前回のブログで、犬による咬傷事故は
■野犬よりも飼い犬による事故の割合が圧倒的に多い
■リードをつけてお散歩中に事故を起こすワンちゃんの割合が多い
というお話をしましたね。
では、具体的にもしもアナタの愛犬をお散歩中に、万が一愛犬が他者を傷つけてしまった場合は、どうしたらいいのでしょうか・・・
【法的にはどういう責任になるの?】
まず最初に、法律ではどういう風に決められているのか?ってことを知っておきましょう。
●他の人に怪我を負わせた時
民法781-Ⅰに『動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。但し、動物の種類&性質に従い相当の注意をもってその管理をした時は、この限りでない』
とあります。
原則は、咬みついた犬の飼い主さんが被害者に対する治療費や肉体的・精神的苦痛に対する慰謝料を負担しなくてはなりません。
『相当の注意をもってその管理をした時は、この限りでない』
という文言がありますが、この『相当の注意』の部分がとても大切です。
ただ単に”リードをつけていた”というだけでは、相当の注意とはみなされません。
むしろ、加害犬の飼い主さんがこの免責を受けることができるケースは本当に少ないです。
例えば、
■愛犬が飛び掛かった時、即座にリードを引き寄せて制御することができなかった。
■たまたまその時気を抜いていた。
■誰かが近づいてきたこと自体に気づいていなかった。
■ウッカリしてリードが長く伸びてしまっていた。
■リードのメンテナンスや強度が十分ではなく、リードが切れてしまった。
などといった場合は、相当の注意を払っていなかった。つまり、怠ったとみなされるのが一般的です。
そのため、飼い犬が他者を傷つけた場合に免責を受けられるケースはほぼないと心得ておきましょう。
ちょうど、自動車事故を起こしてしまった運転手の責任と似ていますね。
じゃあ、この免責条項が適用されるのはどんなときかというと、例えば・・・
飼い主さんが
『触らないでください』
と言っていたにもかかわらず、被害者が勝手に犬の身体に触ってきて咬まれた。
というような場合です。
その際は、被害者の過失割合が考慮されて、損害賠償額が減額されたりということがあります。
けれども、目撃者が誰もいなくて、それを立証してくれる第三者がいなかったら・・・
言った・言わない
になってしまうでしょうね・・・
◇賠償金額は?
ほとんどの場合、被害者との話し合いで決められますので、決まった金額はありません。
内容としては、実費と慰謝料(迷惑料)という感じになります。
例えば、治療費や通院費は当然として、怪我したことによって通常の仕事ができなくなれば、その分の収入補填も必要でしょうし、
『怖い思いをしたのでPTSDになった。心療内科の費用もください』
と言わちゃうかもしれません。
そして、最も曖昧なのが慰謝料(迷惑料)の部分ですね。
どのくらいの金額があれば被害者が納得して和解に応じてくれるのか・・・
とても難しいところです。
この件については、次回に改めて触れることにしますね。
●被害者と和解に至らなかった場合
被害者にひどい傷を負わせた場合は、民法709によって、不法行為に基づく損害賠償の責任を負うことになるかもしれません。
被害者と納得のいく和解に至らず、被害者がアナタを告訴すれば
過失傷害罪(刑法209:30万円以下の罰金)
を問われる可能性もあるんです。
長期間にわたる裁判と、その間の裁判費用など、予想もしなかった心労と出費がアナタを襲うことになるかもしれません。
●他の犬に怪我を負わせた時
人を傷つけた場合と同様に、
民法民法781-Ⅰ『動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。但し、動物の種類&性質に従い相当の注意をもってその管理をした時は、この限りでない』
が適用されます。
この場合の『他人に加えた損害』というのは『他人の所有物を傷つけた』という意味合いになります。
お相手の犬に被害が生じている以上は、飼い主の責任を免れるほどの『相当の注意』をしていたとは、ほとんど認められない点も、人を咬んでしまった場合と同じです。
免責を認められて、過失割合を考慮してもらえるケースは例えば、
咬まれた側のワンちゃんが先に襲い掛かってきたため応戦して怪我を負わせた。
といったケースなどですが、これも証言してくれる目撃者がいなければ立証はほぼ不可能ですね・・・(-_-;)
◇賠償金額は?
飼い主さんにとって、愛犬は家族の一員でも、法的には『物損扱い』です。
ですから、お相手のワンちゃんが怪我をした(または亡くなった)時の損害は『物損事故』なんです。
怪我の場合は、動物病院での治療費全額と通院費。
怪我をしたワンちゃんを病院に連れて行くためにお相手の飼い主さんが仕事を休んだ場合は、休業損害賠償を請求されることもあります。
運悪くお相手のワンちゃんが死亡してしまった場合は、『同種の犬を新たに購入する場合の代金』が、亡くなった犬の年齢などを考慮した形で算出されるのが一般的です。
被害者側としては、”物”と違って代わりがきかない愛犬を失ったのに、そんなことを言い渡されたら・・・とても納得がいかないでしょうね・・・・
また、慰謝料についても『物損事故』扱いのため、被害者が人間の場合と比べてかなり少額になるケースがほとんどです。
ただし、加害者側の飼い主さんがワンちゃんをノーリードでお散歩させていたり、ワンちゃんの大きさに見合わないような華奢なリードやロングリードを使用していた・・・といったことがると、重大な過失があったと判断されて、慰謝料の算定時に増額される傾向にあるようです。
さて、法律的なことをなんとなーく頭に入れておいていただいて、次回は・・・
実際に愛犬が他の人やワンちゃんに咬みついてしまった時に、飼い主さんが取るべき行動について、具体的にお話したいと思います。
<今日のPet Hotel 11!>
活発なジャックくんとウリくんは、すぐに意気投合! |
よしよし。発散しろ発散しろ~~! |
こわがりチコくんとフクくんも触発されておいかけっこ♪ |
チコくんは、初めて会う子に馴染むのがとっても早くなったヨ! |
それから、そ~~~っと臭いをクンクンするのも すんごく上手になったヨ!(笑) |
今日はブッブーって車に乗ってみんなで隣町へ。 畑の真ん中でやっているフェスに行ってきたよ♪ みーんなウッキウキ! |
どう?ボク、すごいでしょ!! うんうん、とっても成長したね(^▽^)/ |
ボクも初めて来た時は、ビクビクで挙動不審だったんだよ! そうだったね!フクくんもとっても逞しくなったね(^▽^)/ |