2019年2月25日月曜日

臆病でおとなしい犬がなぜ赤ちゃんに噛み付いたか?③

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。






前回ブログのつづきです。


【個人的な見解②】


2017年に八王子の祖父母宅に預けられていた10ヶ月の女の子が飼い犬のゴールデンレトリバーに頭部を噛まれて亡くなった事故について、ゴールデンがなぜ噛み付いたかについて考えています。



●距離感と関係構築


赤ちゃんに噛み付いてしまったゴールデンはオスでした。

犬にとって、特にテリトリー意識が強いオス犬にとって他の犬との”距離感”はマナーとしてとても重要な意味を持っていますね。

みなさんも、愛犬をお散歩させていて、普通にすれ違う分にはお互いに気にせずやり過ごせていたのに、相手のワンちゃんがグイグイ寄ってきたり、こちらがいつも以上に近づいたりした途端に、唸り声を上げたりワンワン吠え合ったりする場面を経験したことがあるのではないでしょうか?


PetHotel11!に新入りのワンちゃんがやってきた時、先に滞在していたワンちゃんの行動を見ていると、いかに犬たちが距離感を大事にしているかがよくわかります。

新入りのワンちゃんは、まず元々いた犬たちと挨拶を交わします。
(臆病だったり社会性が低かったりで挨拶を交わせない子もいます)

挨拶の時はグっと距離が近いのですが、その後お部屋でくつろぐ時に、挨拶した時の距離感のままであることはまずありません。

先にいたワンちゃんたちがお部屋のお気に入りの場所でくつろいでいるところに、新入りがズカズカ近づいていくことはないってことです。

では、社会性(マナー)をわきまえた新入りワンちゃんはどうするかというと、元々いた犬たちからなるべく離れた場所(対角線の反対側)に居場所を決めて落ち着くことがほとんどです。

けれども、中には社会性がなく犬世界のマナーがまったく解っていない子もいます。

そういう空気が読めない新入りは、いきなり元々いた子たちがくつろいでいるクッションにウロウロと近づいて行くことがあります。

そんな時、元からいた犬たちは、新入りが一定の距離以上に近づいた段階で、


「新入りのくせに図々しいんだよ!あっちへ行けっ!!」


追い払う行動を取るんです。


新入りは、次の新入りが入ってくることでちょっと順位を上げ、お泊りの泊数が多くなってくると、もうここの”主”みたいに一番上座のクッショでヘソ天でくつろいでいる様子が見られるようになります(笑)


こういった行動は「平等」や「仲良し」を”良”とする人間から見ると、イジワルや困った行動に映るかもしれませんが、これが犬の群における社会性(マナーやルール)なんですね。


余談ですが、何度もお泊りに来ている子や、一度しかお泊りに来たことはないけれど、泊数が長かったために、PetHotel11!に常駐しているボスやナツたちと既に旧知の仲になっているような子は、たとえ1年ぶりにやってきたとしても、いきなり上座のクッションにドカスカ上がってボスなんかを押しのけていてもぜんぜん許されているようです。

まるで旧友やいとこに会った時のような感じになるんですね~~!



●無礼者が受ける洗礼


では、そうした”犬にとってはごく当然のルール”を守らない”無礼者”がいた場合、犬たちは通常 どのような行動をとるでしょうか?

それは「威嚇のための噛みつき」なんです。

PetHotel11!にやってきた新入りワンちゃんが、犬のルールをまったく知らずに図々しく元々いたワンちゃんたちの居場所に近づいたとき・・・

先輩犬たちは吠えながらダーーッと新入りの方に飛び出していってパクッ!!と噛み付く・・・いや、正確には「噛み付いちゃうぞ!」っていうデモンストレーションのようなことをやります。

この行動の目的は、あくまでも「来るな!」ということを相手に伝える”威嚇”でしかありません。

そのため、”威嚇”の要件を満たすために 必要十分、かつ 必要最低限 の噛みつき方をちゃーんとしています。

どういう噛みつき方かというと、”本気噛み” と ”甘噛み” の中間くらいの”噛みつき”です。

本気で噛み付いて相手を傷つけてはいけない・・・だからといってジャレ合っているときのような甘噛みでは、相手に「来るな!」という威嚇の意思が伝わらないので、その中間くらいの”威嚇”に十分効果がある程度の力加減を絶妙にしているということになります。

ですから、空気が読めない無礼な新入りが、元々いたワンちゃんたちに”威嚇の噛みつき”という洗礼を受けてもケガを負ってしまうことはないんです(*^_^*)


「えーー?!犬にそんなことできるの?!」


と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、もちろんできますよ!!

