前回のブログでは、犬は、不公平な扱いを受けることに対して人間と同じような感受性を持っているというお話をしました。
【理性を超える激しい感情】
この”不公平感”というのは複雑かつ繊細な感情です。
不公平感を抱くには、まず”自分と他者を比較する”ということができなければなりません。
前回の記事で例に出した太郎くんのことを思い出してください。
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太郎くんは、トイレ掃除をするとママに100円もらえるので、喜んでトイレ掃除をしていました。
ところが!太郎くんのお姉ちゃんは、同じようにトイレ掃除をして1000円もらっていたことが判明しました。
太郎くんはその不公平感にイジけて、きっとお姉ちゃんを妬み、ママに不信感を感じ、そして、
『意地でもトイレ掃除なんかするかーーいっ!』
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・・・でしたね?
ここで気づいていただきたいのは、太郎くんは
な~んにも損をしていない
ということなんです。
トイレ掃除をしなければ1円ももらえませんが、掃除しさえすればたとえ100円でもちゃんともらえるんですから、100円得しているんです。
むしろ、イジけてトイレ掃除をやめてしまった方が損になるわけですよ。
なのに太郎くんは、お姉ちゃんが自分よりうんとたくさんお小遣いをもらっていることに気づいてしまった途端、100円へのモチベーションが下がってしまったのですね。
つまり、太郎くんがトイレ掃除を拒否した理由は、
自分より優遇されているお姉ちゃんという比較対象が現れたから
という一点に尽きます。
前回のブログに書いた実験に登場した犬たちも同じでしたよね?
何が言いたいかと言うと・・・
不公平感に対する反応(行動)は、頭で考えるものではなく感情的なものだということです。
その感情を一言で表すとなんだろう?って考えると、おそらく
<悔しさ>
ではないでしょうか?
■不当な扱いを受けたことへの悔しさ(プライド)
■自分より優遇されている他者への悔しさ(嫉妬)
これって・・・やきもち・嫉妬・ジェラシーってことですよね?
頭や理性で冷静に行動ができなくなるくらいの激しい感情です。
そう、愛犬家のみなさんはよくご存じですよね?
犬はとってもやきもち焼きなんです。
【やきもちは高度で複雑な感情】
”不公平感”や、”やきもち”による悔しさは、少し前までは人間以外の動物には複雑すぎる感情だと考えられていました。
このような感情は、社会的協調を高いレベルまで発達させた人間ならではのものだ・・・
という考え方です。
確かに複雑な感情ですよね?
複雑すぎて、時に人間は、自分でもその感情をうまく処理できず、自己矛盾に陥ることだってあるくらいですもの!
けれども数々の研究によって、集団生活をする動物には大なり小なりこういった感情が本能的に備わっているのではないか?
ということが判りつつあります。
(チンパンジーなどの霊長類・カラスなどの一部の鳥・そして犬といった動物です)
現に、小難しい研究なんかしてもらわなくたって、犬を飼っている人で
『犬はやきもちをやくらしいよ!』
ときいて驚く人は少ないでしょう。
・・・というくらい、犬のやきもちは常識です。
だからかもしれませんが、犬のやきもちに関する具体的な研究は、意外なくらい、つい最近までされてきませんでした。
【犬のやきもちに関する実験】
この実験は、つい3年前の2014年にカリフォルニア大学サンディエゴ校の心理学者クリスティン・ハリス(Christine Harris)氏のチームで行われました。
ハリス氏は、ご両親が飼っている2匹のボーダーコリーと遊んでいるときに
「2匹に対して同時に注意を払い、なでたり話しかけたりすると、どちらのイヌも愛情を独り占めできず不満げになることに気付いた」
というのです。
それがきっかけとなって犬の嫉妬心を科学的に調べてみたのですね。
その実験の内容と結果は、長くなるので次回につづきます。
<今日のPet Hotel 11!>
プール!冷たくてサイコー♪ |
混んできたなぁ・・・ |
イエ~イ!走れ走れ~~! |
マロンくん・なつ 「おお!ウリくんが飛んでる~」 |
マロンくん 「わわっ!ウリくん・・・浮かんでる?!」 |
小春ちゃん 「アタシはクーラーのきいたおうちの中がいいの」 |
ハッ!!・・・いやいや、恐ろしい光景ではありません。
とても平和な光景なのです。
たっぷり遊んでクーラーの効いたお部屋でお昼寝。
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夕方になって、ルルちゃんもお泊りにきたよ~♪ キンチョーしてるねぇ。がんばれ~! |