2018年12月7日金曜日

ピースワンコジャパンが告発された件について②

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。




前回ブログのつづきです。

前回は時間がなくてあまりお話できなかったので、もう少しお話させてください。

この話題は今回でおしまいにするつもりですので、少し重たいお話・・・そして少々長くなりますが、ぜひお付き合いください。


今日は感情抜きで客観的な事実だけを見て、みなさんはどう思われるか?

ということを問うてみたいと思います。



【ピースワンコジャパンを告発する行為はどういうことか?】


●誰が何の罪で告発しているの?


広島県にあるピースワンコジャパンを告発しているのは、ピースワンコジャパンと同じ、動物保護団体です。

いえ、正確には「ピースワンコジャパンの活動に反対すること」だけを目的として結成した保護団体ネットワーク・・・というふわっとした組織です。

以下がその組織のHPですが、誰がこの団体の代表者なのかは残念ながらわたしにはよくわかりませんでした・・・

一方、訴えられているピースワンコジャパンは、責任者名も年次報告書も公開されている特定非営利活動法人です。


日本の保護犬猫の未来を考えるネットワークHP


賛同団体は現在74団体になったそうです。

ではその”日本の保護犬猫の未来を考えるネットワーク”がピースワンコジャパンを何の罪で告発したかというと、動物愛護法違反の罪ということです。

以下が、そのネットワークの主張概要です。


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ピースワンコが殺処分ゼロを掲げる保護団体でありながら、保護した犬に不妊手術をしていない。

ピースワンコの施設で保護されている犬たちの中には、ストレスによるケンカ(犬同士の集団リンチなど)で命を落とす子もいる。

(ピースワンコでは1か月に30頭もの犬が亡くなっているらしい)

ピースワンコでは人手が不足していて犬たちのケアを十分にできているとはいえないだけでなく、犬への扱いが乱暴になっていることもあるらしい。


ピースワンコジャパンは保護団体でありながら、動物福祉に反した上記のような現状を、自分たちの再三の要請にも関わらず改善していないため、刑事告発に踏み切った。
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そして、今回の告発の目的ですが、ネットワークのHPによると


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今回の告発の目的は、まず一刻も早く広島県からピースワンコへの譲渡をストップさせることにある。

同時に、速やかに保護犬すべて(幼犬・老犬・傷病犬は除く)に不妊手術を実施させ、今現在いる犬たちの環境改善を図るとともに、強引な殺処分ゼロ運動がもたらす弊害についても広く世に問う所存。
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ということのようです。




●殺処分される方がマシとは?!


以下に、女優の杉本彩さんとピースワンコジャパンを内部告発した獣医師との対談が本日付けで掲載されました。


「殺処分ゼロ犬シェルター」裏の顔、動物虐待の実態明かす(NEWS ポストセブン)


わたしは、この記事を読んで言葉を失いました。

ショックだったのは、杉本彩さんがピースワンコジャパンの現状について発言した次の言葉・・・


「ある意味、殺処分されるよりも苦しい状況になってしまっていますね。」


それに対して内部告発した獣医師が


「まさにそう」


と言いつつ、


「獣医としてこれまで動物の死に立ち会いましたが、本来死ななくてもよかった犬を見ているとショックで…。」


と語っておられます。


ピースワンコジャパンによって命を繋いだ犬たちは、殺処分されていた方がよかったというのでしょうか?


「本来死ななくてもよかった犬を見ているのがショック」とは、どういう意味でしょうか?

逆に、「本来死んでもいい犬」というのはどういう犬のことなのでしょうか?


老衰で亡くなる犬?

老衰以外で亡くなる犬はショックだから見たくない?


これは、本当に獣医師の言葉なのでしょうか・・・

「本来死ななくてもよかった犬を見るのはショック」だから、自分たちの見えないところで保健所の係の人にヒッソリと殺しておいてほしかったと言っているのでしょうか?


