2017年2月28日火曜日

ペットロスを考える⑥

いざという時に、亡くなった家族やペットに

「なんであんなことしてしまったんだろう・・・?!」
「なんでもっとこうしてあげなかったんだろう・・・?!」
「私には幸せになる資格などないんだ」

という罪悪感や後悔を抱かないために、常に怒らず寛大で柔和な人でいられれば、もちろんそれが理想です。
けれどもそれは無理ですね・・・(少なくとも私は無理です)

体調・仕事・経済的事情・人間関係などの全てにおいてギリギリな状態の時、平素ならば笑って見過ごせるような些細なことに腹を立てたりイライラしてしまうのが人間です。

ですから、大切な人やペットを失った時に、微塵も罪悪感や後悔の念を抱かないというのは難しいですね。

けれども、
【罪悪感や後悔を軽減する】
ことにより、ペットロス症候群になる可能性を減らすことは可能だと思います。


そこで、今日は1冊の絵本をご紹介したいと思います。
私も、私の子供たちも大好きな絵本です。

※版元の評論社さまに問い合わせた結果、ご許可いただいた範囲内でのご紹介となります。ご担当者さま、迅速なご回答をいただき、ありがとうございました。



ずーっと ずっと
だいすきだよ
版元 評論社
ハンス・ウィルヘルム/作  久山太市/訳


ぼくはエルフィーをわすれない。世界一すてきな犬だったんだ。
エルフィーとぼくは、いっしょに大きくなった。

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ときどき、エルフィーが
わるさをすると、うちのかぞくは、すごくおこった。

でも、エルフィーをしかっていながら
みんなはエルフィーのこと
だいすきだった。

すきなら、すきといってやればよかったのに
だれも、いってやらなかった。

いわなくっても、わかると
おもっていたんだね。
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ぼくの背がのびるにつれ、エルフィーはだんだん年をとり、階段の上り下りもできなくなります。


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ぼくはエルフィーに、やわらかい

まくらをやって、ねるまえには、かならず

「エルフィー、ずーっと、だいすきだよ」っていってやった。

エルフィーは

きっと分かってくれたよね。
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そしてある朝、ぼくが目を覚ますと、エルフィーは死んでいました。
家族も”ぼく”も、とても悲しみましたが、”ぼく”はいくらか気持ちが楽でした。
それは、毎晩”ぼく”がエルフィーに
「ずーっと、だいすきだよ」
と伝えていたから・・・


この本の解釈として、多くの方が
『愛情を言葉にして伝えることの大切さ』
を表しているのだと言われています。

本の解釈に正解はないと思っていますので、これに関して何も異論はありません。

けれども、私のこの本の解釈は少し違っています。


長くなるので続きは次回にします。

なんだかんだで、超仲良しなんだから(笑)







2017年2月27日月曜日

ペットロスを考える⑤

愛犬を亡くして、深い悲しみに包まれる状態=ペットロス

これは、ほとんどの愛犬家の方が経験する自然なことです。
ペットに限らず、愛する者を失った人はみな、同様の悲痛を味わいますね。

ここから抜け出すことができずに、何事にも前向きになれず、日常生活に支障をきたす状況が半年以上も続く状態=ペットロス症候群

この、メンタルヘルスの疾患に陥らないために、飼い主さん自身ができることを考えています。前回、そのひとつめとして
【ペットに依存しすぎない】
ということに関して述べました。

今回はふたつめ。
【罪悪感や後悔を軽減する】
このことについて考えていきたいと思います。

まず、罪悪感や後悔ってどういうことでしょう?
例えば・・・

夫婦喧嘩をして、伴侶をひどく傷つけるような言葉を投げつけてしまった。
そのままお互いに口もきかずに意地を張ったまま何日も過ごしていた・・・
そんなある日の午後、伴侶が交通事故で突如他界してしまった・・・!

子供がこのところ、やけにグズって手をやいていた。
忙しいこともあって、常にイライラをぶつけるように叱る毎日・・・
その日の朝も、幼稚園に行きたくないとグズる我が子を叱り飛ばし、追い立てるように幼稚園に行かせた・・・
数時間後、我が子は幼稚園で高熱を出し、意識を失って病院に搬送されたが、そのまま肺炎になって不運にも命を落としてしまった・・・!

忙しさにかまけて、愛犬の散歩をサボっていた。仕事の疲れがたまっていて、遊んでやることも構ってやることもこのところ極端に少なくなっていた・・・
ストレスがたまった愛犬は、留守中に腹いせのように絨毯にオシッコしたりゴミ箱をひっくり返したり・・・「勘弁してよ!」という気持ちでひどく𠮟りつけてしまうことが続いていた・・・
そんなある朝、様子がおかしい愛犬に気づき、病院に連れていくも、容態が急変してそのまま息をひきとってしまった・・・!

どれも、「そんなのないない」という対岸の火事でしょうか?
いえいえ、むしろ誰にでもあり得ることではないでしょうか?

こんな時、残された人は深い悲しみに襲われると同時に、激しい罪悪感と後悔にさいなまれます。

「あんな酷いことを言わなければよかった・・・本心ではなかったのに!」
「せめて『昨日はごめんね』とどうして言えなかったのだろう?」

「あの子がグズっていたのは、私に体調が悪いことを訴えていたのだろう。何故それに気づいてやれなかったのだろう?それどころか叱り飛ばしたりして、なんて可愛そうなことをしたんだろう?私は母親失格だ!!」

「どうしてもっと大事にしてやらなかったんだろう?ほんの少しの手間暇を惜しんで愛犬をないがしろにしていた。その上、ストレスがたまっているシグナルに対して叱り飛ばしてしまった。もっと目をかけてやっていれば早くに異変に気付けたかもしれないのに・・・自分なんかが飼い主で、あの子は本当に可愛そうだった!」

そんな心の叫びが聞えてきそうです。

客観的にみて、どの事例もそれほど罪深いことではありません。
イライラしていたり、疲れていたり、忙しくて余裕を失っていたりということは、誰にだってあることです。

「人間だもの」(byみつを)

それでも当事者にしてみれば、そんなことは罪悪感を軽減する慰めにもなりません。
ひたすら当時のことを反芻し、自分を責め続けます。
その結果、生きている自分が幸せになることなど許されない・・・
という考えに囚われてしまいます。

では、こういった事態に陥らないために、一体私たちはどうすればいいのでしょうか?

夫婦喧嘩はしてはいけない?
常に聖母のような微笑みを浮かべて子供を叱らないようにしよう?
愛犬にはどんなに忙しくてもたっぷり時間をかけてやらなくてはいけない?

それはおかしいですね。
現実的ではありませんし、そんな聖人みたいなことができないのが人間だもの(←しつこいぞー)

じゃあどうすんの?


長くなるので続きはまた次回にします。

ま、マリアさまぁ~~~!?





ボス「ちがうよボクだよ~」
わかってらーーい!





2017年2月26日日曜日

ペットロスを考える④

前回、愛するペットを亡くして、ペットロス症候群にならないためにできることのひとつめとして、
【ペットに依存しすぎない】
ことについて、『マズローの5段階欲求』のお話をしました。
依存とは、必ずしもペットに甘々で、物理的にベタベタしていることを指すのではなく、精神的に気づかぬうちにペットを心の支えにしてしまっていたり、自分に欠けている何かをペットの存在で埋めてしまっている状態だということをお解りいただけたでしょうか?

「この子がいなくなったら私、わたし・・・生きていけないわ。どうしたらいいの?」

このセリフを『ペットが本当に可愛いのだ。失いたくない』ということを表す表現方法として使っている場合はいいでしょう。
けれども、本気でそう感じている人は、厳しいようですが、ペットロス症候群の予備軍だという自覚を持った方がいいかもしれません。

「あなたが死んでしまったら私、耐えられないわ。だから私より先に死んじゃダメよ」

このセリフも、本気で言っている場合はペットに依存していると言わざるを得ません。
あなたが亡くなったら愛するペットはどれだけ悲しみ、心細い思いをするでしょう?
あなた以外に世話する人がいない場合、ペットは施設に送られてしまうかもしれません。
愛するペットにその苦境を背負わせるのですか?
ペットは飼い主を選べません。あなたが飼い主になったのであれば、その命を全うする最期の時まで、きちんと面倒をみてあげるのが、その子を連れてきた時から定められた、あなたの責任だとは思いませんか?

決してペットに寄りかからないでください。
そして・・・あなたのペットは生前、あなたがニコニコと嬉しそうにしている時が一番幸せだったはずです。
自分のしたことで、飼い主さんが困ったり悲しんだりしている時が一番苦しかったはずです。
自分が亡くなったことで、飼い主さんが悲嘆に暮れて笑顔を忘れてしまうことを、どんなペットも喜ぶはずがありません。

ペットがいつの日か必ず亡くなってしまうという現実に、きちんと目を向けて、もしそうなってもご自身の人生が空っぽにならないような充実した毎日を送るよう、努力してみて下さい。
そんな、輝いている素敵な飼い主さんがリーダーならば、ペットもきっと幸せいっぱいのはずです。

虹の橋で、楽しく遊びながら

「ね?うちのご主人、素敵な人でしょ♪」

と、愛犬が他のワンちゃんに自慢できるような、そんな生き方を目指したいものです。


長くなるので、つづきはまた次回にします。


チワワ海岸
ダックス小屋






2017年2月25日土曜日

ペットロスを考える③

つづきです。

ペットロス症候群になる主だった原因の中で、飼い主さんが自ら気を付けることができることのひとつめ。
【ペットに依存しすぎない】についてです。

『ペット依存症』という言葉をご存じでしょうか?
ペットの生前『ペット依存症』であった飼い主さんが、ペットを失って『ペットロス症候群』になる可能性が非常に高いです。
ペットに依存しすぎている人がペットを失うと、そうでない人と比べてペットロスが重症化し、ペットロス症候群になりやすい・・・当然じゃーーん?!って感じですよね?

