Pet Hotel 11! お庭番のブログ①: ワンちゃん同士の咬傷事故について①

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!（ペットホテルワンワン）のお庭番です。

【咬みつき事故が起きてしまいました】

●共有したいこと

先日のことです。

お客様ワンちゃんが、別なお客様ワンちゃんに咬みついて怪我を負わせるという事故が起きてしまいました。

PetHotel11!のOPEN以来はじめてのことです。

このようなことをわざわざブログに書くことで、お客様が遠のいてしまうリスクがあることは十分解っていますが、あえて多くの方に知っていただくことにしました。

記事にする理由のひとつは、わたしたちが決して今回の事故や、それに対する反省を忘れないため。

もうひとつの理由は、全ての犬の飼い主さんに、咬傷事故のリスクは、どんな犬にもいつでもあるのだということを改めて認識いただくためです。

特に、

「ウチの子は今まで１度も咬みついたことなんかないから絶対に大丈夫！」

と信じ込んでいる飼い主さんには、状況次第でこのようなことも起きるという警鐘になる事例だと思っています。

そういうワケで、自慢できる出来事ではありませんが隠すことなく公表することにしました。

●背景

◇Xくん

咬みついてしまったXくんは和犬の血が入った雑種の中型犬で、元保護犬でした。

今のおうちに引き取られて3年目だそうです。

今回、PetHotel11!には初めてのお泊りでしたが、事前の面談では特に問題はありませんでしたし、お泊り中も咬みついてしまうその瞬間まで、まったく問題なく他の犬たちと交流していました。

社会性に関してはむしろ低い方ではなく、犬慣れしている印象でした。

実際、Xくんのお宅は他のワンちゃんを預かることも多く、他の犬との交流は普段からあるとのことでした。

事前に飼い主さんから伺っていた注意事項としては

「未去勢のオスに対しては唸ったり背中の毛を逆立てたりする」

「犬社会の礼儀に厳しい一面がある」

ということでしたので、該当するワンちゃんがいれば隔離しておくことにしていましたが、幸い未去勢のオスはXくんの滞在中はいませんでした。

ちなみに、今のおうちの子になってからの3年間で、Xくんが他のワンちゃんにホンキで咬みついたことは1度もなかったそうです。

◇Yくん

咬みつかれてしまった方のワンちゃんは小型の老犬で、人にも犬にも懐っこいワンちゃん。

もう何度もPetHotel11!にお泊りしている常連のワンちゃんです。

ワンオーナーの1頭飼いなので、マイペースで他の犬に対して少々空気が読めない一面もありますが、決してしつこくすることや攻撃的な態度をすることはなく、今までお預かりしていてももめ事は1度もありませんでした。

●事故の経緯

犬たちは、お庭遊びを終えてお部屋で静かに体を横たえたりお昼寝をしていました。

とても平和な時間だったのです。

基本的に寝る時間以外はケージにワンちゃんたちを入れないPetHotel11!ですが、他の犬が苦手でケージに入っていたい子もいるので、扉を開け放した状態で、いくつかのケージには自由に出入りできるようにしてあります。

その時、咬みつかれた方のYくんは、我が家の愛犬チャコと一緒に大型犬が入れるような大きなケージに入ってお昼寝していました。

ケージの外のクッション脇で休んでいたXくんが、移動してすぐそばのクッションに乗り、体勢を模索してYくんとチャコが入っているケージを向く形でフセの体勢になりました。

Xくんが休んでいるクッションと、ケージの中にいるYくんとの距離は2ｍほどありました。

そして・・・

Xくんが突然身体を起こすと、まっすぐにケージの中のYくんめがけて走っていき・・・そのまま迷うことなくYくんに咬みついたのです。

Yくんは自分より体の大きなXくんの突然の襲撃になすすべもありませんでした・・・

Yくんのすぐ隣で爆睡していたチャコは、素早くケージから逃げ出しましたが、その直後、すぐにケージに飛び込んで、XくんとYくんの間に割って入ろうとしました。

チャコは、群の争いを身を挺して鎮めようとするオメガタイプの子だからです。

その時、わたし自身はワンちゃんの送迎で外出中だったのですが、Yくんはお料理番によって救出され、命に係わるような重傷を負うことはありませんでした。

●病院へ

ちょうど事故のすぐ後にわたしが帰宅し、Yくんの傷を確認したところ出血があったため、急いでかかりつけの獣医さんに連れて行きました。

診断の結果、縫合を必要とするほどの傷ではないので心配はいらないとのことで、ホっと胸をなでおろしました。

消炎鎮痛剤と化膿止めの抗生物質をもらい、帰宅するとすぐにYくんの飼い主さんにご報告とお詫びの連絡をしました。

もうひとつの救いは、あんなに怖い目に遭ったにもかかわらず、Yくんの様子は普段とまったく変わりなく、獣医さんのところでも嬉しそうに受付のお兄さんに甘えてシッポを振っていたことでした。

さらに驚いたことに、Yくんは獣医さんから戻ってきてすぐに、自分に咬みついたXくんに近寄るそぶりさえ見せたので、慌ててそれを阻止してXくんとは柵で仕切られたエリアに入れました。

どうやら心の傷は負っていないようで天真爛漫に振舞うYくんなのでした。

もちろんこの一件以降、XくんのいるエリアにはXくんの同居犬以外の犬を入れないようにしました。

犬たちの過ごすお部屋は、相性の悪い子を分けておけるように、柵で2つのエリアに分けられるようになっています。

●事故後の臨時オペレーション

実はこの事故が起きる前から、お部屋はふたつに仕切ってありました。

その理由は、ワンプロなどの激しい遊びをしたい子たちと、静かに過ごしたい子を分けておくためです。

社会性が低くて他の犬が苦手な子や、静かに過ごしたい子にとって、すぐそばで元気な子たちがドスンバタンとワンプロをしているのは、とても迷惑で心も体も休まらない状態になってしまうからです。

Yくんは老犬で、お散歩やお庭遊びは大好きですが、お部屋にいる時は静かに過ごしたいタイプの子でしたから、やはり他の犬と遊ばず静かに過ごしたいタイプのXくんたちと一緒のエリアにしていたのです。

お互い、あまり干渉し合わないタイプ同士、事故が起きるまでは本当に平和にお昼寝していたのですが・・・

この事故の後、Xくん滞在中のエリアの区切り方は

①Xくんと同居犬の2匹
②それ以外の子すべて

という風にせざるを得なくなったため、仕方なく例外的に②のエリアの子を順番でケージに入れるというオペレーションに一時的に変更しました。

1匹が長い時間ケージに入れられてストレスを感じることのないよう、交代でケージを使うようにしていました。

今回の事故はなぜ起きたのか？についてや、Xくん、Yくん　双方の飼い主さんの反応、そして今後に向けての課題や反省点などについては、長くなるので次回のブログでお話したいと思います。