前回は【天罰方式】とはどういうものか?というお話をしました。
更に、わたし自身は【天罰方式】を取り入れていないというお話もしました。
何故、取り入れていないのか?という理由を、以下の項目に沿って、ひとつひとつご説明していこうと思います。
①飼い主さんが叱ること VS 天罰が下ること。何が違うの?
②飼い主さんが叱ることで、ワンちゃんとの絆にひびが入るの?
③”天罰”を下していたのが飼い主さんだとバレたら信頼関係がゆらぐ?
④【天罰方式】の効果は?
①飼い主さんが叱ること VS 天罰が下ること。何が違うの?
どちらも、ワンちゃんが”悪さ”をするとワンちゃんにとってイヤなことが起きる。それを学習したワンちゃんが、イヤな目に遭いたくないから”悪さ”をしなくなる・・・
という図式は共通です。
”オペラント条件付け”というやつですね。
そう考えると、ワンちゃんにとっての”イヤなこと”であれば、
・飼い主さんに叱られる
・飼い主さんに無視される
・大きな音に驚く
・嫌いな臭いがする
・痛い思いをする
など、何でもいいということになります。
『ワンちゃんは反省することができない』
というお話をきいたことがある方は多いかと思います。
ワンちゃんに限らず、動物は人間のように過去をクヨクヨ振り返ってああかもしれない、いや、こうかもしれない・・・あの時こうしていれば・・・次からはこうしよう・・・などと考えを巡らせることはできないと言われています。
(わたし自身は、”まったくできない”とは考えていなくて、”人間と比較するとほとんどできない”という風に考えていますが・・・)
そのため、”悪さ”をした時は、その瞬間にワンちゃんにとってイヤなことが起きるようにして、”悪さ”と”イヤなこと”が結びつくようにするのです。
※ここでいう”悪さ”とはすなわち、人間がワンちゃんにして欲しくないことという意味です。
家に帰ってみたらリビングがワンちゃんのいたずらでグチャグチャになっていたので、
「もぉ~!!何度言ったらわかるの?!ママはガッカリよ。あなたはこの前も・・・くどくど・・・こんなにして~どうするの?!・・・ガミガミ・・・」
とやってもほぼ効果がなく、ワンちゃんには
「なんか今日はやけに機嫌がわりぃなぁ・・・」
と思われるだけなのですね。
”天罰”の中に、
いたずらされたくないものにワンちゃんが嫌がる匂いをつけておく
というものがありますが、そういう意味ではオペラント条件付けとは少し意味合いが異なりますね。
これをやったらイヤなことが起きた
ではなく、
対象そのものに近づきたくない・・・
という状況を作り出していることになるからです。
とすると例えば、クッションをカミカミしてしまうワンちゃんの飼い主さんが、クッションにビターアップルなどの香りをつけておくと、確かにそのクッションを噛まなくなるかと思います。
でも、香りをつけ忘れたクッションは? あるいはその臭いに慣れてしまったら?
という問題は残ります。
また、オペラント条件付けの難しいところは、ワンちゃんの頭の中で『何がどう結びついたか?』ということがこちらからは見えないことです。
クッションの例でいえば、運よく
「このフワフワのやつ、嫌いな臭いがする~。もうこのフワフワの仲間きらーい!近づかないようにしよーっと」
とワンちゃんが思ってくれたら成功ですが、大抵の場合そううまくはいきません。
臭いをつけ忘れたクッションは、まるで『耳なし芳一』のお経を書き忘れた耳みたいなものになってしまうでしょう。
それに・・・本当の目的は”クッションに近づいて欲しくない”ではないのですよ。
”クッションをカミカミする行為をやめさせたい”なのですからねぇ・・・
まぁ、とはいえ飼い主さんにしてみれば、ワンちゃんにクッションを噛まれることが大問題であって、それさえ解決すれば別にワンちゃんがクッションを嫌いになっても困ることはないのでしょうから、大きな意味では目的を達したことになりますね(^-^;
なにはともあれ、今すぐにクッションカミカミをやめて欲しければ効果はあるということになるでしょう。
いずれにせよ、オペラント条件付けとは少し違うとわたしは判断しましたので、わたしのブログ中では次回から【天罰方式】の”天罰”から、『ワンちゃんの嫌がる臭いをつける』という項目は除くことにします。
また、前回も書いたように、『敷物を引いて転ばせる』という項目も、わたしは論外だと考えておりますので”天罰”から除くこととさせていただきます。
長くなるので続きはまた次回にします。
”ボス”は落ち着き払っているのに ”なつ”はなにやら落ち着きがありません |
こーんなに伸びちゃって・・・ |
こーんなに跳んじゃってるのは・・・ 宿敵”郵便屋さん”がやってきたから(^-^; |