『愛着対象(主に母親)との安定した愛着がしっかりと形成されていることにより、母親が子供の【安全基地】の役割を果たせていることが必要』
ということをお話してきました。
例えば、初めて保育園や幼稚園に通い始めた子供・・・
お母さんが園に自分を置いて帰ってしまうのが不安で泣き叫ぶ子供の姿を、一度は目にされたことがあるのではないでしょうか?
対して、幼稚園に着くやいなや、母親に『バイバーイッ♪』と手を振り、名残惜し気な風情も見せず、ルンルンでお友達の方へ駆け寄り遊び始める子供もいます。
(ちなみにわたしはそういうアッサリした塩対応の子供でした)
一見、前者の子供の方が母親との絆が深く、濃く、いかにも強固な愛着関係が築かれているようにみえます。
大好きすぎて、片時も離れていたくない・・・
という感じがしますものね?
後者の子供の方は、母親に対して愛着が薄くて、絆が浅いかのようにもみえます。
でも、実はそんなことはないのですね。
あっさりと母親と別れてお友達との遊びや先生とのお遊戯に没頭できる子供というのは、
「ママは絶対にわたしを見捨てたりはしない。必ず迎えにきてくれる。どんなに怖いことや辛いことがあっても、いつだってママはわたしを受け止めて抱きしめてくれる。そうでないわけがないじゃないの!!何を心配することがあるわけ~?」
という、母親との絆に対する確固たる自信があるわけです。
だからこそ、ちょっとしたお別れなど恐れるに足らないと思うことができますし、思い切って自分の世界をグングン伸ばしていくことができるというわけです。
安定した愛着関係が形成されていない=母親の愛情が足りていないということではありませんので念のためお断りしておきますね。
さて、お待たせしました。犬のお話に戻ります。
ペンシルベニア大学獣医学部 ジェームス・サーペル教授は、著書『The domestic dog 犬 その進化・行動・人との関係』の中で、犬の分離不安に関して、まさしく【安全基地】について触れています。
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イヌにおいても、母親や飼育者が安全基地となり、そこから探索したり他の動物や人間との間に信頼性、情緒的安定性を形成するということが見られる。
ところが飼育者が心配性だったり、両面感情的不安定さをもっていると、分離されると異常に苦痛を感じるようになる傾向があるという。
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※”両面感情的不安定さ”っていうのは、異なるふたつの感情を同時に併せ持つといったような意味で、まぁ簡単に言うと”情緒不安定”ってことです。
実際に、シェルターから保護された犬には分離不安症の発生率が高いと言われていますし、分離不安症の犬の飼い主には神経質な人が多いとも言われています。
けれども、たとえシェルターから保護された分離不安症の犬であっても、新しい飼い主さんが愛情を注ぎ、意識的に絆を深めて、しっかりとした【安全基地】の役割を果たすことによって、保護犬は徐々に自信を取り戻し、立派に社会性を築いていけることもたくさんの事例からわかっています。
ここからはわたしの勝手な想像ですが、犬は人間の子供でいうと
【永遠の3歳児】
なのかもしれません。
それだけに傷つきやすく、手厚いケアときちんとした躾が必要ですが、逆に人間の成人に比べて圧倒的に柔軟性や受容能力が高く、たとえ成犬であっても飼い主さん次第で天使にも悪魔にもなるのではないかと・・・
んも~~健気ったらケナゲ!!(デレデレ~)
わたしたち飼い主は、干渉しすぎず、神経質になりすぎず、それでもって惜しみない愛情を愛犬に注いであげたいものですね!
それにしても【木の上に立って見る】”親”という字は、本当によくできています。
【安全基地】はチョロチョロ子供を追いかけまわしたりせず、木の上からデーンと見守っていて、いつだって子供や愛犬が不安になったら戻ってこられる場所であるべきってことですものね。
さて、あなたは愛犬の【安全基地】になれていますか?
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遊び疲れて日陰で休むウリくんの後ろ姿がたまりませ~ん♪ |
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最近ちょっぴり大人になってきたウリくん。 遊ぶ時はめいっぱい発散発散! |
永遠の三歳児たち 『ボス!後ろうしろーーつ!!』 |