2017年7月26日水曜日

ネコ → ヒト感染で死者が出たSFTS  【気を付けるべきこと】①

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


【SFTSが、世界で初めてネコからヒトに感染!】

一昨日、ショッキングなニュースが報道されました。

厚生労働省が、マダニが媒介する感染症に感染した猫に咬まれた女性が死亡していたことを明かしたのです。

国立感染症研究所によると、亡くなった50代の女性は平成28年の5月~7月にかけて、弱った野良猫を保護しようとして咬まれたそうです。

女性に重大な持病などはなく、約10日後に亡くなりました

それから半年後、感染研が女性の検体を精査したところ、猫を介してSFTSを発症した可能性が高いことが判ったというのです。

ダニ媒介の【重症熱性血小板減少症候群(SFTS)】で、人以外の哺乳類を介して人が死亡した世界初の例だといいます。
(中国ではヒトーヒト感染の事例が報告されていますが、ネコ→ヒトは世界初)

世界発ですよ! 奥さん?!

ワンちゃんをお預かりするお仕事をしている身としては、

もう、ホント・・・勘弁してよ~~~!

なのです。

しかし・・・ただ嘆いていても始まりません。

『敵を知り、己を知れば、百戦危うからず』by孫氏
『恐怖は常に無知から生じる』byエマーソン
『鳴かぬなら、わたしが鳴こうホトトギス』by Pet Hotel 11!(←はぁ?)

ということで、SFTSについてとにかく調べてみました。

(↑【ヒアリ】の時とまったく一緒だな・・・)

 
【SFTSってどんな病気?】

<人間の場合>

2011年に中国において新しい感染症として流行していることが報告された病気です。
現在のところ、発生が確認されているのは、中国・日本・韓国のみです。
最近発見された感染症なので、まだ判っていないことがたくさんあるんです・・・

●病原体は?
主にマダニが媒介するSFTSウイルスです。

●感染源は?
草むらなどに潜むマダニに咬まれることでうつります。

●潜伏期間~症状は?
6日~2週間ほどの潜伏期間を経て、発熱、消化器症状(食欲低下、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛)、頭痛、筋肉痛、 神経症状(意識障害、れいけん、昏睡)、リンパ節腫脹、咳、のどの痛み、出血症状(紫斑、下血)などの症状を示し、重症化すると死に至ることもあります。

●国内での発症例は?
2013年1月、国内で初のSFTS感染者がみつかって(2012年秋に死亡)から、今年6月末までに266人の発症例があり、そのうち57人が死亡しました。

●致死率は?
なんと!感染した人の実に21%が死亡するのです!
4~5人に1人ってことですヨ・・・

ヒアリに刺されて、アナフィラキシーショックを発症する確率が0.6~6%。
正確な数字は判っていませんが、そのうち死に至るケースは更に低いと思われますから、

マダニーはヒアリーよりもうんと怖い!

ちゅーことですね。

●リスクの高い人は?
国内での死亡例はすべて50代以上。
つまり高齢になるほどリスクが高いと言われています。

●ワクチンはないの?
現在のところSFTSウイルスに対して有効なワクチンはありません

●予防法は?
とにかくマダニに咬まれないようにすることが一番!

特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては危険性が高まります。

草むらや藪など、マダニが多く生息する場所に入る場合には、肌の露出を少なくすることが大事です。

服は、明るい色のものの方が、マダニを発見しやすいのでおすすめ。

DEET(ディート)という成分を含む虫除け剤の中には服の上から用いるタイプがあり、補助的な効果があると言われています。

※ただし、DEETはワンちゃんにとって有毒な成分ですので、ワンちゃんと一緒にいる時は使用しないでください。


●咬まれると痛いの?
痛くないんです。だーかーらー困るんです。

つまり、咬まれたことに気づかない。

どうやらマダニのやつら、麻酔成分のようなものを出して気づかれないようにしているらしいです!

そーして、数日~10日くらいもの間、皮膚に食いついたままコッソリと吸血しつづけるというのですね・・・ったく・・姑息なヤツラです!

【入浴時に全身チェック】
咬まれても気づかないので、屋外で活動した後は入浴時にマダニに刺されていないか確認した方がよいです。

皮膚の柔らかい部分や、湿り気のある部分に好んで食いつくらしいので、

わきの下、足の付け根、手首、膝の裏、首、耳、などが要注意ポイントです。

特に、不届き者のマダニーたちは、柔らかく湿り気のある陰部に食いつくのが大好物らしいのです!

イヤーーーーーーッ!!

誰かー!鉄のパンツを持ってきて~~~~!(ハアハア・・・)


●食いついているマダニーを発見したら・・・
マダニに吸血された場合、速攻で取り除いたり潰してやりたくなるに決まっていますが・・・

そんなことをするとマダニの一部が皮膚内に残って化膿したりマダニの体液を逆流させてしまったりする恐れがあるのですって!!(なんて忌々しいんでしょう!)

ですから、一刻も早く取り除きたい気持ちをグっと抑えて、早急に皮膚科などを受診してマダニを除去してもらった方がよいのです。

病院に着くまで心臓がもつかしらん・・・( ノД`)シクシク…


●気を付けるべき地域はあるの?
現時点では、SFTSの患者は西日本を中心に発生しています。

けれども、徐々に患者発生が確認される地域は広がっているため、それ以外の地域でも同様に注意が必要です。

実際、まだ人間で感染者が出ていない地域においても、SFTSウイルスに感染した動物は見つかっているのです。



<ワンちゃん(ネコちゃん)の場合>

●感染するけど発症しない?
ほんの少し前までは、SFTSは人のみの感染症だと考えられていました。

つまり、犬や猫などの動物(哺乳類)は感染しても発症しない(不顕性感染といいます)と考えられていたのですね。

そのため、ワンちゃんやネコちゃんがマダニに咬まれることによる弊害としては、

かゆみによる不快感、大量寄生による貧血(血ぃ~吸われすぎての・・・)

くらいと言われていたのです。

国内において調査した犬の0~15%程度(約1800頭を調査)で抗体が検出されています。

抗体があったということは、イコール以前にマダニが媒介するSFTSウイルスに感染し、その後回復したということになるのですね。

ところが・・・


●ワンちゃん(ネコちゃん)でも発症する!
残念ながら、SFTSウイルスに感染し、発症した犬と猫の事例が報告されました。

■ワンちゃんの事例■
発症したのは雑種4歳の♀(避妊)

症状:元気消失、食欲廃絶が主な症状でした。

その後、抗体が検出されて、回復しました。

つまり、ほとんどのワンちゃんは不顕性感染しますが、一部が発症する可能性があるということです。


■ネコちゃんの事例■
SFTSの流行地で飼育ネコ(室内・野外両飼育)が、発熱、消化器症状(食欲消失等)の症状を示しました。

その後、入院2週で回復して4週後に退院しました。

回復期にむけて抗体が上昇していました。


ワンちゃんもネコちゃんも、今のところSFTSによる死亡例は確認されていないようです。


長くなるので、次回【ペット → ヒト の感染】につづきます。



<今日のPet Hotel 11!>

今日と明日は 三浦海岸 諏訪神社祭礼

ん?!

おお!人がちっちゃくみえるなぁ~

「は」組の山車。カーッコイイ~~♪
テンテケテンテンテッテン・・・ってお囃子がいいね!

行っちゃった~~・・・
諏訪神社の神様は女の神様ばかりだから、
神様が嫉妬しないように、山車を引くのもお囃子も
メンズオンリーなんだって。

なつ「フンッ!!」
ボス「あゴメン・・・」