前回のブログで、わたしが考える、”良心的なブリーダーさん選びのコツ”をお話しました。
それ以外に、世間一般で言われていることとして
●1つの犬種のみを繁殖しているブリーダーさんを選ぶ方がよい。
●ブリーダー業だけで生活していけている業者は怪しい。
●アフターフォローがしっかりしているブリーダーさんを選ぶべき。
といった指標もご紹介しましたが、わたしはこれらの条件は必須だとは考えていません。
その理由をひとつひとつご説明していきますね。
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●1つの犬種のみを繁殖しているブリーダーさんを選ぶ方がよい?
将来、愛犬をドッグショーなどに出したいと考えていらっしゃる方は、こういった条件をブリーダーさん選びに加えてもいいかと思います。
確かに、1つの犬種に特化してブリーディングしている業者さんの方が、その犬種に精通している可能性が高いですね。
・・・というよりも、大変なこだわりを持って、その犬種を愛している、例えば【オタク】とか【フリーク】とか【マニア】みたいな方が多いわけです。
こういったブリーダーさんのおかげで、犬種のスタンダードが守られているのですね。
ですから、ドッグショーなどに出すことを前提に考えていらっしゃる方にとっては、その単一犬種のスタンダードにこだわったブリーディングをしている業者さんを選ぶことは、理にかなっているといえます。
ただ、だからといって、複数犬種のブリーディングをしているブリーダーさん=悪質ということにはならないと思います。
特に最近は、MIX犬(雑種犬のオシャレな呼び方)の人気も高いです。
現在、犬種図鑑などに載っている犬種のほとんどが、はじめは他犬種との掛け合わせによって生み出されたMIXだったことを考えると、そのうち新しいスタンダード犬種ができる可能性もあるわけです。
MIX犬に限らず、ただただ、健康な子犬を家族に迎えて、愛犬と一緒にしあわせに暮らしたい・・・そう考えている方にとって、必要条件ではないように思います。
とはいえ・・・
『ご注文はお決まりですかぁ~?どんな犬種でもありますよ~~♪』
というような、ファミレス的なことをおっしゃるブリーダーさんには
『なんで?』
と思っていただかなくてはなりませんね(^-^;
『魔法使いか?!』
『レンチンで子犬ができるのか?!』
というような疑問が発生します。
『ウチでは、〇〇と△△の犬種を扱っています』
ということが明確に言えないブリーダーさんは、日ごろから愛情を持って母犬を育てているのではなく、注文があれば、どこからともなく親犬になる犬を連れてきて種付けしちゃうというやり方だと推察できるからです。
●ブリーダー業だけで生活していけている業者は怪しい?
これも、理屈は解ります。
先ほども触れたように、ブリーダー業というのは
『えーと・・・こっち、ダックス1匹ね~!』
『はぁい!ご注文繰り返させていただきま~す♪ダックス1匹。以上でよろしかったでしょーかぁ~? しょ~しょっ お待ちくださぁ~い! ご一緒にチワワはいかがですかぁ~?』
というように、ファミレスのごとく商品が出てくる性質の商売ではありません。
健康な子犬を産ませようとすれば、当然、母犬の健康状態に配慮しなくてはなりません。
おのずと、出産させる回数や頻度も限られてきますから、子犬を量産できないはずですね。
しかも、産ませた子犬の買い手がつかなければ、ブリーダーさん自身が子犬を手元において飼育しなくてはなりません。
生きている”在庫” しかも、手がかかる”在庫”、更に、どんどん育つ”在庫”ですね。
商売としてはヒジョーにキビシイ・・・
要するに、良心的、人道的にブリーダー業をしていれば、大変な時間と労力がかかるうえに、コストもかかり、どう頑張ってもそれだけで生活できるほど、多売ができないはずなんです。
逆に【パピーミル】(子犬工場)のように、母犬の健康になんらの配慮もせずに子犬を量産させて、ペットショップへジャカスカ売っている業態は、低コストの多売が可能ですから、それだけで生活が成り立つかもしれませんね。
そういった理由で、『ブリーダー業だけで生活していけている業者は怪しい』と言われているわけです。
でも、これを絶対条件にするのはちょっと待った!と思うのです。
だって、もしかすると、そのブリーダーさんは、ものすごい資産家で、何もしなくても生活していける人かもしれないじゃあないですか?!
思い込みで決めつけてしまうのはキケンです。
結局、『母犬に会わせてほしい。飼育環境を見せて欲しい』という要望に応えてくれて、その実態が納得のできるものであれば十分ではないかと、わたしは思います。
●アフターフォローがしっかりしているブリーダーさんを選ぶべき?
理想的な響きですね。
買ってきた子犬の様子が心配だったり、しつけがうまくいかなかったりした時に、アドバイスを求めることができるブリーダーさんだったら、とても心強いです。
ですから、わたしは『今後、なにかあった時に相談にのってもらえそうな人か?』は、ご自身の目でチェックすることをお勧めしています。
ただ、あえてこの条件を”必要条件”に入れなかったのは、『アフターフォロー』の考え方が、人によって違うからです。
もしも消費者側が、適切な健康管理を怠ったために、子犬が病気になったりして
『おたくで買った子犬、病弱ですぐに元気がなくなったから返金してよ』
なんて言ったり
根気よくしつけることができなかったために
『トイレットトレーニングができないんだけどぉ~?返品しちゃいたーい』
な~んちゃったりして、それに応じなければよいブリーダーさんとは認められないのだとすれば、それはもう、ブリーダーさんにとって生き地獄ですよ。
『やってられっかバーロー!』
ですよ(^-^;
ただ子犬に限らず、すべての売買契約に共通していえることですが、
アフターフォローとして、どのようなことをしてくれるのか?または、してもらえないのか?
ということは、キチンと納得のいくまで確認し、書面を取り交わしておくべきですね。
ですから、この条件は、ブリーダーさんを選ぶ指標というよりは、買い手のあなた自身が賢い消費者として、キッチリと確認すべき内容だと思うのです。
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『子犬を飼いたい(買いたい)』
そう考えた時にはぜひ、【パピーミル】といったような悪質極まりないやり方をしているブリーダーではなく、良心的なブリーダーさんを見極めてください。
それは、命を軽んじて犬たちを虐待しているブリーダーを根絶するためにも、
ご自身が、心身共に健全な子犬を家族に迎えるためにも、
とても大切なことです。
ただ、ブリーダーさん選びにあまりにも細かい条件を付けすぎても、選択肢がなくなってしまうかもしれません。
ご自身が犬を飼いたいと思った動機や、これから愛犬とどういう風に暮らしていきたいか?
ということをよくお考えの上、ご自身に合ったブリーダーさんをぜひ探してみてください。
最後に・・・
あまりにも悪質なブリーダーが多いために、”ブリーダー” = ”悪者” みたいに思っている人がたくさんいます。
けれども実際には、愛情たっぷりに犬と真摯に向き合っているブリーダーさんは、ちゃーんといらっしゃいます。
悪質ブリーダーからは誰も子犬を買わないようになれば、悪質ブリーダーは自然に絶滅します。
反対に、良心的なブリーダーさんを、わたしたちが正しく評価し、リスペクトすることによって、いいブリーダーさんは増えていくはずです。
悪質ブリーダーがたくさんいるのは、それだけのニーズがあり、商売が成り立っているからだということを忘れないでください。
悪質ブリーダーを産み育てているのは、ほかならぬわたしたちだということです。
これからわたしたちは、もっと賢くなって、いいブリーダーさんをたくさんたくさん育てていこうではあーりませんか!
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