問題は、ご自身がペット依存症、または予備軍にも拘わらず、自覚がない飼い主さんが大変多いらしいのです(知り合いの獣医さんによる)

具体的に、どのような人がペット依存症になりやすいかというと、”マズローの5段階欲求”の、第3ステージまたは、第4ステージの欲求が満たされていない人だそうです。

”マズローの5段階欲求”というのは、アメリカの心理学者、マズローが提唱した説で、
『人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されていて、低階層の欲求が充たされると、より高次の階層の欲求を欲する』
というものです。

第1ステージは生理的欲求。
食料や水が補給でき、睡眠がとれるなど、生存するための最小限必要な欲求です。
これが満たされると第2ステージの欲求が生まれます。

 
第2ステージは生活や安全の欲求で、雨風をしのぐ住居や健康的な生活の欲求です。
これが満たされると第3ステージの欲求が生まれます。

 
第3ステージは社会的欲求(帰属欲求ともいう)で、家族や友達、仲間を得たい。集団に所属したいという欲求です。『居場所』という言葉に置き換える方がわかりやすいかもしれません。
これが満たされると第4ステージの欲求が生まれます。
が・・・!実際には家族や職場、学校などに所属していても、会話や交流に不満があり、精神的に孤独感を感じて自分の『居場所』がないと感じている人は、この欲求が満たされていません。
そんな心の隙間をうめてくれるのがワンちゃん♪
いつも尻尾を振って応えてくれ、ずっと傍らにいてくれて、まっすぐな瞳で見つめてくれる・・・ワンちゃんが所属の対象となってしまっている状態です。

 
第4ステージは承認欲求(尊厳欲求ともいう)で、地位や名誉やお金、権力などへの欲求です。
これが満たされると第5ステージの欲求が生まれます。
が・・・!プライドが高く、地位や名誉や権力にしがみついている人。
他人を羨み、妬みの感情が強い人。
人から認めて欲しくて、SNSで実生活とは異なる情報をUPしてしまう人や、ついつい見栄を張りすぎてしまう人も、このステージがクリアできていません。
大事なのは、実際にお金があったり、周囲の人からある程度認められているかどうか?ではなく、本人が満足しているかどうか?です。
そうでなければ、このステージはクリアできていないことになります。
そんな欲求不満を満たしてくれるのがワンちゃん♪
従順で、飼い主さんを全面的に認め、肯定してくれる・・・ワンちゃんが尊厳を満たしてくれている状態です。更に、世間が思うように評価してくれないというストレスをもワンちゃんは癒してくれます。


第5ステージは自己実現の欲求で、自分の能力を発揮したいという欲求です。
この第5ステージにいる人というのは、精神的に真に大人だと言えます。人と自分を比べて羨ましがったり、妬みや嫉みという感情に囚われたりということがありません。
自己満足でもいいのです。大事なのは自分が満足している=満たされていると感じている状態です。
そういう人は自信があり、他者やペットに依存する必要がありません。


いかがでしょうか?『ペット依存』ときいて、なんとなーく”典型的なあの感じ”といった漠然としたイメージを抱かれていた方は多いのではないでしょうか?
そして、そのイメージと、現実の『ペット依存』は、少し違っていたのではないでしょうか?

長くなったので、続きは次回とします。


 


 




今晩お泊りのミニチュアダックス”ネオくん”
連泊中のチワワ”小太郎くん”
お庭ではしゃぎすぎて叱られたダックス”ボス”
抱っこしてと念力を送るチワックス”なつ”

ダックスとチワワばかりですね(^-^;








2017年2月24日金曜日

ペットロスを考える②

さて、最愛のペットを亡くして、ペットロス症候群になってしまう人とならない人の違いは何なんでしょう?
つまり、ペットロス症候群の原因は?

それは、メンタルヘルスを患う原因全てについて言えることですが、残念ながら一概には言えません。
たくさんの要因が複雑に絡み合って、不運にも発症してしまうのでしょう。

例えば、よく言われている要因としては、以下のようなものがあります。
今回は、この5つの原因について考えてみます。

①その時のご本人の体調や年齢、仕事や人間関係の悩みなどといった精神状態
②ペットの亡くなり方
③亡くなった時のペットの年齢
④亡くなったペットへの依存度
⑤罪悪感や後悔(死に目に会えなかった、十分世話してやれなかったなど)

①~③については、いつどのように、自分がどういう状況の時にペットを失うかは誰にもわかりませんから運しだいということになります。
ですから、ここで詳しく触れることはやめておきましょう。

けれども④と⑤に関しては、ペットが元気なころからのペットとの関わり方によって、ペットロス症候群になってしまう可能性を軽減することができるということを意味しています。

更に言えば、これは私見ですが、ペットロス症候群になる原因の大きな部分を、この④と⑤が占めているように思うのです。

まず、④のペットへの依存度ですが、具体的にはどういうことでしょうか?
『依存』という言葉から、ペットにベッタリ甘えている・・・というイメージを抱かれる方も多いかと思いますが、それだけが依存ではありません。

長くなるので、次回のブログで紐解いていきたいと思います。

おや?”なつ”?
ブビー!ちがいます。
今日からお泊りの小太郎くんです。なんか凛々しい~♪






2017年2月23日木曜日

ペットロスを考える①

『ペットロス』という言葉はご存知でしょう。
愛するペットを失って、深い悲しみに包まれる状態のことです。おそらくほとんどの愛犬家は、飼い犬が亡くなった直後はこの状態になるでしょう。

似たことばで、『ペットロス症候群』という言葉もあります。
『ペットロス』の状態が長引き、日常生活に支障が出るようになり、うつや自殺願望にまで発展する深刻な心の病です。

個人差はありますが、ペットを亡くして悲しみに暮れつつも、1か月前後で仕事や日常生活に前向きな気持ちを取り戻せれば正常。前向きな感情が半年以上も生まれない場合は『ペットロス症候群』が疑われるのだそうです。
ご自身、あるいは周りの方は「もしや」と思ったら、適切な医療機関を受診する(させる)ようにして下さい。

あるテレビ番組の中で、心理評論家の植木理恵氏は「ペットロス症候群の深刻さは、犬は猫の約40倍と言われる」と仰っていました。
40倍という数値の真偽についてはよくわかりませんが、猫よりも犬の飼い主さんがペットロスになりやすいだろうと、確かに思います。
犬の方が人に従順で、マイペースな猫と比べて、飼い主さんとの距離が親密だからです。

可愛がっていた愛犬が亡くなってしまうと、どんな飼い主さんでも深い悲しみに包まれます。

暫くの間は、ご飯を食べては涙、お散歩コースを歩いては涙、ボールを見ては涙・・・と、何をしても何を見ても涙で視界がぼやけます。

涙なしに亡くなった愛犬の写真を見ることなんて一生無理なんだ・・・と感じます。

でも時が経つにつれ、悲しみは少しずつ癒えていき、亡くなった愛犬との思い出を、目に涙を浮かべながらも笑顔で話すことができるようになります。

私も数年前に、享年17才でビーグル犬の”リンダ”を失った時、胸をえぐられるような感覚と深い悲しみに襲われました。

それは、リンダを一番可愛がっていた母の誕生日の朝でした。
老犬となっていたリンダは、全体に被毛が白っぽくなり、たくさんのイボができてはいましたが元気でした。
いつものように庭にオシッコしに出してもらい、リビングに戻ってきてから急にヘナヘナと座り込み、聞きなれない鳴き方したのです。
驚いた母がリンダを抱き、
「リンダ、どうしたの?どうしたの?ヨシヨシ・・・」
と声をかけていました。それから間もなく、母の腕に抱かれたまま、リンダは息を引き取りました。
とても穏やかで静かな死でした。

父も母も、私も私の子供たちもみな、オイオイと泣きじゃくりました。
それから暫くは、特にリンダと片時も離れず同居していた父母、とりわけ母は、寝ても覚めても泣いているような状態でしたが、幸い、ペットロス症候群にはなりませんでした。
3年前に父が亡くなった時は、

『今頃お父さん、ポケットからロールパン出してリンダにあげてるよ!』

と、母と話し、泣きながら笑ったものです。(←とか書きながらウルウルしているのは誰だーい?)


長くなるのでつづきはまた次回にします。

三浦にしては波が高かった本日、カモメの集会が行われています。

当然”なつ”のハンター魂に火が・・・
逃げてぇぇぇ~!>カモメたち




2017年2月22日水曜日

動物の行動から学ぶこと

以前『子犬はどうして可愛いのか』というブログの中で、ベビーシェマを唱えたコンラート・ローレンツ博士に少し触れました。

犬を飼っている方なら、ローレンツ博士の『人イヌにあう』という本を読んだことがある方は多いかもしれません。
でも、私が博士の著書の中で個人的にぜひおすすめしたいのが、『ソロモンの指環』です。

最初に読んだのはまだ学生の頃でしたが、博士の、身近な動物の行動に対するあくなき探求心と観察眼の素晴らしさに感嘆し、描かれているたくさんのいきものたちの習性やコミュニケーションの取り方に感激し、友達に熱く語っていたのを覚えています。
(しばらくの間、一番好きな書籍は?と尋ねられるとこの本を挙げていました)

この本は、細かい章に分かれていて、文章も易しくコミカルで、博士自身が描かれた、素朴で可愛らしい挿絵もたくさんあり、なにより動物に対する博士の愛情が伝わってきます。
読むと、自分が飼っている動物や、近所で見かけるいきものに、もっと興味がわき、もっともっと好きになること請け合いです!

【ガンの子マルティナ】の章には、博士が発見したかの有名な”刷り込み”について書かれています。学校で学んだ薄っぺらい内容なんかよりずーっと面白い♪

【永遠に変わらぬ友】の章では、コクマルガラスという鳥が、1年間もの婚約期間の末結ばれ、生涯添い遂げるという感動的なお話が書かれています。

もちろん、犬について書かれている章もあります。
犬を2つのグループに大別して、その性質や行動の違いについて書いていますし、少々親バカ気味の、博士と奥様のやり取りなんかも載っていて楽しいですよ!

どの章も、動物たちのひとつひとつの行動を博士が執念の観察により分析して、
どうしてそのような行動をとるのか?
その行動にはどういった意味や必要性があるのか?
といったことへの彼の考察が書かれています。

あまりたくさん書くと、これから読もうと思っている方に申し訳ないのですが、今、たくさんの人にこの本をもう一度読み返してもらいたいと思った理由にあたる、本書の最後の章【モラルと武器】の内容を少しだけご紹介して、今日のブログをくくりたいと思います。

この章では、生きものたちが喧嘩する時の振舞いを引き合いに、武器を持つ生き物としての人間が、モラルを持ってどのように振舞うべきか?ということが述べられています。

「野生動物は、他の生きものを捕食する肉食動物ほど、同種の個体同士で争いになったときに、降伏のポーズをとられると、どうしても攻撃することが出来なくなる。
一方で、草食動物の場合、同種の個体同士では、相手が瀕死に至るまで攻撃をやめない。」

「いつかきっと相手の陣営を瞬時にして破壊しうるような日がやってくる。
全人類が二つの陣営に分かたれてしまう日も、やってくるかもしれない。
そのときわれわれはどう行動するのだろうか。
ウサギのようにか、それともオオカミのようにか?
人類の運命はこの問いへの答によって決定される。」





”なつ”博士は、カモメの観察に余念がない!
でも、高いところが怖くて実は及び腰 
ウンチした後のお尻を押し付けるのやーめーてー( ´∀` )





2017年2月21日火曜日

気の強い女帝犬の意外な行動②

気弱な先住犬”ボス”を、すぐさま子分にしてしまった女帝”なつ”

彼女は見た目が大変可愛らしく、お散歩していると大抵「あの黒い子可愛いぃ~♪」と絶賛され、人間に対しては常にゴロニャン態勢なのですが、相手が犬となると、そのルックスからは想像できないほどのオラオラ系。
どんなに大きな犬であろうと、気の弱そうな優しい~子であろうとお構いなしです。

こんな風に言うと、”なつ”は狡猾で攻撃的な憎ったらしい犬みたいな印象かもしれませんが、実はすごいんです。ものすごく賢いんです!(←まさか・・・親バカ話をする気なのか?)

