【やるせない気持ち】
●痛ましい事故
2017年3月に室内飼いのゴールデンレトリバーが飼い主のお孫さん(10ヶ月の女の子)の頭部に噛みつき死亡させてしまった事故は、みなさんご存知でしょう。
昨日、このゴールデンの飼い主=亡くなった女の子の祖父(60才)と祖母(58才)が過失致死の疑いで書類送検されたというニュースを読みました。
今日は、このことについてお話してみたいと思います。
亡くなった女の子は、その日 保育園で発熱してしまいました。
仕事でお迎えに行けないご両親に代わって祖父母(ゴールデンの飼い主夫妻)が女の子を迎えに行き、そのままご自宅で子守をしていた時に、その事故は起きてしまいました。
女の子は、当時やっとつかまり立ちをし始めた頃でしたが、その時はハイハイしていて突然咬み付かれたそうです。
慌てて「ダメ!」と制止すると、ゴールデンはすぐにやめたそうですが、体重37kgのオスのゴールデンが与えたダメージは、乳児の柔らかい頭には致命傷となり・・・
女の子は救急搬送された病院で、2時間後に亡くなってしまいました。
この事故のことは当時はもちろん、その後も何度となく思い返していました。
その後、ゴールデンはどうなったのだろう・・・
ご家族はどうしておられるのだろう・・・
それを考えると胸が締め付けられる思いです。
●辛すぎる・・・
書類送検されたご夫妻はゴールデンを生後3ヶ月の時から飼っておられました。
事故が起きた当時、ゴールデンは4才だったそうですから、4年間家族として可愛がって育てておいでだったのだろうと、幸せなご夫妻と愛犬の暮らす光景をあれこれ想像してしまいます。
事故の後、警察に対してご夫妻は
「吠えたり噛んだりせず、臆病でおとなしい犬だった」
と話しておられ、ご近所の方も
「しっかりしつけられ、トラブルはなかった」
と口を揃えて仰っていたそうです(朝日新聞の記事より)
一方、ご夫妻の目の前で愛犬に噛みつかれて亡くなってしまった女の子も、ご夫妻にとっては最愛の孫娘です。
つかまり立ちを始めたころと言えば、表情も豊かになり、言葉を話し始める可愛い盛りだったことでしょう。
最愛のペットが最愛の孫娘に噛みつき、死なせてしまった・・・
それをそばについていながら止めることができなかった・・・
こんなに辛いことがあるでしょうか?
それだけではありません。
自分たちが仕事で迎えに行けないからと、娘のお迎えを親御さんに頼んだ女の子のご両親の心中や、その後の親御さんとの関係などを考えると、あまりに辛くなり、冷静に物事を考えるのが難しくなってしまうほどです。
●飼い主の重い責任
今回、ゴールデンの飼い主ご夫妻は
「自宅で放し飼いにしていたゴールデンレトリバーが危害を加えないように注意する義務を怠った疑い」
で書類送検されました。
以前、このブログでも飼い犬が咬傷事故を起こした場合の飼い主さん(または管理者)の法的責任について、裁判事例を挙げて詳しくお話させていただきました。
この機会にぜひ合わせてお読みください↓↓↓
『法律は飼い主にとっても厳しい①』
わたしたち飼い主は、愛犬へのしつけや安全注意義務を怠らないように気をつけると共に、『自分の愛犬は絶対に安全だ』という過信を抱かないようにしなくてはならないと、改めて胸に刻まなくてはなりませんね。
わたし自身、先日わたしたちのペットホテルでお預かりしているワンちゃんが他のワンちゃんに噛みついてしまった後、以前にも増してこのことをを強く意識しています。
『自動車は走る凶器』
とよく言われますが、犬だって本気で人を襲えばそれを一般の人が止めることは非常に難しく、また簡単に致命傷を与えることができる凶器になり得るという点では同じだという意識を、常に忘れないようにしなくてはなりませんね・・・
●事故は防げたか?
