「歩きたくな~~い!」
という風に頭を低くして前傾姿勢をとり、前脚を踏ん張ってしまうワンちゃんは割とたくさんいます。
そういったワンちゃんをなんとか歩かせようとリードを引っ張った時に起こりうる困ったことは【ワンコをお散歩に連れて行って!!④】に書いたとおり、
●リードがすっぽ抜けてしまう
●肉球が傷ついてしまう
といったことです。
飼い主さんは、お散歩のコースを頭の中で組み立てていますね?
「この道をまっすぐいって、こう行って、ああ行って、あそこを回って帰ってこよう」
という感じです。
飼い主さんは、自分が決めた通りのコースを行こうとしますから、ワンちゃんが前傾姿勢で動かなくなると、当然リードを進行方向に「ホラホラホラホラ」ってな感じで引っ張ってみます。
これが、上記のリスクを一番引き起こしやすい方法になってしまいます。
では、これらのリスクを回避しつつ、ワンちゃんに歩いてもらうにはどうすればいいでしょうか?
(以下の説明は、ハーネスではなく首輪をつけて、リードは短めのものを使用することを前提に書いています)
●知らん顔で立ち止まる
ワンちゃんが前傾姿勢になったら、まずはとにかく立ち止まります。
ワンちゃんの顔を見たり、話しかけたりする必要はありません。知らん顔で立ち止まります。
そこですぐに「おや?」という感じでワンちゃんが前傾姿勢を解いたら再び軽くリードをひいて歩き出します。
やはり、顔を見たり懇願したりせずに、『想定どおりだよ』といった感じで歩き出してください。
ワンちゃんが前傾姿勢でなく、立った状態でさえあれば、引っ張られれば自然とオットトト・・・と歩いて(動いて)しまいます。
●進行方向と逆(後ろ方向)に引っ張る
立ち止まっても前傾姿勢を崩さず、それどころか完全に【伏せ】の態勢になって100%歩く気ゼロ!という状態になってしまったワンちゃんの場合は、前方向に引っ張ることはせずに、さりげなくワンちゃんの後ろに回り込んでください。
そうして、ワンちゃんの後ろ側からリードをシッポ方向に引き上げるようにします。
その方向に引くことで、リードがすっぽ抜ける危険性もなくなりますし、体を起こされるようになりますから、ワンちゃんは立ち上がることになります。
そうなったら、またペチャンコにならないうちに、涼しい顔をしてさりげなく歩き出してください。
ポイントは、ワンちゃんが前傾姿勢になって踏ん張ろうが、ペチャンコになろうが、リーダーである飼い主さんは一向に意に介さないよ!!ってことを全身で表現することです。
口笛ピープー♪ってな感じでワンちゃんの訴えを『完無視!!』することです。
これにはふたつの意味があって・・・
ひとつは、ワンちゃんに儚い期待を抱かせたり付け込ませたりしないため。
もうひとつは、ワンちゃんの必殺おねだり顔をウッカリ見て、飼い主さんの心がグラリと揺らいでしまうことを防ぐためです。
●褒めちぎる
そうして、ワンちゃんが一緒に歩き出したら、「何事ですかっ?!」ってくらい大げさに褒めてあげてください。
いつもはすぐに歩くのをやめるワンちゃんが、ちょっとでも長めに歩いている時もずーっと
「すごいねぇ~!えらいねぇ~~〇〇!かぁ~~っこいいぃい~~~!!」
と、心から喜んでいることを表現して、周囲の人に『あの人おかしいんじゃぁ・・・』って思わるのもいとわず褒め続けてあげて下さい。
調子に乗りやすいワンちゃんだと、これで物凄く張り切って歩くこともあります(この単純さがたまらなく可愛い)
●コースにこだわらず、お散歩の楽しさを伝えて!
歩きたがらないワンちゃんにお散歩好きになってもらうためには、最初はコースにこだわる必要はありません。
とにかく最初から最後までワンちゃんが自分の足で歩いて帰ってくる・・・
それができたら思いっきり褒めて調子に乗せてあげてください。
飼い主さんが歩きたかったコースでなくたって、ワンちゃんが歩いてくれそうな方向でもはじめは構いません。
今はまず、ワンちゃんがお散歩って楽しいなぁ~~♪と感じてくれることが目的です。
●ある程度歩いてくれるようになったら飼い主さんのコースとペースで
ただし・・・お散歩を嫌がらなくなって、ある程度歩くようになってきたら、飼い主さんの思った通りのコースをお散歩できるようにしたいものです。
ワンちゃんに引っ張られて飼い主さんがお散歩されているような形は、主従関係が崩れて、他の問題行動を引き起こす可能性もありますので、あまりお勧めしません。
そこで、次回は
引っ張りグセのあるワンちゃんの取り扱い方法
について書いてみたいと思います。
”ボス”は気が乗らない日でも、褒められるとグングン歩いちゃう単純くんです♪ |
”なつ”はいつだってやる気マンマンでどこまでも歩きます♪ |