2018年10月13日土曜日

犬にとってフェアな人間でいるために②

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。






前回ブログのつづきです。

あらすじ説明は割愛しますので、前回をお読みでない方は、まずはソチラからお読み下さい。



【犬には言い訳が通じない】


●不当判決


さて、Cちゃんに吠えつかれた恐怖でAくんがオシッコをチビりながら身を硬くし、歯を剥き出しにしている・・・

という一触即発の状況でわたしたちはどうしたでしょう?


結論から言うと、AくんとCちゃんの間に割って入って、Aくんを叱るのではなく


「ンニャロ~~~~!!」


という様子でAくんに睨みをきかせるCちゃんを一喝してその場から追い払ったのです。


さてさて・・・わたしに一喝され、追っ払われたCちゃんは何か悪いことをしたんでしょーか?

そんなことはありませんね?



例えばドッグランなどで立ち話をしながらぼんやりと犬たちを眺めている飼い主さんたちが、今回と同じような場面に遭遇した場合、もしかするとCちゃんは


「怒られて当然の乱暴者の困ったちゃん」


とみなされてしまったかもしれません(TдT)

なにしろCちゃんが介入する前は、揉め事らしい揉め事は起きていませんでしたからね。

見ようによっては、追いかけっ子をする2匹の犬(AくんとBくん)の1匹に向かって、乱暴者のCちゃんがいきなりケンカを売りに行った風にも見えるでしょう。

けれどもこれは人間の解釈であって、犬たちの群から見ればCちゃんのしたことは正当であり、一喝されるべきはAくんのはずです。

つまり・・・


社会性が低く、いやがっているBくんをしつこく追い回すことによって群の和平を見出したAくんに対して、Cちゃんがビシッと叱った


・・・という構図なんですね。



●冷たい視線


ドッグランで立ち話をしながら犬たちの様子をぼんやり眺める飼い主さんたちがCちゃんのようなワンちゃんをホンキで困った子だと思って


「コラッ!やめなさい!なんでそんなに乱暴なの?!」


「ホントにごめんなさいねぇ~~~(汗)」←Aくんの飼い主さんに向かって


とやったとしても・・・


今回のように、実際には一番悪いのはAくんだと承知した上でわたしがあえてCちゃんを一喝して追い払ったのだとしても・・・


犬たちからしたら、どちらも同じことです。


「ええ~~~~~?!なんでCちゃんが怒られるわけぇ~~~?!ナットクいかなーーーい!!」(激しいブーイング)


ということになりますね。

そして、そんな時はその場にいる犬たちが水を打ったように静まり返って、それはそれはシラけた冷たい視線をわたしに送るのがハッキリとわかります。


その視線が まぁ~~~イタイのなんのって・・・刺さる刺さる・・・
(-_-;)

それに、犬たちに申し訳なくて・・・とっても落ち込んじゃいます(TдT)


●なぜCちゃんを叱ったの?


では、そこまで状況が解っていながら、わたしが何故Cちゃんを一喝したかというお話ですが、理由は単純です。


Cちゃんに叱られたAくんは、社会性が低すぎて状況がまったく飲み込めていませんでした。

また、Cちゃんに威嚇されたことにビビり過ぎてパニックになっていました。

そんなAくんを叱ったところでパニックに拍車をかけてしまうだけで、事態は収拾できません。

そこで、冷静な精神状態を保っている社会性が高いCちゃんの方を一喝して追い払うことによって、流血騒ぎになる事態を回避したというだけのことです。



これって、人間の社会でもよくあることですよね?


お兄ちゃんが一生懸命作った工作を弟が壊し、それをお兄ちゃんに注意された弟が泣きわめいてお兄ちゃんに逆ギレしている・・・とゆーよーな場面で


「アンタ、お兄ちゃんなんだからもっと弟に優しくしなさいよ!!」


なーんて、何故かお兄ちゃんがお母さんから注意されちゃう・・・というよーな感じです(^_^;)


人間同士の場合は、後で弟のいないところでお母さんがお兄ちゃんにオヤツでもあげながら


「よくガマンしたね。あの時は弟をおとなしくさせるためにあんなことを言っちゃったけど、一生懸命作った作品を壊されて悔しかったよね・・・。

弟はまだ小さくてお母さんの話がわからないけれど、アナタはもうわかると思ってついついお母さんキミに甘えちゃったわ。

ごめんね。」


ってフォローすることもできるでしょう。



言うまでもなく、わたしたちはペットホテルという商売を営んでいます。

わたしたちがお預かりして直接関わるのはワンちゃんたちですが、わたしたちにとってのお客様は、お金を払う飼い主さんです。

お預かりした大切なワンちゃんに大怪我を負わせるようなことはできないんですね。

ペットホテル屋にとって、安全管理はどうしたって犬の群の掟よりも優先されるべきことになってしまいます。

そのため、不本意ながらも咄嗟の判断で みんなの目の前で英雄的な行動をした正義の味方 Cちゃんに赤っ恥をかかせるようなことをしなくてはならなかったのです。

更にいえば、Aくんの飼い主さんもわたしたちもAくんの社会化を望んでいて、なんならAくんのお泊りはそれが目的といっても過言ではないような状態・・・というケースも少なくありません。