わたしには、まったく意味が解りませんでした。



●裏の顔?


ピースワンコジャパンにはたくさんの元野犬がいます。

ご家庭で飼われていた経験などない狂暴な子もたくさんいます。

そういう犬たちは、犬を飼いたいと見学に来る人にはとても危険で会わせることはできないでしょう。

人に譲渡できそうなフワフワした可愛らしい子以外は殺してしまった方がよかったのでしょうか?

ピースワンコジャパンのスタッフたちも、噛みつかれる危険と隣り合わせで餌をあげたり、排せつ物の始末をして命を繋ぎとめているのだと思います。

そんな中、ヨダレを垂らしながら牙を剥いて唸り声を上げて襲い掛かってくるような元野犬を棒でたたいたりすることも、ソリャあるでしょうねぇ・・・とフツーに思うわたしは酷い人間なのでしょうか?


「実は、犬を譲渡してもらおうと訪れた皆さんには見せないところにこーんな犬たちが檻に入れられていて・・・スタッフが時々棒で殴ったりしているんですよ~!

そんな裏の顔がピースワンコジャパンにはあったんですよ~!

それは虐待ですよね~!

そんな虐待をされるくらいなら、殺処分された方がマシですよね~!」


と・・・・?!

ホンキでそう思っているのですか?

それが、あなた方の望む形なのですか?



●難民キャンプ


みなさんに想像していただきたいのです。

これは、犬ではなく人間の世界で現実に起きている難民のお話です。

たとえば、バングラデシュには現在、ミャンマーから逃げ出してきたロヒンギャという難民が大勢います。

ロヒンギャ難民の多くは女性と子供です。

ミャンマー政府によって家に火を放たれ、一家の長である父親を殺されてバングラデシュに命からがら逃れてきたのです。

そんな難民が暮らすのは、バングラデシュに公式には2か所ある難民キャンプです。


難民キャンプでの暮らしはそれはそれは悲惨なものです。

不衛生な環境。

過密な人口密集状態。

医療も教育も行き届かず、食料も足りません。

難民たちは不安と貧困からストレスで体調や精神を崩しています。

子供たちの大半は栄養状態が「飢餓状態」です。

当然、病気や感染症も蔓延し、飢え死にする人もいて、互いの争いも絶えません。


とても、人間らしい人道的な生活ができているとは言い難いですね。


バングラデシュ政府は、ミャンマーとの国同士の関係もあって(ミャンマー政府を非難できない立場なのです)現在ロヒンギャ難民を正式に国として受け入れることができずにいます。

でも、ミャンマーに追い返せば殺されてしまう・・・

だから仕方なく、不法に滞在することに目をつぶり、バングラデシュ国内に難民キャンプを作って「いさせてあげている」のですね。


現在、ロヒンギャ難民を支えているのは、国境なき医師団など、世界中から集まってきたボランティアです。



さて・・・では、このような難民キャンプの現状を知って、あなたはロヒンギャ難民に生活する場所を提供しているバングラデシュ政府に「非人道的な状態を放置しているのは許されざる行為だ!とんでもない!」と抗議しますか?できますか?


「ロヒンギャ難民たちは、こんな悲惨な難民キャンプ生活をするくらいなら、ミャンマー国内で殺されていた方がよかったのにねぇ~!」

「まさにそう!」


などと言えますか?


わたしはイヤですねぇ・・・

もしも「ガス室」「スラム街」どちらかしか選択肢がなければ、わたしはスラム街を選ぶと思いますねぇ・・・



●勘違いしていませんか?


