【現時点で飼い主さんができる対策】
(つづき)
●抗体価検査を受けよう!!
前回の記事で
感染症のリスク VS ワクチン接種のリスク
それを天秤にかけて、損益分岐点を知るために、最も合理的な方法は【抗体価検査】だとお話しました。
ワクチン接種を毎日しようが、1年に1回しようが、3年に1回しようが、抗体がついていなければ、なーんの意味もありません。
逆に、抗体さえちゃーんとついていれば、前回接種から何年経っていても、ワクチンなんぞ打つ必要性はないんですからね!
ワクチン接種によって、1度備わった抗体が、何年も、なんなら一生有効なワンちゃんもたくさんいます。
その反対に、まったく抗体ができない”ローレスポンダー”のワンちゃんもいるのでしたね。
↓↓↓
(ワクチン接種は本当に1年に1回必要か?⑤)
【抗体価検査】を受ければ、愛犬がどの感染症に対する抗体を持っているか?または持っていないか?が判明しますから、足りないもののワクチンだけを接種すればいいんです。
その結果、感染症にかかるリスクもワクチン接種のリスクも最低限で済むんですから、とっても理にかなっておりま~す(スッキリスッキリ♪)
●どのくらいの間隔で受ければいいの?
では、その抗体価検査を受けるとして、一体どのくらいの間隔で受ければいいのか?ですが・・・
WSAVA ワクチネーションガイドラインには
『別に毎年検査してもぜんぜん構わないけど、3年に1回の検査でも平気だと思うよ~』
という風にあるんですね。
前出の栗田動物病院 栗田院長も、WSAVAのVGG(ワクチネーションガイドライングループ)委員長Day先生と日本の獣医さんたちの座談会において、次のように語っておられます。
『今、健康な動物で3年以内に抗体価が下がって追加接種する例は全体の1~2%ぐらいです。
2015年版ガイドラインにも、毎年検査してもよいが、そのうち無駄だと気付くだろうという旨が記載されていましたが、確かにその印象はあります』
現場の獣医さんも、実際にそう感じているのですね。
ただ、自分の愛犬がその1~2%に入っているかどうか心配になっちゃう場合は、健康診断もかねて、毎年1回抗体価検査を受けることをお勧めします。
そのうち、飼い主さんご自身の実感として、
『次は1回とばして再来年でいっか♪』
という感じになっていくかもしれません。
でも、わたしのようなおバカさんは、そのようにした途端にもう、スッカリ忘れてしまうことが怖いんですね・・・
ですから、毎年何月には健康診断&抗体価検査って決めてしまった方が安心なんですわ~。
抗体価検査には副作用はありませんからねぇ~。
さて、イイことだらけの【抗体価検査】
でも・・・そこには、いつものように多くの問題があるんですね(-_-;)
●【抗体価検査】を受けられる施設が少ない
確実に増えてきつつあるようですが、地方に行けば行くほど平気で
『んなもんやってないよん』
という獣医さんがいらっしゃるようですね。
かくなる上は、あの作戦です!
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① いつも行っている獣医さんで
『え~~~~?! 抗体価検査したいのにぃ~~~!!ないのぉ~~?!信じらんな~~~い!なんでぇ~~~?ねえねえセンセ!なんでなのぉ~~~?』
と言う。なんだったら
『抗体価検査しないならワクチン接種はやめとく~~~』
と言う。更に・・・
『他の病院ならやってるかなぁ~~・・・帰ったら調べてみよっ~っと♪』
と言う。
② ①を獣医さんに行くたび言う。
③ お散歩仲間にも呼び掛けてみーんなして獣医さんに行くたび言う!!
④ そんでもって、とにかく機会あるごとに言うったら言う!
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ですね。
●【抗体価検査】は高い!
調べるだけなのに、ワクチン接種よりも高くつくな場合がほとんどです。
一番の理由は、商品として出る数が少ない。つまりまだあまり一般的ではないからです。
もうひとつの理由として考えられるのは、病院から検査機関に血清を輸送して、結果を出してもらうという方法を取っているからです。
この場合、時間もかかっちゃいますし、輸送代と、検査機関の儲けが乗っかっちゃうので、バッカみたいに高くなるんですね。
ただ・・・少し前から、病院内で抗体価検査を行えるキットが発売されています。
イギリスの大きな企業病院などでは5年前からこういったキットを使用しているとのことですが、それ以外の動物病院では、やっと徐々に増えてきつつあるという段階らしいです。
そうやって徐々に、検査用キットを導入する動物病院が増えてきたのは、飼い主の方が「やってほしい」と希望を伝えることが増えたからなんですって~~!!