親バカと言われようが構いません。まあ聞いて下さい。

【”なつ”のすごいとこ】←小学生の作文か?

●無駄吠えを一切しない
”なつ”が吠えるのは、自分のテリトリーに侵入者が近づく気配を感じた時や、実際に近づいてきた時だけです。それも必要最低限。
要求吠えは一切しませんし、そもそも長々と吠え続けることはありません。

●寝床を汚さない
例え体調が悪く、お腹を壊してゲリピーの時でも、決してハウスで漏らしてしまうことはありません。ちゃんと「早くトイレに連れてって~」と呼びます。
更に、ハウスの敷物をグチャグチャにすることなく、いつもきれ~~いな状態で保っています。高いぞ女子力♪

●エネルギーの使いどころ、メリハリがきっちりしている
吠えと同様に、動きに関しても、彼女は無駄なエネルギーを使いません。
誰か来たな?と思うと首をちょっともたげて「なんか来たよー!」と吠え・・・
『なんだ宅急便のアイツか・・・』と判るとすぐに鳴くのをやめて寝る態勢です。
むやみやたらにウロウロオロオロして、いつまでも吠え、吠えているうちに、自分がなんで吠えていたか忘れちゃってるような”ボス”とは大違いなんです(ごめんボス)
ところが、お散歩となると、あのちっちゃい体と細い脚で、1時間でも2時間でも、ただの1度も「疲れたからもうイヤ!」などと、歩くのをボイコットするようなことはしません。
リードを引っ張ることもなく、黙々と私たちのすぐ後ろや横についてテケテケとそれはよく歩きます。

●本気噛みは絶対にしない
犬に対しては常にオラオラしている”なつ”ですが、すんごい勢いで威嚇することはあっても、本気で攻撃することはしません。
自分を見失っていないんですね。ちゃんと考えて攻撃している感じなのです。
更に、人間に対しては、甘噛みさえも一度もしたことがありません。


どうです?すごいでしょ~~(エッヘン)←絶賛親バカ炸裂中

そんな”なつ”の様子を見ていて、私たちは気づきました。

”なつ”って・・・クラスの優等生女子的存在だね!と・・・
そう思って見ていると、確かに”なつ”が”ボス”や、うちにきている子にオラオラしている時は大抵、その子がなんかやらかしちゃってる時だったり、調子に乗ってはしゃぎすぎちゃったり、私たちに『お座り』とか『マテ』とか言われているのに全然しなかったりする時なんです。
ま、私たちの膝を巡ってのオラオラは、完全に独占欲によるものなんですが(^-^;
先生の言うことをよくきく大変賢い優等生で、ダメな男子をいっつも叱っている。だから誰よりも先生に可愛がられて当然と思っている・・・という感じでしょうか。

更に、ペットホテルとしてたくさんのワンちゃんたちをお預かりしているうちに、私たちの仮説は確信に変わりました。

実はつい昨日、ミニチュアダックスのオバアチャン犬”ココちゃん”を一泊でお預かりしました。
今までも老犬はお預かりしたことはありましたが、どの子も「本当に老犬か?」と思うくらい力強く、お散歩でもグングン引っ張るような子たちでした。
今回お預かりした”ココちゃん”は、お散歩はゆーーーっくりゆーーーーっくりヨチヨチ歩き。ごはんも時折喉に詰まらせそうになりながら、休み休み食べるような子でした。そして、他のワンちゃんが苦手で、できれば放っておいて・・・というオーラを発している子です。

そんな”ココちゃん”に対する”なつ”の態度は・・・
どんな犬にも必ず威嚇態勢でオラオラするあの”なつ”が、まったくオラオラしないのです!それどころか優しく見守っているーーー!!
そして、甘えん坊の”ココちゃん”が、私たちに抱っこされていても、膝に乗ってきても、普段はそんなこと絶対に許さない”なつ”が・・・見守っているーーー!!

感動しました。
”なつ”はどんな犬にもオラオラする子なんかではありませんでした。
相手のエネルギーレベルをきちんと見極めて、自分よりか弱い犬には噓のように優しい子でした。

犬って犬って・・・なんて賢くて奥深い生き物なんでしょう?!

え?やっぱり親バカですって?
「フンフンフ~ン♪」←鼻歌で聞こえないフリ

オジサンの顔に近い”特等席”を”ココちゃん”に譲る”なつ”
「どうせボクは一生末席だよ~」by”ボス”






2017年2月20日月曜日

気の強い女帝犬の意外な行動①

このブログに何度も登場している、超長期預かり犬の”ボス”と”なつ”

飼い主は私の実家の母。
元々飼っていたのはミニチュアダックスの男の子”ボス”
そこに3年前から他の飼い主さんから引取ったのがチワックスの女の子”なつ”
2匹の性格は見事に対照的です。
”ボス”は気弱でビクビク系。”なつ”は気が強くてオラオラ系

母の実家に”なつ”がやってきた瞬間、先住犬の”ボス”は臆病なりに自分の縄張りに侵入してきた自分よりちっこい”なつ”に、一応は権利主張をしてみました。

ボス「ここ、ボクんちなんだからねっ!わかってんの?ねぇ!?」
なつ「は?!うるさいよっ!そこどきなっ!ガルルルルル」

一瞬でした・・・2匹の力関係が決まってしまったのは・・・

その後も”なつ”の傍若無人ぶりに業を煮やした”ボス”が何度か抵抗を試みるシーンはみられましたが、”ボス”が遠慮がちに攻撃すると、”なつ”は100倍返しで瞬殺するのが常でした。
(そんな時に、逃げてきた”ボス”を母がヨシヨシするので”ボス”の臆病に拍車がかかったというわけですね)

やがて”ボス”は抵抗を諦め、今ではすっかり”なつ”の子分といった位置づけにいて、それなりに幸せそうにしています。(ボスよぅ~~がんばれよぅ~~)
母が、一応先住犬”ボス”のプライドを尊重し、何をするにも”ボス”を先にしたことで、メンタルのバランスを保っていたのかもしれません。

”なつ”は、いつだって自分が一番可愛がられていないと気が済まないばかりか、自分が抱っこされたり撫でられたりしている時に、他の犬が近づいてくることすら許しはしませんし、自分が気に入ってパフパフしているクッションや毛布などに他の犬が興味を示しただけでも激しくガルガルします。
そりゃもう、怖いのなんのってアータ・・・|д゚)

そんな”なつ”ですが、単に気が強いお山の大将ではないのです。

長くなるので、続きはまた次回に・・・

なつ「なに見てんのよぅっ!」

お泊りのココちゃん。とってもキュートなおばあちゃん犬♪
ボス「またブログでボクの悪口言ってんでしょ?」

モモカちゃん「ナツ姐たん・・・私、着いていきます」


2017年2月19日日曜日

おやつの上手な断り方

先日、犬を飼っている友達からこんな相談を受けました。

-------------
お散歩仲間の中に、いっつも犬におやつをあげる人がいるのよ。
一応『あげていいかしら?』と最初の時に訊かれて、断りにくいから
『あ、すみません。ありがとうございます』
って言ったものの、それから毎日会うとくれるのね。
うちだけじゃなくて、会う犬みんなにおやつを配るから、当然犬たちは彼女のところに群がっちゃう。そうすると
『あらまぁ!すごいわ~♪おばちゃん困っちゃうわぁ~♪』
って・・・困ってないだろ!!喜んでるだろって・・・
この前、
『うちの子はダイエット中だから』
って断ってみたんだけど、笑顔で軽く
『ええ~?ぜんぜん太ってないじゃないの~!神経質になりすぎはよくないわよぉ~・・・ねぇ?〇〇くん♪』
と、逆に説教くらった上に、結局犬に微笑みかけてあげちゃうわけ(ムキーーーッ!)
次の日にまた
『本当にもう・・・おやつは・・・困りますから・・・』
って、私としては精いっぱい毅然として断ってみたんだけど、今度は
『まあ怖い!ママに叱られちゃう~!〇〇くんはこんなに欲しがってるのにねぇ~』
とか言って悪者扱いにされちゃうのよ(ウガーーーッ!)
実際はダイエットってわけじゃないけど、うちでは”おやつはご褒美の位置づけ”だから、理由もなくあげないでほしいし、その前に犬がいけないことしてたりするタイミングだと、それでご褒美をもらえたと勘違いされても困るし、ホント!やめて欲しいんだよねぇ~~・・・
なんかいい断り方ないかな?犬のプロでしょ?
-------------

いやいやいやいや・・・犬のプロって・・・そんなおこがましい。

それに、この問題は犬の問題ではなく、人間関係の問題ですからねぇ。

だけど、こういう方っていらっしゃいますね。
人間の子供におやつあげちゃう人もいます。
その名も”おやつオバサン”
”おやつオバサン”による問題点は・・・

●親や飼い主が、健康管理やしつけの方針に基づいてあげているおやつを、その意思を無視して”おやつオバサン”が与えてしまうこと

●一応、物をいただく立場に置かれてしまうため、本意じゃないにも関わらず、”おやつオバサン”にお礼を言わなきゃならないこと

●1回そうなってしまうと、人間関係をギクシャクさせたくないという理由から断りづらく、断るにしてもウソをつかなくてはならなくなり、精神衛生上よろしくないこと

●こちらはすごく迷惑しているのに、”おやつオバサン”はひたすら”人気者”という立ち位置にいて、すこぶる気分がよさそうで癪に障ること

などでしょうか・・・(けっこう問題あるなぁ)
問題の根源は、”おやつオバサン”が【善意の皮をかぶっているし、本人も善行だと信じ込んでいる】ことだと思います。

彼女のケースでは、”おやつオバサン”は犬のお散歩仲間でしたが、たまーに道端で出会ったばかりの”見ず知らずのおやつオバサン”が、いきなり「ほら、お食べ~」と食べ物を差し出すこともありますね。
その場合、安全なものかどうかすら飼い主としてはわからない・・・恐怖ですよね?

