2017年3月11日土曜日

悲劇を繰り返さないために・・・

祖父母の家に預けられていた生後10ヵ月の女の赤ちゃんが、飼い犬のゴールデンレトリバーに咬まれて亡くなった悲しい事件のニュースは、愛犬家にとっては大きな衝撃でしたね。

今日は、昨日のつづき。
子供と犬を対面させる際に気を付けるべきことを書いてみたいと思います。

先の事件の例を見てもわかるように、どんなにおとなしくて従順な犬であっても、
【絶対に大丈夫】
と高を括ることは大変危険なことです。
万が一があった時にいくら後悔してもしきれませんから、十分に注意する必要があります。

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●普段からリーダー(飼い主さん)の指示に従うようキチンとしつけておく

当然のことですが、小さいお客様がみえる時になって、いきなりおりこうにさせるのは無理です。興奮しやすい子などは子供相手に限らず不慮の事故を起こす可能性が高いので、普段から飼い主さんの指示で落ち着けるようにしておくことが大切です。


●赤ちゃんを家に連れてくる時には、事前に匂いに慣れさせる

可愛い赤ちゃんでも、犬にとっては見たこともない変わった侵入者=脅威です。あらかじめ赤ちゃんの匂いのついたタオルなどを使って、犬にその匂いを知らせておくことで、本犬さんが初めての匂いに不意を突かれ混乱するということがなくなります。
ここで注意しなくてはならないことがあります。
赤ちゃんの匂いのついたタオルなどは、犬に与えたり犬の鼻先に持って行ったりしないようにすることです。
鼻先に近づけることで、犬が
「この匂いのものは自分の玩具かな?」とか
「この匂いがするものには遠慮なく接近していいんだな」
と考えてしまうことは危険です。
具体的なやりかたとしては例えば・・・
部屋の端にタオルを置いて、反対側の端にリードを引いた状態で犬を待機させます。
それから少しずつ犬をタオルに近づけていきますが、タオルに触れるほど近づけることはしません。
飼い主さんが「犬を赤ちゃんにこれ以上近づかせたくない」と思う距離。
それより近くには行かせないようにしましょう。
犬の嗅覚はとても優れているので、同じ空間の中にタオルがあるだけで十分に赤ちゃんの匂いを認識することができます。

●赤ちゃんがやってくる時には、飼い犬を家から出す

なにも赤ちゃんの滞在中は外飼いにしろというのではありません。
お散歩に連れ出している間に赤ちゃんが家に入っている状態を作るということです。
例えば、ママがお散歩に連れ出している間にパパが赤ちゃんを迎え、抱っこしている。そこにワンちゃんが帰ってくる・・・パパは赤ちゃんがリーダー(飼い主さん)側に属していて、ワンちゃんの好きにすることはできないのだと態度で示します。

ご存じのように、犬はテリトリー意識が大変強い生き物です。自分のテリトリーに侵入者がやってくる状況は、ファーストインプレッションとして最悪なのです。

それから、赤ちゃんと犬との初対面の時に、飼い主さんがピリピリと神経質になっていたり、早く仲良くさせようと高いテンションで興奮気味にしていることもよくありません。
ピリピリも興奮も、犬に「これはただごとではない」と感じさせ、警戒心を強めてしまいます。
一番大事なのは、飼い主さんが落ち着いて、しかし威厳のある態度を取ること。
それによって、愛犬に
「これは危険な存在ではない。でも私たちの大切なものだ。お前の好きにすることは絶対にならないぞ」
ということを態度と目線でキチっと伝えきることです。

言うまでもなく、先述のタオル同様に、いきなり赤ちゃんを抱っこして犬に近づくことは絶対にやめるべきです。
犬の世界では、上のものは下のものに自分から近づいたりしません。
犬がいきなり近づいてくることも制止してください。
興奮気味の場合は特に絶対に近づけてはいけません。
犬が従順で落ち着いた態度になった時だけ、段階を経て少しずつ赤ちゃんに近づいてくるのを許して様子をみましょう。


●一瞬でも目を離す時は、赤ちゃんの部屋に犬を近づけない

24時間、片時も離れず赤ちゃんを見ていることはできません。トイレにも行くしごはんの支度もある・・・その一瞬で一生の後悔をすることがないよう、目を離す時や、赤ちゃんがネンネしている時には犬をとにかく赤ちゃんのところに行かせないようにします。
注意するだけではなく、物理的にドアやケージなどを利用して明確にエリアを区切る方が安心ですね。
赤ちゃんは、ふいに予想外の声や音を出したり予想もつかない動きをします。犬にとっては、見慣れないおかしなヤツが威嚇してきたと思うこともあるのです。
そばで見ていた時に大丈夫そうだったからといって、犬が赤ちゃんに近づける状態でその場を離れることは絶対にしないでいただきたいと思います。


●お散歩やごはんなど、赤ちゃんにかまけて手を抜かない

ご存じのとおり、犬は(特に可愛がられている犬は)大変嫉妬深いです。
ご家族が赤ちゃんばかりに夢中になっていると、嫉妬して赤ちゃんを快く思いません。
そんな、本犬さんとしてはおもしろくない状態で、お散歩が少なかったりごはんの時間を忘れられたり、ちっとも甘えさせてもらえないなんてことになれば・・・
もうお解りですね。ワンちゃんはストレスが溜まってイライラと攻撃的になってしまいます。
特にお散歩については、いつも以上にたっぷりさせてあげて、余計なエネルギーを全て放出させるように心がけてください。
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お子さんのいる家庭で犬を飼うことは、親御さんが気を付けて事故が起きないようにしてさえあげれば、お子さんにとってもワンちゃんにとっても、とてもよいしつけと勉強になる、素晴らしいことです。

赤ちゃんの時はとにかく犬から守る。
犬には赤ちゃんが家族の一員で、絶対に傷つけてはならない存在だと教える。
お子さんが大きくなってきたら、犬と触れ合う時のやっていいことといけないことを教える。
更にお子さんが大きくなったら、命の大切さや世話の大切さを教え、一緒に考える。

以上のことを心にとめて、お子さんとワンちゃんの世界を豊かなものにしてあげたいものです。


それにしても・・・
そもそも犬を飼うにあたって、犬の特性や危険性などの正しい知識を持つ機会を与えられない人や、命を預るのだという自覚や責任感が薄い人でも、極端なはなし、会社帰りに酔っぱらった勢いでペットショップで家電でも買うように手軽に犬が買えてしまうという日本の現状は、やはり間違っていると言わざるを得ません。

経済がよくなればそれでいいのかーーーっ?!責任者でてこーーーいっ!!

なんとかならないものでしょうか・・・(ニントモカントモ ← 古すぎて通じないですよ)


初めてお預かりのパピヨン”チョコちゃん”
すっかり我が物顔のチワワ”ハルちゃん”
女帝だけど”ハルちゃん”には優しい”なつ”
女の子トリオは海を眺めます。
”ボス”は海より砂浜に落ちているものに興味があるみたい(^-^;

お馬さんもきたよ~♪