2017年9月24日日曜日

犬が亡くなった飼い主を食べる行動のナゾ②

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。



【亡くなった飼い主を食べる犬(つづき)】



前回のブログで、犬が亡くなった飼い主を食べる理由は”空腹”ではないというところまで書きました。

その理由は

◆飼い主の死後、間もなく食べ始めている事例が多いこと
◆すぐ近くに簡単に食べることができるフードがあったこと

でしたね?

もうひとつ、犬が飼い主の遺体を食べるのが空腹による摂食行動ではないことを示す要素があります。


●顔を食べるという特異な行動


犬が亡くなった飼い主の遺体を食べた事例の大半で、食べられているのは飼い主のおよびその周辺だといいます。

それは、イヌ科動物の摂食行動とは一致しないというんですね。

野生のイヌ科動物の場合、まずまっさきに食べるのは、栄養価が高く腐敗も早いお腹と胸部の肉で、次に四肢を食べるのだそうです。

むしろ、野生のイヌ科動物が捕食した動物の頭部に傷をつけるのは、全体の10%ほどしかないことだと・・・

飼い犬が、敢えて栄養価が高いとはいえない飼い主さんの顔を中心に食べているのは、それが単なる摂食行動ではないことを示す証拠だと、研究者たちは考えているんですね。

フムフム、これはナットクですね~


●復讐行動か?


人間同士の殺人事件においては、遺体の顔面が原型をとどめないほど傷つけられている場合は、加害者が被害者に対する強い殺意や憎しみを持っていたのではないかと推察されますよね。

じゃあ、亡くなった飼い主さんの顔を食べてしまうという犬の行動は、それだけ飼い主さんに対する憎しみが強いことを意味しているのでしょーか?

日頃から虐待を受けていて、積もり積もった恨みを、飼い主さんが亡くなった後に晴らしている・・・?!(イヤァアアーッ!)

それこそホラーです(-_-;)

でも安心してください。

その仮説も否定されています。

研究者たちが調査した多くの事例の中で、飼い主の顔を食べてしまった犬が、亡くなった飼い主から虐待を受けていたというケースは一切なかったそうです。

それどころか、近隣の人の証言から、飼い主と愛犬の関係が非常に良好だったというケースの方が多かったというんです。

つまり、恨みによる行動ということではないってことですね。

そりゃそーです!

もしも、飼い主さんに恨みを持った犬が、本当に飼い主さんの顔を食べてしまうのだとすれば・・・

愛犬をひどく叱った日の晩なんか、愛犬と一緒の家でなど、おちおち眠れないってことになっちゃいますよぅ~(;'∀')


【最も有力なのはパニック説】


現在のところ、ナショナルジオグラフィックによれば、研究者によって最も有力だと唱えられている説が、このパニック説です。

つまり、犬はまず、意識を失った飼い主を助けようとして、そっと押してみたり、一生懸命顔を舐めたりする・・・

それでも意識を取り戻さない飼い主に、犬はパニックを起こして”咬む”という行動に出てしまうのだろうと。

そこからは、血の味に刺激されて”食べる”という行為に繋がっていくのは自然なことだというんですね。

この説は、科学捜査官のマーカス・ロスチャイルド氏や、法医人類学者のカロリン・ランドー氏によって唱えられているものです。

(出典:ナショナルジオグラフィック


うーん・・・なるほどなるほど~


イメージとしては、人間同士で仲間が意識を失って倒れたときに

『ねえねえ』って揺り起こそうとしても意識が戻らないから・・・

『オイッ!シッカリしろー!』って叩いてみて・・・

それでも起きないからもっと強い刺激を与えれば起きるんじゃーないかと殴ったり蹴ったりを闇雲にしているうちにパニック状態になって・・・

( ゚д゚)ハッ!と気づいたらボコボコの血まみれにしてしまっていたんですぅ~・・・

みたいな感じかしらん?


あり得ないとも言い切れないような気がしないでもないかもしれなーい・・・(-_-;)


【個人的な見解】


えらい研究者先生たちが唱えている説ですから、現時点ではそれが有力なのでしょう。

『かもねかーもねそ~おか~もね♪』(by シブがき隊)

くらいは言える感じはします。

でも、個人的にはなんというか・・・

『そうかなぁ・・・?』

という感覚の方が勝っているんですねぇ・・・

わたしがそう感じてしまうのにはいくつか理由があります。

たとえば


●発見時のイヌの様子


前回の記事のに書いた”自殺した飼い主男性”の事例では、飼い主さんの顔を食べてしまった犬の様子はとても落ち着いていたんでしたよね?

男性が亡くなってから発見まではわずか45分です。


押したり、顔を舐めたりして懸命に飼い主を助けようとした



それでも起きない飼い主に、更に強い刺激を与えようとして軽く甘噛みしたりした



それでもなお、意識を取り戻さない飼い主に、パニックになった犬は顔に咬みつき・・・



血の匂いに野性を誘発されて、そのまま摂食行動へと移った



パニック状態から立ち直り、もう落ち着いた状態になっていた


ここまで45分間って・・・短くな~い?

という風に感じたのですよ。


●相手が犬の場合は・・・


よく、仲間の犬が死んでしまった時に、残された犬が深く悲しむというお話をききますね。

更に、このブログでも以前にご紹介しましたが、亡くなってしまった仲間の犬のかたわらに、ごはんも食べずに何日も亡骸(なきがら)を守るように居続けたという犬のお話もあります。

犬同士の関係 【献身的な絆】はあるか?

わたしは、死んでしまった仲間の身体を食べてしまった犬の事例というのを探してみましたが、ネット上でそういったお話を見つけることはできませんでした。

もしも、上記のパニック説が本当だとしたら、意識を失って倒れてしまった仲間の犬に対して、もう一方の犬が

ペロペロ → 甘噛み → 咬みつく

という行動を取らないことの方がむしろ不思議だとは思いませんか?



長くなるので、つづきはまた次回にしまーす!



<今日のPet Hotel 11!>


コっちゃん。少しずつ他のワンちゃんに慣れてきてるよ!

元気いーっぱいのブランちゃん
ドッグランで走るのだーい好き♪
MAXくんとブランちゃん チョコラブ×2♪
ドッグランというよりも『牧場』ってかんじ~?(笑)



あ!子羊だ~~♪・・・って
ちーがーうーだーろーーー!

ボスと”なつ”はMAXくんと休憩タイム
仲良しさんねぇ~(^▽^)
郵便屋さんがきたら吠えてやろーと
虎視眈々と待ち続ける”なつ”
今日は日曜日だから郵便屋さんは来ないよーん(笑)