さて・・・肝心の回避策ですが・・・
正直、コレが正解!という答えはありません。
逆にどなたかよいアイデアがある方は教えて下さい。

ちなみに、私がどうしているかというと

①「まあ!ありがとうございます♪おやつの時間は決まっているので私に下さいな。後でいただきましょうねぇ~よかったわねぇ~~(犬に)」と言ってインターセプトしちゃう

②毎回おやつを持って待ち構えているような”待ち伏せおやつオバサン”ならば、お散歩コースや時間を変えて、とにかく会わないようにする
『しかし回り込まれてしまった!!』
という、ドラクエみたいなこともありますけど ( ノД`)
さすがに姿を見て逃げ出すようなことはできません(トホホ)

万一、このブログをお読みの方の中に
私、”おやつオバサン”だわ・・・
という方がいらしたら、意外と言えないけど迷惑に感じている飼い主さんも多いよってことをぜひ知っておいていただきたいと思う次第です<(_ _)>

それにしても・・・不思議なのは、おやつあげちゃう人って
私が知っている限り100%女性なんですよね。何故なんでしょうか?
”おやつオジサン”も存在するのだろうか・・・
オジサンはハトポッポに
オバサンはワンちゃんに
という明確な役割分担をしているのは何故なんだろうか・・・(←決めつけはいけませんよ)

かぶりつきでお馬さんを見つめるモモナちゃん
「デカっ!!」
モモナちゃんだって相当大きいよ(笑)


2017年2月18日土曜日

子犬はどうして可愛いのか?


子犬・・・可愛いですよねぇぇぇ~~~(はぁと)
犬好きの方ならお解りと思いますが、自分の好きな犬種でなくても、無条件に子犬はもうもう・・・・(悶死)

今日は「なんで子犬はそんなに可愛いのか?」というお話です。

さっき「無条件に」と書きましたけど、実は無条件なんかじゃなくて、ちゃんと条件付がされていて、可愛いと思うのは必然なんです。

子犬に限らず、人間の赤ちゃんでも子猫ちゃんでも、哺乳類の赤ちゃんを見ると、ほとんどの人が目を細めて
「きゃわうぃうぃ~~~~♪」
って言っちゃいますよね?

一説によると、それは赤ちゃんの戦略だそうです。
戦略って言っても、赤ちゃんが夜な夜な策略を練っているってことではなく、長い進化の過程において「赤ちゃんの時は可愛いと思われると、生き延びる可能性が高い」って理由からそのようになっていったということです。

わたしたちが「可愛い」と思う哺乳類や鳥類の赤ちゃんの共通点は

1.大きな頭
2.頬が丸い
3.目と目が離れている
4.顔のパーツが低い位置にある
5.丸くずんぐりとした体型


です。
その特徴をベビーシェマと名付けた人がいます。
”刷り込み”でお馴染みのノーベル賞受賞者のローレンツさんです。
こういった赤ちゃんの特徴を目にした人はみな、

「なんて可愛らしい!守ってあげなくちゃ!」

と感じる・・・そして、そう感じることは、ローレンツさんによると「生まれつき備わったもの(生得的解発機構)」ということです。

一方で、早稲田大学の根ヶ山光一さんが行った面白い実験があります。
生後0~2ヶ月から生後24~29ヶ月の人間の乳幼児の写真を用意して、どの月齢の子が可愛いと思うか?を判定してもらうという実験です。

判定者は『子供を持つ母親のグループ』と『女子学生のグループ』
これは、子育て経験の有無が結果を左右するのか?あるいは「生まれつき」そう思うものなのか見極めるためです。

結果は・・・
どちらのグループでも『1歳前後の赤ちゃんが一番可愛い』
という答えが多かったのです。
そして・・・生まれたばかりの新生児については最もポイントが低かったとのこと。

本来、一番「守ってもらう」必要性がありそうな新生児より1歳の赤ちゃんの方が可愛いとは、どういうことでしょうか?

これについては諸説あるようですが、
『1才前後は自立的な活動が始まり赤ちゃんの事故が増加する時期なので、見た目の可愛らしさによって親の保護を促すためではないか?』
という説に私は納得しています。

もうひとつ、可愛らしいことには違いないのですが、馬や牛など、天敵が多く、捕食者よりも被食者になりがちな動物の赤ちゃんというのは、人間や犬、ライオンなどの子供と比べて、体型も丸っこくありませんし、赤ちゃんぽさが少ないように感じますね。
これは、あどけなさや可愛らしさが逆に狙われやすいというリスクを招くからだと言われています。
確かに、馬や牛の赤ちゃんは生まれて間もなく自分の足で立ちます。
親の保護さえあれば、ある程度の安全が手に入る種と、親さえも動物ヒエラルキーの下の方にいるために、親の保護ばかりに頼っていられない種がいて、それぞれの事情に応じた進化をしてきたのでしょうね・・・奥深いなぁ~

そういったことから推察すると、人間の赤ちゃんにせよ、子犬にせよ、

『一番可愛らしい時期こそ、一番目をかけて注意してみてやる必要がある時期だよ!
頼むよ大人の皆さん!!』

っていう無言の赤ちゃんたちからのメッセージが発せられているように思えてなりません。

朝焼けの海のおさんぽで、みんながガン見しているのは
ウインドサーファーです。
三浦海岸は波が穏やかなので、
ウインドサーフィンやシーカヤック、SUPなどが楽しめます。

2017年2月17日金曜日

狂犬病の予防接種について②

副作用のリスクもある狂犬病予防接種。
日本国内では60年以上も狂犬病の発生がないことから、近年、飼い主さんの判断で接種をさせない選択をする人が増えているようです。

けれども前回のブログで
『私は自分の犬に狂犬病の予防接種を受けさせます』
と書きました。
今回はその3つの理由をお話したいと思います。

【万万が一の場合、他人様にかける迷惑が甚大すぎるから】
狂犬病は人を含むすべての哺乳類が感染する病気です。
人に感染した場合、ただちにワクチンを接種することで発症を防ぐのですが、傷口が脳に近いと間に合わないことが多いそうです。
しかも、潜伏期間は通常1~3か月、長い場合1~2年という事例もあり、その間は感染に気付くことができません。感染に気付けないということは、ワクチン接種しないので発症を待つばかりとなってしまいますね。
「ちょっと噛まれたけどたいしたことない」
とバンドエイド貼ってチチンプイプイしておいたら1年後に・・・
ということがあるってことです!!
そして、発症してしまうと治療法はなく、けいれんや呼吸困難、麻痺などを引き起こしてほぼ100%死亡する恐ろしい病気です。
感染した哺乳類から噛まれるだけでなく、傷口を舐められただけでも感染します。

愛犬に、飼い主が義務付けられた狂犬病予防接種を受けさせたら、不幸にも副作用によって命を落としてしまった・・・
それはとても悲しく、飼い主さんとしては耐えられないことです。

けれども、飼い主の義務を怠った結果、まさかまさかの60年ぶりの狂犬病日本国内発症犬第一号に愛犬がなってしまい、狂暴化した愛犬が、家族やご近所の人を次々と噛んで死に至らしめてしまった・・・
それはもう、悲しいとか耐えられないとか言っているレベルのことではありません。


②【絶対に日本に入ってこないと言い切れないから】
日本では予防接種の義務付けと水際の検疫によって長い間清浄国を保っていますが、世界から根絶された病ではなく、そればかりか海を隔てたすぐ隣の中国やバングラデシュでは毎年2000人以上が、インドなんか20000人もの人が亡くなっています。

現在、厚労省によると清浄国は日本以外にわずか7か国しかありません。
アイスランド、アイルランド、スウェーデン、ノルウェー、イギリス、オーストラリア、 ニュージーランドです。
どこも、周囲を海に囲まれているので、水際で食い止めやすいのが理由かな・・・と推測できますね。

実は、つい最近まで台湾も清浄国でした。やっぱり海に囲まれていますよね。
ところが、その台湾で2013年、野生動物の間で狂犬病の流行が確認されました。
ななななんと!!およそ50年ぶりにです!!!
その翌年7月までに、台湾国内の広大な地域にわたって、イタチアナグマ389頭、ジャコウネズミ1頭、犬1頭に狂犬病の発生が確認されました。
ウイルスの遺伝子情報から、実は何十年も前から台湾の野生動物の間で、流行があったことがわかったそうです。
50年も清浄国だと思われていたのに・・・

もうひとつ、やはり2013年に、スペイン西部のある州で1975年以来40年ぶりに狂犬病が発生しました。
犬種はピットブルで、2歳、6歳、12歳のお子さんと、17歳の男性が次々に噛まれました。
飼い主は危険犬種に必要なライセンスを持っておらず、ノーリードだったそうです。
その直前、愛犬と共にモロッコに滞在していたことからそこで感染した可能性が高く、更にスペイン入国の際に狂犬病予防接種の記録を改竄(かいざん)した疑いもあるということです。
40年も清浄国だったのに・・・

「だったら日本はもっと検疫を徹底すればいいんじゃないの?」
と思いますよね?私も思いました。
でもね実際、完璧な検疫なんてできないんですよ。
日本に輸入する動物という位置づけではなく、ロシアの漁船に乗組員が乗せていた犬や猫が日本の港で脱走しちゃったり、アジアの船にハクビシンが潜り込んでいて、その船が日本に漂着しちゃうとか・・・そういうことが起きちゃうんです。

【法律によって義務付けられているから】
「狂犬病の予防接種によって愛犬の命を危険にさらしたくない」←わかります。
予防接種に限らず、愛犬に降りかかるリスクはできるだけ減らしたいと私も思います。

でも・・・
「だからうちの犬には自分の判断で予防接種しない」←それはう~ん・・
法律によって義務付けられている狂犬病予防接種を自己判断で怠れば、法律違反で20万円以下の罰金対象です。

残念ながら、どうしても予防接種をしたくない場合、現状は犬を飼わないか、接種の義務付けのない国に移住するしかありません。
※後述しますが、獣医師の判断による例外はあります

最も現実的な方法は、法改正に向けたなんらかの努力をするしかないのだと思います。


長くなりましたが、以上が私が自分の犬に狂犬病の予防接種を受けさせる理由です。

現在、厚労省のデータでは、全国の狂犬病予防接種の接種率はおよそ70%ですが、これは登録されている犬についてのデータでしかなく、実際登録すら怠っている人が多いことから、本当の接種率は50%を切っていると言われています。
清浄国の状態を保つには70%以上の接種率が必要と言われていて、今の日本は、実は外来生物から狂犬病が入ってきてしまった場合、感染が一気に拡大する恐れがある、とても危険な状態にあるそうです。

最後に・・・
Facebookで前回の記事を読んでくださった方から
『家のワンコは、高齢でいろいろ病気がちになってから、かかりつけの先生が狂犬病免除の証明書を発行してくれました。
信頼できる獣医さんに相談すればリスクは回避できると思います。』
とのコメントをいただきました。