ですからパニックに陥っているAくんをわたしたちが更に追い込むようなことをして、その経験がAくんのトラウマになるようなことは避けなくてはならないんですね・・・


けれども、犬にはそんな言い訳は通じません。


知ったこっちゃねーよ!!(by 犬たち)



●人間が介在しなかったら・・・


では、Aくん・Bくん・Cちゃんのようなケースが、たとえば野犬の群などで起きて、わたしたち人間が介入していなかったら、どうなっていたか想像してみましょう。

おそらく、叱りに来たCちゃんにビビってパニックを起こしたAくんはCちゃんにホンキで噛み付きに行き・・・

周囲で成り行きを見守っていた他の犬たちはCちゃんに加勢して・・・

結果的にAくんはボコボコにされ、シッポを丸めてヒンヒン言いながら降参することになるでしょう。

乱闘に絡んだ犬たちはみんな怪我を負う可能性が高いですね。


その後は どうなるかというと・・・


犬たちは負傷したとしても傷はやがて癒えていくでしょう。

Aくんは二度といやがる犬を追い回すことはしなくなるでしょう。

たとえ、Aくんが懲りずにまたやったとしても、周囲の犬の一瞥ですぐにやめるようにはなるでしょう。

Cちゃんは群の中で更に一目置かれる存在となり、尊厳を保つことができるでしょう。


いえ・・・もしかすると、そんな理想的な形にはならずに、ボコボコにされたAくんは、そのまま空気の読めないしょーもないヤツとして群にとっての足手まといと判断され、群を追放されてしまうかもしれませんね・・・


動物の世界は厳しいのです。


「Aくんは社会性が低いけれど、他の犬と過ごす機会を増やしてあげることで徐々に社会勉強を積んでいくのだから、みんな怒らないで優しく見守ってあげて~~!

だって・・・そうじゃないとAくんが可哀想よ~~~~~!!」


とゆーような甘いことは許されないんです。

そんなことを言っていたら統制が乱れ、群全体が危機に晒されるかもしれないからですね。

ただ逆に、群の中に変わり者がいたとしても、その子が特に群の和を乱すようなことがなければ、犬たちはわざわざその子をよってたかった苛めるようなこともしません。

人間はしますね・・・こういう無意味な苛めや差別を・・・(-_-;)


人間などよりもシビアな世界に住む犬たちは、人間よりもうんと合理的で公正で冷静です。

それに引き換え・・・

人間はヒジョーにものの見方が近視眼的で不公正で、何よりも感情的なのですねぇ~・・・


その場しのぎに感情的な采配をするボスと、群全体のことを考えて冷静に合理的判断をする部下たち・・・


んー・・・複雑な気持ちになりますねぇ~~~(;´Д`)




このように、人間は犬にとっては到底ナットクのいかぬことを人間側の都合で押し付けていることがとっても多いということです。


では、そんな人間が犬からの信頼を失わないためにはどうしたらいいのでしょうか?



長くなるので次回につづきまーす!





<今日のpethotel11!>

朝の海岸さんぽ
涼しくて気持ちいいー-♪

おや~~?
沖に渓流していた漁船の縄が強風で切れて
岩場にハマっちゃったみたい!!

Cくん「大変そうだなぁ・・・」

大丈夫。すぐにモーターボートで引っ張って
無事に岩場を脱出したよー(^o^)

早く木の枝を投げてくださーーい!

はいはい(^_^;)

Rおじいちゃん、今日も元気♪

気が向くとお庭に出てきて・・・

きままに散策していまーす♪

他の子もRくんのジャマは絶対にしません

チッチして・・・いいウンチして・・・
ああ忙しい!!(笑)

はじめまして!ボクGくんだよ!

ハーイ、よろしくね~(^o^)

Mくんにワンプロに誘われても
怖がって垣根の向こうに隠れていたAちゃん
ナツとチャコも心配そうに見守っています。

Mくん「大丈夫だよ。ホラ、かかっておいで~」
Mくんは手加減して上手に誘います(すごいっ!!)

次第にAちゃんもワンプロの楽しさに目覚め・・・

Aちゃん「チョー楽しい♪」

Mくん「でしょ~?ボクも遊び相手ができて
嬉しいよ~~♪」

チャコ「もう大丈夫そうね・・・ムシャムシャ・・・」

コラーー!チャコ!草ばっかり食うなーー!

Aちゃん「ね、Mくんもう一回やろう!」

チャコ「よかったねぇ~~」

うわ・・・Aちゃん、美人が台無しよ(笑)

Gくん「いいな、いいな、ボクもー!」

オリャオリャオリャーーーっ!!

Gくん「ねえ、ボクも入れて~~」

Mくん「小さい子は危ないからダメ!」

Gくん「なんだとー?バカにするなよー!」

Gくん「さあ捕まえた!参ったかー?!」
Mくん「わあ参った参った」

Mくん、可愛いブローチつけてるね(笑)

「ヘヘンっ!ボク、強いでしょ?!」

うんうん、すごいねぇ~~!!(笑)

Mくん「いやぁ~参った参った・・・」

おつかれさま~(^o^)







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