多くの方が勘違いしていると思うことがあります。

保健所で命の期限を「あと3日」などと書かれた檻の中・・・冷たい濡れたコンクリートの床の上にいる犬たちに、「その日」以降も生きるチャンスを与えること・・・

これが、保護団体の一番大きな役割です。

チャンスをもらえなければ、そこでその犬はジ・エンドです。

でも、チャンスをもらった子は、もしかすると温かい家庭で優しい飼い主さんとの暮らしを手に入れることができるかもしれませんし、そうはならないかもしれません。

でも、少なくともなんの抵抗もできない状態で人間によって


「ハイ、時間切れ~、キミの命は今日で終了~!(プッシュ~~~)」


なんて殺されることだけは免れるんです。



つまり、保護団体はガス室送りが決定した子たちが命を繋ぐ難民キャンプのような存在だということです。

保護団体は新しい飼い主として、その子たちを家族に迎え入れているのではありません。


そこの住環境は、保健所の冷たい濡れたコンクリートよりもちょっとだけマシなカーペットの敷かれた床というだけの違いかもしれませんが、少なくとも「その日」が来ても殺されはしない・・・それだけの場所なのですよ。

だから保護団体の人たちは、必死で新しい家族になってくれる人を探しているのではないですか・・・

そして、到底新しい家族が見つかりそうもないような狂暴な子たちにも餌をあげ、生かしているのではないですか・・・



●わたし自身の思い


わたしは、ピースワンコジャパンの現状について、決して「素晴らしい」とは思っていません。

悲惨な状況でしょう。

それが現実です。

でも、わたしはそれに対して何もしていない。

だから何も口を挟む権利はないと思っています。


ピースワンコジャパンを告発している人たちは、口をはさむことでピースワンコジャパンのスタッフが犬に割くべき時間を自分たちへの回答書作成などに忙殺させているばかりでなく、刑事告発までしているのですから、少なくともご自分たちはあの犬たちに何をしてあげるのか、ハッキリと表明する責任があるのではないでしょうか。


たとえば・・・


①現在ピースワンコジャパンにいる犬たちを全頭自分たちで引き取って、責任を持って素晴らしい環境で飼育することを約束します。
その暮らしぶりを常に全国の人々に公開します。


あるいは・・・


②現在ピースワンコジャパンにいる犬たちを引き取って幸せにすることは自分たちにはできません。
そのため、大半の犬たちはピースワンコジャパンから出して、保健所によって殺処分されるのが妥当と考えます。


そして、


「現在も毎週のようにピースワンコジャパンが救い出している命の期限を迎えた犬たちをどうするるもりなのか」


についても、ぜひ見解を示すべきではないかと思います。


「法改正されるまでは、当面は放置するしかないと考えています」


ということになるのでしょうか・・・


非難するだけで、ご自分たちが何をなさるかを表明しないのは、わたしにはフェアではないようにしか見えません。


なぜ、矛先がピースワンコジャパンに向かうのですか?

遺棄される犬が絶えない元凶を生み出しているシステムの本当の黒幕ではなく、殺処分から救い出している団体に牙を剥くのですか?


どうかお願いです。

冷静になってください。

目を覚ましてください。





<今日のPetHotel11!>

S弟くん「姉ちゃん、今日は暖かいね」
H姉ちゃん「そだね・・・Sは今日もリードがネジネジだね」
S弟くん「もちろんさっ♪」

H姉ちゃん「ちょっと!ワタシがすごーく小さく見えちゃうから
そこに立つのやめて~」
S弟「だって姉ちゃん小っちゃいじゃないか」

Sくん脚ながっ!!

Hちゃん、安心してね。
ホラ、この写真のナツなんか・・・
( ̄m ̄〃)ぷぷっ! ”としお”のウンチじゃないからね~

Aくん 今日は日帰りなんだって!

ウリくんも来てくれたよ~♪
Aくんがこんな風にウリくんを遊びに誘うなんてねぇ・・・

そして、ウリくんは最近すっかり落ち着きが
出てきたんだよねぇ~・・・
感慨深いねぇ~~~~(←歳なのか?)

