【犬には仲間意識はあるか?】
ワンちゃんが飼い主さんに対して、非常に従順で献身的。
そして何よりも強い強い絆で結ばれているということは、愛犬家のみなさんには
『当たりマエダのクラッカー』(ふるっ)
でしょうが・・・
飼い主さんに限らず、ワンちゃんどうしの絆・仲間意識というのも確実に存在します。
これまた、2匹以上のワンちゃんを飼っていらっしゃる飼い主さんにとっては、
『トーゼンのトーチャン車引き』(←はぁ?)
でしょう。
【Pet Hotel 11!で日常的に見られる仲間意識】
ペットホテルにやってくるワンちゃんたちも、実に興味深いワンちゃんたちの集団における法則だったり礼儀作法、そして仲間意識を垣間見ることができます。
●新入りが来ると昇格する
例えば、既に滞在中のワンちゃんのところに新入りのワンちゃんを連れてきます。
仮にこの新入りワンちゃんを”イヌ太郎”としましょう。
すると、新入りのイヌ太郎はとても遠慮がちに、不安げに、恐る恐る入ってきます。
迎え入れる側は
「わかってんな?!わかってんだろーな?!こっちが先輩だかんなっ!」
的な態度をとります。
イヌ太郎の振舞いは、群における”最下位”の態度なわけです。
お部屋の中でお昼寝する場所も、先にいる子たちから遠~く離れた対角線の端っこあたりを選ぶことが多いです。
どころが、そこにまた別な新入りワンちゃんがやってくると・・・仮に”イヌ次郎”としましょう。
イヌ太郎は、イヌ次郎が入ってきたその瞬間に昇格します。
ついさっきまで、先にいた子たちから一番遠い場所で小さくなってお昼寝していたのが、いきなり強気になって、先にいた子たちと一緒になって
「おうおう!わかってんな?!わかってんだろーな?!・・・」
とやります。(クスクス)
当然、イヌ次郎は、つい先ほどまでイヌ太郎がお昼寝していた場所、つまり他の子たちと一番遠く離れた、いってみれば”下座”みたいな位置に遠慮がちに横たわります。
最初からいた子たちの態度もあからさまに変化します。
イヌ次郎がやってくる前は、イヌ太郎が時折
「もうそろそろ仲間に入れてもらってもいいかな~?」
といった感じで自分たちと一緒のクッションに上がろうでもしよーものなら・・・
「ふざけんなっ!10年早いんだよ!」
といったケンモホロロな態度をとったりするのですが、イヌ次郎が来た途端に、ごく自然にイヌ太郎を自分たちのクッションに迎え入れたりするのです。
こういったところは、行動学的に人間ととても似ていますね。
転校生だったり、仮想敵国だったりの存在が、仲間意識を高めるのは人間も同じですものね。
ワンちゃんも人間も、集団で助け合って生きている生き物ですから、高度なコミュニケーション能力や、”空気を読む”力を持っているという点はとても似通っています。
●普段仲が悪い子が結束する
多頭飼いをされているワンちゃんの場合、飼い主さんのお話では、
「もう、この子たちはすごく仲が悪くって、寄るとさわるとケンカばっかりしてるんですけど・・・大丈夫でしょうか?」
と言われていたような子たちが、お泊り中はただの1度もケンカすることなく、急に固い絆で結ばれた”一心同体ワンコ隊”といった感じになるのは、”ペットホテルあるある”なのです。
これも人間同士の関係とよく似ていますね。
そうすけくん&るみちゃん 普段はいっつもケンカばっかりしているそうですが、 ウチに来るとベッタリです(^▽^) |
共に暮らしていたワンちゃんが亡くなると、飼い主さんだけでなく、残されたワンちゃんも哀しみに暮れる・・・
というお話をきいたことはありませんか?
慣れ親しんだ仲間の死を悼む(嘆き悲しむ)ということは、その前提に強い”絆意識”や”仲間意識”があるという証明です。
【仲間の死を悲しむワンちゃんの事例】
ちょうど1年ほど前、アメリカのテキサス州で起きたお話です。
車を走らせていた女性が、道路わきの芝生の上に1匹の大きな白い犬を見つけました。
よく見ると、白い犬の傍らには血だらけの茶色い犬が横たわっていました。
女性の通報で駆けつけた保護団体のジェシーさんが確認すると、白い大きな犬はオスのグレートピレニーズ。血だらけの茶色い犬はメスのシェパード(MIX)でした。
そして、残念ながらシェパードは既に亡くなっていました・・・
驚くべきことに、車道から芝生のところまで血の跡がついていたことから、グレートピレニーズは車道で車にはねられたシェパードを、安全な芝生のところまで引っ張って移動させたということがわかりました。
グレートピレニーズは、まるで大切な友を失ったかのような表情をして、呆然とシェパードの横で遠くを見つめていたそうです。
保護団体のジェシーさんがグレートピレニーズを保護しようと近づきますが、彼はシェパードをジェシーさんから守るようにしてその場を動きませんでした。
グレートピレニーズが明らかに仲間の死を悲しんでいると理解したジェシーさんは、時間をかけてゆっくりと語りかけ、彼の恐怖心を取り除いていったそうです。
やがて、ジェシーさんの優しさを理解したグレートピレニーズは、暴れることなく保護団体の車に乗り込みます。
保護されたグレートピレニーズは、そのしぐさや健康状態からみて、つい最近まで飼い犬だったことが推察されました。
けれども、マイクロチップや迷子札がなく、飼い主さんが不明だったので、里親探しをすることになりました。
そこで、保護団体のFacebookに彼の情報を掲載したところ・・・
すぐに飼い主さんが現れたのです!
飼い主さんの話によると、グレートピレニーズの名前は”ブライアン”、交通事故で亡くなってしまったシェパードのMIXは”マーリー”といい、2匹は飼い主さんがウッカリ開けっ放しにしていたガレージから脱走して行方不明になってしまったのだということです。
(出典:abc NEWS
http://abcnews.go.com/Lifestyle/texas-dog-sitting-deceased-friend-heartbreaking-photo-prompts/story?id=35154485)
ここからはわたしの想像ですが・・・
一緒に暮らしていて、固い絆で結ばれていたブライアンとマーリーは、開け放たれたガレージの扉を出て、ウキウキと自由なお散歩を楽しんでいたのかもしれません。
けれども、交通量の多い道路で、かわいそうなマーリーは車にはねられてしまいます。
ブライアンは、マーリーがはねられて動かなくなったのを見て、そこがどんなに危険な場所かを理解したはずです。
にもかかわらず、彼はマーリーがこれ以上の被害に遭わないように、(あるいはまだ助かると信じて助けようとしたのか・・・)自らの危険を省みずに車道から芝生のところまでマーリーを運んだのではないでしょうか。
もしかするとブライアンは、家に帰ることができたのかもしれません。
それなのに彼はマーリーを見捨てて行くことをしませんでした。
そして、保護団体のジェシーという、面識のない部外者がやって来た時、ブライアンは怖かったはずです。
そして、逃げ出すことだってできたはずです。
けれども彼は、ジェシーからマーリーを守ろうとして、その場から逃げ出すことをしなかったのです。
これほど強固な絆を、犬同士は築くことができるのですね・・・
犬同士の【献身的な絆】について、もうひとつ面白いお話があるのですが、長くなるのでまた次回にします。
<今日のPet Hotel 11!>
ピョーーーンッ!っと・・・ん?なんかいるぞ? |
ねえねえ、るみちゃん♪・・・ん?なんかいるぞ? |
「なんか」=”なつ”でした~ いつだって一番涼しい場所を陣取っているのは”なつ” |