2019年2月22日金曜日

臆病でおとなしい犬がなぜ赤ちゃんに噛み付いたか?①

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。





【臆病な犬は注意が必要】


●臆病でおとなしい犬だった


前々回のブログで、生後10ヶ月の赤ちゃんの頭部に噛みついてしまったゴールデンレトリバーのお話をしました。

2017年の事故の後、ゴールデンの飼い主ご夫妻は、警察の聴取に対して


「吠えたり噛んだりせず、臆病でおとなしい犬だった」


と話しておいでだったとのことです(当時の新聞記事より)


ゴールデンレトリバーは、従順で温厚な性質で人懐っこいと言われている犬種です。

元々は猟犬として作られた犬種ではありますが、獲物を捕獲するというよりも、鉄砲で撃ち落とした獲物を回収(レトリーブ)する作業犬という役割でしたから、攻撃性は低いんですね。

特に、子供に対しては忍耐強い犬種だと言われているので、お子さんがいるご家庭にも向いているという意味で人気があります。

そのため、コンパニオンドッグ(愛玩犬)、セラピードッグ、介助犬などとして活躍しているゴールデンもたくさんいます。


今回の事故のニュースを知った多くの人が一番驚いたのは、そんな温厚なゴールデンが赤ちゃんに噛み付いた・・・しかも死に至らしめるほどの噛み方だったということでしょう。


まして、普段から攻撃的だったり乱暴だったりした子ならいざ知らず、臆病でおとなしい子だったと聞けば、更にその驚きは増したかもしれません。



●犬種の性質は統計的確率にすぎない


犬種ごとの気質や習性・・・いわゆる”キャラ”は確かにありますね。

でもそれは、あくまで確率のお話です。


「日本人は真面目で几帳面で手先が器用だ」


と言われれば、確かにそうだなと思う半面、チャランポランでズボラで手先が不器用な日本人だってたくさんいることを、わたしたちはよく知っていますね。


それと同じように、


「ゴールデンレトリバーはみんな必ず温厚で子供に対して忍耐強い」


なんてことはなくて、正しくは


「ゴールデンレトリバーは一般に温厚で子供に対して忍耐強い傾向にあることが多い


という意味だってことです。

だから、犬の飼い主さんの間ではよく、


「ウチの子、ビーグルのくせに食が細いのよ~~~!」

とか・・・

「あら、オタクのワンちゃん、ダックスなのにぜんぜん吠えないのねぇ~!」

なーんて会話もよくありますね?

裏返せば、

”ビールグは食いしん坊だ” とか ”ダックスはうるさい声でよく吠える” 

というステレオタイプがしっかり根付いているってことでしょう。


犬種ごとの性格は、『あくまで統計的にそのような傾向がある』程度に考えておかないと、固定概念によって判断を誤ってしまう可能性があることは、忘れないようにしておく必要があるってことです。



●臆病な犬


この事故について、たくさんの人が ゴールデンが女の子に噛み付いた理由 をあれこれ想像したことでしょう。

当時、テレビに出ていたコメンテーターも色々な意見を述べていましたし、ネットでもたくさんの人が私見を述べています。

もちろん、本当の理由は噛み付いたゴールデンに訊かなくてはわかりません。

でも、


「臆病でおとなしい犬だった」


と知ったとき、犬に詳しい人の多くは


「嗚呼・・・そうだったのか!!!」


と思ったかもしれません。

実は、臆病でおとなしい犬というのは、ある意味一番注意が必要な犬だからです。



●臆病な犬の危険性


これからお話することは、”犬種ごとの性質”と同じように、一種の「傾向」についてのお話ですから、


「臆病な犬はみんな必ずこうです!」


という内容のお話ではないことをまず、お断りしておきますね。

その上で・・・


『臆病でおとなしい犬』と聞くと、犬に詳しい人の多くは次のように考えるでしょう。


臆病(”気弱”や”怖がり”も)=余裕がなく、パニックになりやすい傾向がある

おとなしい犬=自信がなく、感情を表に出さない分ストレスを抱えているのに気づきにくいので注意が必要


実際、わたしたちがワンちゃんをお預かりする時に、一番『気をつけなくては・・・』と思うのは、臆病なワンちゃんなんです。

ワンパク(またはオテンバ)で自信満々!その上活発で他の犬に積極的に近づいてちょっかいを出す子の方が、一見”乱暴”な印象を抱く人が多いかもしれませんが、そういう子が事故を起こす可能性はむしろ臆病な犬よりも低い傾向にあると思います。

上記のような子は活発に遊び、他の犬とワンプロ(ワンワンプロレス=戦いごっこ)をしたりするので、かすり傷を負ったり負わせたりする可能性は高いかもしれません。

でも、決定的な痛手を相手に負わせることはむしろ少ないんです。

なぜなら、そういう活発で積極的な犬は、多くの場合たくさんの犬と関わった経験から高い社会性を身に着けていることが多いからです。

社会性が高いということは犬同士のコミュニケーション能力に長けていることを意味しています。

社会性が高い犬は、他の犬が発するシグナルなど空気を読むのがうまく、トラブルを未然に回避する能力を身に着けています。

また、他の犬にイヤなことをされると・・・


まず、シッポや耳で「イヤだよ」という態度を示し、それでもやめない相手には鼻の上にシワを寄せて見せ、更にしつこくされると小さく唸り、かすかに歯を見せ、唸り声が大きくなり、牙を剥いてオオカミのような顔で激しく吠える・・・