仰る通りです。抵抗力が落ちているワンちゃんで、狂犬病にかかるリスクより、予防接種をすることのリスクが高いと獣医師が判断した場合、狂犬病予防注射猶予証明書を取得することができます。
ご助言いただき、大変ありがとうございました。

それに伴って、Pet Hotel 11!の利用規約を一部変更し、狂犬病予防注射猶予証明書を取得しているワンちゃんについてもご利用対象とさせていただくことにしました。
※実際にお受けできるかは、お預かり時の健康状態によって判断させていただきます。

春一番が吹いた三浦海岸。
昨日からお預かりのゴールデンレトリバーのモモナちゃん
強風の中でも笑顔です♪














2017年2月16日木曜日

狂犬病の予防接種について①

年1回の狂犬病の予防接種は、現在日本国内で犬の飼い主さんに義務付けられています。
けれども、その予防接種によって残念ながら副作用で苦しむ犬や、最悪の場合亡くなってしまう犬もゼロではありません。

日本では1956年以降、狂犬病の発生がありません。(狂犬病の清浄国と呼びます)
※清浄国ではない国に渡航して現地で犬に噛まれて帰国後感染した人は最近でもいます。

そんな清浄国なのに、いまだにリスクのある狂犬病予防接種を犬に受けさせるのはおかしいのでは?という理由で予防接種を自発的に拒否している飼い主さんたちもたくさんいます。

これは、とっても難しいお話です。
フード問題と同じように、賛否が極端に分かれる話題だからです。

こういう、賛否が分かれるテーマの場合、どうしても一方が他方をねじ伏せて、自分の意見に賛同させようとしますけど、私はそうしようとは思っていません。
そもそも賛否が分かれるのは何故かというと、どちらにもそれなりの理由や根拠があって、そのどちらかが絶対的に正しかったり間違っていたりということではないからだと思うからです。
(おーなんか哲学的すぎて何言ってるかわかんないぞ~)

ま、そういった前置きをした上で、じゃあお前はどっちの立場なんだ?
と訊かれたら、『私は自分の犬に狂犬病の予防接種を受けさせます』です。

ついでに、Pet Hotel 11!の規約にも、狂犬病をはじめとする感染症の予防接種を行っていないワンちゃんはお預かりできないと明記しています。

その理由はまた次回にお話します。

今朝も”なつ”は眼を飛ばす・・・
ジイイイイイイ~~~

え?!(汗)←殺気を感じるカモメ
逃げてぇぇぇ~~!




2017年2月15日水曜日

なんなんでしょう・・・

私はペットの生体販売には基本的に反対の立場です。

生きている犬や猫に値札をつけ、まるで生活雑貨と同じように陳列・・・

逃げ場のない狭いガラスケースに閉じ込められて、知らない人々にジロジロ見られる子たち・・・

流行りで売れ筋の犬や猫は無計画にできるだけたくさん母犬に産ませるだけ産ませて、母犬や兄弟と過ごす、十分な社会化の時間も与えず売る・・・

その結果売れ残った子たちの行先は・・・( 号泣)

生体販売それだけが、殺処分になる犬猫がなくならない原因とは思っていませんが、間違いなく原因のひとつだと思いますし、その展示販売の在り方そのものが、売られている動物にとって大変なストレス=虐待だと感じています。

いきなり生体販売そのものを廃止するのは難しいのかもしれませんが、少しずつでも殺処分になる子が減るように計画的な繁殖を促すような制約をつけるとか、販売されている子たちのストレスを最大限考慮するような法整備をしていくべきです。

同じような考えで、日本で声をあげたり活動している人は年々増えてきているように感じるのですが・・・

昨年、猫の生体販売について、
「動物の愛護および管理に関する法律施工規則」と
「第一種動物取扱業者が遵守すべき動物の管理の方法等の細目」
に、以下のような改正がありました。

改正前
【販売業者、貸出業者または展示業者による犬又は猫の展示時間は午前8時から午後8時まで】

改正後
午後8時から午後10時までは、特定成猫に限り展示を行うことができる】


特定成猫っていうのは・・・
●生後1年以上であること
●午後8時から午後10時までの間に展示される場合には、休息できる設備に自由に移動できる状態で展示されていること

となっていて、
●1日の特定成猫の展示時間は12時間まで
という条件がついてはいるものの
そんなもの・・・キッチリ確認できるわけないじゃないのよぅっ!!(地団太)

展示時間が短くなることはあっても、まさかここへきて長くなることがあるなんて思ってもいませんでした。

そうしなくてはならない理由って一体なんなんでしょうね・・・
誰のためなんでしょうね・・・

いやだなあ、この国のそういうところ・・・嫌いだなぁ・・・

あ、犬のお話ではなくてごめんなさい。
でも、愛玩動物を取り巻く法改正という意味では同じですニャ~

カモメに眼を飛ばす”なつ”
それをおののき見つめる”ボス”
「早くにげてっ!」>カモメ

2017年2月14日火曜日

バレンタインデー

今日はバレンタインデーですね。

日本ではすっかり「チョコレートをあげたり自分で買って食べたりする日」になっていますね(^-^;

2月はもう、太巻き(←恵方巻と言うんですってよ)を黙々と食べたり、チョコレートを食べたりしなくちゃいけなくて、人間たちはとても忙しいわけです。

さて、バレンタインデーだからって、
「うちの可愛いワンちゃんにも愛情いっぱいのチョコレートをあげましょうねぇ」
なんて恐ろしいことを考える飼い主さんはいらっしゃらないかとおもいますが、実際、バレンタインデーのある2月は、獣医さんに『チョコの誤食』で担ぎ込まれるワンちゃんがけっこう多いのも事実なんです。

要するに、飼い主さんが、14日にパパや息子や彼氏にあげようっと・・・と思ってチョコの包みをどこへやら隠しておいたり・・・
パパや息子や彼氏が、もらったチョコを大切にしまっておいたり・・・
好きな人に渡せなかったチョコを泣きながらゴミ箱に捨てたり・・・
とかなんとかしたものを、ワンちゃんが漁って食べ、結果中毒になっちゃうということなんですね。

どうか、愛犬家のみなさま、くれぐれもワンちゃんのチョコレートの誤食にはご注意下さいませ!!

ぎゃああ~!
海岸沿いの、絶対に近寄りたくない場所
大量に転がっているのはドロボウさん(ヒッツキ虫)
こいつが犬の毛にまとわりつくと、ほんと大変なんですっ!

2017年2月13日月曜日

犬のコスプレ

私はもともと、防寒対策や雨よけといった合理的な目的なしに犬にお洋服を着せるのはあまり好きな方ではありません。

それは単に好みの問題。
自然な状態の犬が一番かわいいと思っているからで、お洋服を着せている飼い主さんを批判するつもりはまったくありません。

なぜなら、犬は、大好きな飼い主さんが喜ぶことが何より嬉しいから。
実際、動きづらかったり煩わしかったりしたとしても、犬はそれを自分に着せることで、飼い主さんが笑顔になってくれたらそれで幸せなんですね。
なんて健気なんでしょう!!

でも、そんな健気なワンちゃんだからこそ、飼い主さんもちゃんと愛犬の様子を見て、どうか無理強いはしないであげてくださいね。





2017年2月12日日曜日

愛犬フード問題⑧

”ボス”と”なつ”に骨付き鶏手羽を与え、苦しい思いをさせてしまった私たちは、現在は

それまで食べていたカリカリフードに、鶏の手羽元のお肉と軟骨をトッピングして与えています。
※手羽元は必ず十分にレンジで加熱しています。
手羽先でなく手羽元にしたのは、お肉と軟骨がきれいに骨から取れるので無駄がないからというだけの理由です。
ただ、ご存じのように皮の部分はかなり脂っこいので、皮抜きにしたり、あげる量や頻度そのものを調整するなり、様子を見て都度対応しています。

今回、つくづく感じたのは、
『人間が如何に自分が信じたいと思う情報を信じる生き物か?』
ということでした。
もともと私たちの中に
ドッグフードや、そこに表記されている成分の信用度に懐疑的な気持ちだったり、美味しくなさそうという感情だったり、日持ちしすぎることへの気味悪さを感じていたりということがあったのです。

けれども、”ボス”と”なつ”が胃腸を壊して、冷静になってから改めて考えてみると、次のようなことに気づきました(←気づくのが遅すぎでーす)

●”ボス”も”なつ”も、カリカリフードですこぶる健康で元気モリモリだった。
●毎日カリカリフードばっかりなのに毎食とても喜んで食べていた。
●以前実家で飼っていたビーグルの”リンダ”はカリカリフードだけ食べ続けていたけれど、大きな病気もせず、17才で眠るように大往生したんだった。

米国の「オルタナティブ ファクト」じゃあありませんが、インターネットの普及に伴って、この先も私たちは真逆の情報がどちらも『真実です』と語られている情報をたくさん浴びながら、ますます真実を見抜くための冷静な判断力を求められていくのだろうと、気持ちの引き締まる思いがしています。

だからドラえも~ん!【うそ発見器】出してぇ~~~!(←ボカスカ)

ちなみに、”ボス”と”なつ”は、本当に鶏肉をものすごく喜んで美味しそうに食べます。
それは事実なのですが、お腹を壊してから少しの間は鶏肉を中止して、お湯でふやかした元のカリカリフードを食べていたわけです。
その時に
「なにこれ?ちょっとスタッフー!鶏肉乗ってないんですけどー?!」
みたいな態度はまったくとりませんでした。
大変美味しそうに脇目もふらず食べてくれましたし、お腹の調子が良い時に、わざと鶏肉なしでカリカリフードのみ与えてみたこともありましたが、やはり美味しそうに食べました。それも事実です。

でも・・・ホテルでお預かりしているワンちゃん(いつも食べているフードを持参していただいています)が、鶏肉ののった”ボス”と”なつ”のごはんの匂いを嗅ぐと、持ってきたごはんを全く食べずにおねだりする・・・ってことは多いんです(苦笑)
その場合、事前に飼い主さんに許可を頂いて、鶏肉の脂の少ない部位をフードにトッピングしてあげています。
手ごわい子は、トッピングした鶏肉だけ食べて「もっと♪」と言うので、念入りにフードと混ぜ合わせて、鶏肉の香りが全体にいきわたるようにしています。
これも事実ですハイ

ロッティくん、お帰り前の波打ち際のお散歩でした。
また遊びにきてねー!