チワワワワ~~~な ナツ と Hちゃん
Aくん「ボクだってチワワの血が入ってるんだ~」

ほ・・・ホントかなぁ・・・(;^ω^)

Cくん「やめて!」

Cくん「写さないで!」

Cくん「ボクの・・・」

Cくん「あ~~~~あああ」

いーじゃない、カワイイんだから( ̄▽ ̄)

ウリくん「としお~~~、もう齧るのいいから
追いかけっこしようよ~~」

としお「・・・無心・・・」
(-_-;)

Hちゃん「ヨッコラ・・・」

Hちゃん「ヨッ!!!」

Hちゃん「・・・と~♪」

Hちゃんがやっと土のところに上ると・・・
後ろに大行列ができちゃいました(笑)

としおは、お部屋でもウリくんに遊んでもらって・・・

後ろにドライヤーとバリケンが
不自然な形で置いてあるのはどうしてかっていうと・・・

Kくん「チワッす♪」
Kくんがこの狭い隙間に入り込んで
しまうのを阻止するためなんだよね~!

でも、ご覧の通り・・・阻止できずに
これを乗り越えて入ってしまうKくん
なのでした。怪我しないでね~~ (;・∀・)

シェケナベイベーーーッ!!

YHAAAAAAAAAーーーー!!

ロックなふたり(笑)

午後のおさんぽ♪
Sちゃんとっても上手に歩きました

Kくんも、とっても落ち着いて歩けたねー(^▽^)

エネルギーが有り余っているかと、お散歩2回も
連れていかれたウリくん
ゴールの目前で
「もうくたびれちゃったぁ~~~~」

ごめんごめん、
お庭でもいっぱい遊んでたもんね~~(;^ω^)











6 件のコメント:

  1. 一字一句同感です。周りの人達とちょうど全く同じことを話していたところです。
    この初めての挑戦、失敗もあるかもしれないけど8割野犬をも扱うのは並大抵な苦労ではありません。批判を浴び、告発され、辛いことだらけで何の特にもならないこの活動。それは犬達を助けたい強い志をもってやっておられるとしか思えません。責めるのではなく応援するべきです。
    ガス室の処分の方が云々のくだりは耳を疑いました。この告発が引き起こした
    このあと犬達にくる結果まで考えての行動でしょうか。ピースワンコをなくす機会を強引に決行したとしか思えません。やり過ぎです。残念です。

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    1. コメントをいただいていたのに気づくのが遅れ(遅れすぎですね)大変失礼しました。
      正直、わたしも去勢避妊をした方がいいとは思っていますし、もう少しいい環境になればいいとは思っていますが、責めるべき相手は別ですよね・・・本当に残念ですね。

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  2. たまたま通りかかって読ませていただきました。屁理屈と歪んだ解釈に驚きました。告発した側の方達を気に入らないことは読んでいて伝わりましたが、中途半端な情報と偏った見方を持ったまま発信するとミスリードを招きかねません。難民キャンプの例えも適切ではないですね。管理動物は環境も管理者も何一つ自分で選択することができないのですから。残念です。

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    1. 貴重なコメントをいただきながら、気づくのが遅くなりお返事できなかったことをお詫びいたします。
      屁理屈ですか・・・考え方は人それぞれですね。
      ちなみに、わたしにはロヒンギャのような難民も、好きで難民になっているわけではありませんし選択肢があるようには思えません。

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  3. ピースワンコがこんなことになっていたのを初めて知りました。私はピースワンコにふるさと納税で寄付をしていました。翌年から殺処分がゼロになったと言う通知が来て寄付してよかったなぁと思っていました。
    本当にブログの記事の通りで今ピースわんこを攻撃してその後わんちゃんたちはどうなるのでしょうか?賛同した団体が増えていっていましたがその人たちは保護してくれるのでしょうか?不安がいっぱいです(T T)

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    1. コメントの通知設定を間違っていたため、今頃コメントに気づきました。
      お返事が遅れて申し訳ございません。
      本当ですね。
      攻撃する時間を使って、ぜひ蛇口を締める活動をしてほしいと私も思っています。

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