2017年7月19日水曜日

火蟻(ヒアリ)vs 犬 その対策と朗報③

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


【ベイト剤は有効だけど・・・】

●とにかくベイト剤を置きまくればいいんじゃな~い?
飼い主さんにとってもワンちゃんにとっても、そして我が国の経済にも甚大な脅威となるヒアリ軍団を我が国に定着させるもんかー!!

ということを書いていますが・・・

最初にヒアリのニュースを聞いたとき、わたしはこう思いました。

『もうもう、とにかく全国民にベイト剤(毒餌)を配布して、ヒアリが巣を作りそうな場所に置いてもらっちゃえばいいんじゃな~い?』

・・・正直に告白します。かなり本気でした。

けれども、わたしのこの考えが いかに知性のカケラもないスットコドッコイな発想だったかということが、間もなく明らかになります。

アメリカのある研究グループが、

A) 在来のアリが生息する環境
B) 在来アリの個体数を減らした環境

の2つの環境の中にヒアリの女王アリを放し、その後のヒアリ定着率を見るという実験を行いました。

すると、

在来アリのいるAの環境では、定着率は0.5%
在来アリの個体数を減らした環境での定着率は19%

という結果になったのです!

つまり、在来アリはヒアリの天敵という役割を果たしてくれることがわかったのですね。

ですから、ベイト剤を闇雲に置きまくって在来アリまで駆逐してしまったのでは逆効果な上に、元来の我が国の生態系バランスをも大きく崩してしまう可能性があるわけです。

ヒアリ根絶の難しさは、まさにそこ・・・つまり、ヒアリの個体および巣だけをピンポイントで攻撃しなくてはならない点にあるのですね。


●ヒアリ侵略軍の脅威になりうるワンちゃん国防軍
ヒアリの巣は、山のようにこんもりと盛り上がった特徴的な形をしているので、かなり大きなコロニーになれば発見することは容易なのですが、大きくなる前に発見することはほぼ無理だそうです。

そうこうして、巣が大所帯になるのを待っているうちに、繁殖や移動がどんどん進んで、結局は後手後手に回ってしまうために、ヒアリ侵略軍のいいようにされてしまうのですね。

ところが、ヒアリの巣がごく小さいうちに、それらを発見することができる、優秀な国防軍の有効兵器があるのです!!

それが・・・何を隠そうワンちゃん軍団、その名もヒアリ探知犬なのです。




ヒアリ探知犬の優れたところは、他のアリとヒアリを、その類まれなる嗅覚で的確に嗅ぎ分けて、人には見つけられないような小さい規模のヒアリの巣を探し当てるという点です!

実際にヒアリ探知犬を有効活用して、大きな成果を上げているのがオーストラリアです。

オーストラリアでは、国家規模でヒアリ対策に取り組んでいて、侵入と定着を許してしまったものの、定着地域の拡大を阻止して、クイーンズランド州のごく狭い範囲内にヒアリを封じ込めることに成功しています。

クイーンズランド州では、ヒアリ探知犬によって、この地域内のヒアリ根絶にほぼ成功したといいます。
オーストラリア政府は、引き続き手を緩めることなく、ヒアリ探知犬による探索活動を続けることで、今月中にもヒアリの根絶宣言ができることを目指しているという勢いなのです。

オーストラリアのヒアリ対策チームは、この探知犬を使った駆逐作戦に大変な自信を持っていて、たとえ最後の1匹でも、探知犬の嗅覚によって見つけ出せる可能性は99.9%だと言っています。

もし、今後クイーンズランド州でヒアリが見つからなければ、ヒアリの最初の侵入を確認してからおよそ2年半で完全撲滅を果たしたことになるそうです。

オーストラリアの農業大臣は、このヒアリ探知犬を使った画期的な撲滅プログラムを称賛して、

『撲滅のスケジュールは、予定していたよりも2年早いです。チーム、特に犬と産業が一緒に働いていると言うことは本当に誇りです』

と語っています。

ワンコたち~~!なんてすばらしいの?!(涙目)

探知犬軍団が探し当てたヒアリの巣だけをピンポイントで駆逐することで、在来アリに被害を及ぼすことなく、ヒアリ軍団を全滅に追いやることができるのですね・・・(はぁウットリ)


●ちょっとまってよ・・・探知犬は安全なの?
ここ、重要です。もちろん調べました。

結論から言うと ダイジョブだ~♪

そりゃ~そうですよね。探知犬がヒアリの巣を発見するたびに刺されていては、二度とヒアリの巣に近づきたがらなくなってしまって、せっかくの訓練は水の泡なのですから・・・

ヒアリ探知犬は、常にリードを持ったハンドラーと一緒に行動していて、巣を発見すると、そこを嬉しそうに掘り返したりということは決してなく・・・ただ静かにオスワリして知らせるように訓練されています。

ヒアリ軍団を刺激しないように配慮されているんですね。

位置を特定してしまえば、あとは人間が殺虫剤やベイト剤で駆除すればいいのですから、探知犬の役割はおしまいです。

ちなみに、オーストラリアで採用されている探知犬はレトリバーで、巣を発見して知らせると、ハンドラーからおもちゃをもらえるそうです。
そして、そのおもちゃで一緒に遊んでもらえるというご褒美があるんですね。
レトリバーたちは、大好きなご褒美を目指して、ゲーム感覚で実に楽しんでお仕事しているそうです。

様子が目に浮かびますね~。きゃ~わい~い~~♪

この、『楽しんでやっている』ということと、『危険がないように配慮されている』ということが実に素晴らしい!

クイーンズランドにヒアリがいなくなって退屈したら日本においで~~


それにしても・・・『大切なワンちゃんたちをヒアリから守りたい!』という思いで調べ始めたヒアリ対策で、まさかワンちゃんこそがヒアリ一掃を最も迅速かつ効果的に行うためのエフェクティブ・ウェポン(効果的な兵器)だという結論にいきつくとは、当初思ってもいませんでした。


なんか・・・ワンちゃんたち・・・ホント、何から何までお世話になります。

そんなキミたちを、もっともっと大事にする世の中になるように、キミたちへの不当な扱いがなくなるように、わたし、がんばるからね!!

そんな思いを新たにしました。


おーい!日本政府のスタッッッふ~~~!!(懐かしい響き♪)
本気の対策、早急にお願いよーーー!


<今日のPet Hotel 11!>

ビーチのお散歩で砂のお城を発見

珍しくボール遊びにニコくんと”なつ”が参戦
焦る”ボス”

問題です。”なつ”のおしりをそ~っと嗅いでいるのは
誰でしょう?

ピポンッ♪(早押し) ボクですっ!!
「正~解~」(笑)