2017年3月23日木曜日

引っ張りグセをなんとかしたい④

引っ張りグセのあるワンちゃんの訓練について、

【準備】と【コツ】についてお話してきました。

いよいよ具体的なやり方ですが、たくさんのやり方があって、どれが正解とか間違っているとかいうことはありません。ご自身とワンちゃんに合ったやり方を見つけられればよいかと思います。
これから書いていく私の方法は、そのひとつとお考えください。

ただ、共通しているのは、

訓練の間は決めたルールを絶対に変えない。曖昧にしない。

これは徹底してください。そうでないと、どのやり方を試してもうまくいきません。
お薬を処方箋通りに飲まないで「効かない効かない」とボヤいているのと同じことになりますからね。

決めたやり方を徹底できていないと、ワンちゃんは何が正解か解らず混乱するだけという悲しい結果になり、ますます指示に従わないワンちゃんになる可能性が高いのです。それなら何もしない方がマシということになってしまいますね( ノД`)

さて、一概に引っ張りグセと言っても、その程度やワンちゃんのガンコさは、”十ワン十色”です。
かなりの根気が要るだろうなと覚悟を決めてはじめたところ、ちゃんと訓練を始めてみたら、なんのことはない、たった1日ですぐに引っ張らなくなっちゃいました~~♪
ということもあります。
もちろん、その逆で予想をはるかに上回る大変さだった・・・という場合もあるでしょう。

私のおすすめは、いきなり「ザ・訓練!」という感じで行うのではなく、まずは普段のお散歩コースを単に以下のルール通りに歩く方法から始めることです。

●首輪は太くてしっかりしたもの(大型犬の場合はハーフチョークが効果的)
●リードは太くて短め(1m以内)
●ワンちゃんが引っ張って、リードが張ったらすぐ停止
●リードが張らない状態の時は褒めながら進む
●この段階ではまだ、飼い主さんの前方を歩いていてもリードが張らなければヨシとする

以上です。

褒める時に大好きなおやつをあげる方法もありますが、私の場合はおやつはあげたりしません。
理由は、おやつをあげようとモタついたりしてタイミングがずれることで、ワンちゃんに〇✖が伝わりにくくなる危険性があるからです。
更に、おやつ欲しさにジーっと動かなくなられてしまうとどうすればいいのか飼い主さん側が迷ってしまいます。
そこをうまくできる自信があって、ウチの子にはおやつがあった方が効果的だと思われる方はもちろんお使いいただいて構いません。

練習中は、リードが張って停止した時に、ワンちゃんが「あれ?どしたの?」とか「え?なんだよぅ~」という感じで飼い主さんを気にしはじめたかをよーく観察してください。
この、飼い主さんを気にするということがとっても重要です。
※引っ張っていた時は気にも留めていなかったはずです。
この兆しが見えたら「あとちょっとだっ!」とモチベを上げて楽しみながら練習できると思います。

はじめのうちは、ほとんど進めず、止まっている時間の方が長いでしょう。
もしも、往来の多い場所で、しょっちゅう小刻みに止まったりすると周囲の迷惑になるようでしたら、ご自身の判断で場所や時間を変えてください。

くどいようですが、大事なことなので繰り返しますが、周囲に迷惑だから・・・などの理由で、リードが張っているのに止まらなかったりするのがいちっばんダメダメなんですからねっ!

例えば・・・

わたしたちは、青信号ならば安全に渡れる。赤信号は停まらなければ危険だ・・・ということを知っています。だから安心して歩いたり車を運転することができますね?
けれども、時折それが気まぐれに逆になったりしたらどうでしょうか?
とても安心して道を歩くことなどできなくなります。
信号(シグナル)なんて信用できないと、無視するようになるでしょう。
むしろ、そんな気まぐれな信号は迷惑でしかありません。

飼い主さんは、時としておやつのあげ方や、お散歩のルールを

「たまにはいいよねぇ~~♪ちょっとくらい甘やかしてもねぇ~!今日だけだぞっ!」

と、あたかもワンちゃんへの愛情のように自ら曖昧な例外をもうけてしまいがちですが、それは決してワンちゃんにとって嬉しいことではない。むしろ迷惑だということを忘れないでください。

さっきまでは青信号で「渡れ」だったのに、今は赤信号が「渡れ」だなんて、もーーなんなのっ?!意味わかんな~~い!

ってなるのと同じ心理がワンちゃんにも働くんです。
むしろ、ストレスになるのがお解りいただけるでしょうか・・・?


さて、先ほどのやり方・・・

【リードが張ったら止まる】

を徹底してやってみた結果、ちゃんと飼い主さんの意向を尊重しながら引っ張らないでお散歩できるようになったらおめでとうございますっ!
そこからは、少しずつ飼い主さんの前に出ることなく、横や後ろを歩けるようにしていくのは割と簡単です。

でもでも・・・このやり方を徹底していても、まったく進歩が見られない・・・もうくじけそう・・・

そういった場合は、いやいや同じやり方をふてくされながら続けるよりも、方法を変える方が気分転換になって、飼い主さんとワンちゃんの精神衛生上もおすすめです。

次はもう少し本格的な「ザ・訓練!」という感じになってきます。

そのやり方はまた次回に・・・

歌舞伎役者のようなイケメンスピッツ ”ペスくん”
無駄吠えを一切しない、おりこうで可愛いワンちゃんでした。
本日、無事に飼い主さんの元へ・・・また遊びにきてね~♪