2017年2月11日土曜日

愛犬フード問題⑦

母から超長期お預かりしている問題だらけのミニチュアダックス”ボス”と、要領のいいツンデレチワワ”なつ”に、できるだけ質のいい”食”を・・・との思いから起こした行動でしたが、結果的に

カットの有無やカットの仕方
よく噛んで食べるかどうか

といったことに全く関係なく、加熱した骨付き鶏手羽を食した2ワンが2ワンとも、嘔吐や下痢、血便といった苦しい思いをしたことになります。

私たちは、激しく後悔し、反省しました。
けれども、今回のように試してみなければ本当のことは判らなかっただろうとも思いました。
後ろを振り返ってばかりいても仕方ない。
この経験を、犬を飼っているたくさんの人に知ってもらいたい・・・と思いました。
可哀相な思いをするワンたちはもう増やしたくないのです。

ネットで検索すると、膨大な情報が溢れていて、そのどれが一体本当なのか?を見極めることはとてつもなく難しいことです。
結局は自己責任において、どの情報を信じることにするか?ということになります。

そもそも私たちが何故、世間一般に言われている
『犬に鶏の骨はご法度。特に加熱した骨は絶対にダメ』
という常識を知っていたにも関わらず、
【実はそれは真っ赤な嘘で、むしろ骨付き鶏肉は犬の大好物であるばかりか、健康にもすこぶる良い】
という情報を信じてみることにしたのか?その理由を考えてみました。


●今までの常識が、実は間違っていた・・・ということはよくあり、実際に経験しているから。

「母乳だけでは栄養が足りない。粉ミルクの方が優れている」
「乳児の頭が絶壁にならないよう、うつ伏せに寝せるのが好ましい」

など、そう言われた人々が我が子のためを思ってしていたことが、実はウソでした・・・
ということはいくつもあるのです。
『犬に鶏骨ご法度』も、そのひとつである可能性は十分あるのではないか?
野生の犬は鶏を捕まえて骨ごとバリバリ食べたり、ゴミを漁ってケンタッキーの骨などをかじっているはずではないか?・・・そう考える方が自然な気がしたのです。


●この取り組みを始める前はもちろん、試している3日間もずっと、犬と骨付き鶏肉についてのサイトをいくつも読んだけれども、実際に骨付き鶏肉を食べた犬が酷い目に遭ったという情報に出会えなかったから。

むしろ、私たちと同じように骨付き鶏肉を犬にあげて、
「喜んで食べた」
「なんともなかった。まんまと騙されてたんだ」
「毛艶がよくなり元気になった」
という情報の方が多く見受けられました。
けれども、私たちの試みが失敗した後、あらためて別な検索の仕方で、注意深く個人のブログなどを見ていくと、実際に鶏の骨が喉に詰まったなどという経験をされている方が、ごく少数ですがいらっしゃるのを見つけました。
これはあくまで想像ですが、自分の犬に積極的に、または過失によって鶏の骨を食べさせてしまい、苦しい思いをさせた・・・という経験は、飼い主さんにとってうしろめたいことだから、成功事例よりも情報が少ないのかもしれません。

最後に・・・
犬に鶏の骨を食べさせることは本当に危険なのか?
この問の答えは、正直私には判りません。
私がお伝えできることは、ただ
『我が家の2匹の犬は、2匹とも骨付き鶏肉を食べて吐き、お腹を下し、血便をしました』
という事実のみです。
その反面、実際に大丈夫なワンちゃんたちもたくさんいるようです。
とても羨ましいです。

同じ環境で暮らしている人間でも、花粉症やアトピーになる人とならない人がいるように、元来野生の犬が食べられていたものでも、ドッグフードに慣れた子の中には消化することができる子とできない子がいるのかもしれません(あくまで想像による私見です)

『犬に鶏骨を食べさせることはNGだから絶対に止めましょう』
と声高に言うつもりはありません。

それでも敢えて、恥を忍んで私たちの失敗談をここに書いてきたのは、圧倒的に少なかった失敗例の情報を少しでも補完し、これから愛犬に鶏骨を与えてみようかと迷っている方のひとつの判断材料になればと考えたからです。


で・・・現在のうちの子たちのごはんですが、長くなりすぎましたので次回にします。

海に続く鏡のような川面
”なつ”の隣にいるのは”ボス”?
ブビー!カニンヘンのロッティくんです
シルエットがそっくり ( ´艸`)


2017年2月10日金曜日

愛犬フード問題⑥

※繰り返しになりますが、このブログを愛犬のごはん選びの参考になさろうとしている方へ
どうか、シリーズの最後までお読みいただくまで絶対に行動を起こさないでください。

今までの経緯は、前のブログをごらんください。

さて・・・

”ボス”には骨を取り除いた、軟骨とお肉部分だけをカリカリドライフードにトッピング。
”なつ”には1~3日目と同様、骨付き手羽先を骨ごとハサミでカットしたものをトッピング。

という形でごはんをあげることにした私たちですが、4日目にそのようにした結果・・・
”ボス”はたいそう美味しそうにごはんを食べ、夜中にゲエすることもありませんでした。
問題は、予想に反して”なつ”でした。
なんと!!1~3日目まで、カットした骨付き手羽肉をとても上手に噛んで食べ、まったく問題が起きていなかった”なつ”が!!!
突然のゲリとゲエ(←ぐりとぐらの親戚ではない)
しかもゲリには鮮血が混じっているではないですか!!!( ノД`)

もう・・・泣きました。
”ボス”と”なつ”が可哀相で、申し訳なくて・・・

幸い、”なつ”はその後
1回絶食 → お湯でふやかしたドライフードと胃腸薬(ビオフェルミンです)
で、たちまち完全回復しましたが、2度と思い出したくもない、心臓が締め付けられる思いでした。
(今、思い出して目頭を熱くしている)

なにかっちゅーと、しょっちゅう吐いているゲエ達者の”ボス”が、ほとんど噛まずに食べたことでゲエしたのは、ある意味想定の範囲内でしたが、
お手本のように上手に骨を噛み砕いて食べていた”なつ”までもが・・・
しかも、上げて下して下血して・・・

こうなってしまうともう、悔しいやら悲しいやらですが、
”ボス”と”なつ”に骨付き鶏肉を与えることは金輪際できません!しません!
そういう結論以外、誰が導き出すことができましょう?

この、”ボス”と”なつ”には実に申し訳ないことをしてしまった経験から、私たちが学んだこと。そして現在の彼らのごはんはどういうものにしているか?
というお話は、長くなるのでまた次回にさせていただきます。

ボクのこと【アホみたい】とか言ってさ!
ホント酷い目に遭ったよ。もう勘弁してよね!



本日からお泊りのロッティくん。
甘えん坊のイケメンくんです♪




2017年2月9日木曜日

愛犬フード問題⑤

※くどいようですが、このブログを愛犬のごはん選びの参考になさろうとしている方へ
どうか、シリーズの最後までお読みいただくまで絶対に行動を起こさないでください。


アホみたいに早食いのミニチュアダックス”ボス”
と、
ちゃんとよく噛んで食べるツンデレチワックス”なつ”
に、
『実は犬に鶏の骨はご法度という情報はドッグフード業界と獣医業界が流布したガセネタで、本当は骨付き鶏肉が大好物な上、健康にもよく安心安全』
という情報を得て、加熱した骨付き鶏手羽を少しずつ与え始めてみたわたしたち。


【1日目】
カットした骨付き手羽をほぼ丸呑みした”ボス”は夜中にゲエ!
同じものをよく噛んで食べた”なつ”はなんともない。

【2日目】
噛ませるために”ボス”の鶏手羽をカットせず、”なつ”は前日と同様にしたところ、
噛む回数は少なかったものの”ボス”はノーゲエ(←ゲエをしなかったと言いたい)
前日同様”なつ”はノープロブレム

【3日目】
2日目と同様のあげ方をしたにも関わらず、
”ボス”はまたしても夜中にゲゲゲエ ( ノД`)
”なつ”は相変わらず問題なし

ここにきて、私たちは頭を抱えました。
”ボス”のゲエに関して、1日目は
「まあよく吐くゲエ達者だから・・・」
と様子を見ることにしたものの、3日目に再びゲエしたということはもはや、2日目にゲエしなかったのが”たまたま”と捕えるのが妥当という結論に達しました。

「とにかく・・・とても喜んで食べたのは確かだけど、これ以上続けることは、胃腸や食道の負担になるから、残念だけど”ボス”に骨付き鶏手羽をあげるのは中断しよう」

けれども、よく噛んで美味しそうに食べて、まったく問題なさそうな”なつ”に関しては、そのまま続けてもよいのではないか?

だけどそうなると、ごはんの時間に”なつ”だけがあのたまらなく良い香りの鶏肉を食べることになる。
そんなの”ボス”が可哀相すぎるっっ!!

結局、私たちは以下のようにすることにしました。

”ボス”には骨を取り除いた、軟骨とお肉部分だけをカリカリドライフードにトッピング。
”なつ”には1~3日目と同様、骨付き手羽先を骨ごとハサミでカットしたものをトッピング。

さて・・・その結果、予想外の出来事が起きたのですっ!!


長くなるので続きはまた・・・

”なつ” ホラ見てなさい。よく噛むってのはこうやるのよ!
”ボス” ハイ先生・・・(←実は眠くてろくに見てない)


2017年2月8日水曜日

愛犬フード問題④

※繰り返しますが、このブログを愛犬のごはん選びの参考になさろうとしている方へ
どうか、シリーズの最後までお読みいただくまで絶対に行動を起こさないでください。

つづきです。

その前に、私たちが試行錯誤を始める前、そもそも我が家の2ワンがどんなごはんを、どのように食べていたのかご説明します。

基本はペレット状のドライフードでした。
そこに缶詰のウェットフードやジャーキー、時にキャベツなどをトッピングしたりしなかったり・・・

ミニチュアダックスの”ボス”は、とんでもなく早食いです。
あまりに早いので、毎回小分けにして食べさせていたほどですが、正直、小分けにしようが一気に食べようがあまり大きな健康上の違いはないと感じてもいました。

チワックスの”なつ”は、実家にきた当初はものすごく食べるのが遅く、まるで猫が小動物を玩ぶかのようにごはんを扱う『遊び食べ』をしていました。隣で瞬食した”ボス”が
「要らないんだったらちょうだいよぅ~~!」
と身悶えするのを愉しむかのようなドSチワワ”なつ様”・・・
そして”なつ”は便秘気味でかなりポッテリ体型でした。
けれども実家から私たちのところに来てからは、お散歩にかなり時間をかけたため、便秘解消。体はスッキリ♪。そしてごはんも遊ばずに食べるようになりました。
ただ、”ボス”のごとく【アホみたいな早食い】は決してせず、女子らしくキチンと噛んで食べます。

さて、その【アホみたいな早食い】をする”ボス”に、ハサミでカットした骨付き鶏肉を与えた結果、普段のフードと同じように【アホみたいな丸呑み】をして、結果夜中にゲエしたことを受け、私たちは翌日、”なつ”には昨日と同じ大きさにカットしたものを、
”ボス”にはカットしない状態で骨付き手羽先を、量は前日と同様1本ずつ与えてみました。

その結果・・・
前日同様、美味しそうな鶏肉の香りにたいそう色めき立つ2ワン。
そして・・・
”ボス”は噛みました(万歳!)まあ噛まないと絶対食べられないサイズですからね・・・
でも・・・
「え?もう?飲み込む?2~3噛みしかしてないけど大丈夫?!」
と思うくらいの噛み方で、見ているこちらの心臓に悪い悪い・・・(滝汗)
それでも食べ終えた本犬さんは「あー美味しかったよ~♪」という風情でお皿まで丹念に舐めてケロリとしています。
でも騙されないぞ・・・昨日だってそんな顔しててゲエしたんだからアナタは!

