2017年3月25日土曜日

引っ張りグセをなんとかしたい⑤

前回ご紹介した方法ではらちが明かない。
ハッキリ言ってお散歩にならない。
結局時間もないし、ルールを徹底できなくて、飼い主さんもワンちゃんもストレスが溜まる一方で本末転倒だぁーーーっ!(頭を抱えるの図)

という状態に陥りそうな場合は、少し気合を入れて「ザ・訓練!」という感じでいきます。

「ザ・訓練!」などと表現しているからといって、決して難しいということではありません。やり方自体は簡単です♪

ただ、いつものお散歩の延長線上ではない状態にし、普段とは違う歩き方をすることで、飼い主さん自身は「何かを変えるんだ」という気持ちを持ち、ワンちゃんには「これはなんかいつもとは違うぞ?」と気づいてもらうのが狙いです。
そのあたりを踏まえてひとつひとつご説明していきましょう。

【場所】
いつものお散歩コースではない場所で行います。
理想的なのは、緑地や公園など、十分なスペースがあって、周りに人やワンちゃんがいないところ(または少ない時間帯)が望ましいです。

【首輪】 ※ハーネスは×
いつもしているものを外し、新しい首輪につけかえてください。
できるだけ太くごついものにして、ワンちゃんの首をしっかりホールドしましょう。
大きいワンちゃんの場合は、ハーフチョークがいいです。これもいつもとは違うものにしてください。
あらゆる点で【いつもとは違う感】を演出します。

【リード】
前回と同じです。1m以内の短いものを使用し、更に手首に巻き付けるなりして、飼い主さんが手を伸ばせばワンちゃんに触れる距離にしておきます。
お散歩バッグなどは、肩掛けにするなどして、リード以外は手に持たないでください。

【訓練時間】
長くても30分以内。できれば15分くらいが適当です。
ワンちゃんの集中力はそう長くもちませんし、訓練を苦痛に感じてしまっては逆効果だからです。
なんか新しい遊びかな?くらいにワンちゃんが感じて、前向きにやってくれる程度を見極めてください。

【心構え】
上で”新しい遊び”と書きましたが、それとは裏腹に、飼い主さんは「さぁ!遊ぼうね~♪」という様子ではダメです。
●私は貫禄たっぷりのリーダーだ。
●訓練中だけは、この子の泣き言やわがままには絶対に耳を貸さないぞ!
という催眠術をご自身にかけてください。
歩く時は、背筋を伸ばして胸を張り、毅然とした態度で訓練してください。

【禁止事項】
●ワンちゃんがこちらの思い通りにできないからといって叱って怯えさせること。
●飼い主さんがイライラしたり焦ったり落胆すること。
この2点は絶対に厳禁です!

恐怖を感じて奴隷のごとく指示に従うことは、たとえそこで形だけうまくできたとしても何の意味もありません。
目的は、ワンちゃんが飼い主さんをリーダーだと認めて、自ら指示に従いたい気持ちになることです。
また、うまくいかないことにすぐイライラしたり動揺するような器のちっちゃいリーダーには、動物は絶対についてきません。


以上のポイントをおさえた上で、次回、実践編です。


今日からお泊りのネオくんです。

お散歩途中でペチャンコになってボイコットする常習犯です。
飼い主さんは、この澄んだ目で見つめられるとつい抱っこしてしまっていらっしゃいました。

以前お泊りいただいた時に、飼い主さんにお散歩時のコツを少しお話したところ、その後、抱っこしないよう頑張られているというお話は伺っていましたが、その努力の成果が如実に表れていました!

朝のお散歩では、かなり快調に歩きました。

夕方のお散歩は、最初から行く気が起きないらしく、スタート直後に
「一歩も動かないぞ!」
という態度でしたが、首輪を交換し、15分ほど根比べに付き合った結果、通用しないとネオくんが悟った瞬間以降は、まるで犬が違ったように、とても上手に私の後ろにピタリとついて歩くことができました。

時折走ったり止まってみたりとペースを変えてお散歩しましたが、完璧に同じペースで45分ほどお散歩できました!

よく頑張ったね!偉いねネオくん!パチパチパチパチ~~♪