前回のブログで、Kくんが仮に愛着障害だったとして、その原因は飼い主さんにはないと書きました。
じゃあ一体、何が原因なのか・・・?
結論から言ってしまいます。
犬を愛着障害にしてしまう犯人は、大抵の場合
悪徳ブリーダー → 仲買人 → 生体販売のペットショップ
といった、現在の日本におけるペット業界の流通システムの問題です。
(またコレか・・・って感じですよねぇ~)
それについて詳しくお話する前に、前提としてご理解いただきたいことがあります。
【そもそも愛着障害って?】
人間の子どもの愛着障害についてお話しますが、犬に置き換えても問題ない内容なので、ぜひ読んでみてください。
もしかすると
『ウチの子のあの問題行動も、ひょっとすると愛着障害なのかも・・・?』
とお感じになる方がいらっしゃるやもしれません。
愛着障害には大きく分けて次のふたつの種類があります。
A 反応性愛着障害(他者に対して過度に警戒する。心を開けない。)
B 脱抑制型愛着障害(他者に対して過度になれなれしい。)
どちらも、他の人(犬)との『心の距離感』がうまく掴めないために不適切な反応をしてしまうということですね。
Kくんが愛着障害だとすると、過度の警戒がありますから、明らかにAの方ですね。
ですから今日は『反応性愛着障害』メインでご説明します。
世界保健機関(WHO)が定める診断分類では反応性愛着障害は次のように定義づけられています。
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「反応性アタッチメント障害(反応性愛着障害)」
5歳までに発症し、小児の対人関係のパターンが持続的に異常を示すことが特徴であり、その異常は、情動障害を伴い、周囲の変化に反応したものである(例:恐れや過度の警戒、同年代の子どもとの対人交流の乏しさ、自分自身や他人への攻撃性、みじめさ、ある例では成長不全)。
この症候群は、両親によるひどい無視、虐待、または深刻な養育過誤の直接的な結果として起こるとみなされている。
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診断基準の部分で、赤太字にしたところはKくんに当てはまると思われる部分です。
この症候群は、両親によるひどい無視、虐待、または深刻な養育過誤の直接的な結果として起こるとみなされている。
診断基準
A.5歳以前の発症
B.いろいろな対人関係場面で、ひどく矛盾した、両価的な反応を相手に示す(しかし間柄しだいで反応は多様である)
C.情緒障害は、情緒的な反応の欠如や人を避ける反応、自分自身や他人の悩みに対する攻撃的な反応、および/またはびくびくした過度の警戒などにあらわれる
D.正常な成人とのやりとりで、社会的相互関係の能力と反応する能力があるのは確かであること
診断基準の部分で、赤太字にしたところはKくんに当てはまると思われる部分です。
●反応性愛着障害にみられる具体的な行動の特徴
反応性愛着障害の子どもは、相手が養育者であっても極端に距離をとろうとするために以下のような様子が見られることがあります。
◆養育者へ安心や慰めを求める目的で抱きついたり、泣きついたりすることがほとんどない
◆笑顔が見られず、無表情なことが多い
◆他の子どもに興味を示さない、交流しようとしない
◆強情・意地っ張り(うまく甘えることができないために起きると考えられる)
◆笑顔が見られず、無表情なことが多い
◆他の子どもに興味を示さない、交流しようとしない
◆強情・意地っ張り(うまく甘えることができないために起きると考えられる)
また、子どもが特定の養育者を安全基地と見なせないために、子どもの視線や行動に違和感を感じることもあります。
たとえば・・・
◆養育者との別離・再会のときに、養育者に対して視線をそらしながら近づく
◆抱っこされている間、目を合わせない(全然関係ない方向を見つめている)
◆知らない場所で、特定の養育者を頼りに(安全基地に)する素振りが見られない
などです。
念のため・・・これらは判断基準ではありません。
こういったことが見られないから愛着障害ではない・・・ということではありませんからね。
愛着障害の原因と考えられていることは、次のようなことです。
◆抱っこされている間、目を合わせない(全然関係ない方向を見つめている)
◆知らない場所で、特定の養育者を頼りに(安全基地に)する素振りが見られない
などです。
念のため・・・これらは判断基準ではありません。
こういったことが見られないから愛着障害ではない・・・ということではありませんからね。
●愛着障害の原因
愛着障害の原因と考えられていることは、次のようなことです。
◆養育者との死別・離別などで愛着対象がいなくなってしまう
◆養育者から虐待やネグレクトを受けるなど、不適切な養育環境で育てられた
◆養育者が子どもに対して最低限の世話はするものの、無関心であったり放任したりしていた
◆養育者のような立場の大人が複数いて、世話を焼いてくれる人が頻繁に変わってしまっていた
◆兄弟差別など、他の子どもと明らかに差別されて育てられた
たいせつなのは、こういった愛着障害の原因と言われることが、いつ起きたか?です。
そのカギになる時期というのは、人間の場合は生後6か月~1才半ぐらいの、赤ちゃんが愛着を形成する大事な時期です。
中学生の時に母親を事故で亡くしたからといって、心に深い痛手を負うかもしれませんが、それが原因で愛着障害になることはないんですね。
では、犬の場合、愛着を形成する大事な時期はいつなんでしょう?
そして、その大事な時期にどういうことが子犬に起きると愛着障害になってしまうんでしょう?
それこそが、ワンちゃんを愛着障害にする犯人に繋がる手掛かりです!
長くなるので、つづきはまた次回にします。
<今日のPet Hotel 11!>
4時半からワンワン言ったのでお散歩の刑に処せられた犯人 「ヤッタネ♪」 |
デュークくん & コロンちゃん サイコーのかけっこ友達になりました♪ |
疲れ知らずのコロンちゃんに翻弄される デュークくん |
コロンちゃん「ホラホラ~ コッチよ~~♪」 デュークくん「ンナロー!待て待てー!」 |
やけにイイ子にしている理由は・・・ |
コレ。焼き芋さんです♪ |
”なつ”は必ず離れたところに運んでジックリ食べる派 |