2017年3月28日火曜日

ひきこもり犬にしないで②

そもそも、『犬の社会化』ができているって、どういう状態なんでしょう?

簡単に言うと『社会性のある犬にしつけられている』ということです。

犬の祖先の狼は、群で助け合って狩をしたり、外敵から身を守ったりして暮らしていた、大変社会性の高い生き物です。

犬が、動物の中で人間の最も古いパートナーとなったのは、この『社会性の高さ』という、犬と人間の共通点があったからだと考えられています。

知恵と優れた社会性によって、仲間と協力して生き抜いてきた犬、そして人・・・
その両者が仲良くなることは、お互いにとって容易であったと共に、足りない部分を補い合うという大きなメリットがあったのでしょう。

そういうことを考えると、一口に『犬の社会化』といっても、2つの意味というか、段階があることがわかります。

①犬が犬として犬社会で暮らしていくための社会性を身に着けること
②犬が飼い犬として人間社会で暮らしていくための社会性を身に着けること

『社会性』というのは、辞書をひいてみると

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1. 広く社会に通用する(または存在価値が認められる)ような性質。
2. 社会集団の一員であるのにふさわしい性質。
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とあります。
この『広く』といういのがポイントです。
家族とならばうまくやれるけど、その他の犬や人とはうまくやっていけない。不適切なふるまいをしてしまう・・・こういう場合は社会性が足りないということになります。

先ほど、犬と人間は社会性の高い生き物という点が共通していると書きましたが、この社会性というのは、他者との繋がりにおけるさまざまなコミュニケーションの中でも、本能的だったり遺伝子に組み込まれているようなものとは性質が異なります。

例えば、求愛行動は、他者との関わりになりますが、これは親からやり方を教えられるものではありませんよね?

犬や人間の『社会性』とここで呼んでいるのは、生まれながらに持っているものではなくて、親や周りの仲間から教えられたり、たくさんの他者と関わることによって、後天的に育っていく、より高度なコミュニケーションのお作法のことです。

犬のお母さんや先輩たちは、子犬が仲間に対して不適切なふるまいをすると、時に厳しくその行動をするべきではないときちんと教えます。
それも、一瞬で!驚くほど適切なタイミングで!
子犬は、親や先輩からのそういった厳しいしつけと、更に子供どうしの遊びやケンカを通して、犬社会で暮らしていくための社会性を身に着けていくのですね。

昔の人は、狼や犬が、まるで人間が子育てをするかのように、子犬にそういった高度なコミュニケーションを実に上手に教えていく姿をみて、どんなに驚嘆し、感動しただろう・・・と、想像するととても楽しくなりますね!


さて、では『犬の社会化』がうまくいっていない場合、どんな困ったことが起きるのでしょうか?

長くなるので、つづきは次回にします。



風は冷たいけど日差しは暖かい朝のお散歩。気持ちいい~♪

ウリくん2回目のお泊り。夜も鳴かずにコテッと眠ることができました(^▽^)

置いていかれた不安で、ごはんをボイコットして鳴いていたひなおばあちゃん。
お父さんとお母さん、ちゃんとお迎えにきたでしょ?よく頑張ったね!