今回お話するのは、つい最近お預かりした柴犬”ボー”くんの『犬ってやっぱりすごいなぁ』と感心したエピソードです。
ボーくんはPet Hotel 11!に4泊しました。
滞在中は、【ザ・柴犬】という振る舞い・・・例えば、他の犬とは一線を引いた感じで、じゃれあうこともなく、かといってケンカするわけでもなく、常に少し離れたところにたたずんで、景色を眺めたり、他の子たちを眺めたりしているといった感じでした。
こちらが知らん顔していると寄ってきて「撫でてください」というそぶりをするくせに、撫でてあげると「別にもういいです」という風にそっけない。
落ち着いてるなぁ~・・・と思って見ていると、突然何かに興奮して、ひとりはしゃぎだす・・・といった感じで、実に味のある魅力的な子でした。
お泊り初日、お母さんに連れられてやってきたボーくんは、ただ黙ってお庭に入り、他のワンちゃんたちの大歓迎に少し面食らったような表情をしていたものの、やはり淡々と「そうかそうか・・・ここに居ろってことか」というように状況を受け入れていました。
そうして、お母さんが行ってしまっても、後追いすることも鳴くこともなく「そうかそうか・・・行ったか・・・」
初めてやってきたワンちゃんは、大抵はこれからどうなるのか?どうして置いて行かれちゃうわけ?という不安を全身で表しているものですが、そういったそぶりは一切見せません。
不安でないはずはないのですけれどね・・・見せない!
3分くらいして、ボーくんのお母さんが忘れ物をして戻ってみえました。
この状況は、大抵のワンちゃんですと、ちょっとややっこしいことになるパターンです。
「え?どこに行くの?置いていかないで~~!」
となっていたところに飼い主さんが戻ってくるわけですからね。
「んも~~!ビックリしたよ~!置いていかれたと思ったー!早く連れ出して!」
と、ぬか喜びしちゃう・・・でも飼い主さんはお迎えにきたわけではないという、実に可哀相なシチュエーションなのです。
期待を裏切られたワンちゃんは、最悪の場合、飼い主さんが出て行ったドアにすがりついて、キャンキャンと金切り声をあげ続けたりすることもあります。
ところが!驚いたことにボーくんは、戻ってきたお母さんのことを一瞥もせず、寄って行こうともしません。
まるで、自分はここに暫くいてお留守番するのだ。だからお母さんが戻ってきたのは自分を迎えに来たのではないんだと解っているかのような態度だったのです。
ここまで達観したワンちゃんはなかなかいないので、私はその真意を図りかねていました。
ボーくんのおうちは、Pet Hotel 11!から歩いて20分弱のところにあります。
滞在中は、ボーくんのおうちのすぐ前の道を、何度もお散歩コースとして通っていました。
お散歩で自分のおうちの近くを通ることがあると、おうちの方へ行きたがる子が大半ですが、ボーくんは例によってクーール!
おうちの方へ引っ張ることもなく、淡々とリードを引くわたしたちと並んで歩いていました。
さて、そんなボーくんのお帰りの日がやってきました。
夜、おうちまで送り届けるお約束でしたので、チッチをさせがてら夜風に吹かれつつ歩いて送っていくことにしました。
滞在中、何度もボーくんと一緒にお散歩した道です。
例によって、自分の家が近づいても淡々としている・・・かとおもいきや!その日のボーくんは違いました。
お散歩ではいつもわたしたちの横について歩いていたボーくんが、少し前に立ってグングン歩いていきます!
自分の家の方へまっすぐに・・・ついにはボーくんの家の門の前までキッチリと誘導してくれたのです!!
ボーくんの背中はまるで
「今日はもう家に帰る日なんだろ?案内してやるからついてきな。フッ!」
とでも言っているようでした。
きゃぁああ ボーーーーく~~~ん!!!(カッコよすぎて感動の鳥肌ゾクゾク)
ボーくんは、やはり全てを解っていたのです!
預けられることも、暫くしたらおうちに帰れることも、そしてその日が帰る日だということも・・・
いやぁ・・・やっぱり犬って・・・奥が深いですねぇ~~~!
今日からお泊りのテリーくん♪ とってもおとなしくて落ち着いています |
どうぞよろしく、なつ姐さん |
ボスさんもどうかひとつよろしくですぅ~ |