2017年5月8日月曜日

爆発物探知犬の殉職がなくなるかもしれないお話

”K-9”という言葉はご存じですか?

海外の映画などで聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。

爆発物探知犬・麻薬探知犬・警察犬などの訓練を受けた犬の総称です。
いきなり余談ですが、なんでK-9と呼ばれるかというと、ラテン語で犬のことをCanineと言い、その読みが”ケイナイン”であることからだという説が濃厚です。

つまり『犬』って呼んでいると・・・(なんかビミョ~~・・・)

閑話休題

今日はそんなK-9の中でも、特に爆発物探知犬のために、ぜひとも実用化を急いでほしい、画期的な研究のお話です。

爆発物探知犬というのは、爆発物探知が専門の使役犬ではなく、匂いを元に目的の物を探し当てる訓練を積んだ警察犬の中でも特に爆発物を探知する訓練を受けている犬のことで、爆発物以外にも麻薬捜査や不審物捜査も行っています。

彼らは非常に優秀で勇敢。そして忠実です。
戦場などでは人間の命を守るため、真っ先に爆発物を探し当てる役割を勇敢にこなします。
そのため、不幸にも人間の身代わりとなって命を落としてしまう子も多いのです。

大切な人命を守るためとはいえ、実に心苦しいことです。


さて、昨年暮に、マサチューセッツ工科大学のリンカーン研究所および米国食品医薬品局(FDA)のStaymates氏と同僚たちによって、犬が積極的に匂いを嗅ぐ時のsniffing(つまり”クンクン”ですね)を参考にした臭気探知機の研究内容を発表しました。

その研究内容は、一見こどもの発想か?!と思ってしまいそうな、クスリと笑ってしまう夢ある内容なのですが、これが真面目も真面目、大真面目なんですよ!!

研究チームは、わたしたちが大好きなワンちゃんのあの”クンクン”について徹底的に研究しました。

そしてまずは犬の鼻の形状(具体的にはラブラドールの女の子のお鼻)を3Dプリンターで完全コピーします。

次に、犬の”クンクン”の速度や周期、強さ、”クンクン”した時の気流などを測定し、これまた完全に模倣します。

そのようにして作られた臭気探知機で、匂いのサンプルを探知する実験をしたところ、既存の臭気探知機に比べてなんと!18倍もの離れた距離からでも対象のサンプル臭を感知したというのです!!

以下の動画、英語がわからなくても映像を見ているだけでなかなか面白いので、ぜひご覧ください。わたしは可愛くてちょっと笑っちゃいました。(真面目な研究なのにごめんなさい)



この探知システムの原理を応用して臭気探知機の改良を進めていけば、爆発物探知や麻薬探知のみならず、ゆくゆくは癌などの病原体を探知することも可能になるかもしれないということです。

まだまだ実用化には時間がかかる研究ということですが、『犬は最も古い友達』と言いながら、戦場においてはわたしたち人間の身代わりに殉職させるような利用の仕方をしている爆発物探知犬を減らすため・・・いえ、爆発物探知犬などという使役犬が必要なくなるために、ぜひ早く実用化に漕ぎつけて欲しいと思います。
だいたい、人間がはじめた戦争なんだから犬を巻き込むな!と思うのですけどねぇ。

その前に戦争なんてやめればいいのに・・・ホント人間ってバカねぇ(ブツクサ)

ボクの鼻も3Dコピーしていいよ~~!

”ボス”と”なつ”が大好きなお山のお散歩コース
緑がいっぱいで眼下にはきれいな海が見えます♪