2017年7月3日月曜日

【生体販売】の問題点(まとめ)

こんにちは。”ボス”じゃないよ!
神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番だよ!(←やかまし!)

前回まで、【生体販売】について、お子様にも解るように書いてきましたが、あらためて、【生体販売】の問題点を、大人の方向けにまとめておきますね。


①社会化が不十分で問題行動を起こしやすい子犬が流通する

子犬は、生後すくなくとも8週令(56日)までは、母犬や兄弟犬と一緒に過ごすことが、その後の社会化に大変重要だということが、研究によりわかっています。

母犬に叱られたり、兄弟犬とじゃれあいながら、やっていい行動と、いけない行動、犬同士の作法などを学ぶための大切な時期が、この8週令なのですね。

たとえば・・・

いきなり咬み付いちゃだめ!その前に唸って警告しなくちゃ!・・・

このくらい咬み付くと、相手が傷ついちゃうよ!・・・

などといったことも学んでいくわけです。

8週令以前に親兄弟と引き離された犬は、犬としての社会性が未発達なままです。

現状、我が国の法律では、表面上は

『ホントは生後56日を経過しないと販売しちゃダメなんだけど~!』

とか言いながら、実際にはその経過措置として

『いつか、そう決めるまでの間は、生後49日でいいよん♪』

と言っちゃってるんですよん!!(”よん” じゃないよ ”よん” じゃあ!)

販売する前には、母犬と引き離して、セリにかけられて、流通して・・・ってプロセスがあるわけですから、生後49日ピッタリでペットショップに並んでいるってことは、もっと前に親兄弟から離されていることに気づかなくてはなりません。

その結果・・・

やたらと吠えたり、ひどく臆病だったり、他のワンちゃんと接触できなかったり、いきなり本気咬みしちゃったり・・・

といった、先天的な問題行動を抱えたワンちゃんがたくさんたくさん流通してしまっているというわけです。

こういう問題を抱えたワンちゃんは、その後、飼い主さんがお手上げになって、見放される可能性が非常に高いわけですから、不幸なワンちゃんを増やしている一因になっていると言わざるを得ません。


②パピーミル(子犬生産工場)の問題点

利益優先の悪質ブリーダーの元では、母犬は、極めて不衛生な、せまいケージに押し込められ、外へも出してもらえないような過酷な環境に置かれています。

その中で、可能な限りくりかえし交配させられ、妊娠・出産をさせられています。

母犬が感染症などになれば、適切な治療を施されることなく、亡くなっていきます。

どんどん産ませて、どんどん売りましょう!

ってことですね。悪魔なんでしょうか?

まず、この状況そのものが、非人道的で問題なのは言うまでもありません。

更に、こんな環境で産まれてきた子犬たちが、遺伝的疾患を抱えていたり、病弱だったりという問題があるのです。

子犬には製造者責任がありませんから、消費者に売っぱらってしまえば、病弱でもなんでも構わないということなのでしょうか・・・


③本当の意味での殺処分ゼロは程遠い

ペットショップは、いつでも可愛い子犬をズラリと並べています。
売れ頃は、せいぜい生後3か月までです。
それを過ぎると、だんだん都市部から地方のショップへ回され、値引きされ・・・それでも売れ残って、生後半年を過ぎたらもう【賞味期限切れ】というのが現実です。

現在は、業者が保健所に「売れ残ったんでヨロシク」と子犬を持ち込むと、行政が断ることが可能になりました。
(逆に、以前は受け入れて殺処分にしていたんです)

ああよかった!じゃあ売れ残りの子たちはもう、保健所につれて行かれないからだいじょうぶなのね♪

なんて思ったら大間違いです。

『じゃあ、どこへ行くっていうのさ?!』

っていうトーゼンの疑問をもたなくてはなりません。

現状、行政が誇らしげに

「殺処分ゼロを実現しました!」とか
「殺処分頭数が、こーんなに減りました!」とか

言っている背景には、愛護団体やボランティアの方たちが受け皿となって、里親探しをしている、涙ぐましい保護活動があるわけです。

そして、それも限界を迎えつつあります

そりゃそうでしょう。お米や野菜みたいに「生産調整」のようなことをしていないわけですから。

産ませっぱなし

売りっぱなし

売れ残りは保護団体やボランティアに投げっぱなし

それが現実です。

そして、限界を迎えている保護活動の裏で、【ひきとり屋】が暗躍しています。

処分に困った業者や個人から、お金を受け取って犬や猫を引き取る商売ですね。

彼らは引き取りさえすれば、お金が入ってきます。
引き取った後、【ひきとり屋】が犬や猫をどうしようが、誰にもわかりません。

まさに、闇に葬られているのですよ!

大抵は、人知れずどこかに捨てられるか、極めて劣悪な虐待環境に犬や猫を置き、衰弱死を待つばかりにさせているのです。

飼い主が見つからず、処遇に困っている犬たちがたくさんいるのに、一方ではパピーミルで、『産めよ増やせよ!』とやっているんですね。

闇に葬られた犬たちは、行政の【殺処分頭数】にはカウントされません。

それで、『殺処分頭数が減った』などと言っているのは、引田天功もビックリの、数字のイリュージョンだってことに、誰もが気づけなくてはなりませんね。



次回は、

ペットショップがダメなら、犬を飼いたいと思っている人は、どうするのがいいの?

というお話をしたいと思います。


モモナちゃんと”ボス”はボール遊びに夢中

おーい、モモナちゃん、早くプールからボール出して~!

お水キライな子たちは、日陰でまったり

海が見張らせる、サイコーに気持ちいいお散歩コース♪