前回は、保護犬を引き取る前に確認しておくことや、心構えについてお話しました。
いよいよ、そういった条件をクリアして保護犬を引き取ったら、どのように接していけばよいのでしょう。
●解っている情報から想像力を働かせて接してあげよう
保護犬と一口に言っても、そうなった理由はさまざまです。
酷い虐待を受けていた子もいるでしょう。
脱走してそのまま迷子になった子もいるでしょう。
生まれて1度も外の世界に出たことがないような子もいるでしょう。
ですから、一概に
『このように接するといいですよ』
ということはお話できません。
また、迷い犬だった場合は特に、それ以前にワンちゃんがどういった経験をしてきたかについては知ることが困難です。
それでも、引き取る際には、保護団体(や個人)から、保護した当時の状況や様子、それから今日に至るまでの変化の過程などについて、どんなに些細なことでもいいですから、できる限りヒアリングをしておいてください。
それが後々、問題に直面した時に解決法を見出す糸口になることもあるからです。
たとえば・・・
Pet Hotel 11!のお客様で、やせ細って体中にたくさん傷のあった大型犬を動物愛護団体から引き取った方がいらっしゃいます。
その子は過去に集団生活の中で和犬にいじめられ、ごはんも盗られてしまっていたらしく、いまだにお散歩中に和犬に接近するとパニックになってしまいます。
そういうことが解っているから、飼い主さんはお散歩時には周りに気を配って、和犬が見えると迂回していくようにされています。
年齢や状況によっては、苦手意識を克服させるという選択肢もあるでしょうが、その子はもう高齢犬であることや、過去に背負っているあまりに過酷な経験を考慮して、そのような対応をされているのですね。
このように、保護犬は特に、一般論を当てはめることができません。
その子その子に応じた接し方を、根気よく見つけてあげることが必要です。
保護団体によっては、接し方が難しいと判断した保護犬については、引き取り後しばらくの間、飼い主さんと連絡を取り合い、ワンちゃんが環境に馴染むまでサポートしてくれるところもありますので、積極的に活用しましょう。
●動物病院につれて行こう
保護団体で、避妊・去勢手術やワクチン接種を済ませて下さっている場合もあります。
できればそういったことをしておいてくれる保護団体を探した方がいいでしょう。
(それらにかかった実費は、飼い主さんになるあなたが支払うというケースがほとんどです)
それでも、ご自身でワンちゃんの健康状態を把握するためにも、また、かかりつけの獣医さんを見つけておく意味でも、引き取ったらなるべく早く、動物病院に連れて行って健康チェックをしておいてください。
動物病院は、以下の3種類を探して、いざというときに慌てなくていいように、一覧表にして壁に貼っておくといいですよ。
◆とにかく自宅から一番近い動物病院
◆少しくらい遠くても、周辺で一番口コミや評判のよい動物病院
◆夜間や救急に対応してくれる動物病院
保護犬を引き取るということには相当の覚悟が必要ですし、大変なことも多いでしょう。
けれども、保護犬を引き取って育てていらっしゃる方は、みなさん異口同音に
『この子を家族に迎えて本当によかった。苦労もいっぱいあったけれど、それ以上に感動や喜びを、この子がもたらしてくれた。
自分はこの子を救ってあげたのだと思っていた。けれども実は、自分がこの子に救われたのだと気付いた』
とおっしゃいます。
『そうだ!犬を飼おう!』
そう思った時に、選択肢のひとつにぜひ、【保護犬を引き取る】という方法を加えてみていただきたいと思います。
最後に、こちらの動画をご紹介して、今日のお話はおしまいにしたいと思います。
保護犬ではありませんが、飼い主さんに命を救ってもらったワンちゃんのストーリーです。
救ってくれた飼い主さんへのワンちゃんの想いが垣間見えるお話であると同時に、【安楽死】についても、多くのことを考えさせられる動画です。
<今日のPet Hotel 11!>
ボストンテリアのニコくんがまた遊びにきてくれました♪ 見学にきたペキニーズ、”メデタ”ちゃんとご挨拶 |
恋? |
オセロ? |
まだパピーのメデタちゃん。身のこなしが軽い♪ |