2017年3月22日水曜日

引っ張りグセをなんとかしたい③

前回は、引っ張りグセを直す訓練の準備として、リードと首輪のお話をしました。

今回は、具体的な方法へ行くまえに、訓練を行う時のコツです。

●”グイ~~ッ” ではなく ”チョンッ”

引っ張りグセのあるワンちゃんを連れている飼い主さんの多くが、ワンちゃんにグイグイ引っ張られて必死で踏ん張ったり綱引きしたりしています。

これをしてしまうと、ワンちゃんの方も何としても負けじと引っ張り返す・・・の繰り返しになります。
なんだか殺伐としています。
だんだんワンちゃんをお散歩に連れ出すのが苦痛になってきそうです・・・

ここでちょっと想像してみてください。

あなたの隣に大好きな人(友達でも家族でも恋人でも)がいます。
その人はあなたと腕を組んでいます。
ふたりは一緒に歩き出すのですが、その人は面白そうなものを見つけると、あなたの腕をグイグイ引っ張って無理矢理そちらに行こうとします。

あなたにだって行きたい方向や見たい場所はあるのに、その意思を無視して自由気ままにあっちこっちと引っ張りまわされたら・・・どうでしょうか?

まず、思いもよらない方向にグイーッと引っ張られることで、バランスを保とうとして本能的に踏ん張りませんか?

そしてあなたはこんな風に思いませんか?

「大好きな人だから意思は尊重したいし、行きたいところへは付き合うよ。付き合うけどさっ!あまりに強引にグイグイすると反発したくなっちゃうのよねっ!第一あぶないっつーのっ!!腹立たしいっつーのっ!!」

では、同じように、あなたと腕を組んでいる大好きな人が、あなたの腕を軽くチョンッと引っ張って、

「こっちに行きたいなぁ~」

というシグナルを送ってきたとしたらどうでしょうか?

大好きな人はどうやらこっちに行きたいんだな?なになに?どれどれ?

という感じで、あなたは自ら促された方向へ大好きな人と一緒に歩き出しませんか?
なんだか、【北風と太陽】を思い出しますね♪

ワンちゃんについても同じことがいえます。

行きたい方向へ歩くために、そちらに引っ張るのではなく、”チョンッ”とリードを通じて飼い主さんの意思を伝えて促すようにします。

もちろん、訓練をはじめてすぐに劇的な変化はないでしょう。
ワンちゃんは既にあなたを引っ張って好き勝手歩くことに慣れていますから、”チョンッ”なんて甘っちょろいことでは気にも留めてはくれません。
グイグイ行っているワンちゃんに伝わるように、最初のうちは”グンッ!”みたいな感じと言えば伝わるでしょうか・・・
要するに『こらこらこ~ら~~~~!』と長く引っ張るのではなく、『オイッ!』ってな感じで短く鋭くリードを引いて、ワンちゃんをハッ!!とさせる感覚です。

今まで、飼い主さんの顔も見ないでグイグイ行っていたワンちゃんが、非常に迷惑そうな顔をして

「ええ?!ちょっ・・・なんだよぉ~~?!」

という感じになれば成功は近いです。
少なくとも飼い主さんの存在を無視した状態は脱しました!

それを念頭に置きつつ、次回へつづきます。

雨があがっていいお天気♪
”ペスくん”はおじいちゃんのはずですが、元気いっぱい歩きま~す!