上記のような飼い主(管理者)としての責任はしごくもっともだということを前提に、あえてこの事故をご夫妻は防ぐことができたんだろうか?ということについて、わたしは考えずにはいられません。
これはわたしの個人的な考えで、もしかするとたくさんのご批判も受けるかと思いますが、結論から申し上げると 防ぐことは難しかった・・・いや、無理だったのではないかと考えています。
この事故が起きた2年前に、報道でやたらと強調されていたのが
「ゴールデンは放し飼いだった」
という言葉でした。
もちろん、屋内で・・・という意味です。
その報道の仕方に対して、わたしは少なからず抵抗を感じていました。
放し飼いだったのは事実なのだろうけれど、そこを強調することによってあたかもそれが事故の理由だという印象を多くの人に与えてしまうのではないだろうか・・・?と思いました。
愛犬を室内で鎖につないでいたり、ずっと檻に閉じ込めたりしている人の方が少ないでしょう。
そして、室内で放し飼いにされているほとんどの犬が、今回のような事故を起こしていないのも事実です。
その上、テレビやネット動画では、赤ちゃんや小さい子供に優しく接する微笑ましい犬の映像があふれかえっています。
※これらの映像の中には、子供が耳やシッポを引っ張ったり叩いたりしても怒らない犬の様子を、ことさら美談のように騒ぎ立てる傾向があるように思います。
犬はストレスを感じながらも我慢してくれているだけかもしれないのに、その忍耐や従順さをひけらかすようにエスカレートした映像も数多くあることに、個人的に危惧を抱いていますが、今回は横っちょに置いておきます。
また、今回亡くなってしまった女の子は、事故以前にも祖父母の家を訪れていて、その日がゴールデンと赤ちゃんの初対面というわけではなかったそうです。
これは想像ですが、もし以前にこのゴールデンがほんの少しでも女の子に唸るなどといった攻撃的な態度をとっていたことがあったら、祖父母は愛犬を女の子に近づけることはなかっただろうと思っています。
つまり、ゴールデンの飼い主ご夫妻にとって、今回の事故はまったく予測が不可能なことだったのではないかということです。
予測ができないことに対して、それを防ぐ措置を怠ったことが、やっぱり罪に問われてしまうことなんでしょうか・・・
もちろん、これまたいつもこのブログでお話しているように、犬は人間の古くからの友達であると同時に、全てを解り合うことはできない”動物”であることを忘れてはなりません。
動物・・・あえて今日は”獣”と呼ばせていただきますが、獣である以上、時にその行動にはわたしたちには予測が不可能なこともありますし、行動の理由を問いただして本犬に訊くことはできません。
でも、それをあまりにも突き詰めてしまうと、そもそも犬をペットとして飼うこと自体が危険行為として禁止されていなければおかしいと思ってしまうのはわたしだけでしょうか?
しっかりとしつけられ、穏やかでなんの問題も起こしたことのない犬であっても、何をしでかすかわからない・・・それを言い出したらきりがありません。
電車に乗り合わせた介助犬に、周囲の乗客が恐怖に怯えて騒然とする・・・そんな状態になってしまうはずではないでしょうか?
実際、先日わたしたちがお預かりしているワンちゃんが他のワンちゃんに噛み付いてしまった時、予告行動なしでの噛みつきに対してわたしたちはそれを予測することも防ぐこともできませんでした。
わたしたちにできたことは、ただただ いち早く2匹を引き離し、噛まれた子を救出することだけでした。
人間の動きは犬たちに比べてかくも愚鈍な生き物です。
犬は犬です。動物です。獣です。
ですから、このブログでもしつこいほどに『犬を擬人化してはならない』とさんざんお話してきました。
それでもあえて、このゴールデンが人間だったら?と考えずにはいられませんでした。
予測のつかない行動・・・すなわち犯罪行為を犯してしまうのは人間だって同じではないでしょうか?
『とても素直ないい子だったのに・・・』
などと言われている若者が、予測のつかない残虐な通り魔事件を起こしたり、自分の家族を殺めてしまったりという事件はありますし、多くの人が犠牲になる痛恨を何度味わってもなお、決して戦争をやめられないのもまた人間です。
そんな未成年の子供を放し飼いにしていたとして親が罪(刑事罰)に問われることはないように思っています。
(民事では親の責任が問われる可能性があります)
●まとめ(まとまってないけど)
実際・・・この事故については、わたし自身あまり考えがまとっているとは言い難いのですが、頭をグルグルしているのは、次のようなことです。
『過失致死という刑事罰がこのご夫妻に課せられるのだとしたら、このご夫妻が今回の事故を推察しうる状態だったにも関わらず、一般常識に照らして不十分だといえるほど注意義務を怠っていたのでなければおかしいのではないか・・・』
『もし、このゴールデンが祖父母の家の犬ではなくて女の子の家で飼われていた(同居ししていた)愛犬だったとしても、やはり書類送検されたのだろうか?