犬の口は人間にとっての手のようなものですから・・・


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犬の”本気噛み”は、人間に例えると”渾身のストレートパンチ”

犬の”威嚇のための噛みつき”は、人間に例えると『オイッやめろよ!』って相手を小突く感じ

犬の”甘噛み”は、人間に例えると”親しみを込めたボディータッチ”
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という感じと言えば解りやすいでしょうか・・・



●洗礼を受ける側


さて・・・”威嚇のための噛みつき”という洗礼を受けた新入りの子はケガを負わないとお話しましたが、それには威嚇する側の力加減が絶妙だという理由以外にも、威嚇を受ける犬側にも次のような条件があるからなんです。

まず、威嚇のために自分に向かって飛び出してきた先輩犬の姿に気づいた瞬間、犬は反射的に「ヤバっ!!」と逃走し始めます。

そのため、威嚇の噛みつきをスレスレのところでかわすことができるんですね。

具体的には、相当鈍くさい子の場合で、先輩犬にカプッとやられて被毛が数本抜けちゃう程度です。


更に、犬の被毛は人間の髪の毛や体毛に比べて硬くシッカリしていますし、密集して生えています。

その上、犬の皮膚は人間とは比べ物にならないほど硬いんです。

それによって犬は体を他の動物の牙から保護しています。


よく、牙をむき出しにした恐ろしい表情で2匹の犬がワンプロ(ワンワンプロレス=闘いごっこ)をしているのを見ると、相手の顔や首元、足などにガブガブと噛みつき合っていますね?

あんなに噛みつき合っていて、よくもまあお互いにケガをしないものだと感心してしまいますが、ワンプロと同じ調子で人間が犬に噛みつかれたら、間違いなく流血事故になってしまうでしょう。



●「わあー!こっちに来るなっ!!」


さて・・・ここまで延々わたしの憶測をお話してきましたが、結論はこうです。


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ゴールデンが、大好きな飼い主さんの愛情や注目を浴びている赤ちゃんにジェラシーを感じながら、その不満を表明することなくジっと耐えていたと仮定しましょう。

ゴールデンが感情を表に出さずに耐えていたために、飼い主さんは愛犬に孫娘を近づけることへの危険性をまったく感じることができませんでした・・・


「アイツめ~~」


と、快く思っていなかったゴールデン・・・でも赤ちゃんは、それまではただコロンと転がってジタバタと動いているだけでした。

ところが、ある日突然、バタバタと自分を放ったらかしにして出かけていった飼い主さんが、その新入りを抱きかかえて帰ってきた・・・

その上、久々にやってきた「アイツ」はまるで犬のように四足歩行(ハイハイ)でウロウロとゴールデンのテリトリー内を好き勝手に動き回るではないですか!?

更に、そのような無礼な振る舞いをする赤ちゃんの様子を、飼い主さんは叱るどころか顔をほころばせ、嬌声をあげながら見ています。

ジェラシーがメラメラと燃え上がり、我慢の限界に達したとき、よりによって嫉妬の対象=赤ちゃんがゴールデンに向かってきたのだとしたら・・・

臆病なゴールデンは軽くパニックになり、どうにか自分の方にやってくる新入りを止めようとして・・・

咄嗟に


「オイ、無礼者!それ以上こっちに来るなっ!!」


カプッ!と威嚇の噛みつきをしてしまった・・・

当然、威嚇の洗礼を受ける側の赤ちゃんには、その気配を察して逃げることなどできませんし、赤ちゃんの薄い髪の毛や柔らかい頭皮や頭蓋骨は 37kgもあるゴールデンの牙を簡単に貫通させてしまった・・・
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そのように勝手に推測しました。


威嚇しようとしただけの気の毒なゴールデンは、


「え・・・?!なんで逃げないの?なんでなんで?なんでこんなに柔らかいの?!」


といった感じだったのではないでしょうか(ToT)




いかがでしたか?

