前回ブログのつづきです。
【愛犬との正しい関係性とは?】
●家来の謀反(むほん)?
前回、ベタな刑事ドラマで犯人を母親が説得するシーンのお話をしましたね。
もし母親が、小さい頃から息子(犯人)を溺愛しすぎるあまり甘やかし放題にしていた・・・というような親子関係だったとしたら、投降の説得はうまくいくでしょーか?
小さい頃から息子が欲しがるものは何でも買い与え、いやがることはさせず、いつも息子のご機嫌を取るような接し方をしていたとしたら、息子は母親のことを自分にとってどういう存在だと認識するでしょーか?
きっと、何でも自分の言いなりになる家来のようにしか思えなくなってしまうのではないでしょーか(-_-;)
そして、説得にやってきた家来(母親)の言葉に、こう応じることでしょう。
「家来の分際でナマイキにもオレに指図しようってのか?!
うるせえくそばばぁ!ヽ(`Д´#)ノ」
愛犬を可愛がるあまり気づけば愛犬に振り回され、あたかも愛犬の家来のようになってしまった飼い主さんが、ある日突然しつけに目覚めて急に厳しく接したときの愛犬も、この犯人と同じ様になってしまうかもしれませんね(-_-;)
●愛犬家の間の根強い誤解
「犬に愛情を注ぐ」「愛犬を大切にする」「愛犬を我が子のように可愛がる」「愛犬の意思を尊重する」
どれもとても素晴らしいことですね。
犬の飼い主さんたちには、ぜひそうしていただきたいと思います。
けれども残念なことに、非常に多くの飼い主さんがその意味を
「愛犬を溺愛して過保護にする」
という意味だと誤解されているように感じています。
「愛犬を我が子のように可愛がる」と言いながら、我が子だったら絶対にやらないような甘やかしをしてしまっている飼い主さんがとっても多いんです。
もちろん、人間の子供と犬とは違います。
人間の子供は成長して大人になれば親元を離れて自活しなくてはなりませんし、ほとんどの場合 親は我が子よりも先に死んでしまいますから、それを見越して我が子が立派な社会人になれるよう厳しくしつけることの必要性を多くの親たちは自覚していますね。
ところが犬は一生を自分たちの手元で過ごします。
だから、どんなに甘やかしても構わないだろうと思って飼い主さんたちはついつい過保護な接し方をしてしまうのかもしれません。
けれども「犬に愛情を注ぐ」「愛犬を大切にする」「愛犬を我が子のように可愛がる」「愛犬の意思を尊重する」・・・こういったことと同じくらい、犬の飼い主さんは
「自分の愛犬のしつけに責任をもつ」
という人間社会における義務の重要性を感じていただきたいのです。
そのように溺愛して甘やかし放題にしていた愛犬の問題行動に手を焼いて、結果的に飼育放棄をしてしまう飼い主が後を絶たないのは、まったく本末転倒の事態と言わざるを得ませんね。
今回テーマにしている無駄吠え・・・中でも特に”要求吠え”をしつこくするようになっていしまったワンちゃんの飼い主さんは、御本人が自覚しているか否かにかかわらず、一般的に愛犬に対して過保護傾向にあることをお伝えしておかなくてはなりません。
●正しい関係?
わたしたちのようなケージレスペットホテルでは、大きさも年齢も性格もまちまちのたくさんの犬たちを一緒にお預かりしているため、群の和を乱すような行いを犬たちに許すわけにはいきません。
1匹の犬がひどく興奮し、その興奮や緊張状態が群全体に広がって10頭あまりの犬たちが一斉にパニック状態になってしまったら・・・もはやわたしたち人間にその状態を鎮圧することなど不可能でしょう。
ですから、そのような恐ろしい状態を未然に防がなくてはなりませんね。
すべてはお預かりしている犬たちの安全に関わることだからです。
そのため、群の和を乱すような行いをしている犬がいれば、騒動が大きくなる前に ただちにそれをやめさせる必要があるのですが、その子がわたしたちの指示をまったく聞いてくれなければお話になりません。
そこで、わたしたちはお預かりするワンちゃんとの正しい関係を築くことから始めます。
「正しい関係」というのはどういうことかというと、お預かりしているワンちゃんにお互いの「正しい立場」を理解してもらえている状態のことです。
●具体的に理解してもらうこと
具体的にわたしたちがワンちゃんに理解してもらうことは、以下の通りです。
◇ギブ(与える)
・わたしたちはキミに愛情をかけて大切に扱うよ。
・わたしたちはキミに十分なゴハンを提供するよ。
・わたしたちはキミたちが快適に過ごせる環境を提供するよ。
・わたしたちはキミを危険から守るよ。
・わたしたちはキミをおさんぽに連れて行くよ。
・わたしたちは時間があるときにはキミと遊んだりキミを抱っこしてなでたりするよ。
◇テイク(受け取る)
・ここのリーダーはわたしたちだよ。
・だからここではわたしたちの指示に従ってね。
上記のようなギブ&テイクをワンちゃんが正しく理解してくれても、その子が興奮状態になってしまえば肝心なわたしたちの指示がまったく耳に入らなくなってしまいます。
そのため、上記に加えて次のような法則もバッチリ覚えてもらいます。
◇法則
・うるさく吠えたり興奮して飛びついたりしていると絶対に構ってあげないよ。
・静かに落ち着いた態度で待っていれば構ってあげるしたくさん褒めてあげるよ。
こうしたことをワンちゃんに正しく理解してもらうことによって、ここに滞在しているワンちゃんとわたしたちの正しい関係を築くことができます。
すると、群(お預かりしている全ての犬たち)の安全と平和が保たれるため、結果的にワンちゃんたちはとても安心してリラックスした状態で過ごすことができるようになるということです。
お預かりしているワンちゃんたちはわたしたちの飼い犬ではありませんから、正しい関係を築くために、そうそう時間をかけてはいられません。
初めてPetHotel11!にお泊りするワンちゃんにも、できるだけ早く上記のようなことを理解してもらうためにわたしたちが実践していることを、次回以降なるべく具体的にお話していきたいと思いますので、ぜひ参考になさってみてください。
<今日のPetHotel11!>
朝の海岸さんぽ♪
またお気に入りの枝を拾ったSくん
こうなったらしばらく動きません(-_-;)
当然、としおもあの枝が欲しいけど
Sくん、今日は意地でも渡さん!って決意
M弟くん「としおくん、ダメだよ!」
M弟くん「あんな大きな子の枝を欲しがるなんて・・・」
M弟くん「危ないでしょ?」
としお「ハイ、わかりました」
M弟くん「こうしてボクによって平和は保たれたのでした」
としお「はぁ・・・でもやっぱりあの枝、欲しいです~」
そして因縁のふたりは・・・
お庭でひとつの枝を仲良くガジガジ(笑)
なんて幸せそうに齧るんだ!
まったくこちらを見向きもしない(^o^;)
Mお姉ちゃん、平均台みたいに細いところを
器用に歩いて・・・
ちゃーんとスロープを使うんだよね~
(足ながっ!!)
幼少期を千葉の山奥でひとり過ごしただけあって・・・
としおは枯葉をおふとんだと思っているフシが(-_-;)
チャコ「としお、こんなところで寝ちゃだめだよ」
としお「どうしてですか~~?」
チャコ「まったく・・・困った子ねぇ~」
そういうチャコだって、おさんぽ中に
平気で枝を囓りながら居眠りしようとするクセに~
(・_・;)
午後のおさんぽ
M弟くんは意外と写真好き(笑)
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