愛犬が飼い主や飼い主の子供に怪我を負わせる事例は数え切れないほど全国で起きていると思うけれど、それらは”過失致傷”として罪に問われているのだろうか?』
『個人的にはこのご夫妻は既に十分に罰を受けておられ、おそらく今後二度と同じ過ちを繰り返すようなことはないように思うけれど、それでもやはり今回のような措置が必要だと判断したのはなぜなのだろう?
飼い主に対する啓蒙という意味合いなのだろうか?』
司法がこうした点をどう判断するのかはわかりませんが、とてもやるせない気持ちになりました。
わたしはやはり、これは”事件”ではなく”事故”だったのではないかと思っていますが・・・
司法判断の行方を見守っていきたいです。
ちなみに、報道によるとご夫妻は罪(起訴内容)を認めているということでしたから、争うおつもりはないのでしょう。
長々と書いた割には なんともまとまりのない文章になってしまいました。
少し頭を冷やさなくてはならないかもしれませんね。
スミマセン(-_-;)
でも、ぜひ、みなさんにも考えてみていただきたいと思います。
次回は、ちょっと視点を変えて、このゴールデンが「臆病だった」という点について考えていきたいと思います。
<今日のPetHotel11!>
朝の海岸さんぽ♪
2月とは思えないほど
暖かい朝だったよ!
Sくん、おうちに帰れるよ~!
Sくん「ホントッ?やったぁ~~♪」
とってもおりこうに頑張ったね!
また遊びにおいで~(*^_^*)
ウリだよ~~~~ん!
また遊びにきてあげたの♪
Pくん、初めてお泊りにきてくれました♪
ウリくん「ボクたちふたりともビションフリーゼだよ!」
Pくん「大きさも形もずいぶんちがうけど、
ホントにおんなじ犬種~~?」
確かに・・・
カットでだいぶ印象が違うねぇ(*^_^*)
ボス「あ・・・いらっしゃーーい」
Pくん「よろしく、短足くん」
ボス「ガーーーン!!」
上手に挨拶できたね(*^_^*)
Aくんとも「ヨロシクね~♪」
としお「ん?なんですかコレ?」
としお「んんん~~~~?」
としお「わわっ!!犬でしたー!」
あたりまえだ(-_-;)
としお「うわぁ・・・フワフワです~」
としお「埋まります~~~」
Pくん「あのさ、あの”としお”って子、
もしかしてビションを見るの初めて?」
いやいや・・・そんなことはないんだけどね
まだ子供だから許してやってね(^_^;)
としおは大好きなAくんに
しきりにジャレつくけど・・・
Aくんは大きくなった”としお”と遊ぶ気はないみたい。
小さい頃に遊んであげていた親戚の子が
中学生になっちゃった・・・
みたいな感じかな?(^_^;)
それでも時々ワンプロに付き合ってくれまーす!
Aくん「ねえねえ」
なあに~~~?
Aくん「撫でて~~~~」
ハイハイ(^_^;)
ウリくん、おうちでちょっぴり元気が
なかったんだって?
元気出せよ~~~~!!
ウリくん「はーーーーい♪」
としお「そーです、元気出すですよーーー!!」
ウリくん「う・・・なんかムカつく~~」
お庭遊びではウリくんと”としお”が・・・
ずーーーーっと追いかけっこ(笑)
俊足ウリくんには・・・
どーーやっても追いつけないとしお
としお「もうちょっとなのに悔しいです~~!」
ちがうよ”としお”・・・ウリくんは
わざわざ手加減して引き付けてから
逃げてるんだよ~(^_^;)
ナツは今日もお庭をきっちりパトロール
ナツ「カラスもトンビも許しませーん!」
がんばれ・・・(^_^;)
午後のおさんぽ♪曇天~・・・
曇っていると”ビーチ”ってゆーより
”磯”って感じ?(-_-;)
としお「”磯”も好きです~~~♪」
Pくん、カメラの方を向いて~~(笑)
Pくんは前にも後ろにも引っ張らず、
とってもおさんぽ上手だったよ!
Pくん「エッヘン!でしょ?!」
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