2017年3月31日金曜日

ひきこもり犬にしないで④

前回、【社会化のできていない犬】は人間でいうところの【ひきこもり】と同じような状態になると書きました。

【ひきこもり】の大きな問題点は

①長く【ひきこもり】の状態が続くことによって、精神障害や家庭内暴力などの重大な二次的問題が出現するようになること。

②【ひきこもり】の状態自体が、本人に大変なストレスとなり、健康被害をもたらすこと。

③経済的にも人間的にも自立ができず、将来、親や家族の協力が得られなくなった時に普通の暮らしを営んでいくことが困難になること。

などです。
犬が社会化できていない場合も同様に

①社会化できていないことによって、他の犬や人、物音に過剰に反応したり、知らない人に咬み付いてしまったり、訪問者に吠え続けたりという問題行動が出現しやすい。

②社会化できていないということは、世の中は本犬さんにとって恐ろしいものだらけ。
心が休まる時間が少ないため、本来大好きなはずのお散歩にも恐怖を感じるなど、ストレスフルで楽しみの少ない犬生になってしまうこと。

③やむを得ず動物病院に入院することになったり、ペットホテルに預けなくてはならなくなった時に、恐怖と不安で必要以上のストレスにさらされることになる。
老齢であれば、それが命取りになることも珍しくない。

といった問題点が出てきます。

人間の【ひきこもり】とは違い、愛犬が天寿を全うするまでご自分が面倒を見るのだから、社会化できていなくてもたいした問題はないだろう・・・

と、飼い主さんは気楽に考えているかもしれません。
けれども、少し考えてみてください。

もしもあなたが、赤ちゃんの時に人見知りが激しくて臆病な子だったとします。
親御さんは「この子が怖い思いをしなくて済むように・・・」と、あなたを幼稚園にも小学校にもやらず、お友達とも遊ばせず、ずっと家族と家の中で過ごすように育て、日課は両親つきそいの散歩のみ・・・なんて育て方をしたとしたら、あなたは果たして幸せですか?

ワンちゃんが、『他の犬や人が苦手だから』『雑踏の騒音を怖がるから』などといった理由から、ご家族とだけ接し、お散歩時も他のワンちゃんや人と触れ合うことなく過ごしている方が幸せなんだと思い込むことは危険だと気付いてください。

ワンちゃんは、その状態が幸せだからそうしているのではなく、単に他者とのふれあう機会や経験を与えてもらえなかったばかりに、そういったものに恐怖心を抱いているだけなのです。

社会化できていないワンちゃんは、本来犬として感じることができたはずのたくさんの喜びや楽しみを感じることができず、新しいことにチャレンジして乗り越えたという自信を持つこともできず、たくさんの他者との関わりから学んだり刺激を受けたりする機会も持てず・・・
一生を見知らぬ恐怖に囲まれている不安感から、大きなストレスにさらされて生きているということを、ぜひ一度考えてあげてみてください。

長くなるので続きは次回に・・・



本日お泊りの小次郎くん。ちょっぴり寂しがり屋だけど、
ものおじしないフレンドリーな男の子です♪

プリンちゃん、不安そうだったけどよく頑張ったね!
元気で長生きするんだよ~(^▽^)/

この、初対面時の微妙~な距離感がたまりません(笑)