくださいね)
お外で遊んだ後は、ブラッシングとスキンシップを兼ねて、全身をチェックしてあげてくださ~い。
獣医さんによると、
「なんか、ウチの子、デキモノができたみたいなんですぅ~」
と、ワンちゃんを連れてこられ、よく見るとダニーだったってことは”アルアル”だそうです。
足の生えたデキモノはダニーですからねー!
◇ ペットとふれあう際の注意事項
厚生労働省は、過剰なふれあい(口移しでエサを与えたり、動物を布団に入れて寝ることなど)は控えるようにと言っています。
また、当たり前ですが、ペットに触った後は手を洗いましょう。
SFTSは、体液を介して感染すると考えられているので、傷口などがある場合、そこをペロペロさせないように気を付けましょう。
【とはいえ・・・・】
ワンちゃんやネコちゃんを飼っている人にとって、親密なふれあいができないのは
『あんまりですだ~!ご無体な~~~!(号泣)』
ですね。
けれども、ここでひとつ朗報があります。
あくまで、今のところ・・・という情報ではありますが、厚生労働省によると、
『ヒトにSFTSウイルスを感染させるリスクのあるネコなどは、ヒトのSFTSで認められる症状(元気がない、食欲がない、発熱しているなど)を呈していたことが確認されており、健康なネコなどからヒトがSFTSウイルスに感染することはないと考えられます。』
とのことです。
先ほども書いたように、ワンちゃんやネコちゃんは、感染しても症状がでない不顕性感染の場合が多いため、飼い主さんが感染に気付けない可能性が高いです。
けれども、症状が出ないということは、SFTSウィルスが抗体によって減少して、ワンちゃんやネコちゃんの体内に蔓延していないということになるようですね。
つまり、たとえワンちゃんがSFTSに感染していたとしても、顕著な症状がなく、元気で食欲モリモリの場合、ウィルスが飼い主さんに感染する可能性はあまり高くないのではないか?と考えられているようです。
ちょっとぉ~~ よかったわぁ~~~♪
安心しましたね。
でも、あくまでもこれは今現在そう言われているというだけですので、この先どのようになるかわかりません。
可愛いワンちゃんを抱っこしてナデナデするのはいいとして、
『毎晩ベロベロとディープキスしないと気が済まない!!』
というような方は、少しだけ自粛された方がよろしいかと・・・
【SFTSなんかに負けず、愛犬生活を楽しもう!】
●マダニに刺されてもSFTSに感染しないことの方が多い。
まず、間違えてはならないのは、SFTSというのはマダニが媒介するウィルスであって、マダニが出す毒ではないってことです。
スズメバチやヒアリは、自分の持っている毒を攻撃相手に注入するから怖いわけですが、マダニ自身は単に血を吸っているだけで、毒素を注入するといった攻撃はしていないんですね。
更に、マダニの中でもSFTSウィルスを持っていると確認されているのは数種類の特定のマダニです。
その特定種類のマダニの中でも、実際にSFTSウィルスを持っている個体は0~数%ということです。
つまり、マダニに刺されたって、SFTSに感染しないケースの方が多いということですね。
●過剰なストレスは健康被害になる
実際に、ネコちゃんに咬まれてSFTSに感染し、亡くなった方がいることを知ってしまったわたしたちは、つい神経質になりがちです。
けれども、あまりに過敏になりすぎて、
・ワンちゃんをお外に連れ出さない
・草むらをクンクンするのをやめさせる
・ペットとのスキンシップを全く取らなくなる
などといった過剰な反応を飼い主さんがするようになれば、それは必ずワンちゃんにとって大きなストレスとなります。
そして、ストレスというのは、マダニによってSFTSに感染する確率などとは比べ物にならないくらい高い確率で、ワンちゃんの健康を脅かします。
ですから、わたしたちはあまり神経質になりすぎることなく、
やるべきこと、なすべきことをシッカリとやっていく
これに尽きると思います。
(どっかの女性大臣みたいになってしまった・・・)
最後に・・・
弱った野良ネコちゃんを保護してあげようとして咬まれてしまった、心優しい女性が、今回このような経緯で亡くなってしまったことは、本当に残念でなりません。
亡くなられた女性に、心からお悔やみを申し上げたいと思います。
(参考資料:厚生労働省HP http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/sfts_qa.html)
<今日のPet Hotel 11!>
クマさん投げて~!遊んで遊んで~~! |
抱っこして~!ナデナデして~~! |
ねえったらねえ~~!! |