ですから、獣医さんにダダをこねる際には(←?)
『え~~?!キット導入してよーう!まだしてないの~?じゃ、やってる病院探そう~っと!』
とやりましょう。みんなでやりましょう。
ダダをこねるのが前提になっていますが・・・いーーんです!
ぜひジャンジャンバリバリこねちゃってください。
資本主義において、行政に働きかけることなんかより、それが一番確実な方法なのですから・・・
ちなみに、日本国内でこのチェックキットを使っている動物病院は、以下のgoogle MAPから探すことができます。
ワクチチェック受診可能病院マップ
※ここに載っているのは獣医さんが登録した場合のみのようですから、載っていなくても実施している病院はあるかもしれません。
まずは、かかりつけの獣医さんに訊いてみて下さいね!
●【抗体価検査】の提示では入れない施設が多い( ノД`)
前にもお話しましたが、日本の多くの獣医さんと飼い主さんは
『感染症ワクチンは1年に1回受けるべき』
という呪縛にかかっています。
それと連動して、ワンちゃん連れで入る施設(ペットホテル・トリミングサロン・ドッグラン・ペット同伴ホテルなどなど)では1年以内の【感染症ワクチンの接種証明】を提示することが施設を利用する条件となっている場合が多いですね。
意外なことに、ペット先進国と言われる(少なくとも日本よりはずーっと)イギリスにおいても、つい最近まで、ドッグランなどでは抗体価検査検査の提示では「なにそれ?」「ダメだ!」と言われて、ワクチン接種証明の提出が必須だったそうです。
現在は過渡期で、少しずつ抗体価検査結果の提示でもOKという施設が増えてきているとのこと。
そう考えると、まだ年1でワクチン接種を奨励している日本で、ほとんどの施設が【抗体価検査】を受け入れるようになる日なんざ~遠ーい夢物語のように感じてしまいますが・・・
これだって、お客である飼い主さんたちが、それもできるだけ多くの飼い主さんたちが、入れ代わり立ち代わり、異口同音に
『ワクチン接種証明なんかより抗体価検査の方が確実なのに~~!なんで~~?!なんでダメなの~~?!理由を説明してほしーわぁ~~!』
と、ジャカスカ ダダをこねまくれば、変わってくる可能性は大きいです。
ただし・・・
施設にダダをこねる際は、ちょっとした注意点があります。
●施設にダダをこねる時の注意点
(何のお話をしてるんだか~・・・)
動物病院や、個人経営のお店にダダをこねるのは問題ありませんが、企業がやっている大きな施設の受付でダダをこねるのは・・・
■あまり効果がない
以前にもお話したように、レセプションにいるのはアルバイトさんや非常勤さんだったりして、何かを決められる人ではないことがほとんどです。
その場合、レセプションのお兄さんやお姉さんにダダをこねたところで、煙たがられるだけで、方針の改善には繋がりません。
■迷惑をかけてしまう
同じ理由で、レセプションのお兄さんやお姉さんは、上司から言われたとおりに真面目にやっているだけですから、そこであまりダダをこねると、単に迷惑なクレーマーになってしまいますし、お兄さんやお姉さんを大変困らせることになりますから、やめておきましょう。
ハッと気づいたら、後ろに並んでいる人から
『おーい!早くしろよーう!何やってんだよーう!』
なんて野次が飛んでくるかもしれません。
渋滞メーカーのクレーマーになんて、なりたくはありませんね?
そういったわけで、企業に対する正しいダダのこねかたは・・・
本体のお客様相談室に電話でこねるということです。
くれぐれも、穏やかに論理的にお話して、オペレーターさんたちを困らせないようにしてくださいね~~!
<出典>
WSAVA ワクチネーションガイドライン
Day先生来日座談会
WSAVA VGG 委員長 独占インタビュー
さて、次回は日本のワクチン接種へのわたし自身の不満やらなんやら・・・
今回までで書ききれなかったことを書きなぐる予定です~
<今日のPet Hotel 11!>
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