翌朝、ドキドキしながらハウスに向かうと・・・
やりましたっ!ゲエしていませんっ!
もちろん、よく噛んで食べた”なつ”も元気モリモリ♪

「このままの量でもう少し続けてみて、スッカリ安心と思えたら、ドライフードの分量を減らし、骨付き鶏肉の量を増やしていってもいいね!あんなに美味しそうに食べるのを見ていると、こっちまで嬉しくなっちゃうものねぇ!」

そんな風にルンルンで語り合いました。

ところが翌朝・・・”ボス”はまたしてもフードボウルにゲエしていたのです!
しかも・・・ゲエ達者は貫禄が違う!
自らのゲエに片方の垂れ耳をドップリ浸からせてグウグウ爆睡していたのですっ!!

人間の私たちですら「臭っ!」とたじろぐような強烈な臭いだとゆーのに
ヒトの1億倍(イチオクバイですよ奥様!)の嗅覚を持つ犬が犬が・・・自身の耳をそこに突っ込んで熟睡した挙句
「ああ~よく寝た♪ん?もう朝なのですか?」
みたいな顔するのはなぜ・・・(アホみたいなゲエ術家だから?)

・・・まあ今でこそ振り返ってこんな風にお茶らけてますけどね、実際当日の私たちは相当ガックリきました。

あんなに美味しそうに食べる骨付き鶏肉をもう諦めなくてはならないのか?・・・という残念さ。

私たちのせいで苦しい(その上臭い)思いをさせてしまった申し訳なさ。

フード問題の一筋の光が見えたと思っていたのにそうではなかったのかという失望感。

色んなものがない交ぜになり、やりきれない気持ちになりました。


だいぶ長くなりましたのでつづきはまた・・・

”ボス”「なんかものすごくボクの悪口言われてる気がするけど・・・」
”なつ”「ケケケ!そ~よ。アンタが鈍感だって言ってるのよ」



2017年2月7日火曜日

愛犬フード問題③

※昨日も書きましたが、このブログを愛犬のごはん選びの参考になさろうとしている方へ
どうか、シリーズの最後までお読みいただくまで絶対に行動を起こさないでください。


問題行動犬”ボス”とツンデレチワワ”なつ”に、加熱した骨付き鶏肉をあげてみることにした私たち。

まず最初の日は、いつものドライフードを少な目にし、そこにレンジで加熱した骨付き手羽先をキッチンバサミでカットしたものをトッピングする形にしました。
まだ、ガッツリ骨付き鶏肉をあげるのは怖かったからです。

結果・・・まずごはんの匂いの時点で、”ボス”も”なつ”も大興奮!
そりゃそうですよ。私だって「ん~~美味しそう♪」とよだれが出ちゃうような香りなんですからね。

いつもは「マテ」を大人しくする”なつ”が、珍しく「ク~ンク~ン早くちょうだ~い」と悩殺おねだり声をあげて、私たちを驚かせます。

そして2匹は、骨付き手羽先と、その香りがついたドライフードを実に美味しそうにムシャムシャと完食し、空っぽになったお皿を丹念にペロペロと舐め、お互いのハウスを覗き込んで
「もうない?」
とでも言いたげな感じでした。

食べながら、骨が喉につまってゲホゲホしたりすることもなく、何よりあまりに美味しそうに食べるのを見た私たちは、本当に安心しましたし、嬉しかったです。

そして、その夜も特に変わった様子なく、グッスリと眠った2匹。

「よかったよかった。すごく喜んだよねぇ!もっと早く骨付き鶏肉をあげればよかったねぇ」

そんな風に語り合ったものです。

ところが・・・翌朝、お散歩に連れ出そうとハウスの前に行くと・・・

「く・・・くさい!」

なんと”ボス”が、お水を入れているお皿に夜中にゲエしていたのです。

ショックでした・・・
あんなに美味しそうに食べたのに・・・

けれども”ボス”は元気いっぱい。お散歩もルンルン元気よく歩きました。
それに”ボス”は、普段からよく吐く子なんです。
ボールをガジガジしてはゲエ~
葉っぱをハムハムしてはゲゲエ~
木の枝をガリガリしてはゲゲゲのゲエ~

こんなお話でホント申し訳ない・・・でもそうなんです。
そもそも犬はよくゲエする生き物でもありますし、その犬の中でも”ボス”はなんとゆーか・・・
ゲエ慣れしているゲエ達者な犬でして・・・(←つまんないぞひっこめコラ~!)

その日1日注意深く様子を見ていましたが、ウンチも問題なさそうだし、いつも通りケロリとしていましたので、私たちは骨付き鶏肉を継続してみることにしました。
同じものを食べた”なつ”に体調の変化が見られなかったことも大きな判断基準でした。

「”なつ”はよく噛んで食べていたじゃない?でも”ボス”はあまり噛まずに丸呑みに近かったよね?”ボス”の場合は、下手にハサミで小さくするよりも、噛まざるを得ない大きさであげた方がいいのかもよ?」

「うん、そうだね!じゃあそうしよう!」

ということで、”なつ”には昨日と同じ大きさにカットしたものを、
”ボス”にはカットしない状態で骨付き手羽先を、
量は前日と同様1本ずつ与えてみました。


長くなるので続きはまた・・・

これがゲエ達者な男の背中・・・



2017年2月6日月曜日

愛犬フード問題②

※このブログを愛犬のごはん選びの参考になさろうとしている方へ
どうか、シリーズの最後まで必ずお読みいただいてから行動を起こしてください。



わたしたちが、犬たちの”食”を真剣に考え、辿り着いた「これだっ!」と感じた情報
それは以下のような内容のものでした。


● 犬は骨付き鶏肉が大好き。

● 鶏の骨がダメだという日本で謳われている常識は獣医やドッグフード業界が売上を伸ばすためにねつ造した話。

● 本来、野生の犬は肉食で鶏肉も骨のまま嚙み砕いて上手に食べるもの。

● 鶏の骨をガリガリ食べていると、歯磨き効果が絶大で、歯石がたまることもない。

● 歯石がなくなり、歯磨きの必要がなくなるだけでなく、毛艶もよくなり聞き分けもよくなる


もしもこれが本当だったら、そんな素晴らしいお話はありません。
犬たちが喜んで食べて、歯にも健康にもよいことだらけ。そして何より保存料や添加物が入っていない、私たちが口にするものと同じものなのですから安心安全!

けれども、鶏の骨は、犬には絶対に与えてはいけないものという常識は簡単に払拭できませんでした。
だって・・・

【鶏の骨は縦に裂けて大変鋭利になるので、犬の喉・食道・胃腸を傷つけたり最悪の場合は刺さってしまう危険性がある。特に加熱した骨は大変危険!』
と言われているではないですか?
万が一にもそんなことになったら・・・
問題行動犬”ボス”や、ツンデレチワワ”なつ”がもがき苦しむ姿が目に浮かび、簡単に実行する気にはなれませんでした。

それにしても・・・
その情報が書かれているサイトには、実際にご自分の愛犬に骨付き鶏肉(しかも加熱したもの)を与えた方からの、
『喜んでバリバリと上手に噛み砕いて食べた!』
『続けるうち、歯垢がきれいに落ちて獣医さんに褒められた!』
『今までずっと騙されてきたんだと思うと悔しい』
といった喜びの声が続々と寄せられています。

そのサイトも、何かの商品を売りつけようとしているものではなく、とても親切に詳しく、鶏肉のどの部分をどのように与えるかについても説明してくれていて、愛犬家にとって必要な情報を発信してくださっている、とても良心的なサイトだと判断しました。

こうして私たちは、ドキドキしながら”ボス”と”なつ”に、骨付きの手羽先をレンジで加熱し、ハサミでカットしたものを与えました。


長くなるので続きはまたにします。


※くどいようですが、この段階で上記内容を真似して実践することはおやめください。
まだ続きがありますから・・・お願いですお願いです。

絵になるイタグレ ろいろくん、今日でお帰りです。
楽しかったよ。ありがとう♪また遊びにきてね~!




2017年2月5日日曜日

愛犬フード問題①

以前、『満足してますか?』というタイトルで、以下のように書きました。

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犬の満足度の大きなポイントは

お散歩とごはん
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では一体、愛犬にどんなごはんをあげればいいのでしょう?
インターネットで検索すると、
「自然派」 「グルテンフリー」 「無添加」 「食いつきがいい」「栄養バランスがいい」 「安心」
などなど、たくさんの情報が溢れかえっています。

また、かかりつけの獣医さんによっても、すすめるフードが違っていたり・・・

そもそもドッグフードなんてものは、人間が食べることができないような廃棄するものだけで作られていて、成分の表示義務もいい加減なので、何が入っているかわかったもんじゃない・・・
とかいう怖い情報もあって・・・

家族のように愛犬を思う飼い主さんとしては、
一体全体、何が真実なの?何を信じればいいの?!
と、この問題に真剣に向き合おうとすればするほどパニックになってしまいますね。

実は私も以前、かなり熱心にこの愛犬フード問題を調べ、色んなフードを試行錯誤しました。
けれども、とても良さそうな缶詰フードを見つけ、犬たちも喜んで食べてくれたので、大量に買い溜めしたものの、その後、
”缶詰の内側には錆防止のための薬品が塗ってあり、それが健康被害を招く可能性がある”
という情報を得て、「フリダシニモドル」というようなことがあり、もうすっかりインターネットの情報そのものに疑心暗鬼になってしまいました。

そんな時、たくさんの情報の中から「これだっ!」と思う情報を見つけました。


長くなるので続きはまた・・・


寒がりイタグレのろいろくんは、いつも寝袋にすっぽり入ってスヤスヤ眠ります(o^―^o)


2017年2月4日土曜日

リーダーウォーク

わたしたちが”ボス”に実践したことの中で、一番目に見えて、彼の問題行動全般に効果があったと思うこと・・・

それがリーダーウォークです。

リーダーウォークとは、要するにお散歩の時など、犬を連れて歩く際に、リードを持つ人が主導権を握った状態で歩くことです。

進む? or  止まる?
歩く?  or  走る?
どちらの方向に行く?

