今月5日、中国の民間バイオ技術企業『SINO GENE』(北京希諾谷生物科技有限公司)が、ついに禁断の技術を発表しました。
それは、世界初となる【遺伝子組み換えクローン犬】の誕生です。
SINO GENEは、オスのビーグル犬”アップル”からクローン技術により複製された”ロンロン”を、今年の5月に誕生させていました。
またビーグルなんですね・・・ビーグルは最も多く動物実験に使われている犬種です。ビーグル好きとしては、本当にいたたまれません・・・
話を元にもどしましょう。
ロンロンとアップルの遺伝子が99%一致しているということが確認できて、完全なクローンだと証明されたことから、今回の発表に至ったようです。
クローン犬・・・
我が国では馴染みがありませんね。
けれども、アメリカや韓国では、亡くなった愛犬をクローン犬として蘇らせるというサービスが、既に存在しています。
(いずれも お値段1000万円超のようです!!)
『え?じゃあSINO GENEの技術は”世界初”じゃないんでないの?』
いえいえ、SINO GENEが発表した技術のポイントは【遺伝子組み換え】の部分です。
つまり、完コピではなく、コピー元の欠点を【遺伝子組み換え】により改善したコピーができるんだそうです。
具体的に言うと・・・
今回のコピー元となった、オスのビーグル”アップル”くんには、血中脂質の値が高いといった、いくつかの健康上の欠点がありました。
クローン犬”ロンロン”くんは、遺伝子組み換え技術によって、そうした欠点を摘み取られているというんです!!
つまり、この技術によって、たとえば愛犬が病気で亡くなった場合に、【遺伝子組み換えクローン】で、同じような病気になりにくい、健康的に優れたクローン犬を作ることができるとゆーんですね。
SINO GENEでは、この技術を使えば、足の速いクローン犬や、強靭な筋肉を持つクローン犬といった、スーパードッグを人工的な進化を加える形で作り出すことが可能だと言っていて、そういったスーパードッグを大量繁殖させて、警察犬や軍用犬に利用することができるという展望を示しているそうです。
実際に、中国と韓国が共同で、世界最大のクローン工場建設計画を進めているようです。
主体はいずれも民間企業で、中国のバイオ企業「ボヤライフ」と、韓国の「スアム生命工学研究院」
建設予定地は中国北部の天津市です。
工場の規模は、約1万5000平方メートル。
ここに、クローン実験室、動物センター、遺伝子バンク、展示ホールなどを設置するといっています。
工場では高級肉牛や豚など家畜に加えて、警察犬や競走馬、絶滅危惧種の生産、そして・・・
亡くなったペットの復元サービスも行うというのです。
この工場は来年から稼働の予定です。
来年からですよ!!
中国では2000年以降、爆食によって、食用肉の供給が需要に追い付いていないらしく、牛や豚のクローン作りが活発化しています。
けれども、その安全性を疑問視する声も多く、反対の声もたくさん上がっています。
韓国の『スアム生命工学研究院』では2005年以降、550匹のクローン子犬を作って、販売した実績があるといいます。
そのスアムを率いている黄禹錫(ファン・ウソク)元ソウル大学校獣医科大学教授は、世界で初めてクローン犬作りに成功した人ですが、直後に胚性幹細胞(ES細胞)論文の捏造が発覚したといういわくつきの人。
研究成果を疑問視する声も少なくありません。
哺乳類に対する【遺伝子組み換え】と【クローン作製】には、慎重に考えねばならないことがいくつもあります。
●生態系への影響はどのようになるか?
●倫理的な観点からの問題点は?
といったことですね。
欧州議会環境委員会の共同報告者、レナーテ・ソマーさんは
「(クローン動物は)生まれても数週間で死ぬケースが多い。そんなものを許可すべきではない」
と語っています。
欧米ではクローン動物の食肉は、安全性が十分に証明されるまで消費者に提供すべきではない、という意見が大多数です。
中国と韓国は、本当にこんな計画を来年から実行してしまうのでしょうか・・・
ちなみに、日本ではどうなっているか調べてみたところ、農林水産省によると、
『日本国内のクローン技術による家畜生産は実験段階で、業者などが自粛しているため、食品として流通していない』
ということでした。
え?は?『業者が自粛しているため』?
・・・ちゅーことはなんですか?
業者が自粛しなければやってもいいちゅー見解なのでしょうか?
昨今のこの国でのいろーーーんなことを見ていると、
●重要な問題を決める際に、議論を尽くすことをしない
●『法的に問題なければなんでもOK』という風潮になっている
という感じがして、わたし個人としては、ヒジョーに危惧していますし、第一、気持ちが悪いです。
そのうち、一度咬み付いたら絶対に離さない筋肉ムキムキスーパードッグみたいな恐ろしい犬たちが、研究施設から脱走して人を襲ったりしないって誰が言える?
などという、とんでもなくSFチックな想像の翼をバサバサと羽ばたかせてしまうのはわたしだけでしょーか?
愛犬との別れは、それはそれは悲しいものです。
死に別れた愛犬と似たような子を見かけると、胸が熱くなります。
だからといって、亡くなった愛犬の細胞から生み出されたクローン犬は、どんなに見た目や性質が全く同じだったとしても、人格、いや『犬格』は絶対に違います。
その子はあの子じゃないんです!!
違う子なんです!!
『この扇風機、もうそろ寿命だな。買い換えよーっと!』
という感覚で、ペットの命までもが、まるで代替えが効くかのような空恐ろしい感覚に、わたしたち人間が陥らないって言えるでしょうか?
もしも、クローン技術の発達によって、
『戦争で何人の兵士や国民が殺されても、どんどんクローンで強靭な国民を増産すればいいや!』
だなんて考える指導者が現れたりしたらどうなるのでしょうか・・・
単純に、食肉の確保や、失ったペットの蘇りができるなら素晴らしい!!と考えてもいいのでしょうか?
みなさんは、どのように考えられますか?
チッチするハナちゃん やめて!撮らないで!そして後ろから見ないで! |
デュークくんが来たよ! ワチャワチャワチャワチャ♪ |
ハナちゃ~ん♪あーそーぼ! |
ひとしきり走って、日陰で体力回復タイム |