というように、相手を攻撃する前にちゃーんと段階的な警告を発します。


「やめときなっ!!オレに触れるとケガするぜいっ!!」


ってな感じですね(笑)


だって、本犬さんだってケンカになったら傷つくリスクがありますから、本当はケンカなんかしたくないんです(^_^;)


また、社会性の高さはその子の自信につながります。

人でも犬でも未知のものには本能的に警戒心や怯えを抱くものです。

でも、小さい頃(社会化期)に母犬や兄弟犬と密接に関わりを持った経験がある子や、飼い主さんに色々なところに連れて行ってもらって多くの経験や場数を踏むことができた子は、知らない人や知らない犬、知らない場所や物音や匂いなどに慣れている(知っている)んですね。


反対に、多くのペットショップで売られている子がそうであるように、母犬や兄弟犬と早期に引き離されて大事な社会化期にすべき社会勉強ができなかった子や、飼い主さん以外の人や他の犬と小さい頃にほとんど関わりを持った経験がなく、行動範囲が限られていた子には、臆病でコミュニケーションが苦手な子がとても多いんです。

そして、そんな社会性不足の臆病でおとなしい子に関して 気をつけなくてはならないことは、


怯えから唐突に相手を攻撃することがある


という点です。

なんの予兆も警告もなく、周囲がビックリするようなタイミングで突然、しかもシャレにならないくらい本気で噛み付いてしまうことがあるってことです。


警告サインがないため、相手はキケンを察知して回避することも難しいですし、すぐそばについていた飼い主さんでさえそれを止めるのがヒジョーに難しいということになります・・・


人間でも、イヤなことを「イヤ」と言えないようなおとなしい人で、なおかつひどく臆病な人が、いざキレるとメチャクチャ怖い・・・ということはありませんか?

極端な例を挙げると、相手を睨んだり、相手に怒鳴ったり、相手の肩を掴んだり、軽く小突いたりするような行動をまったくせずに、いきなりポケットに忍ばせていたナイフを取り出すと同時に相手をブスリ・・・というようなことと同じようなことが起きる可能性が、臆病な犬には潜んでいるかもしれないってことです。




長くなるので、つづきはまた次回にさせてください。





<今日のPetHotel11!>

朝の海岸さんぽ
Aくんは最後のお散歩だね!
今日はお帰りだよ。また遊びにおいでね~
(*^_^*)


Pくん、セーターがなくても
大丈夫なくらい暖かいね~


「Mちゃんで~す!今回はひとりで
お泊りにきてあげたわっ!」


おっとーー・・・ヒョッコリはん(笑)

「Rちゃんです!ワタシも
また遊びにきてあげたのっ♪」


としお「Pくん、そこに上れるですか?
カッコいいです~~!」

Pくん「ヘヘンッ!」


としお~・・・だから、どー見ても
キミにももう上れるよ~~~(-_-;)


ここに写っているPくん以外の子は
全員ココに上れません(笑)

羨望の眼差し~~~


としおはどーしてもPくんと遊びたくて・・・


Pくんはどーしてもとしおに
付きまとわれるのが迷惑で・・・


としお「Pさ~ん、遊んでくださーーい」
Pくん「やめろよっ!!」


としお「Pさ~~~~ん」
Pくん「やめろってーーー!!」


としお「ねえねえPさん~~~~~」
Pくん「うう・・・やめてくれ~~~~!」


としお「きらわれちゃいました」

そーみたいだね(^_^;)


一方Mちゃんは、まだ1才になったばかり
だとゆーのに・・・


やけに落ち着き払っていて・・・(笑)


Mちゃん「ちゃんと嗅げたかしら~~?」


としお「たっぷり嗅げました~
ありがとうございました~」

Mちゃん「はい、よかったわね~」


でも、だからって調子に乗って
チャコにするみたいに「遊んで~」って
シッポを引っ張ったりすると・・・

Mちゃん「いーかげんにしなさいっ!」

やーい怒られた~~(笑)


Pくんはとしおのことが嫌いだけど・・・


決して”犬嫌い”なんじゃーなくて・・・


Mちゃんにはけっこう積極的!

Pくん「Mちゃ~ん、仲良くしようね~」


Mちゃんのこの落ち着きっぷり!(笑)


PくんにもMちゃんにもフラれたとしおは
Rちゃんの元へ・・・


としお「Rちゃん、仲良くしてくださーい」


Rちゃん「うん!いいわよ♪」


よかったねぇ~としお(笑)


お部屋で・・・
シンクの下にご注目!


オレンジ色のバケツの中に
スッポリ入っているのはPくん(笑)


出てきた出てきた・・・(笑)

PetHotel11!始まって以來、バケツに
入る子は初めてです~(;・∀・)


午後のおさんぽ♪
Rちゃん、左足にドロボウさんがついてるよ!


おさんぽから戻ると・・・


ものすごい眠気と闘うRちゃん(笑)

お昼寝しちゃえばいいのに・・・


Mちゃん「ねえ!何してるの?」


雨上がりのおさんぽでお腹が汚れちゃった
Pくんを洗ってるんだよ~!

Pくん、とってもおりこうに洗わせて
くれました(*^_^*)


Rちゃん「拭いてもらってるの?」

Pくん「うん、拭いてもらってるの~」


としお「ん?なんですかコレ???」


Pくんのダラーーーンってした脚だよ~~~(笑)








0 件のコメント:

コメントを投稿