といったことを全て、犬の好き勝手にさせるのではなく、こちらが決め、犬はそれにちゃんと従う状態です。

”ボス”と”なつ”の場合、1時間~1時間半ほどお散歩しますが、前半はずっとリーダーウォークでのお散歩をします。
オシッコも、クンクン嗅ぐのもなし。
ひたすらこちらのペースでグングン歩きます。

※ただし、ウンチの時だけは立ち止まってさせてあげます。
※オシッコをお外でしかしない子で、溜まっている場合は出発の時にすぐ済ませてあげるといいでしょう。

クンクン嗅いだり、マーキングのオシッコをしたりは、お散歩のほんの最後の10分程度。
それでも、”ボス”と”なつ”が物足りなさそうにしたり、お散歩に行きたがらなかったりとうことはありません。
改めて、犬はリーダーについて歩くのが大好きなんだなぁと実感します。

リーダーウォークの練習をして、それを実践することには、ボスにとって、次のような大きな意味がありました。

●主導権を握っている人(リーダー)は誰か?を犬がハッキリ認識することができる。

以前も触れましたが、犬はそもそも群で生活し、リーダーに率いられてエサを求めて長い距離歩き回るのが日課です。その際、隊列の先頭はもちろんリーダー犬です。
その形を実践してみせることで、犬はシンプルに「この人がリーダーなんだな」と感じ取ります。
ハッキリとそう認識でき、それを受け入れた後は、リーダーの指示に従うことはその犬にとって、ごく当たり前になります。
つまり、聞き分けのいい子になるってことですね。


●リーダーと一緒にグングン歩いていることで、臆病な”ボス”が自信をつけることができる。

”ボス”は極度に臆病でしたから、お散歩中も常に尻尾を縮めていました。
遠くの方に他の犬がいるのを発見すると私の後ろに隠れて尻尾は足の間。卑屈な顔をして歩みを止めてしまっていました。
けれども、リーダーについて脇目もふらずグングン歩く!というお仕事に集中していることで、他の犬や人とすれ違う時も、キリリと前を向いて歩き続けます。
するとどうでしょう?オドオドしていた”ボス”に吠え付いてきていた犬も吠えなくなってきました。
まるで、カツアゲにばかり遭っていた子が、リーダー格の強いお友達ができて、その子と一緒に行動するようになって、態度も変わってきたのでカツアゲされなくなった・・・という感じ?(ちょっと違うか)
そんなお散歩を続けていると、”ボス”自身が「ボク、けっこう大丈夫かも?」というように自信をつけて、たくましい態度になってきたのが解りました。
この変化は”ボス”の問題行動を正すのに最も役に立ちました。


ちなみに・・・ツンデレチワワの”なつ”の方は、むしろ気の弱そうな他のワンちゃんに「オラオラ!」と小さな体で吠え付いたりしていたのですが、ボス同様リーダーウォークに集中しているせいか、それもほとんどなくなりました。
たまに「オラオラ!」しようとした時は、リードをクイッ!と引くと「オ・・・」みたいな感じですぐやめます(^◇^)

朝のお散歩で発見した、カモメたちの集会のあと


イタグレのろいろくん、完全防寒で海岸のおさんぽ






2017年2月3日金曜日

問題犬”ボス”の成長ぶり

以前、問題行動のお徳用袋みたいな我が母の愛犬”ボス”のお話をしました。

ボスはもう6歳になろうかというオジサン犬ですから、小さい頃から綿密に育まれた問題行動を正していくには、それなりの根気が必要です。

”ボス”がPet Hotel 11!に超長期預かりとなって、半年近く経ちます。
さて、”ボス”は、現在どうなっているでしょうか?


●極度に臆病(よその人も犬も怖い)

臆病ではありますが、『極度』という感じはもうありません。
以前のようにお散歩中に他のワンちゃんが遠くに見えただけで尻込みしたり、すぐに尻尾を後ろ足の間に丸め込んで吠えたてたりすることもなくなりました。
むしろ、お散歩中は余裕しゃくしゃくといった感じで堂々と歩いています。
ただ、他のワンちゃんとの交流が好き!っていうことはなく、
「ボクのことは、できれば放っておいてよ」
ってな感じです。


●もう6歳のオッサンになろうというのにうれション癖がある

うれションは、このところほとんどしていません。
久しぶりに母が”ボス”に会いにやってきて、”ボス”が興奮状態の時に甲高い声で呼びかけたりすれば、チョロリと出ちゃってましたけどね・・・(^-^;


●ボールに対する異常な執着(正気の沙汰ではないほどの・・・)

ボールは相変わらず大好きです。
でも異常でも執着ってほどでもなくなっています。
ボールで遊びたがっても「ダメ」と言えばすぐに「チェッ」という感じで諦めますし、咥えたボールも「アウト」のコマンドで出すようになっています。


●興奮すると制御できない(グルグルピョンピョンうれションジョロロ~~)

これもほぼ制御できています。
グルグルもピョンピョンも、し始めたらすぐに制止すれば、ちゃーんとお座りしています。


●「遊んで!」「ボール取って!」「寂しいからこっち来て!」などの要求吠えが執拗に続く

これは一番最初に克服しました。
今はもう、声がかれるまで泣き続けることは一切ありません。


●実家の階段をひとりで降りることができない

これについては、もはや実家に住んでいないため検証してみてはいません。その必要もないでしょう。
ただ、現在、”ボス”が生活している範囲内に、彼が怖がって近寄れない場所や、歩けない場所はひとつもありません。

『あのボス』が!!
↑『このボス』です

こんな風になるまでには、もちろん「忍」「忍」「忍」の日々で、それなりにたくさんのことを実践してきました。
けれども、それがすごく大変だったかといえば、そんなことはありませんでした。
むしろ、『あのボス』のままでいられる方が、ずっと大変な思いをしていたことでしょう。

わたしたちが”ボス”に実践したことの中で、一番目に見えて、彼の問題行動全般に効果があったと思うこと・・・それは次回ご紹介することとします。


美しいキャベツ畑とイタグレのろいろくん

2017年2月2日木曜日

発散!

ワンちゃんにも、それぞれ個性があって、エネルギーレベルが高い活発な子と、エネルギーレベルが低い大人しい子がいます。

エネルギーレベルが高い子は、お散歩も長めにして、更にドッグランや、場合によってはプールなどでたっぷり遊ばせてあげないと、こみ上げるエネルギーが発散しきれずに、飼い主さんが手を焼くような行動をしてしまう場合があります。

特に、エネルギーレベルが高くて、その上まだ若い子ともなれば、飼い主さんはなかなか大変です。
人間の男の子でもそうですね。ワンパク坊主のいるお母さんは、家の中でも外でもてんてこ舞いです(笑)

今日遊びにきてくれた”ウリくん”(ビションフリーゼ)と”ロイロくん”(イタリアングレイハウンド)は、どちらもとても活発で、何にでも興味津々の男の子。まだ1歳前後と若くて年も近いことから、会った瞬間から意気投合しました。

朝のお散歩と朝食を終えると、しばらく静かに眠っていたい”ボス”と”なつ”(共にもうすぐ6歳のオジサンとオバサン)が

「おぅおぅ、活きのいい若造が来たよ」

とでも言いたげな目で見つめる中、ひとしきり犬舎の中でグルグル追いかけっこをした後、お庭に出してもらって更に走る走る・・・

その後たっぷり1時間かけてお散歩すると、さすがに疲れたのか犬舎にもどり、足を拭いてもらった後はストン!と眠ってしまいました。

ラブラブな2ワン 男同士なんですけどね(^-^;


言っても言っても「遊んで!ワンワン!」がおさまらないとお困りの飼い主さんがいらしたら、ぜひ『急がば回れ』で、エネルギーを存分に発散させてあげてください。
どんなに活発な子でも、無限にエネルギーがある子はいませんから、ちゃんと発散さえできていたら、まるで借りてきた犬(?)みたいになりますよ(^▽^)

お仕事などの関係で、どうしても発散させてあげることができない?
そんな時はぜひPet Hotel 11!にお預けください。
バッチリ発散させてお返しいたします!


関係ありませんが、あのビッグダディが、7度目の離婚。
既に新恋人がいらっしゃるとか・・・

エネルギーレベル高っ!!! Σ(・□・;)


2017年2月1日水曜日

満足してますか?



犬っていう動物は、元来争い事が嫌いで、穏やかな生活を望んでいる生き物だと私は思います。

落ち着きなくすぐに興奮する子
相手かまわず吠えたてて歯を剥き出す子

そういう犬に飼い主さんがよく
「本当にこの子は・・・」
という言い方をします(私もついしちゃうんですけどね (;'∀'))

でも、その原因は残念ながらほぼ100%飼い主さんにあります。
正しくリーダーシップが取れていて、ワンちゃんとの信頼関係も築けていて、適切なしつけができていれば、ほとんどのワンちゃんは素直なおりこうさんですし、本人(本犬)にとっても、その方が楽なんです。

けれど・・・

●どうしても甘やかしてしまって、リーダーシップをとることができない。

●しつけが苦手で、しつけ教室に預けたのだけど、トレーナーさんの言うことはきくのに家に戻ったら元の木阿弥なんですぅ~。

こんな飼い主さんはとっても多いです。

そんな飼い主さんでも、落ち着きがなかったり、攻撃的なワンちゃんをかなりの確率で穏やかなワンちゃんにする方法があります。

それは、”飼い犬の満足度”を満たしてやること。

犬の満足度の大きなポイントは

お散歩とごはん

これです!

リーダーシップやしつけ、もちろんとても大切なのですが、何よりもお散歩とごはんに関して、ワンちゃんが本当に満足しているか?
今一度考えてみてください。

お散歩は足りていますか?
ごはんは喜んで美味しそうに食べていますか?

『衣食足りて礼節を知る』

という言葉がありますが、犬の場合は

『歩食足りて礼節を知る』

だと思っています。
ワンちゃんが穏やかで従順でいるためには、満ち足りているということが最低条件なんです。

ですから、どんなに上手にリーダーシップを取れる人でも、しつけの技術が卓越した人でも、ワンちゃんが満足していない=ストレスレベルの高い状態だったら、絶対に!言うことをきかせることはできません。


飼い主さんとたっぷりお散歩すれば、お腹も空く。
お腹が空いていればごはんもモリモリ食べる。
モリモリ食べればいい睡眠もとれる。
また翌日元気いっぱい飼い主さんとお散歩に行く夢を見ながら・・・
そんな生活を送らせてくれる飼い主さんがますます大好きになる。
飼い主さんが喜ぶように振る舞おうという気にもなる。

こんな単純な好循環で、ワンちゃんはとても幸せになれるんですね。
健気だと思いませんか?
このくらい、叶えてやろうと思うでしょう??