くどいようですが、今回お話していることは、あくまでもわたし個人の勝手な憶測でしかありません。

でも、その勝手な憶測を元に、更に勝手に今回のような悲しい事故を防ぐために、わたしたちが気をつけるべきことを次回の記事で考えていきたいと思っています。


(憶測すぎて、もはや ”まぼろし~~~!?”)





<今日のPetHotel11!>

「おひさしぶり~~♪」
以前、海岸で首輪抜けによる脱走を試みた
Bくんがまたお泊りに来てくれました(笑)

詳細はコチラ↓



”としお”は立ち耳センパイのBくんに大興奮♪
「Bさん、Bさ~~ん!」


としお「あ・・・埋まりました!!」


Bくん「としお~、よせよ~~!」


としお「Bさんはボクよりも脚も胴も短いのに
顔はボクよりうーーんと大きくて
カッコいいです~~~♪」


Bくん「としお・・・それ、二度と言うなよ!」

としお「どうしてですか~~~?」


シーズーのMちゃんと
シーズー×ヨーキーMIXのチャコ


Iくん「やっぱり、シーズーズ!
似てますねぇ~~~!!」

シーズーズ「うふふ、似てるって♪」


ふたりとも・・・口を”ヘ”の字にしちゃって・・・
何かご不満でも?

シーズーズ「こーゆー顔なのっ!!!」


Bくん、楽しそうだね(笑)

Bくん「たのしいよーう♪」
Bくんは、いつもお迎えに行くと
PetHotel11!の車に飛び乗ってくれます(^o^)


Bくん「Iくん、はじめましてだよね?」

Iくん「は・・・はいぃ~~(ドキドキ)」


Iくん「ちゃんとご挨拶できましたっ!!」

Iくん、近すぎてピントが合わないよ(-_-;)


Iくん「え?んじゃ、このくらいでどうです?」

うん、いいね♪


Hちゃん「Bくん、コンニチハ♪」

和犬にも大きな犬にもまったく物怖じしない
天真爛漫なHちゃん


Bくん「Hちゃん、カワイイね!」

Hちゃん「ありがと♪」


Bくん「でも・・・前髪長すぎじゃない?」

Hちゃん「・・・・・・」


Hちゃん「女子に、そーゆーこと言うと
嫌われちゃうわよっ!!」

Bくん「ゴメンなさ~~い」


Hちゃんと”としお”は、ヒマさえあれば
ワンプロ三昧(-_-;)


Hちゃん「だってワタシ、これをしに
PetHotel11!に来ているようなものなの♪」

堪能してくださーーーい(笑)


ボス「Hちゃん、カワイイなぁ・・・
ボクとはちっとも遊んでくれないけど・・・」

Hちゃん「だってボス、
ワンプロしてくれないんだもん」


午後のおさんぽ♪
雨もやんで、もう春みたいに暖かかったよ!


あらま、仲良しだねぇ~~~♪


Mちゃん「ねえねえBくん!」

Bくん「なんですかー?」


Mちゃん「もう脱走しちゃダメよ!」


Bくん「・・・なんでみんな
ボクの脱走のこと知ってるんだろう?」

(^_^;)


お散歩から戻って、体力が余ってる子は
お庭遊び~


Bくん「”としお”、枝なんか齧ってるなら
ボクが遊んであげよっか?」


”としお”「ダイジョウブです。
ボク、Hちゃんとワンプロするですから~♪」

Bくん「またーー?!(呆)」


お散歩とお庭遊びの後はこーーんな感じ・・・

「死んだように眠る」って
こーゆーことなのね・・・(^_^;)















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