2017年6月14日水曜日

結局【天罰方式】はどうなんですか?①

【天罰方式】についての私見をまとめます。

効果については、絶大な効果がある場合もありますし、ない場合もあると思います。
ですから試してみる価値はあるかと思います。

ただし・・・【天罰方式】には、以下のような注意点(リスク)があります。

---------
●”天罰”はショッキングな”嫌子”のため、ワンちゃんが”天罰”を下している人に対して恐怖心や不信感を抱くようになる危険性がある。
(”天罰”を下しているのは飼い主さんだということは、いずれワンちゃんにバレるとわたしは考えています)

●ワンちゃんが問題行動を根本的にやめるのではなく、”天罰”を回避することを優先して、隠れて行為に及ぶようになる可能性がある。

●”天罰”を繰り返すうち、ワンちゃんが慣れて(マヒして)しまい、”天罰”そのものの有効性がなくなる可能性がある。

●”天罰”の効き目が感じられなくなった場合、飼い主さん側が与える”罰”がエスカレートしていくリスクがある。

●”天罰”がワンちゃんにとっての強いストレスとなり、他の問題行動を誘発する危険性がある。
---------

【天罰方式】をどうしてもやってみたいと思われるなら、これらの注意点(リスク)を飼い主さんが正しく理解した上で、愛犬の本当に困った問題行為の1つに限ってごく短い期間の少ない回数【天罰方式】を試してごらんになればいいかと思います。

【本当に困った問題1つに限る】というのは、当たり前ですが、

『〇〇をしたら怖い音がしたので、もうやめておこう』

というオペラント条件付けを狙っているのに、無駄吠えしても、ティッシュ祭りをしても、椅子の脚を齧っても、同じような”天罰”が与えられていれば、ワンちゃんは法則性を見出すことができず、ただただ恐怖と混乱を感じて萎縮するばかりで、条件付けそのものが失敗するからですね。

【ごく短い期間の少ない回数】としたのは、

●長期間にわたり何度も”天罰”を下すことにより、ワンちゃんに”慣れ”が生じて効果がなくなることを避けるため。

●ワンちゃんのストレスや、飼い主さんに対する不信感を増大させないため。

というふたつの理由があります。


そもそも【天罰方式】に限らず、”嫌子による条件付け”が効果をあげると言われているのは、さまざまな研究によって次のような場合だということが判っています。

●”嫌子”が最も効果的に働くのは、対象がその行動(問題行動)を初めて起こした際にただちに”嫌子”が与えられた時である。

●”嫌子”が有効となるのは、”嫌子”がたびたび与えられるのではなく、ごく稀に必要最小限で与えられる場合である。

要するに、

「うちの子、どうしても無駄吠えが直らなくて・・・」

といったような、習慣化してしまっている問題行動については、”天罰”という”嫌子”を与えるタイプのしつけは、あまり効果がないということになりますね。

とはいえ、【天罰方式】を実践した人からの、『実際に効果テキメンだった』という声も多く聞かれますので、無駄と決めつけるのは早すぎるとも感じています。

成功された方の体験談などをお聞かせいただければ大変ありがたいです。

また、偉い研究者の先生方による、さらなる研究結果を待ちたいところです。


あと1回だけ【天罰方式】のお話はつづきます。
(書き始めた時は、こんなに長くなる予定ではなかったんですが・・・(^-^;)

お庭で興奮して遊びすぎて、強制休憩中の
”じろべえ”くん たまらなくいい顔ですね♪

見学に来てくださったご一家のお子さんは
自分を犬だと思っているそうで、
ワンコたちに大人気(^▽^)
フレンチブルの”じろべえ”くんの激しい求愛に
少々迷惑そうなボストンテリアの”ニコ”くん
ウリくんは今日もダイナミックにジャーーンプ!!

”じろべえ”くんだって、ダイナミック・・・
いや、ほのぼのジャンプ(^-^;