わあ!ボクの大すきなボーロを持ってきてくれたの?ありがとう!
キミってとってもやさしいんだね!
さあ、今日はなんのお話をしようか。
え?ボクのお母さんは、どうして『暗くて、くさくて、きたなくて、せまいオリの中』にとじこめられているのかって?
それはね・・・じつはボクにもよくわからないんだよ。
●ボクのお母さんは 【子犬工場】●
ねえ、キミは【パピーミル】ってことばをきいたことがあるかな?
ボクたちがうまれた、あの『暗くて、くさくて、きたなくて、せまいオリの中』のことを、にんげんたちは【パピーミル】ってよんでいるんだって。
【パピー】っていうのは、子犬のことだよ。
【ミル】っていうのは、工場のことだよ。
だから、【パピーミル】っていうのは、【子犬工場】のことなんだ。
すごいでしょ?おどろいた?
ボクたちは、まるでおかし工場でたくさん作られる、このボーロみたいに、あの『暗くて、くさくて、きたなくて、せまいオリの中』で作られていたってことなんだよ!
つまり・・・つまりね・・・
こわいおじさんが、お母さんをオリの中にとじこめていたのは、お母さんがにげないようにして、【子犬工場】みたいにたくさん赤ちゃんをうませるためだったみたいなんだ。
ボクのお母さんは、
「ぼうやは、ワタシの70ぴきめの赤ちゃんよ」
って言ってた。
わかるかい?70ぴきだよ!!
赤ちゃんをうむのは、お母さんにとって、すごーくたいへんなことなんだ。
おなかの中の赤ちゃんにえいようをいっぱいあげなくちゃならないし、おっぱいだってあげなくちゃならないでしょう?
だから、ボクのお母さんのからだは、70ぴきもの赤ちゃんにえいようを取られてしまってボロボロだった・・・
ほんとうに、かなしくなるくらい、ボロボロのお母さんだったんだよ・・・
もしもさ、キミのお母さんが、『暗くて、くさくて、きたなくて、せまいオリの中』にずーっととじこめられて、【赤ちゃん工場】にされて、体がボロボロになっていたら、どんなきもちがする?
そうだよね。イヤだよね。かわいそうだよね。
ボクのお母さんは、なんにもわるいことをしていないのに、どうしてあんなひどい目にあわなくちゃならないんだろう・・・
ホントに、ボクにはわからないよ。
あ、だけどね・・・どうしてあのこわいおじさんが【子犬工場】でボクたちみたいな子犬をたくさん作っているのかはしっているよ。
それは、ボクがボーロを大好きなのとおなじくらい、にんげんのおとなたちが大すきなもののためだよ。
それがあれば、ボーロだっていっぱい買えるし、おもちゃだって買えるんだ。
キミは、それがなんだかわかる?
そう!【お金】だよ。
キミってホントにすごいんだねぇ~!
おじさんはね、ボクたちみたいな子犬を【子犬工場】でたくさん作って、ペットショップに売っていたんだ。
子犬がたくさん売れたら、おじさんはたくさん【お金】をもらえるでしょ?
売るための子犬をたくさん【作る】には、たくさんのお母さん犬がいるでしょ?
だから、お母さん犬をたくさんオリにとじこめておいて、どんどんボクたちみたいな子犬を作っているんだよね。
ボクのお母さんのほかにも、たくさんのお母さん犬がとじこめられて、赤ちゃんをどんどんうまされていたよ。
みんな、ボクのお母さんとおんなじ・・・
ホントにね、みんなボロボロでとってもかなしそうなかおをしていたよ・・・
ねえ、キミもにんげんだから、やっぱり【お金】はすきでしょ?
にんげんは、ボクのお母さんがボロボロになっても、ボクたちがこんなにかなしんでも、それでもヘイキなくらい【お金】がすきなのかなぁ・・・
ボクはボーロが大すきだよ。
だけど、もし、キミやすずさんが、ボロボロになったり、かなしくなるなら、ボーロをガマンするよ。
キミはどうかな?
あ!そうだ。すずさんに、キミからもらったボーロをみせてあげなくちゃ!
きょうはホントにありがとう!
またあそびにきてくれるよね?
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いっしょに遊んでくださーいっ! |
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だれか~! たすけてくださーーい! |
あ・・・ありがとうございま~す(^-^; |